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「お台場フィリピン人バラバラ殺人事件」の版間の差分

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2016年8月20日 (土) 17:00時点における版

お台場フィリピン人バラバラ殺人事件(おだいばフィリピンじんバラバラさつじんじけん)とは、2008年4月3日東京都港区台場で発覚した殺人死体損壊事件。

事件の概要

2008年の事件

2008年4月3日午後8時ごろ、六本木フィリピンパブに勤めていた従業員女性A(当時22歳)と連絡が取れなくなったという同僚の連絡を受け、被害者の親族が部屋を訪ねると室内が血まみれになっており同居していた男性N(当時48歳)が消えていたため警察へ通報。

4月6日夜に埼玉県川口市の路上で手首を切って自殺を図っていたNを発見。Nが持っていたメモに書いてあったコインロッカーから被害者の遺体の一部が発見されたため、Nを死体損壊の容疑で逮捕した。

4月11日、さらにNの供述から現場近くの運河から被害者の頭部が発見された。

1999年の事件

Nはかつて1999年に同様の事件を起こしていた。埼玉県草加市で同居していたフィリピンパブの従業員女性B(当時27歳)の遺体をバラバラにし、神奈川県横浜市の運河に遺棄したとして埼玉県警に死体損壊・遺棄容疑で逮捕され、2000年懲役3年6ヶ月の実刑判決を受けた[1][2]。なお、遺体が歯や毛髪しか見つからなかったため殺人での立件は難しいとして見送られた。

出所後

Nは刑務所から出所後にフィリピンパブに通い詰め「チャーリー」という手品師を名乗り、上野の店で働いていた被害者女性と接触。金銭的に余裕があるそぶりを見せ被害者と親密になったとされ、同居後はNが家賃を滞納しトラブルが絶えなかったという[3][4]

裁判

東京地方検察庁は立件できなかった1999年のバラバラ事件についても殺人容疑で立件し、2人の殺人容疑と1人の死体損壊・遺棄容疑で立件、死刑求刑した。

2009年12月16日東京地方裁判所登石郁朗裁判長)は2008年の事件に対して無期懲役、1999年の事件に対して懲役14年の判決を言い渡した[5]。1999年のバラバラ殺人事件がNの出所後に殺人として立件されたため、確定判決前後の罪は併合しないという刑法の規定から、判決を2つに分けて言い渡された。検察・被告双方共に判決を不服として控訴した。

2010年10月8日東京高等裁判所における控訴審判決で、長岡哲次裁判長は1999年の事件については1審の判決を支持したが、2008年の事件に関しては無期懲役とした1審の無期懲役判決を破棄して死刑を言い渡した。判決理由では「犯罪の性質や執拗で残忍な犯行態様、結果の重大性などを考慮すると、被告の罪責は誠に重大。死刑をもって臨むほかない」「殺人と死体損壊、遺棄を一連の行為として評価すべきであり、被告は服役して反省の機会を与えられたのに、より残虐性が強い類似の犯行に及び、矯正可能性は認められない」と判断された[6]

2012年12月14日最高裁判所第2小法廷小貫芳信裁判長)は上告棄却、これによりNの死刑が確定した。判決理由について、「関係が悪化し、自分の思い通りにならないことに激怒して殺害し、遺体を解体しており、残忍で悪質極まりない」とし、以前にも同様の事件で服役し反省の機会があったにもかかわらず、再び犯行に及んだことなどから矯正可能性が認められず、死刑はやむを得ないとした[7]

2016年現在、Nは東京拘置所収監されている。

類似事件

関連項目

脚注

  1. ^ 比人切断遺体で同居男逮捕 死体損壊容疑、以前も実刑 47NEWS 2008年4月7日
  2. ^ 別の比女性殺害で再逮捕…台場の切断事件で起訴男”. ZAKZAK (2008年10月8日). 2012年12月14日閲覧。
  3. ^ 【衝撃事件の核心】フィリピーナ連続猟奇殺人 9年前の事件を警視庁に全面自供した「チャーリー」  (1/5ページ) MSN産経ニュース 2008年10月21日時点でのアーカイブ 2008年10月18日
  4. ^ 【衝撃事件の核心】「だましてもだまされない」…10年前の比女性殺害を一転否認、被告の“法廷戦術”は (1/4ページ) MSN産経ニュース 2009年8月26日時点でのアーカイブ 2009年8月22日
  5. ^ フィリピン人2女性バラバラ殺人 被告の男に無期懲役 東京地裁 MSN産経ニュース 2009年12月19日時点でのアーカイブ 2009年12月16日 2010年5月29日閲覧
  6. ^ 2人目殺害 二審は死刑 比女性事件 併合せず審理 東京新聞 2010年10月12日時点でのアーカイブ 2010年10月9日 2010年10月11日閲覧
  7. ^ 交際中の比女性殺害で死刑確定へ 最高裁が上告棄却”. 47NEWS (2012年12月14日). 2012年12月14日閲覧。