「五百円硬貨」の版間の差分
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[[記念硬貨]]などを除いた一般流通硬貨では、世界で有数の高額面硬貨である。登場当時も、[[スイス]]の5[[スイス・フラン|フラン]]、[[ドイツ]](旧[[西ドイツ]])の5[[ドイツマルク|マルク]]、[[スペイン]]の500[[ペセタ]]硬貨と並び、高額面硬貨として話題になった。このことが[[大韓民国|韓国]]の500ウォン硬貨などの低額面の硬貨による大量の通貨変造事件(後述)を招き、[[2000年]]には改鋳を余儀なくされた。 |
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ドイツやスペインで[[ユーロ]]が導入されて最高額面硬貨は2ユーロとなったため、現在は[[キューバ]]の5[[兌換ペソ|ペソ]]硬貨(キューバ兌換ペソは1.08[[米ドル]]に[[固定相場制|ペッグ]])、スイスの5フラン硬貨と並んでいる。それぞれの硬貨の額面の価値は各国の[[為替レート]]の変動による。 |
2017年7月16日 (日) 01:53時点における版
五百円ニッケル黄銅貨 | ||||||||||||||||
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五百円白銅貨 | |||||||||||||||||
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五百円硬貨(ごひゃくえんこうか)とは、日本国政府発行の貨幣。五百円玉(ごひゃくえんだま)とも呼ばれる。額面500円の硬貨である。1982年に五百円紙幣に代わり登場した[1]。2000年8月にデザインと材質が変更された[2]。
高額面硬貨
記念硬貨などを除いた一般流通硬貨では、世界で有数の高額面硬貨である。登場当時も、スイスの5フラン、ドイツ(旧西ドイツ)の5マルク、スペインの500ペセタ硬貨と並び、高額面硬貨として話題になった。このことが韓国の500ウォン硬貨などの低額面の硬貨による大量の通貨変造事件(後述)を招き、2000年には改鋳を余儀なくされた。
ドイツやスペインでユーロが導入されて最高額面硬貨は2ユーロとなったため、現在はキューバの5ペソ硬貨(キューバ兌換ペソは1.08米ドルにペッグ)、スイスの5フラン硬貨と並んでいる。それぞれの硬貨の額面の価値は各国の為替レートの変動による。 ただし、5ペソ硬貨は記念硬貨ではないものの、流通はかなり希である。
新旧の硬貨の違い
1982年から1999年までに発行された五百円白銅貨(以下 旧硬貨)と2000年に発行を開始した五百円ニッケル黄銅貨(以下 新硬貨)はどちらも表面には桐が、裏面には竹[3]と橘がデザインされている[4]。両者のおおまかな外観に差はないが、いくつかの違いがある。
材料
旧硬貨が銅75%、ニッケル25%の白銅製だったのに対し、新硬貨では銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%のニッケル黄銅製となった。これにより電気伝導率などが変わるため、機械での偽造硬貨の検出が容易になった。またこれにともない、色がやや金色がかり、質量も少し減っている。
表裏面
最も目立つ変更は、表裏のデザインのマイナーチェンジである。表では、「日本国」「五百円」の背景部分が凸になっている。裏では、500の「0」の内側に穴が描かれておらず、「5●●」のようになっている。さらにその「0」の部分には角度によって「500円」の文字や「縦線」が浮かび上がる潜像が施されている。その他造幣局は公表していないが、肉眼では分かりづらいものの、両面それぞれ0.2mmの「NIPPON」というマイクロ文字が刻印されている[5]。
側面
旧硬貨の外周は「◆ NIPPON ◆ 500 ◆」の文字が繰り返し刻印されていたが、新硬貨では世界の硬貨でも極めて珍しい斜めのギザギザ(ギザ数は181)が入れられた。このように五百円硬貨は他の額面硬貨とくらべ、外周の加工に高度な技術を用いている。
なお、旧硬貨の側面の刻印は、円周の文字の刻印の向きに対して裏表を揃えずに刻印しているため、「◆ NIPPON ◆ 500 ◆」の文字を正しく読めるように置いた時に上面が表になるものと裏になるものとがほぼ半数ずつ存在する。
厚み
新旧硬貨は設計上は厚さが同一ということになっているが、実際には僅かに新硬貨の方が薄く、旧硬貨は1.85mm、新硬貨は1.81mmである。この差は、硬貨の縁が平滑面に陰刻からギザに変更されたためである。このため、旧硬貨50枚用のコインホルダーに新硬貨が51枚収納できる場合がある。
変造硬貨
五百円硬貨と同じ1982年に発行された韓国の500ウォン硬貨は、当時のレートで日本円で約50円の価値であったが、材質が同じ白銅であり、大きさも26.5mmと同じであり、重さのみ7.7gとやや重いだけであるため、表面を僅かに削ったりドリルなどで穴を空けたりすることで質量を減らし、自動販売機で500円硬貨として通用させる例が続出した。主な手口としては、変造した500ウォン硬貨を投入して「返却レバー」を操作し、自動販売機に蓄えられていた真正の五百円硬貨を取り出すというものである。投入した硬貨とは別の硬貨が返却口に出るという自動販売機の設計上の仕組みを悪用し、500ウォンと500円の差額の利益を得る。また、真正な500円玉を盗むほかに、変造した硬貨を500円として通用させて自動販売機から500円相当の商品や切符、あるいは釣銭を盗む手口もある。 この手口に対処するため、投入した硬貨をプールしておいて返却に備えるよう、自動販売機の構造が改められた。
500ウォン硬貨以外にも、件数は少なかったものの、イランの1リヤル硬貨やハンガリーの20フォリント硬貨および50フォリント硬貨、ポルトガルの旧25エスクード硬貨などを変造した硬貨および偽造硬貨が使用されたことがある。
このように五百円硬貨を取り巻く状況が非常に悪くなったこともあり、2000年に現在の硬貨に改められた。
新硬貨発行後、自動販売機やATMの更新もあって旧500円硬貨として通用させた変造硬貨は次第に使用されなくなっていったが、2003年頃から散発的に新五百円硬貨の偽造が報告されはじめた。2005年1月末には、東京都および福岡県・熊本県の郵便局のATMや窓口から、最終的に2万枚近くに上る大量の新五百円偽造硬貨が発見され、同地域の郵便局ではATMでの硬貨の取り扱いが一時中断された[6]。一部の自動販売機では使用できる500円硬貨の枚数を1枚に制限している事例もある。
なお2011年の時点では、500円玉には強い需要があり、電子マネーの影響を受けにくいであろうという一部識者からの指摘もあった[7]。
脚注
- ^ 衆議院 第94回国会 大蔵委員会 第23号臨時通貨法に五百円の臨時補助貨幣を追加する件について
- ^ 衆議院 第146回国会 大蔵委員会 第3号五百円硬貨改鋳の件について
- ^ にちぎん☆キッズ/お金博物館
- ^ この表裏は造幣局での便宜的な呼称で、明治時代の硬貨と異なり法律上の表裏の規定はない
- ^ Micro Characters on New 500-Yen Coin Found !!
- ^ ATMでの硬貨のお取扱いの停止について 2005年2月3日付 日本郵政公社報道発表資料
- ^ 500円玉だけなぜ流通増える? 電子マネーと「使い分け」p.1 - 日本経済新聞 エコノ探偵団、2011/10/31