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「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」の版間の差分

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: (成長率:高、占有率:高)
: (成長率:高、占有率:高)
: 成長率・占有率ともに高く資金流入も大きいが、競合も多く、占有率の維持・拡大に多額の追加投資を必要とする。高シェアを維持し続けることで「金のなる木」へと育てるべきであるが、シェアが低下すれば「負け犬」となる。製品ライフサイクルにおける導入期 - 成長期に属する。
: 成長率・占有率ともに高く資金流入も大きいが、競合も多く、占有率の維持・拡大に多額の追加投資を必要とする。高シェアを維持し続けることで「金のなる木」へと育てるべきであるが、シェアが低下すれば「負け犬」となる。製品ライフサイクルにおける導入期 - 成長期に属する。
; 問題児 (problem child)
; 問題児 (question mark)
: (成長率:高、占有率:低)
: (成長率:高、占有率:低)
: 成長率が高い半面、占有率が低い分野。多額な投資資金が必要な一方、多くの資金流入は見込めない。占有率を高めることによって「花形製品」となるが、シェアの低いまま成長率が鈍化すれば「負け犬」となる。製品ライフサイクルの導入期 - 成長期に属する。
: 成長率が高い半面、占有率が低い分野。多額な投資資金が必要な一方、多くの資金流入は見込めない。占有率を高めることによって「花形製品」となるが、シェアの低いまま成長率が鈍化すれば「負け犬」となる。製品ライフサイクルの導入期 - 成長期に属する。

2016年11月1日 (火) 07:40時点における版

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(略称PPM)とは経営資源を最適に配分することを目的として、ボストン・コンサルティング・グループが1970年代に提唱したマネジメント手法。製品ライフサイクルと製品製造現場における経験曲線効果の概念を元にした経営理論。GE社のマネジメントスクリーンはこれを応用して開発されたもの。

一般的な方法としては、図表の縦軸に市場成長率を、横軸に相対的マーケットシェア(市場占有率)をおいて、現在の自社の事業や商品・サービスが図のどこに位置するかを分析して、その結果を基に、各事業毎の方向性と経営資源配分のウェイト付けを行なう。

各項目と特性

PPMの例

市場成長率、市場占有率それぞれの高低により4つの象限(項目)に分類する。

金のなる木 (cash cow)
(成長率:低、占有率:高)
市場の拡大が見込めないため追加的な投資があまり必要でなく、市場シェアの高さから大きな資金流入・利益が見込める分野。製品ライフサイクルにおける成熟期 - 衰退期に属する。
花形製品 (star)
(成長率:高、占有率:高)
成長率・占有率ともに高く資金流入も大きいが、競合も多く、占有率の維持・拡大に多額の追加投資を必要とする。高シェアを維持し続けることで「金のなる木」へと育てるべきであるが、シェアが低下すれば「負け犬」となる。製品ライフサイクルにおける導入期 - 成長期に属する。
問題児 (question mark)
(成長率:高、占有率:低)
成長率が高い半面、占有率が低い分野。多額な投資資金が必要な一方、多くの資金流入は見込めない。占有率を高めることによって「花形製品」となるが、シェアの低いまま成長率が鈍化すれば「負け犬」となる。製品ライフサイクルの導入期 - 成長期に属する。
負け犬 (dog)
(成長率:低、占有率:低)
市場占有率が低く、今後の市場成長率も見込めないため撤退が検討されるべき分野。製品ライフサイクルにおける成熟期 - 衰退期に属する。

PPMの限界

事業分野を成長率と占有率の2軸で4つのいずれかに分類するのは分かりやすい半面、事業戦略としては単純化しすぎているとして、下記の課題が残るとされている。

  • 各事業分野は相互に関連する例が多く、PPM以外にも考慮すべき要因が多数ある。
  • 例え「負け犬」や「問題児」に分類される分野であっても、「花形製品」や「金のなる木」のシェア維持に貢献する分野もあるので、単純に区別できない。例えば補完財など。
  • 投資を抑えるべき「金のなる木」であっても自動車産業のように、HVやEVなどのイノベーションで競争条件が変更されたり、市場成長率がさらに高まる可能性もある。
  • 「負け犬」に分類された事業分野における社員のモチベーションが低下する問題。

関連項目

出典