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「赤道」の版間の差分

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== ロケットの打ち上げとの関係 ==
== ロケットの打ち上げとの関係 ==
赤道の近くは[[宇宙機]]を[[ローンチ・ヴィークル|打上げるロケット]]の[[射場]]に(そ宇宙機の目的軌道依存するが(後述))向いる。[[フランス領ギアナ]]の[[ギアナ宇宙センター]](北緯5度3分)や[[鹿児島県]]の[[種子島宇宙センター]](計画当時日本の最南端に近かった)等が例に挙げられる。赤道は地球の自転のおかげで、地球上で一番速く動いており、東へと打ち上げる場合には、その速度を利用することによって打ち上げの燃料が節約できるのである。詳細には、比較的高い軌道でかつ大型の商業衛星の需要が多いため高性能な商業ロケットの最適化対象である、宇宙開発の花形である[[静止軌道]]に代表される[[対地同期軌道]]やその周辺、あるいは、とかくなんでもいいから衛星軌道に上げたいといった場合ある。逆に、宇宙開発の裏の大通りである[[偵察衛星]][[太陽同期軌道]]では優位性は薄く、[[道傾斜角]]のがある[[人工惑星|惑星間宇宙]]に向けた打上げにも優位性い。
赤道の近くは[[宇宙機]]を東向きに[[ローンチ・ヴィークル|打上げるロケット]]の[[射場]]に向いている。赤道は地球自転によって地球上で一番速く東向きに動いており、東へ打ち上げ場合はその速度を利用することによっ打ち上げの燃料が節約できる。赤道に近い位置に射場を建設した例として、[[フランス領ギアナ]]の[[ギアナ宇宙センター]](北緯5度3分)や[[鹿児島県]]の[[種子島宇宙センター]](北緯30度24分、計画当時日本の最南端に近かった)等が挙げられる。比較的高い軌道でかつ大型の商業衛星の需要が多いため高性能な商業ロケットの最適化対象である[[静止軌道]]の周辺、あるいは種別を問わず衛星軌道に上げたいといった場合には、赤道付近からの打ち上げに優位性がある。逆に、[[軌道傾斜角]]の大きなに軌道向けた打上げには優位性が薄い。[[偵察衛星]]や[[地球観測衛星]]に用いられる軌道傾斜角が90度より大きい[[太陽同期軌道]]、[[道傾斜角]]の約23.4度ほど傾いた惑星の公転面にわせる[[人工惑星|惑星間軌道]]への投入には、両極付近や中緯度の射場が適して


== 通過する地域一覧 ==
== 通過する地域一覧 ==

2016年9月20日 (火) 02:45時点における版

線が入っている地球
地球の赤道

赤道(せきどう、あかみち、英語: Equatorスペイン語: Ecuadorポルトガル語: Equador)は、自転する天体重心を通り、天体の自転軸垂直平面が天体表面を切断する、理論上の線。緯度の基準の一つであり、緯度0度を示す。緯線の中で唯一の大円である。赤道より北を北半球、南を南半球という。また、天文学では赤道がつくる面(赤道面)と天球が交わってできる円のことを赤道(天の赤道)と呼ぶ。天の赤道は恒星惑星の天球上の位置(赤緯赤経)を決める基準となる。

以下、特に断らないかぎり地球の赤道について述べる。

概要

ケニアナニュキ近くにある赤道を示す標識

「赤道」という言葉は、古代中国の天文学において太陽が真上を通るとされる地点を天球図で表現する際に赤い線を用いたことが由来である。

赤道の全周長は約40,075km春分秋分の年2回、太陽が真上にくる。

赤道は世界で唯一、太陽が天頂から天底までまっすぐに沈む場所である。そしてそのような場所は理論上、昼の長さと夜の長さが、共に一年を通じて12時間である。しかし実際は大気が太陽光を屈折させるので、2、3分のずれが出る。

かなり厳密に言うと、赤道は理論通りの位置にきっちり固定されているわけではない。実際の赤道面は常に必ず地球の自転軸に垂直をなしているものである。自転軸は、“比較的”安定であるが、極運動という現象によって、自転軸は一年かけて半径約9メートルの円を描く。このため、赤道面も赤道もわずかながら動く。しかし、この移動は繊細な科学調査にのみ関係するほどの、わずかな移動である。

地球で最も気温の高い地域を熱赤道という。熱赤道は季節によって移動する。北半球が冬のときは赤道付近にあるものの、夏になると北緯20度付近にまで移動する。

赤道と気候

赤道上は年間を通じた日射量(面積あたりの日射量)が最も大きい。そのため温暖で、強い上昇気流を生じている。この上昇気流のため低気圧地帯(熱帯収束帯)を生じ、雨量の豊富な熱帯の気候を形成している。

また、赤道付近の上昇気流は激しい渦巻き気流を伴った熱帯低気圧となり、台風サイクロンハリケーンなどとして温帯地域へ波及することがある。

ロケットの打ち上げとの関係

赤道の近くは宇宙機を東向きに打上げるロケット射場に向いている。赤道は地球の自転によって地球上で一番速く東向きに動いており、東へと打ち上げる場合にはその速度を利用することによって打ち上げの燃料が節約できる。赤道に近い位置に射場を建設した例として、フランス領ギアナギアナ宇宙センター(北緯5度3分)や鹿児島県種子島宇宙センター(北緯30度24分、計画当時日本の最南端に近かった)等が挙げられる。比較的高い軌道でかつ大型の商業衛星の需要が多いため高性能な商業ロケットの最適化対象である静止軌道の周辺、あるいは特に種別を問わず衛星軌道に上げたいといった場合には、赤道付近からの打ち上げに優位性がある。逆に、軌道傾斜角の大きなに軌道向けた打上げには優位性が薄い。偵察衛星地球観測衛星に用いられる軌道傾斜角が90度より大きい太陽同期軌道や、赤道傾斜角の約23.4度ほど傾いた惑星の公転面に合わせる惑星間軌道への投入には、両極付近や中緯度の射場が適している。

通過する地域一覧

全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML

赤道は、本初子午線から東に向かって以下の場所を通っている。

地理座標 国土・領土・領海 備考
北緯0度 東経0度 / 北緯0度 東経0度 / 0; 0 (本初子午線) 大西洋 ギニア湾
北緯0度0分 東経6度31分 / 北緯0.000度 東経6.517度 / 0.000; 6.517 (サントメ・プリンシペ) サントメ・プリンシペの旗 サントメ・プリンシペ ロラス島
北緯0度0分 東経6度31分 / 北緯0.000度 東経6.517度 / 0.000; 6.517 (大西洋) 大西洋 ギニア湾
北緯0度0分 東経9度21分 / 北緯0.000度 東経9.350度 / 0.000; 9.350 (ガボン) ガボンの旗 ガボン
北緯0度0分 東経13度56分 / 北緯0.000度 東経13.933度 / 0.000; 13.933 (コンゴ共和国) コンゴ共和国の旗 コンゴ共和国 マクア英語版の町を通過
北緯0度0分 東経17度46分 / 北緯0.000度 東経17.767度 / 0.000; 17.767 (コンゴ民主共和国)  コンゴ民主共和国 ビュトンボの中心部の9km南を通過
北緯0度0分 東経29度43分 / 北緯0.000度 東経29.717度 / 0.000; 29.717 (ウガンダ) ウガンダの旗 ウガンダ カンパラの中心部の32km南を通過
北緯0度0分 東経32度22分 / 北緯0.000度 東経32.367度 / 0.000; 32.367 (ビクトリア湖) ビクトリア湖 ウガンダの旗 ウガンダ領のいくつかの島を通過
北緯0度0分 東経34度0分 / 北緯0.000度 東経34.000度 / 0.000; 34.000 (ケニア)  ケニア キスムの中心部の6km北を通過
北緯0度0分 東経41度0分 / 北緯0.000度 東経41.000度 / 0.000; 41.000 (ソマリア) ソマリアの旗 ソマリア
北緯0度0分 東経42度53分 / 北緯0.000度 東経42.883度 / 0.000; 42.883 (インド洋) インド洋 フヴァドゥ環礁英語版フヴァンムラ環礁英語版の間を通過(モルディブの旗 モルディブ
北緯0度0分 東経98度12分 / 北緯0.000度 東経98.200度 / 0.000; 98.200 (インドネシア) インドネシアの旗 インドネシア バトゥ諸島スマトラ島リンガ諸島
北緯0度0分 東経104度34分 / 北緯0.000度 東経104.567度 / 0.000; 104.567 (カリマタ海峡) カリマタ海峡  
北緯0度0分 東経109度9分 / 北緯0.000度 東経109.150度 / 0.000; 109.150 (インドネシア) インドネシアの旗 インドネシア カリマンタン島 (ボルネオ島)
北緯0度0分 東経117度30分 / 北緯0.000度 東経117.500度 / 0.000; 117.500 (マカッサル海峡) マカッサル海峡
北緯0度0分 東経119度40分 / 北緯0.000度 東経119.667度 / 0.000; 119.667 (インドネシア) インドネシアの旗 インドネシア スラウェシ島
北緯0度0分 東経120度5分 / 北緯0.000度 東経120.083度 / 0.000; 120.083 (トミニ湾) トミニ湾  
北緯0度0分 東経124度0分 / 北緯0.000度 東経124.000度 / 0.000; 124.000 (モルッカ海) モルッカ海  
北緯0度0分 東経127度24分 / 北緯0.000度 東経127.400度 / 0.000; 127.400 (インドネシア) インドネシアの旗 インドネシア カヨア島英語版ハルマヘラ島
北緯0度0分 東経127度53分 / 北緯0.000度 東経127.883度 / 0.000; 127.883 (ハルマヘラ海) ハルマヘラ海  
北緯0度0分 東経129度20分 / 北緯0.000度 東経129.333度 / 0.000; 129.333 (インドネシア) インドネシアの旗 インドネシア グベ島
北緯0度0分 東経129度21分 / 北緯0.000度 東経129.350度 / 0.000; 129.350 (太平洋) 太平洋 ワイゲオ島インドネシアの旗 インドネシア)の570m北を通過
アラヌーカ環礁英語版キリバスの旗 キリバス)の13km南を通過
ベーカー島合衆国領有小離島の旗 合衆国領有小離島)の21km南を通過
北緯0度0分 西経91度35分 / 北緯0.000度 西経91.583度 / 0.000; -91.583 (エクアドル) エクアドルの旗 エクアドル イサベラ島ガラパゴス諸島
北緯0度0分 西経91度13分 / 北緯0.000度 西経91.217度 / 0.000; -91.217 (太平洋) 太平洋  
北緯0度0分 西経80度6分 / 北緯0.000度 西経80.100度 / 0.000; -80.100 (エクアドル) エクアドルの旗 エクアドル キトの24km北を通過。「ミッター・デル・ムンド」の近くを通過。
北緯0度0分 西経75度32分 / 北緯0.000度 西経75.533度 / 0.000; -75.533 (コロンビア)  コロンビア ペルーとの国境の4.3km北を通過
北緯0度0分 西経70度3分 / 北緯0.000度 西経70.050度 / 0.000; -70.050 (ブラジル) ブラジルの旗 ブラジル アマゾナス州
ロライマ州
アマゾナス州
パラー州
アマパー州
パラー州 - アマゾン川河口の島を通過
北緯0度0分 西経49度20分 / 北緯0.000度 西経49.333度 / 0.000; -49.333 (大西洋) 大西洋  

通過する国

サントメ・プリンシペロラス島にある、赤道を示すモニュメント

以下の14か国は領土(領海)に赤道が通る。赤道直下の国とも表現する。首都が赤道から緯度1度未満の国は5か国あり、その中でエクアドルのキトが赤道に最も近く南緯0度19分(距離にして40km未満)である。

赤道ギニアはその名前にもかかわらず赤道が通らないが、赤道を挟んでアンノボン島も領土である。

下記の国は、赤道が海上の国境となっている。

関連項目