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2017年4月7日 (金) 15:39時点における版
JR北海道の車両形式(JRほっかいどうのしゃりょうけいしき)は、北海道旅客鉄道に在籍する、あるいは在籍した鉄道車両の一覧である。
概要
すべての車両が厳冬期においても性能の余裕が確保された設計となっている。
北海道の鉄道車両は、冬季の厳しい自然環境に対応するため、日本国有鉄道(国鉄)時代から独自の改造や専用形式の導入などが行われ、趣味の世界では「北海道型」と呼ばれるジャンルが確立されるほどその認知度は高い。国鉄末期から民営化後はより独自性、地域性を打ち出した車両設計で、個性的な車両の登場が続いている。
それらに共通する特徴は、視認性確保のため多灯とされた前照灯、シールや気圧のコントロールによる軽い(含水率の低い)雪の侵入防止策、各所に設けられたヒーターや耐雪ブレーキなどの凍結防止対策、増解結を容易に行うための先頭車両貫通構造、それに伴う前面強化と着雪を防ぐ形状を両立させた前頭部のデザインなど、非常に特徴が多く、規格型車両によるOEM化が進む昨今の車両にあって異色の存在として注目される。北海道管内の車両は国鉄時代以来、吹雪による視界不良対策として全先頭車の窓上部分に前照灯の装備が義務付けられており、これはJR北海道保有車両に限らず、同じく北海道のみで運用される日本貨物鉄道(JR貨物)のDF200形ディーゼル機関車にも該当する。さらにキハ283系気動車以降の新車ではディスチャージヘッドランプが標準装備されている。なお、現存するすべての旅客車両は片開き扉(引き戸またはプラグドア)を有し、両開き扉や折り戸を有する車両は存在しない。JR北海道に在籍する電車はすべてワンマン運転に対応しないため、利用者の少ない時間帯は電化区間のみの列車であっても気動車で運転されることが多い。
2004年(平成16年)秋から2006年(平成18年)初頭にかけて、JR北海道に在籍するすべての電車のパンタグラフは下枠交差式からシングルアーム式に交換された。もともと北海道では、本州の重い雪(北海道の雪は含水率が低く、軽いうえに低温環境では金属などにも付着しない)にも対応できるパンタグラフに、さらに凍結対策を施したものが使われていたため、冬季にも強いものであったが、シングルアーム式の軽量ゆえの追従性の高さ、保守品の共通化など、導入・維持両面で(コスト)メリットがあるとの判断から、また、冬季の実績も確認できたこともあり、切り替えられることとなった。
JR北海道の公式文書では、気動車の形式は「キハ」を付けずに「○○○系気動車」と表記される。しかし、慣例的なものや、JR他社も含めた同形式の電車との混同を防ぐため、一般的には「キハ○○○系」と呼ばれることが多い。
現行車両
蒸気機関車
ディーゼル機関車
電車
気動車
- 特急形
- 通勤形
客車
貨車
廃止車両
蒸気機関車
電気機関車
ディーゼル機関車
電車
気動車
- 急行形
- 特殊車両
- デュアル・モード・ビークル(DMV形)
客車
貨車
- 長物車
- チキ5500形
- チキ7000形
- チ50000形・チラ50000形(元・青函トンネルレール敷設工事用、北海道ジェイ・アール商事所有)
- 車掌車
開発中止された車両
気動車
- 特急形
- キハ285系
解体中のキハ285系(2017年3月) - スピードアップと省エネルギー化を両立させる次世代特急車両として開発を進めていた特急形気動車。
- JR北海道と川崎重工業との共同開発による、振り子式車体傾斜システムと空気バネ式車体傾斜システムを組み合わせた「ハイブリッド車体傾斜システム」[1]、およびJR北海道と日立ニコトランスミッションとの共同開発による「鉄道車両用モーターアシスト式ハイブリッドシステム」[2]を搭載し、2011年4月から試験車の設計・製作に着手した。
- しかし、開発当時JR北海道管内で不祥事が続発したため「現状としては、『安全対策』と『新幹線の開業準備』に限られた『人』『時間』『資金』等を優先的に投入する必要がある」と判断、「コストとメンテナンスの両面から過大な仕様であること」「速度向上よりも安全対策を優先すること」「従来形式での車両形式の統一によって、予備車共通化による全体両数の抑制と機器共通化によるメンテナンス性の向上が図られること」として、試作車落成直前の2014年9月10日に開発の中止を発表した[3][4]。
- 老朽化した特急形気動車の置き換えにはキハ261系の製作継続で対応することが明らかにされていたが、この時点で製作されていた現車(3両編成:キハ285-901+キハ284-901+キハ285-902)は同月26日に川崎重工業を出場し、苗穂工場まで甲種輸送された[5]。その後は苗穂工場内で試運転を行った後[6]、同年10月31日付で札幌運転所に新製配置され[7]、本線試運転も実施した[8]。
- その後、試作車については、在来線用総合検測車への転用が検討されていた[4]が、本形式を検測車へ改造するための莫大な費用の捻出が難しく、社内から「新造車を購入する方が安上がり」と指摘があったため、検測車としての転用は断念することとなった[9]。JR北海道は「今後の活用法について検討中」[9]としていたが、試作車は2015年3月31日付で車籍抹消(廃車)となり[10]、2017年3月に解体された[11]。
- キハ285系
脚注
- ^ "世界初の「ハイブリッド車体傾斜システム」の開発に成功!" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 8 March 2006. 2014年11月28日閲覧。
- ^ "世界初の環境に優しい『モータ・アシスト式ハイブリッド車両』の開発に成功!" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 23 October 2007. 2014年11月28日閲覧。
- ^ "新型特急車両の開発中止について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 10 September 2014. 2014年11月28日閲覧。
- ^ 鉄道ファン (雑誌) (2014年9月27日). “キハ285系3両が甲種輸送される”. railf.jp(鉄道ニュース) (交友社) 2016年5月3日閲覧。
- ^ 鉄道ファン (雑誌) (2014年10月9日). “キハ285系が苗穂工場で試運転”. railf.jp(鉄道ニュース) (交友社) 2016年5月3日閲覧。
- ^ 『鉄道ファン』2015年7月号、交友社、2015年、付録p.35
- ^ 鉄道ファン (雑誌) (2014年10月9日). “キハ285系が本線試運転”. railf.jp(鉄道ニュース) (交友社) 2016年5月3日閲覧。
- ^ a b “新型特急285系 未使用で廃車へ 開発に25億円 JR北海道”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2016年4月26日). オリジナルの2016年4月26日時点におけるアーカイブ。 2016年5月3日閲覧。
- ^ 『鉄道ファン』2016年7月号、交友社、2016年、付録p.37
- ^ “開発費25億円の夢、鉄くずに JR北海道、新型特急試作車を解体”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2017年3月3日) 2017年3月3日閲覧。