「MiG-23 (航空機)」の版間の差分
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2017年4月27日 (木) 11:02時点における版
MiG-23/МиГ-23
MiG-23(ミグ23;ロシア語:МиГ-23ミーグ・ドヴァーッツァチ・トリー)は、ソ連のミグ設計局が開発した戦闘機。MiG-21の後継機となり、アルチョム・ミコヤンが最期に手がけた機体であった。北大西洋条約機構(NATO)の使用するNATOコードネームはフロッガーA/B/E/G/K/C(Flogger)。
1967年4月3日(23-01のもので、この機は可変翼機ではない)に初飛行した。また、MiG-27(МиГ-27)はMiG-23の発展型で、ソ連国内向けの戦闘爆撃機として開発された。
概要
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/17/MiG-23_NTW_1_94.jpg/235px-MiG-23_NTW_1_94.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/85/Aircraft_engine_MiG-23_sweep_wing_mechanism.jpg/250px-Aircraft_engine_MiG-23_sweep_wing_mechanism.jpg)
開発
1960年代にミグとスホーイ両設計局がSTOL用リフトエンジン搭載有尾翼デルタ翼機と可変翼機の製作を指示されたのが始まりである(ミグは1960年代初めから可変翼機の研究をしていたが、当時は技術的に困難であった)。ミグは新型機を製作するにあたり、リフトエンジン2基を搭載する実験機23-31(MiG-21DPD)を1966年に製作し、この機体のデータを基にしたSTOL機23-01(MiG-23DPD)と、可変翼の23-11[1](MiG-23)を同年に製作した。翌年の実験で23-01が機体重量と機内空間が有効に使用できないことや飛行時での不安定性があり、整備面でもこの方式が実用的でないことが判ると、23-11が採用された。
可変翼は、胴体中央にある固定翼部外側にビポット軸を取付けて、その外側にある外翼部がビポット軸を回転軸として回転することで後退角を変化させる仕組みとなっており、アメリカ合衆国の開発したF-111戦闘攻撃機(戦闘爆撃機と呼ばれることもある)やF-14戦闘機、ヨーロッパで共同開発されたトーネード攻撃機など1960年代後半から1970年代前半の軍用機に共通する特徴で、このような航空機は可変翼機と呼ばれている。この時期の軍用機は敵に滑走路を破壊された場合の対処方法を重要視して設計されており、離着陸距離を短縮できる可変翼機や滑走路を必要としないVTOL、STOL機に大きな関心が集まっていた。可変翼は、高速で飛行する際は翼を後退させて抵抗を減らし、離着陸や低速飛行の際は前に広げて揚力を大きくすることができるため、MiG-23も可変後退翼の採用によって、離着陸距離を短縮している。
ただしF-14の可変後退翼はさらに進歩しており、後退角や後縁フラップを自動コントロールにして空中格闘戦能力が大幅に向上していた。一方後退角を手動で制御するMiG-23の前期型(MiG-23Mなど)までは格闘戦能力の向上効果は無く、MiG-23の可変翼は、SPK-1システムを介して油圧により16-72度の範囲で後退角が変わるものであったが、戦闘時には主翼を45度の中間位置に固定させるようになっていた。しかし後期型のMiG-23MLDでは、戦闘時の後退角度は33度に変更され、後退角度制御こそ手動のままであるが、前縁フラップは自動制御になり、格闘性能を向上させている。主翼には、後縁に単隙間フラップと上面にスポイラーを装備しており補助翼はなく、前者は前縁フラップと連動して空戦フラップとして機能して、後者は後述の全遊動式の水平尾翼の組合わせにより機体のローリングの操縦を行う。尾翼は前縁後退角65度の垂直尾翼と前縁後退角57度の全遊動式の水平尾翼があり、胴体背部には垂直尾翼まで伸びるドーザル・フィンが取付けられている。後部胴体中心線の下面には、油圧により右側に折り畳まれる構造の大型のベントラル・フィンが取付けられており、離着陸時には、降着装置と連動して作動する。また、水平尾翼下の後部胴体側面の左右にエアーブレーキを装備している。
機首に搭載するレーダーは、初期の機体には、MIG-21と同じJバンドを使用するRP-22サフィール21(NATOコードネーム ジェイ・バード)火器管制レーダーを装備しており、最大捜索距離は29km、目標の最大追跡距離は19.3kmの性能を持ち、全天候迎撃能力は制限されたものであったが、その後の機体には、同じくJバンドのパルス・ドップラー・レーダーを使用した、サフィール23D-Sh(NATOコードネーム ハイラーク)を装備しており、最大捜索距離は80.4km、目標の最大追跡距離は56.3kmと大幅に性能が向上した。その後の発展型には、サフィール23ML(NATOコードネーム ハイラーク2)やルックダウン・シュートダウン能力を付与したサフィール23Pなどの能力向上型を装備している。
武装は、胴体中心線に23mmのGSh-23L機関砲を装備しており、ハードポイントは胴体中央下面・主翼固定部・可変翼に兵装パイロンを装備している。
燃料容量は機内に4,650-4,700ℓを搭載でき、さらに最大で2,370-2,400ℓを増槽に入れて搭載することができる。
MiG-23は本来、前線の制空権を確保するための前線戦闘機であるため、空中戦のみならずある程度の対地攻撃能力も持つよう設計されていた。MiG-23MLなど、後期型では種別は多用途戦闘機に変更されており、アンゴラではMiG-23MLAの対地攻撃能力に対して高い評価が出されている。また、特に対地攻撃を重視した派生型もあり、その内ソ連空軍向けに開発された機体はMiG-27と呼ばれている。一方その輸出向けの機体の名称はMiG-23のままであり、名称の変更の有無はソ連内の予算獲得問題の関係(名称が違うと予算が付きにくい)であったと言われている。
発展
戦闘機型としては、初期レーダー搭載型MiG-21同様のサプフィール21レーダーを搭載した初期生産型のMiG-23S、本来のサプフィール23を搭載し1970年代にソ連空軍の主力となったMiG-23M、及びそのダウングレード・輸出型のMiG-23MSとワルシャワ条約機構向けの輸出型MiG-23MF、機体構造を全面的に見直しエンジンを換装した後期型のMiG-23ML、その防空軍向けの迎撃戦闘機型MiG-23P、それに準じた空軍向けのMiG-23MLA、第4世代機に対応するための改良型MiG-23MLDとその輸出型などがあり、戦闘爆撃機型には輸出向けのMiG-23BN、ソ連空軍向けのMiG-27/K/M/D及びインド空軍向けのMiG-27ML(MまたはLとも呼ばれる)、その他練習機型の前期型MiG-23UBと後期型MiG-23UMなどがある。艦上攻撃機型MiG-27は量産されなかった。なお、攻撃機型MiG-23/27シリーズの国内対抗機と言える機体にSu-17シリーズがある。Su-17シリーズはいずれも前線偵察機としても使用されたが、MiG-23/27シリーズには結局、偵察能力は付与されなかった。
配備
MiG-23は、ブルガリア、ルーマニア、ポーランド、チェコスロバキアといった東側諸国へ相当数が輸出され、その他にはアルジェリア、インドといったアジア、アフリカなどの非同盟諸国やキューバ、アンゴラといった社会主義・共産主義諸国にも輸出された。また、日本周辺では北朝鮮に約46機が配備されており、2003年3月にMiG-29 9-13と共に米軍偵察機RC-135を迎撃、2009年4月5日に行われた北朝鮮によるミサイル発射実験の際に北朝鮮側のMiG-23が周囲を警戒、うち1機が原因不明で墜落した。2010年11月23日に発生した延坪島事件においては、北朝鮮側は砲撃直前にMiG-23戦闘機5機を出動させ、哨戒任務を行っていた。
しかしながら、冷戦終結に伴う各国の予算逼迫と経年化によりMiG-23の多くは既に退役しており、ヨーロッパでは2002年10月のブルガリア空軍からのMiG-23MLA/MLD/UBの退役を最後に姿を消した(但し、同空軍が1機のみ保有していたMiG-23MLはその後も運用されていたという。また、MiG-23BNもしばらくは保管状態であったといわれる)
ウクライナではMiG-23M及び後期型(主としてMiG-23MLD)や複座型、並びにMiG-27(サブタイプ不明)がMiG-21やMiG-29などとともにリヴィウやオデッサの飛行場に列をなしている2005年や2006年の写真が存在するが、運用中であるということではなく近年退役して保管状態にあるものと考えられる。このほか、ビーラ・ツェールクヴァでの保管機、ハルキウでの教材用保管機などが知られる。但し、ウクライナ国防省の公式ページでは現在の運用機に含まれており、一部資料では100機以上が現役にあるとされる。
ベラルーシでの現況は不明であるが、若干機数が保管状態にあるようである。
ロシアではMiG-23MLDを中心に若干数が試験用途などに運用されている模様であるが、本来であれば遙かに多くの機体が第一線、第二戦で運用されているはずであった。ヨーロッパからMiG-23が姿を消していった主な理由は、冷戦終結により単純に作戦機数が過剰となったこと、経済状況の悪化に関連し、可変翼による複雑な機体構造とその維持費の高さの問題、そして欧州通常兵器制限交渉などであった。ロシアに関しては、欧州通常兵器制限条約締結の他に空軍の「以後の作戦機はすべて双発とする」とした決定もあり、1990年代の経済崩壊がさらに退役を早めたといえる。
これら多くの国でMiG-23/27の退役が進む一方、2005年になってアンゴラはロシアに対し自国のMiG-23を能力向上型のMiG-23-98に改修する契約を結んでおり、2007年現在実際に改修されたとされる機体の写真が公表されている。また、リビアのMiG-23MLAもウクライナでオーバーホールを受けている。コンゴ民主共和国では、新規に中古の複座型が導入されている。コートジボワールでは、フランス軍によって破壊された同国のSu-25UB(旧ベラルーシ空軍機)の補完として旧ブルガリア空軍機のMiG-23MLD(輸出型)が輸入されている。世界ではより新しい機体の導入も難しくはなくなっているが、こうした新たな動きから、今後すぐにMiG-23シリーズが世界から全廃されることはないようである。
成績
MiG-23は、モンキーモデルの情報が流れていたこと、同時代のMiG-25がベレンコ中尉亡命事件でその実態が暴かれて評価が下がった影響などがあり、旧来西側からは非常に低く評価されてきた。冷戦終結後その評価は一変し、特に全面的な改設計により大幅に能力を高めたMiG-23ML以降の後期型に関しては、西側のF-4ファントムIIを凌駕する性能を認めた。また、その攻撃力と加速力の高さによりF-16、F/A-18などにとっても脅威になると考えられている。ミグ航空局ではマッハ1前後の加速力はF/A-18を凌ぐとしている(ただしF/A-18は元より遷音速域での加速性能が弱点として挙げられている機体である)。しかしながら、スピードと遠距離からのミサイル攻撃を重視するという設計当時の世界的な潮流に漏れず、MiG-23も空中格闘戦向きの設計にはなっておらず、特にロール率が悪いため、旋回方向をすばやく変えることが出来ない。とは言え、主翼が前進状態であればそれなりに敏捷であり、アンゴラでは、ミラージュIIIやインパラとの至近距離(半マイル(およそ800m)程度と言われる)のドッグファイトで後ろに回りこみ、相手を撃墜している。
実戦においてより大きな役割を果たしたのは攻撃機型で、インドやスリランカ、エチオピアなどでの働きが知られている。
MiG-23は、対戦闘機戦闘においては、使用国自体の体制的な問題もあり、西側製の戦闘機に多くの場合敗れている(アンゴラは、有利な態勢で戦闘を行うことの出来た希な例である)。リビア空軍機をアメリカ海軍機が撃墜したことはアメリカ合衆国によって広く宣伝された。また、イスラエルも同様に自国の戦果を大きく宣伝しており、多数のMiG-23を撃墜し自らの損害はごく僅かであったとしている。中東戦争やその後の消耗戦、イラン・イラク戦争及び湾岸戦争以降のイラクでも多くの機体が撃墜・破壊されたとされている。一方、使用国及びソ連側からは戦果として主張されているケースも少なくない。 なお、重度のプレッシャー下にあることによる戦果の過大な報告に加え、損傷と撃墜・撃破の差異がつかず帰還機が「撃墜」と報告されることも多く、事後にならなければどちらの側の情報も信憑性は高くはないため、実際の「成績」を知ることは著しく困難である。
以下は伝えられるとおりの情報の簡略な紹介である。
- リビア対アメリカ合衆国
- シリア対イスラエル
- 1982年6月のベッカー高原空中戦では、シリア空軍のMiG-23MSがF-16AやF-4Eなど12機を空中戦で撃墜したとシリアによって公表されている。なお、MiG-21もF-15をはじめとする5機を撃墜したとされている。一方、ソ連の資料に拠ればシリア空軍の空中戦の戦果はすべてMiG-23によるものであり、5機を撃墜、損失は6機であった。また、イスラエルに拠れば同国国防軍空軍は十数機のMiG-23を撃墜したとし、空中戦における損害は皆無であったとしている。
- その後もイスラエルとシリア空軍はしばしば衝突を繰り返していたが、ソ連の資料に拠れば、シリア空軍に新型のMiG-23MLが供給されてより短期間のうちに3機のF-15を撃墜し、MiG-23MLの損失は皆無であったとされている。ただし、このF-15の撃墜に関しては、ミサイルが刺さったまま帰還した例など複数あり、これらの事象もあって、日本をはじめとする西側諸国では、F-15は自軍機による撃墜を除くと一度も撃墜されたことのない「無敵の戦闘機」であるとされており、イスラエルの記録ではMiG-23全機種を通算して20機以上の撃墜が報告されている。
- イラン・イラク戦争
- 湾岸戦争
- 1991年1月17日から始まった湾岸戦争においては、開戦初日にイラク空軍のMiG-23MLがイタリア空軍のトーネード1機を撃墜したと主張されている。実際、同日にイタリアのトーネード1機が原因不明の未帰還となっているので、イラク側の主張が正しい可能性はあると思われる。但し、MiG-29によるとする説もある。一方多国籍軍は、合計8機のMiG-23を空中戦で撃墜したと主張している。
- なお、湾岸戦争前に海外へ補修などに出されていたイラク空軍の機体は、東ドイツへ渡されていたMiG-21bisをはじめどれも本国に返還されなかったが、MiG-21bis/UMなどとともに1機のMiG-23MLAもユーゴスラビアから返還されなかった。この機体は他のMiG-21などとともにユーゴスラビア空軍及び防空軍に編入されたのち、現在ではセルビアの博物館に野外展示されている。
- アンゴラ
- アンゴラでは、同国空軍及び支援していたキューバ空軍のMiG-23が南アフリカ共和国のインパラやミラージュF.1CZとしばしば空中戦を行った。こうした中、南アフリカもインパラ、ミラージュF1各1機の損失を認めている。
- インパラは練習機兼用の攻撃機でMiG-23の方が圧倒的に高い能力を持っているものの、MiG-23とミラージュF1とでは機体の決定的な性能差はなく、むしろ南アフリカの搭載ミサイルであった短射程ミサイルR550マジックとアンゴラが使用したR-24の差異に拠るところが大きいと言われる。なお、アンゴラのMiG-23の機上レーダーは南アフリカの戦闘機のレーダーより高性能であったが、その稼働率は極めて低く、レーダーの性能差によるアドバンテージは得られていなかったと考えられている。また、これと関連し、レーダー誘導ミサイルの稼働状況も万全なものではなかったとの説もある。
- 戦果の一方で、当時最新型のMiG-23MLAをはじめ数機が南アフリカ共和国軍の戦闘機の機関砲によって損害をうけており、また、地対空ミサイルの攻撃により撃墜されている。なお、アンゴラではキューバ空軍のMiG-23BNも活動していた。
- 冷戦が終了するとキューバは撤退したが、そのためアンゴラ政府軍は苦境に立たされた。アパルトヘイトの廃止後南アフリカ共和国と停戦したアンゴラ政府は、1990年代半ばより南アフリカ共和国の元軍人の創設した民間軍事会社エグゼクティブ・アウトカムズ社に支援を求め、アメリカ合衆国のCIAの支援により政府に対するテロ行為を行ってきた反政府ゲリラに対する戦闘を続行した。その結果政府軍はゲリラ側を圧倒し、どうにか和平に漕ぎ着けることに成功した。この戦闘において、南アフリカ共和国空軍の元パイロットであった社員はかつての敵機MiG-23MLAに対し、特に23mm連装機関砲の対地攻撃における威力は素晴らしいという評価を下している。また、同じく傭兵としてMiG-23MLAに搭乗したオランダのパイロットは、自身が操縦したF-16Aと比べて、垂直面の運動性はMiG-23が勝り、水平面での運動性も劣らないと評している。
- なお、アンゴラでは1990年代以降中古のSu-27SKやSu-25を導入しているが、これらは古いMiG-21MF/bisやSu-22(Su-17M2の輸出型)などの代替であり、MiG-23MLAはMiG-23-98仕様に改修されて今後も使用される予定である(MiG-23MLAより古いMiG-23MFについては不明)
- ソ連のアフガニスタン侵攻
- 大韓航空機撃墜事件
- アフリカの角
- エチオピアは隣国エリトリアとの戦争においてMiG-23BNを航空戦力の主力としていた。一方、エリトリアもMiG-23BNを用いエチオピア側を攻撃した。
- スリランカ
- インド対パキスタン
- リビア
- リビアとエジプトやチャドとの戦闘でもリビア空軍のMiG-23が使用されたとされている。2011年リビア内戦では、MiG-23MLなどが多国籍軍の戦闘機などと交戦し多数を撃墜したものの、1機が空戦の末に撃墜されている。
- 朝鮮民主主義人民共和国
バリエーション
本機には細かいNATOコードネームが付けられていた。詳しくはフロッガーを参照。
試作型
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f5/MiG-23Prototyp.jpg/250px-MiG-23Prototyp.jpg)
- 23-01(MiG-23PD、МиГ-23ПДミーク23ペデー、Ye-230)
- 23-0123-01の三面図
- STOL試作戦闘機。MiG-21と同じ、尾翼付きデルタであるが、胴体側面に円形の空気取り入れ口を配置し、機首に大型のレドームを備えていた。武装は2連装23mm機関砲を搭載。主エンジンはMiG-21が装備していたR-11F2S-300を改設計したR-27-300(推力7,800kg)で、胴体内にリフトエンジンとして2基のコリェソフRD-36-35(推力2,350kg)を装備していた。1967年4月3日に初飛行して以来、数回実験を行うが、リフトエンジンが飛行中に完全な死重となることに加え、リフトエンジンに機体内部空間を割り当てねばならぬため燃料や機材の搭載量が限定されるなどの不都合が多いことがすぐに判明。こうした欠点に加え将来の発展性も失望されたため、開発中止となった。1967年7月のドモデドヴォ航空ショーに登場した際、西側はNATOコードネーム「フェイスレス(Faithless:不信心者)」と名付け、本機がソ連の次期戦闘機の有力候補と見ていた。
- 23-11(MiG-23、МиГ-23ミーク23、Ye-231)
- 可変翼試作戦闘機。技術的問題から開発の遅れていたレーダーを搭載しておらず、機体性能の試験機として用いられた。エンジンは23-01と同じR-27-300。1967年6月10日に初飛行。上記の23-01が開発中止になったため、本機が採用された。
- 23-31(MiG-21PD)
- MiG-21を改造したVTOL研究機。
初期型
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9e/Mig-23s.jpg/250px-Mig-23s.jpg)
- MiG-23S(МиГ-23Сミーク23エース)
- 前線戦闘機として開発された初期量産型。所期の高性能レーダーが間に合わなかったため、当時のMiG-21に搭載していたのと同じサプフィール21(RP-22)レーダーを搭載していた。このため戦闘能力は限定的で、MiG-23の主兵装となるはずであった中距離ミサイルも使用できず、赤外線誘導式のK-13(AA-2)AAM(空対空ミサイル)を4発搭載した。ミサイルの誘導装置としては、デーリタNとラズーリSが搭載された。エンジンはR-27が搭載された。1969年から1970年にかけてモスクワのズナーミャ・トルダーで少数が生産されたのち、主として練習機として使用された。の1年後には、システムのアップグレードや改善などを行った機体に生産が変更となり、名称がMIG-23SMに変更となった。、NATOのコードネームフロッガーAの名称が与えられた。
- MiG-23UB(МиГ-23УБミーク23ウベー)
- MiG-23Sをもとに開発された複座の戦闘訓練戦闘機で、転換用高等練習機としても用いられた。レーダーは装備しないものの、限定的な戦闘能力は有していた。だが、MIG-23ML以降のレーダー誘導を使用する中射程のAAMでの射撃訓練に使用される際には制約が発生するため、レーダー波照射ボットを搭載した。量産機では機体構造は中期型に準じたものに修正され、エンジンはR-27F2M-300となり主翼も張り出しのあるものに変更された。複座型は、他機種におけるのと同様「スパールカ」の愛称で呼ばれた。生産は1970年から1978年までイルクーツクのイルクーツク航空機工場で行われた。NATOのコードネームはフロッガーC
中期型
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/57/MiG-23-red12.jpg/250px-MiG-23-red12.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/83/MIG_23_MF_Poland_0012.jpg/250px-MIG_23_MF_Poland_0012.jpg)
前線戦闘機として開発された。
- MiG-23M(МиГ-23Мミーク23エーム)
- ソ連国内向け型。エンジンはR-29B-300となり、主翼の可変翼の前縁付け根部には半円形の切り込みが付けられており、可変翼を後退させるとドッグトゥースを形成して翼端失速を防いでいる。機首の火器管制レーダーはパルス・ドップラー・レーダーのサプフィール23D-Shレーダーを搭載した。このレーダーは、アメリカのF-4Jに搭載されていた、AN/AWG-10レーダーから取得した情報を基に開発されたと言われており、射程外射程(BVR)AAMのR-23(AA-7)が搭載可能となり、MiG-21クラスの目標であれば距離55kmで探知可能で、35kmの距離からR-23により攻撃することが可能となった。このレーダーの搭載により、機首部の電波透過材部の形状が大幅に変更となった。また、初めて本格的な採用となった赤外線探知装置としてTI-23を装備した。これは、のちにTI-23-1によって更新された。ミサイル誘導装置としては、デーリタNGとラズーリSMが搭載された。NATOのコードネームはフロッガーB。
- MiG-23M(E)(МиГ-23М(Э)ミーク23エメー)
- 輸出型。ワルシャワ条約機構外への輸出用で、機体能力は大幅にダウングレードされていた。サプフィール21レーダーを装備し、赤外線探知装置は装備しなかった。赤外線誘導型のR-23Tは運用可能であったものの、レーダー誘導型のR-23Rは運用できなかった。主としてアラブ諸国で運用された。輸出は1973年より開始された。
- MiG-23MS(МиГ-23МСミーク23エメース)
- 輸出型。サプフィール21を装備した。ワルシャワ条約機構外への輸出用で、エンジンがR-27、レーダーが「ジェイバード」になるなど、機体能力は大幅にダウングレードされていた。サプフィール21レーダーを装備した。赤外線誘導型のR-23Tは運用可能であったものの、レーダー誘導型のR-23Rは運用できなかった。主としてアラブ諸国やアフリカ諸国で運用された。輸出は1973年より開始された。
- MiG-23MF(МиГ-23МФミーク23エメーフ)
- ワルシャワ条約機構向け輸出型。MiG-23Mとほぼ同規格の機体で、MiG-23Mと同じサプフィール23Dレーダーを搭載した。輸出は1977年より開始され、のちにワルシャワ条約機構外へも輸出された。
戦闘爆撃機型
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/00/Mig-27.jpg/250px-Mig-27.jpg)
戦闘爆撃機として開発された。
- MiG-23B(МиГ-23Бミーク23ベー)
- MiG-23MSをもとに開発された初期型。ソーコル23S照準システムフォーン・レーザー測距儀などの対地攻撃用機器を装備した。エンジンは国内対抗機のSu-17Mと同じAL-21F-3が搭載された。1971年に初飛行し、1972年から1973年にかけて24機がモスクワのズナーミャ・トルダーで生産された。これらは実際に部隊配備され、習熟訓練に用いられた。
- MiG-27(МиГ-27ミーク27)
- ソ連国内向け型。
- MiG-23R(МиГ-23Рミーク23エール)
- 前線偵察機型。Su-17シリーズが偵察機として十分な能力を発揮したため不要となり、計画のみに終わった。
- MiG-23BK(МиГ-23БКミーク23ベカー)
- ソ連国内向け型。1974年に初飛行し、1976年から1982年までの間に197機が製造された。1980年にMiG-27Kと改称された。
- MiG-27K(МиГ-27Кミーク27カー)
- ソ連国内向け型。
- MiG-27R(МиГ-23Рミーク23エール)
- 前線偵察機型。Su-17シリーズが偵察機として十分な能力を発揮したため不要となり、計画のみに終わった。
- MiG-27M(МиГ-27Мミーク27エーム)
- ソ連国内向け型。MiG-27Kを補完する目的で開発されたややグレードの劣る派生型。1976年に初飛行し、1978年から1983年までの間にウラン・ウデのウラン・ウデ航空機工場で162機が製造された。
- MiG-27D(МиГ-27Дミーク27デー)
- ソ連国内向け型。MiG-27をMiG-27M仕様に改修したもの。
- MiG-27MLバハドゥール(МиГ-27МЛ БАХАДУРミーク27エメール・バハドゥール)
- 輸出型。1986年に初飛行した。生産・運用国のインドではMiG-27Mバハドゥールと呼ばれている。
後期型
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e8/MiG-23ML_332.jpg/250px-MiG-23ML_332.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7e/Mikoyan-Gurevich_MiG-23MLD_Flogger_K_USAF.jpg/250px-Mikoyan-Gurevich_MiG-23MLD_Flogger_K_USAF.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/58/MIG-23-hatzerim-1.jpg/250px-MIG-23-hatzerim-1.jpg)
主として、迎撃任務もこなせる高規格の多目的戦闘機として開発された。
- MiG-23A(МиГ-23Аミーク23アー)
- 前線戦闘機として開発された試作型。
- MiG-23ML(МиГ-23МЛミーク23エメール)
- 後期型の初期型。垂直尾翼前縁から胴体背部まで伸びていたドーザル・フィンが大型化され、機体構造の軽量化と主翼の前縁フラップを強化しており、飛行性能は飛躍的に向上したとされる。火器管制レーダーは能力向上型のサプフィール23MLレーダーが搭載された。これにより、85km先の目標を探知可能となり、新しいR-24Rミサイルの搭載により、55kmの距離から攻撃が可能となった。赤外線探知装置も新しく更新され、TI-23Mの装備により35km先の目標を探知可能となり、赤外線誘導方式のR-13TAAMによる長射程迎撃能力を有している。ミサイル誘導装置は、ラズーリSMLに更新された。機体後部にあるエアーブレーキの前に、レベールNレーダー警戒装置のセンサーを収容したブリスター型のフェアリングが取付けられ、敵味方識別装置のSPO-2Mを装備して、戦闘能力が大幅に向上した。エンジンも当時としては非常に高出力な部類に入る、アフターバーナー時推力12990kg(127.4kN)のR-35-300が搭載されており、胴体中心線下面には、23mm機関砲を収容したUPK-23-250ガン・ポッドを搭載できるようになった。1974年より生産された。NATOのコードネームはフロッガーG
- MiG-23UM(МиГ-23УМミーク23ウエーム)
- 複座の戦闘訓練戦闘機で、MiG-23ML仕様としたもの。
- MiG-23P(МиГ-23Пミーク23ペー)
- ソ連国内向け型。低空目標の迎撃用に用いられた迎撃専用型で、MiG-23MLに自動操縦装装と連結したデータリング装置を装備して、火器管制レーダーはルックダウン・シュートダウン能力を付与した改良型のサフィール23Pが搭載されていた。赤外線探知装置も更新され、MiG-25PDのものに準じたTI-26の装備により60km先の目標を探知可能となった。1977年より生産され、ソ連防空軍で使用された。
- MiG-23MLA(МиГ-23МЛАミーク23エメラー)
- 後期型の中期型。MiG-23Pの空軍型で、電子妨害対処能力を高めたアメジストレーダーを搭載しており、赤外線探知装置は、TI-26が装備された。ASP-17MLヘッド・アップ・ディスプレイ(HUD)を装備するなどで、R-24R/Tミサイルの搭載能力が付与されている。1978年から1983年まで生産された。
- MiG-23K(МиГ-23Кミーク23カー)
- 艦上戦闘機型。MiG-29KおよびSu-27Kと競合したが、試作は中止された。
- MiG-23MLD(МиГ-23МЛДミーク23エメルデー)
- 後期型の後期型。サプフィール23MLAレーダーを搭載しており、機体のピトー管にボルテックス・ジェネレーターが取付けられ、主翼の固定部前縁部に新たな張り出しを設けることで、大迎角の飛行時に強力なボルテックスを発生させることで、迎角時の限界を高めて、機動性を向上させている。赤外線探知装置は、TI-26が装備されており、機体後部にはチャフ・フレアディスペンサーの装着が可能となっている。また、主翼の可変翼の後退角が変化しても兵装パイロンを常に機体中心線との平行を維持する、スウィベリング式の兵装パイロンを装備している[2]。兵装は赤外線誘導式のAAMではR-73(AA-11)、中射程のAAMではR-27(AA-10)が新たに搭載が可能となった。1984年から生産が開始された。NATOのコードネームはフロッガーK
- MiG-23MLG(МиГ-23МЛГミーク23エメルゲー)
- MiG-23MLDの発展型。新型のアクティブ妨害装置や照射式警告観測装置を搭載する予定であった。MiG-29の実用化に伴い計画は中止された。
- MiG-23MLS(МиГ-23МЛСミーク23エメレース)
- MiG-23MLDの発展型。MiG-23MLGの輸出型として計画された。
- MiG-23MLDG(МиГ-23МЛДГミーク23エメルデゲー)
- MiG-23MLDの発展型。新型のアクティブ妨害装置や照射式警告観測装置を搭載する予定であった。
近代化改修型
MiG-23シリーズの近代改修案として提示された派生型。
- MiG-23-98(МиГ-23-98ミーク23-98)
- 多用途戦闘機型の近代化改修型。使用国の要求に合わせて3段階のアップグレードに対応できるとされており、R-27(AA-10 アラモ)やR-77(AA-12 アッダー)などの各種新型ミサイルの運用が可能となっている。1998年に提示された。アンゴラのMiG-23がこの規格に改修されている。
- MiG-23B-98(МиГ-23Б-98ミーク23ベー-98)
- MiG-23BNの近代化改修型。1998年に提示された。
スペック (MiG-23ML)
![三面図(MiG-23MF)](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fb/Mikoyan-Gurevich_MiG-23MF_3-view.svg/500px-Mikoyan-Gurevich_MiG-23MF_3-view.svg.png)
- 初飛行:1976年
- 全幅
- 後退角72°:7.78m
- 後退角16°:13.97m
- 全長:16.70m
- 全高:5.00m
- 翼面積
- 後退角72°:34.16m2
- 後退角16°:37.27m2
- 空虚重量:10,230kg
- 離陸重量
- 通常:14,770kg
- 最大離陸重量:17,800kg
- 燃料搭載量:4,650L
- エンジン:カチャスラフ設計局製 R-29-300ターボジェットエンジン×1
- 推力
- アフターバーナー使用:12,501kg (122,6kN)
- アフターバーナー未使用:8,290kg (81,3kN)
- 最高速度
- 高高度:2,500km/h
- 地表高度:1,400km/h
- 巡航速度:976km
- 実用航続距離:1,950km
- 800L増槽×3使用:2,820km
- 戦闘行動半径:700-1,450km
- 最大上昇率:12,900m/min
- 実用飛行上限高度:18,500m
- 最大G:8.5
- 乗員:1名
- 武装
運用国
MiG-23およびMiG-27シリーズの運用国・地域。
ソ連
- 空軍:各種
- 防空軍:MiG-23P/MLD(ソ連型)/UB/UM ПВО СССР МиГ-23П #23
ロシア:MiG-23ML/P/MLD(ソ連型)/UB/UM、MiG-27/M/D/K(ソ連機) ВВС России МиГ-23МЛД #26, 1992 ВВС России МиГ-23УБ #210, 2004
ウクライナ
- 空軍:MiG-23M/ML/P/MLA/MLD(ソ連型)/B/UB/UM、MiG-27/M/D/K(ソ連機) ПС України МіГ-23МЛ #57 ПС України МіГ-23УБ #91, 2000
- 防空軍:MiG-23P/MLD(ソ連型)/UB/UM
ベラルーシ:MiG-23ML/MLD(ソ連型)/UB/UM、MiG-27/M/K/D(ソ連機) ВВС Беларуси МиГ-23УМ #95, 2005
カザフスタン:MiG-23MLD(ソ連型)/UB/UM、MiG-27M(ソ連機) ВВС Казахстана МиГ-27М #50
トルクメニスタン:MiG-23?/UB/UM(ソ連機)
アブハジア:MiG-23?
ブルガリア:MiG-23MF/ML/MLA/MLD(輸出型)/MLD(ソ連型)/UB/BN(一部ソ連機) БВВС МиГ-23МЛА #867, 1998
ルーマニア:MiG-23MF/UB FAR MiG-23UB(exported) #135, 2001
ハンガリー:MiG-23MF/UB HungaryAF MiG-23MF #02 HungaryAF MiG-23MF #11
ポーランド:MiG-23MF/UB PolandAF MiG-23MF #115 PolnandAF MiG-23UB(export) #842
東ドイツ:MiG-23MF/MLA/UB/BN
ドイツ BLW MiG-23MLA #20+13 BLW MiG-23BN #2048, 1991
チェコスロバキア
チェコ:MiG-23MF/MLA/UB/BN CzechAF MiG-23MLA #2425 CzechAF MiG-23MLA #2406, 1994
アルジェリア:MiG-23MS/MF/ML?/UB/BN QDD MiG-23UB
エジプト(アラブ連合):MiG-23MS/ME/UB/BN EgiptAF MiG-23MS
シリア:MiG-23MS/ME/MF/ML/MLA?/MLD(輸出型)/UB/BN SyriaAF MiG-23MLD(exported) #2789
リビア:MiG-23MS/ME/MF/ML?/UB/BN LibyaAF MiG-23MS
イラク:MiG-23MS/ME/MF/ML/MLA/MLD(輸出型)/UB/BN IraqAF MiG-23MLA #23255
イエメン:MiG-23MS/UB
コートジボワール:MiG-23MLD(輸出型)(旧ブルガリア機) FACI MiG-23MLD(exported) #CH, 2005
コンゴ民主共和国:MiG-23MF?/UB DRCAF MiG-23UB
アンゴラ:MiG-23MS/MF/MLA/UB/BN? FAPA-DAA MiG-23MLA
エチオピア:MiG-23MLA/BN/UB EthiopiaAF MiG-23MLA
エリトリア:MiG-23BN
ベトナム:MiG-23MF/UB
キューバ:MiG-23MF/ML/MLA/UB/BN FAR MiG-23ML #234 FAR MiG-23MF #822, 2003
ユーゴスラビア:MiG-23MLA(旧イラク機)
セルビア・モンテネグロ:MiG-23MLA(旧イラク機) RViPVO MiG-23MLA #23269, 2004
朝鮮民主主義人民共和国:MiG-23MS/MLA/UB DPRKAF MiG-23MLA #64&66&24
インド:MiG-23MF/UB/BN、MiG-27ML IAF MiG-23MF #SK433
スリランカ:MiG-23UM、MiG-27M(旧ウクライナ機) SriLankaAF MiG-27M #CF-737 & MiG-23UB #CTF-730, 2002
脚注
登場作品
漫画・アニメ
小説
ゲーム
- 『空戦乙女☆ヴァージンストライク』
- 機体そのものではなく擬人化したMiG-23の空乙女が複数登場している。また、初期に選択できる空乙女の「エレナ」はMiG-23の空乙女。
- 『コール オブ デューティ ブラックオプス2』
- ソ連軍の主力マルチロール機として登場し、主人公やムジャーヒディーンに対して空爆を行う。
- 『フィクショナル・トルーパーズ』
- ランク2の機体としてMig-23をエストビア連邦軍で選択可能。制空の他、爆撃任務にも使えるが、同ランクで選択可能なMig-27に比べて効率は落ちる。
参考文献
- 『戦闘機年鑑2013-2014』イカロス出版、2014年 ISBN 978-4-86320-703-5