「SLやまぐち号」の版間の差分
脱字 |
Update |
||
75行目: | 75行目: | ||
しかし、先述の様々な問題面を解決し、[[2003年]]ごろより定期的に集煙装置を取り外しての運行が度々行なわれるようになり、現在では現場側から使用しない方向性もあり、同装置は梅小路へ返却され、集煙装置を外した状態での通年運行が定着している。なお、C56 160に集煙装置が取り付けられたことはない。 |
しかし、先述の様々な問題面を解決し、[[2003年]]ごろより定期的に集煙装置を取り外しての運行が度々行なわれるようになり、現在では現場側から使用しない方向性もあり、同装置は梅小路へ返却され、集煙装置を外した状態での通年運行が定着している。なお、C56 160に集煙装置が取り付けられたことはない。 |
||
2017年に動態復元された[[国鉄D51形蒸気機関車200号機|D51 200]] |
2017年に動態復元された[[国鉄D51形蒸気機関車200号機|D51 200]]も本列車の牽引機として投入された。 |
||
{{-}} |
{{-}} |
||
318行目: | 318行目: | ||
** 8月27日 - C57 1+レトロ客車によるSLやまぐち号最終運行日。 |
** 8月27日 - C57 1+レトロ客車によるSLやまぐち号最終運行日。 |
||
** 9月2日 - 津和野発新山口行きの臨時SL列車「ありがとうレトロ客車」をもってレトロ客車が運用を終了。35系客車の運用を開始。 |
** 9月2日 - 津和野発新山口行きの臨時SL列車「ありがとうレトロ客車」をもってレトロ客車が運用を終了。35系客車の運用を開始。 |
||
** [[11月25日]] - D51 200営業運転開始。 |
|||
** [[11月26日]] - C57 1+D51 200の重連運転開始。なお、この日の上りはD51 200+C57 1の重連であった。 |
|||
<gallery> |
<gallery> |
2017年11月28日 (火) 14:37時点における版
SLやまぐち号 | |
---|---|
![]() SLやまぐち号(C57 1牽引) | |
概要 | |
国 |
![]() |
種類 | 快速列車 |
現況 | 運行中 |
地域 |
![]() ![]() |
運行開始 | 1979年8月1日 |
運営者 |
![]() |
旧運営者 |
![]() |
路線 | |
起点 | 新山口駅 |
終点 | 津和野駅 |
営業距離 | 62.9 km (39.1 mi) |
運行間隔 | 1往復 |
使用路線 | JR西日本:山口線 |
技術 | |
車両 |
35系客車(下関総合車両所) C57 1(梅小路運転区) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 非電化 |
SLやまぐち号とは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が山口線の新山口駅 - 津和野駅間で運行している臨時快速列車である。
概要
日本国有鉄道(国鉄)→JRグループ保有の蒸気機関車 (SL) の牽引により運行される動態保存列車の緒とも言える列車であり、国鉄でのSLによる定期旅客列車の運転が終了した1975年12月14日から3年半後の1979年8月1日に運転を開始した。
運行概況
SL1両+客車5両(重連運転の場合もある。詳細は後述)の編成で3月中旬から11月下旬までの週末(土曜・日曜・祝日)および夏休み・ゴールデンウイークなどの繁忙期に1日1往復が運転される。
このほか、正月三が日に津和野町の太皷谷稲成神社への参詣の便を図った「SL津和野稲成号」が運転される(この場合、C56 160が京都総合運転所所属の12系客車2両程度を牽引することが多いが、2017年のようにC56 160に補助機関車(補機)としてDD51形ディーゼル機関車を連結し12系客車を5両牽引することもある)。かつては、「SL津和野稲成初詣号」や「SLやまぐち初詣号」などと、年によって列車名が異なっていたが、2006年から現在の名称となった。年によってはクリスマスに正月とほぼ同じ編成の列車が「SLクリスマス号」といった列車名で運転されることもある。
停車駅
新山口駅 - 湯田温泉駅 - 山口駅 - (仁保駅) - 篠目駅 - 長門峡駅 - (地福駅) - 鍋倉駅 - 徳佐駅 - 津和野駅
- ( )は下り新山口発津和野行き列車のみ停車
使用車両・編成
牽引機関車
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c6/JR_west_SL_Yamaguchi_C57_1_shimyamaguchi.jpg/200px-JR_west_SL_Yamaguchi_C57_1_shimyamaguchi.jpg)
(2009年11月22日 新山口駅)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a4/C56160_yamaguchi_NewYear.jpg/200px-C56160_yamaguchi_NewYear.jpg)
(2003年1月)
1979年の運行開始から、客車の牽引には梅小路運転区所属のC57 1が使用される。また、主に8月にはC56 160と重連で運転される。
C57 1が故障や検査などで使用できないときはC56 160が本務機となるが、C56 160単機では勾配の多い山口線での牽引は客車2両が限界であるため、下関総合車両所(本所)所属のDD51形を補機に従えた重連により運転される。2005年秋にC57 1が故障した際にはC56 160の手配が付かず、DD51形の単機牽引で「DLやまぐち号」として運転された。また、C57 1が検査中だった2010年5月4・5日もC56 160の不調によりDD51形の単機牽引となった[1]。
1980年から1984年までの間は予備機としてC58 1が使用され、C57 1との重連運転も実施された。C58 1はボイラーを傷めたため、1984年に梅小路蒸気機関車館へ戻され、お召し仕様で静態保存されている。C56 160は1987年に入線している。
SL現役時代、山口線ではC57形は使用されておらず、C58形やD51形、D60形などが使用されていた。山口線は勾配が続き、トンネルも多いため、煙突に集煙装置が取り付けられていたが、C57 1やC58 1も入線に当たって、現役時代は取り付けられていなかった集煙装置が取り付けられた。これにより、特にC57 1は大きく形態を崩すこととなったが、乗務員の労働環境改善に配慮するため、致し方ないものとされた。
しかし、先述の様々な問題面を解決し、2003年ごろより定期的に集煙装置を取り外しての運行が度々行なわれるようになり、現在では現場側から使用しない方向性もあり、同装置は梅小路へ返却され、集煙装置を外した状態での通年運行が定着している。なお、C56 160に集煙装置が取り付けられたことはない。
2017年に動態復元されたD51 200も本列車の牽引機として投入された。
客車
SLやまぐち号 | ||||||||||||||||||||
← 新山口 津和野 →
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
|
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/21/SL_Yamaguchi_C57-1%2B35_series_2017-09-09_%2836322212533%29.jpg/220px-SL_Yamaguchi_C57-1%2B35_series_2017-09-09_%2836322212533%29.jpg)
2017年9月2日の運行分から、専用客車である35系5両編成が使用されている。SL全盛期の雰囲気を再現するために、1920年代から30年代にかけて国鉄で使用されたマイテ49形・オハ35形・オハ31形を再現するべく新たに製造された車両で、SLの音や煙を体感できるよう開放式展望デッキや開閉窓、SLを体験・学べるフリースペースを設置し、車椅子といったバリアフリー対応、ベビーカー置き場、温水洗浄機能付きトイレなどにより快適性を向上させている。
編成はマイテ49形風車両は2+1列のグリーン車、それ以外の車両は普通車指定席となり、グリーン車1両・普通車指定席4両で組成されることになる。SL列車におけるグリーン車の設定は、JR東日本が定期運行を行っている「SLばんえつ物語」に続き、2例目となる。
過去の客車
SLやまぐち号 | ||||||||||||||||||
← 新山口 津和野 →
| ||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||
|
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/71/C571_SL_Yamaguchi_20170506.jpg/220px-C571_SL_Yamaguchi_20170506.jpg)
運行開始当初は無改造の12系客車5両編成が使用されてきたが、1988年から2017年8月までは、当列車用に改造された12系700番台(下関総合車両所新山口支所所属)5両編成1本が用いられていた。幡生車両所(現・下関総合車両所)で旧型客車をイメージして改造されたもので、「レトロ客車」と称し、1両ずつ内装を各時代の客車を模したデザインとなっていた。
各車両とも窓をユニット窓から一段上昇窓に改め、窓自体も小型化されていたほか座席を1列減らして(11列・定員88名 → 10列・定員80名)座席間隔を1,580mmから1,755 - 1,760mmへと拡大することにより生じた空間に固定式のテーブルが設置されていた。また、座席の形状も1両ごとに異なっていた。改造当初は1両ごとに塗装が異なっていたが、2005年のリニューアルでぶどう色2号に白帯の塗装に統一された。また昭和風客車以外の4両は屋根にカバーを取り付け、各時代の客車の屋根に似せた形状としたが、後述のリニューアルによりカバーはすべて撤去された。先述の新型客車投入により、2017年8月27日の1往復の運用を最後にSLやまぐち号としての運用を終了する予定だった[4]が、運転当日の津和野駅停車中に客車の故障が見つかり、修理の目処がたたず上り津和野発新山口行き列車は運休。そのため、下り新山口発津和野行き列車のみの運行となって運用を終了した。同年9月2日に津和野→新山口間で運行された臨時SL列車「ありがとうレトロ客車」をもって完全に運用を終了した[5][6]。
全車座席指定席で、夏期およびC56 160との重連運転時には動態保存車である展望車マイテ49 2を増結して6両編成として運行されることもあった。この場合、同車はフリースペースとされ、本列車の指定席券を持っていれば誰でも乗車可能となっていた。また、客車に搭載されていたディーゼル発電機のエンジンの状態によっては、予備電源車としてスハフ12 36が連結されることもあった。
- 展望車風客車(オハフ13 701)
- 旧番号オハフ13 59。1923年製のオイテ27000形を参考として改造された。新山口方を開放式展望デッキに改めていた。床はカーペット敷きとし、窓には横引きカーテンを取り付け、天井は明かり取り窓のついた二段天井とし、明かり取り窓の内部に照明装置を入れていた(他の二段天井車両も同じ)。
- 当初は赤茶色の塗装で、屋根上の冷房装置を一体型のカバーで覆い、明治時代から昭和初期の客車の二重屋根に似せた外観としていた。
- リニューアルにより、屋根上のカバーが撤去された。
- 定員56名(展望室定員8名)。
- 欧風客車(オハ12 701)
- 旧番号オハ12 227。1880年代のオリエント急行を参考とした。床には幾何学模様のカーペットを敷き、展望車風客車と同様、窓には横引きカーテンを取り付け、天井は明かり取り窓のついた二段天井としていた。座席上部にはステンドグラス風の仕切を取り付けていた。
- 当初は緑の塗装で、車体側面に紋章のような装飾、屋根上に白色のカバーを取り付け、ヨーロッパの客車の深い丸屋根に似せた外観としていた。
- リニューアルにより、屋根上のカバーと紋章のような装飾が撤去された。
- 定員80名。
- 昭和風客車(オハ12 702)
- 旧番号オハ12 230。昭和初期の鋼製客車を参考としたものである。
- 当初はぶどう色2号に白帯の塗装で、車体側面にリベット風の装飾が取り付けられていたが、2001年ごろに撤去された。車内の座席は緑色とし、天井にはグローブ付き蛍光灯を設置した。屋根は特に手を加えられなかった。
- リニューアルにより座席の色が緑色からグレーに変更され、荷物置き場が新山口方に設置された。
- 定員80名。
- 明治風客車(スハフ12 702)
- 旧番号スハフ12 68。日本の鉄道開業当初のイギリス製客車を参考とした。車内の座席は革張り、窓の日よけは鎧戸とし、ランプ風の照明を設置した。
- 当初はぶどう色2号の塗装で、5号車であった。外壁には木目調の板が貼られていたが、2001年ごろに撤去された。展望車風客車と同様、屋根上の冷房装置が一体型のカバーで覆われていた。
- リニューアルにより屋根上のカバーが撤去された。
- 定員72名。
- 大正風客車(オハ12 703)
- 旧番号オハ12 229。1924年製のナロ20850形を参考とした。天井は明かり取り窓のついた二段天井とし、座席は黄緑色としていた。
- 当初はぶどう色2号の塗装で、4号車であった。外壁には明治風客車にほぼ似た木目調の板が貼られていたが、2001年ごろに撤去された。展望車風客車、明治風客車と同様、屋根上の冷房装置が一体型のカバーで覆われていた。
- 改造により津和野方を密閉式展望デッキ(展望室)に改めていた。
- リニューアルにより、荷物置き場が新山口方に設置された。また、屋根上のカバーも撤去された。
- 定員72名。
上記の車両は蒸気機関車牽引列車(SL列車)のほかにも臨時列車にも使用されることもあった。
-
登場時のレトロ客車
-
オハフ13 701「展望車風客車」
-
オハフ13 701の車内
-
オハ12 701「欧風客車」
-
オハ12 701の車内
-
オハ12 702「昭和風客車」
-
オハ12 702の車内
-
オハ12 703「大正風客車」
-
スハフ12 702「明治風客車」
(1993年8月15日 小郡駅) -
リニューアル後のレトロ客車
-
オハフ13 701「展望車風客車」
-
オハ12 701「欧風客車」
-
オハ12 702「昭和風客車」
-
スハフ12 702「明治風客車」
-
オハ12 703「大正風客車」
(2009年11月22日 津和野駅)
運行開始当初の客車は、無改造の12系客車5両編成であったが、1987年の国鉄分割民営化に伴い、外装がぶどう色2号の地に白帯に改められた。その後、間もなく前述の「レトロ客車」への改造により、ぶどう色2号の12系客車の使用は短期間で終わったが、予備電源車のスハフ12 18は、この塗装のまま残った。なお、同車は1995年3月に廃車・解体され、現存していない。
「レトロ客車」への改造後は、上下列車の両方で展望車風客車を最後尾に連結するため、津和野駅構内の転車台でSLとともに方向転換が行われ、上り列車では明治風客車の次位に連結された。
2001年ごろ、昭和風客車のリベット風の装飾、大正風客車と明治風客車の外壁の板が撤去された。
2003年3月、改造工事が行われた。展望車風客車の津和野駅での方向転換の省略のため、大正風客車の津和野方が展望室に改められた。これにより、明治風客車と連結順序が入れ替わった。
2005年2月から3月にかけて、リニューアル工事が行われた。外装がぶどう色2号の地に白帯に統一された。屋根上のカバー、欧風客車の紋章のような装飾が撤去された。昭和風客車と大正風客車に荷物置き場が設置された。また、昭和風客車の座席も緑色からグレーに変わった。
特別運用
過去に本物の旧型客車を使用して運転されたことが何度かある。最初は山陰本線で現役だった車両を使用して運転したもので、後にはJR西日本が所有する保存車両での運転であった。旧型客車使用時の編成内容の一例は以下のとおり。小郡方が1号車。
- 1号車 - マイテ49 2
- 2号車 - オハフ33 48
- 3号車 - オハ46 13
- 4号車 - オハフ33 289
また、2009年までは重連運転時には旧型展望客車であるマイテ49 2(宮原総合運転所所属)が津和野方に増結されていた。
そのほか、下記のような特別編成が組まれたことがある。
- SLドラマチックやまぐち号
- 1991年4月1日、1日限りで運行区間を小郡 - 益田間に延長、牽引機関車をC56 160とC57 1の重連(上り益田発小郡行き列車は津和野駅までC56 160が先頭の逆機重連、同駅からC57 1が先頭の重連)、車両をレトロ客車+マイテ49 2に変更して運転した。
- SL25周年記念号
- 2004年8月1日、運行開始25周年を記念して上り列車限定で運転された。C56 160牽引で、客車は京都総合運転所所属の12系客車2両が使用された。通常のSLやまぐち号と異なるダイヤで運転され、SL25年ありがとう号(C57 1+レトロ客車5両、特製ヘッドマーク付き)と篠目駅にて列車交換した。
- SLやまぐちDX号
- 2008年8月1日から3日の3日間、山口デスティネーションキャンペーンの企画列車として、牽引機関車をC56 160とC57 1の重連運転(上り列車プッシュプル)、車両を当時の宮原総合運転所に所属するサロンカーなにわ6両編成に変更して運転した。
- ヘッドマークは、「やまぐち DELUXE 2008」と表記された特製ヘッドマークを使用、テールマークには「サロンカーなにわ」オリジナルテールマークが装着されていた。
- 2010年10月9日から11日にかけては同編成で「SLやまぐちなにわ号」として運転がなされている[7]。ヘッドマークは、「やまぐち なにわ」と表記された特製ヘッドマークが使用された。
- SLやまぐちゆうゆう号
- 2009年9月20・21日、牽引機関車をC56 160とC57 1の重連運転、車両を当時岡山電車区に所属していたユウユウサロン岡山6両編成に変更し、「SLやまぐちゆうゆう号」として運転した。ヘッドマークは、「やまぐち ゆうゆう」と表記された特製ヘッドマークが使用された。テールマークは、「ユウユウサロン岡山」となっていた。牽引機関車のC57 1は2日目の21日にナンバープレートの色を赤に変えて運転した。なお、「ユウユウサロン岡山」の多客臨時列車としての運用はこれが最後となり、同車は2011年3月に引退した。
- SLやまぐちあすか号
- 2010年10月16・17日、牽引機関車をC56 160とC57 1との重連運転(上り列車プッシュプル)、車両を当時の宮原運転所に所属していたあすか6両編成に変更して運転した[8]。ヘッドマークは、「やまぐち あすか」と表記された特製ヘッドマークが使用された。テールマークは「あすか」となっていた。
- SL地福ナイトフェスティバル号
- 2014年12月23日に山口市阿東地域交流センター地福分館ふれあい広場(地福駅最寄り)で行われた「クリスマスナイトフェスティバル」に合わせて、新山口 - 地福間をDD51 1043とC57 1との重連運転+レトロ客車3両(オハ12 703、スハフ12 702、オハフ13 701)で運行。通常とは異なり、下り列車は新山口駅を午後に出発し、上り列車は地福駅を夜出発するダイヤで運行された。[9](地福 - 津和野間は回送運転)。ヘッドマークは「地福ナイトフェスティバル」と表記された特製ヘッドマークが使用された。
- 2015年12月23日の運行は、新山口 - 地福間をC56 160とDD51 1043との重連運転+レトロ客車3両(オハ12 703、スハフ12 702、オハフ13 701)で運行。停車駅は、新山口駅、山口駅、地福駅で、1往復運行された。C56 160は直前の12月19日と12月20日に運行されたSLクリスマス号のときと同じく、赤いナンバープレートを付け、ランボードの白線や煙突の金帯を外した状態で運行された。この装備は、2016年1月1日から1月3日に運行されるSL津和野稲成号でも継続される。
- ありがとうレトロ客車
- 2017年9月2日に津和野→新山口間で運行された。C56 160+DD51 1043の重連運転。篠目駅にて同日の下りSLやまぐち号(C57 1+35系客車)との共演が実現した[10]。
ヘッドマーク
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1a/Yamaguchi20th.jpg/200px-Yamaguchi20th.jpg)
基本ヘッドマークは木彫り彫刻式のもので、丸型の黄色地に、山口県周南市八代地区で越冬のために飛来する鳥で、同県県鳥にも選定されているナベヅルを象ったものである。また、「やまぐち」と下の方に横書きで書いてある。1979年の運行開始以来、記念運転時の特製ヘッドマーク使用例を除き、変更されていない。
このほか、次のヘッドマークが使用された(上記の特別運用時については割愛)。
- 1997年の運転時には、牽引機C57 1の竣工60周年と、同年のNHK大河ドラマ『毛利元就』放映を記念し、丸型の赤枠黄色地の上に、ステンレスで作られた3本の矢を象ったヘッドマークが用意された。C57 1の除煙板にも同様のデザインのエンブレムが取り付けられた。
- 1999年は運行開始20年を記念して、ヘッドマークを特製して掲出された。また、記念日となる8月1日には子供の1日車掌を交えた記念式典が行われた。
- 2001年の『山口きらら博』開催期間中は、同博覧会のキャラクター「山口きららバンド」をデザインしたヘッドマークが掲出された。
- 2003年10月のダイヤ改正で小郡駅が新山口駅に改称されるため、同年9月30日の運転では「ありがとう小郡駅 2003.9.30」と書かれたヘッドマークが掲出され、10月1日の運転では「新山口駅 平成15年10月1日」と書かれたヘッドマークが掲出された。
- 2007年3月21日には、牽引機C57 1の竣工70周年(1937年3月22日竣工)を記念するヘッドマークが掲出された。デザインは公募で選ばれた7歳の男の子のもの。次点に選ばれた70歳の男性のデザインのものが除煙板に掲出された。なお、同じく70周年記念として同年8月より車内で販売されている「SL弁当」の掛け紙が1万枚限定で変更されている(これもデザインは公募)。同年4月29日には山口県山口市出身の詩人中原中也の生誕100年(1907年4月29日生まれ)を記念し、中原中也をイメージしたヘッドマークを掲出して運転された。
- 2009年8月1日には、SL復活30周年を記念したヘッドマークを掲出して運転された。
- 2011年7月23日には、SLやまぐち号乗車200万人達成にあわせて赤い銘盤プレートと黒い背景に赤い鶴「200万人達成記念やまぐちYAMAGUCHI」と表記された特製ヘッドマークが付けられた。
- 2014年8月23日には、山口線全線運転再開を記念したヘッドマークを掲出して運転された。
- 2016年3月20日から同月27日まで、C57 1生誕80周年『傘寿』を記念して「C571号機おめでとう傘寿」と書かれた紫色の特製ヘッドマークが付けられた。
- 2016年4月2日から同月30日までの運行日10日間に、桜の花にナベヅルの『春号』ヘッドマークが付けられた。
- 2016年8月1日から同月28日までの運行日11日間に、夏の空にナベヅルの『夏号』ヘッドマークが付けられた。
- 2016年11月3日から同月19日までの運行日6日間に、夜の紅葉に金色ナベヅルの『秋号』ヘッドマークが付けられた。
- C57 1が2017年3月22日に製造80周年を迎えるため、同年3月19日、20日のファーストランに、黄色から緑のグラデーションの背景とナベヅルのデザインに
『C571おめでとう80th anniversary of manufacturing』と表記された特製ヘッドマークが付けられた。
- 2017年4月1日にJR西日本が発足30周年を迎えたため、2017年4月1日と2日の運行日2日間、基本デザインに『おかげさまでJR西日本30th anniversary』と書かれたヘッドマークが付けられた。
- 2017年9月2日にC56 160+DD51 1043+レトロ客車による「ありがとうレトロ客車」へ、ナベヅルの基本デザインに『ありがとうレトロ客車 1979.8.1〜2017.9.2』と書かれたヘッドマークが付けられた。
- 2017年9月2日にC57 1+35系客車のSLやまぐち号へDestination Yamaguchiの文字と赤、緑、燈黄、燈、青、紫色の背景に高杉晋作の影が描かれた特製ヘッドマークが付けられた。
- 2017年10月14・15日に、生誕110年・没後80年を迎えた中原中也をテーマとしたおもてなしイベント開催のため、中也が描かれた特製ヘッドマークが付けられた。
テールマーク
1987年に12系客車の外装がぶどう色2号の地に白帯に変更されてから、テールマークが掲げられるようになっている。国宝である瑠璃光寺(山口市)の五重塔を象っており、斜め右下がりで、「やまぐち」と文字が書いてあるものを使用する。
沿革
- 1979年(昭和54年)
- 8月1日 - C57 1による牽引で運行開始。客車はオリジナルの12系が使用された。
- 1980年(昭和55年)
- C58 1が牽引機に加わる。
- 1984年(昭和59年)
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)
- 7月24日 - 12系客車1編成の内装・外装が改造され、「レトロ客車」として運転開始。
- 1991年(平成3年)
- 4月1日 - 津和野 - 益田間で延長運転し、「SLドラマチックやまぐち号」として運転。C57 1とC56 160の重連でマイテ49 2連結。上り列車の益田 - 津和野間はC56 160が先頭の逆機重連で運転。
- 1995年(平成7年)
- 3月25日 - 乗客100万人達成。
- 1996年(平成8年)
- 環境省が選定した日本の音風景100選に、「山口線のSL」として選出される。
- 1999年(平成11年)
- 運行開始20周年を記念してヘッドマークが特製される。
- 8月1日 - 記念式典が行われるとともにC56 160、マイテ49 2を連結した特別編成で運転。
- 2000年(平成12年)
- 12月31日 - 「SLやまぐち21世紀号」が運転される。
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)
- 2005年(平成17年)
- 2 - 3月 - 「レトロ客車」のリニューアル工事を実施。3月19日より運転開始。
- 2007年(平成19年)
- 8月1日 - C57 1の製造70周年企画イベントとして、上り列車に限りC56 160と初のプッシュプル運転を実施。同様のプッシュプル運転が同月15日と19日にも実施。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 7月23日 - 乗客200万人達成。
- 2013年(平成25年)
- 7月29日 - 前日発生した山口県北部・島根県西部の豪雨に伴う山口線の被災に伴い、SLやまぐち号の運転を「当分の間」取り止めることを発表[13]。翌日、年内の運転の取り止めが正式発表される[14]。この年はC57 1の全般検査の調整の関係上例年より遅い5月3日運行開始となっており、この年の運行日数は復活以来最も少ない28日にとどまった。
- 10月11日 - JR西日本が、11月2・3日に「がんばろう山口、津和野」として新山口 - 地福間でSL運行を再開することを山口県に報告。C56 160牽引による運転となり、地福 - 津和野間は鉄道代行バスにより連絡する。「SLクリスマス号」「SL津和野稲成号」も同区間で運行予定であった[15]。いずれも下り新山口発地福行き列車のみの運転。
- 2014年(平成26年)
- 2月7日 - 2014年3月から6月までの運行計画を発表。前年の運行再開時同様、新山口 - 地福間での運行となる。C56 160とDD51形との重連運転で、下り列車はC56 160を先頭に「SLやまぐち号」として、上り列車はDD51形を先頭に「DLやまぐち号」として運転[16]。なお、6月は運転されない。
- 5月23日 - 2014年7月から9月の運行計画を発表。大まかな運行計画は3月から6月までと同様だが、7月5日以降牽引機としてC57 1が復帰し、下り列車はC57 1の単機牽引となる(上り列車はDD51形を先頭とした重連運転)[17]。
- 7月15日 - 7月13日の運行時にC57 1に不具合が発生したため、7月19日から当分の間、DD51形のみの牽引による快速列車「やまぐち号」として運行すると発表[18]。不具合の内容についてJR西日本のニュースリリースでは明らかにされていないが、動輪の車軸の一部が通常よりも高温になるトラブルがあったと報じられている[19]。
- 8月15 - 22日 - C56 160およびDD51形による牽引で、SLやまぐち号の運行を再開。春季運行時と同様、新山口 - 地福間での運行で、下り列車はC56 160を先頭に「SLやまぐち号」として、上り列車はDD51形を先頭、C56 160は逆機で「DLやまぐち号」として運転。
- 8月23日 - 山口線地福 - 津和野間が復旧し、新山口 - 津和野間の運行に戻る[20]。運行開始初日はC57 1とC56 160の重連運転で、上下列車ともSLやまぐち号として運転された。
- 12月20・21日 - 2014年「SLクリスマス号」運行。C57 1の不具合のため、DD51 1043を前補機として、オハフ13 701、スハフ12 702、オハ12 703の3両を牽引して運行された[21]。
- 2015年(平成27年)
- 1月1 - 3日 - 2015年「SL津和野稲成号」運行。C57 1の不具合のため、C57 1の次位としてDD51 1043と重連運転し、オハフ12 701、スハフ12 702、オハ12 703の3両の客車を牽引して運行された。C57 1の冬季運転は、2000年12月31日から2001年1月1日に運行された「SLやまぐち21世紀号」以来、14年ぶり[22]。
- 3月30日 - 旧型客車を復刻した客車(マイテ49・オハ35・オハ31をモデルとしたもの)を新造し2017年9月に投入予定であることを公式発表(詳細前述)。
- 2016年(平成28年)
- 7月9・10日 - 明治風客車のディーゼル発電機の故障により、予備電源車のスハフ12 36が2009年8月以来7年ぶりに連結され、C57 1+DD51 1043+スハフ12 36+レトロ客車5両の編成で運行された。
- 2017年(平成29年)
-
SLやまぐち号
(1986年 小郡駅) -
C56 160+C57 1牽引によるSLやまぐち号
(1987年6月28日 長門峡 - 渡川間) -
登場時のレトロ客車編成
(1993年8月15日 小郡駅) -
SLやまぐちDX号
(2008年8月3日 長門峡 - 渡川間) -
SLやまぐちゆうゆう号
(2009年9月21日 長門峡 - 渡川間)
参考文献
- 『鉄道ファン』交友社
- 1987年9月号 No.317 p.117
- 1988年10月号 No.330 p.55 - 57 「広島支社のジョイフルトレイン フェスタ&レトロ客車」
- 1997年10月号 No.438 p.8 - 17 結城重也・伊藤久巳「“SLやまぐち”を走らせて」
- 2003年10月号 No.510 p.140 - 143 斉宮則仁「JR西日本 例年とはひと味違う“SLやまぐち号”」
- 2004年11月号 No.523 p.110 - 117 斉宮則仁「煙を護(まも)る - “SLやまぐち号”・激闘の25年 -」
- 2005年9月号 No.533 p.158 - 163 斉宮則仁「編成刷新! “SLやまぐち号”」
脚注
- ^ SLやまぐち号に不具合 4、5日ディーゼルのみの運行 - 山口新聞 2010年05月04日
- ^ “新しい旧型客車「35系」完成…JR西日本『SLやまぐち号』に導入”. Response.. (2017年6月4日) 2017年6月5日閲覧。
- ^ "2017年 SL「やまぐち」号の運転計画(7月・8月分)について" (Press release). 西日本旅客鉄道. 26 April 2017. 2017年9月25日閲覧。
- ^ 上新大介 (2017年9月2日). “JR西日本「SL『ありがとうレトロ客車』号」運転、新山口駅でさよなら式典も”. マイナビニュース (マイナビ). オリジナルの2017年9月3日時点におけるアーカイブ。
- ^ “SL“やまぐち”・SL“ありがとうレトロ客車”号が篠目駅で交換”. railf.jp(鉄道ニュース). 交友社 (2017年9月4日). 2017年9月25日閲覧。
- ^ SL“やまぐち なにわ”運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年10月10日
- ^ SL“やまぐち あすか”運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年10月17日
- ^ “第21回 クリスマスナイトフェスティバル”. @homeあとう. 山口県央商工会阿東支所. 2015年4月3日閲覧。
- ^ http://www.sankei.com/west/news/170902/wst1709020039-n1.html
- ^ 『JR気動車客車編成表』'05年版 ジェー・アール・アール 2005年 ISBN 4-88283-126-0
- ^ SL「やまぐち」号C57形1号機「貴婦人」および イベント車両での運転について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年7月14日
- ^ "山口線 SL「やまぐち」号の運転取り止めについて" (Press release). 西日本旅客鉄道. 29 July 2013. 2013年7月29日閲覧。
- ^ "SL「やまぐち」号の運転およびイベントの取り止めについて" (Press release). 西日本旅客鉄道. 30 July 2013. 2013年7月31日閲覧。
- ^ “SLやまぐち号 来月2日再開 新山口-地福の片道、6日間”. 山口新聞. (2013年10月12日) 2013年10月14日閲覧。
- ^ "平成26年 SL「やまぐち」号の運転計画について(3月から6月)" (Press release). 西日本旅客鉄道. 7 February 2014. 2014年3月25日閲覧。
- ^ "平成26年 SL「やまぐち」号の運転計画について(7月から9月)" (Press release). 西日本旅客鉄道. 23 May 2014. 2014年7月9日閲覧。
- ^ "SL「やまぐち」号およびDL「やまぐち」号けん引機関車の変更について" (Press release). 西日本旅客鉄道. 15 July 2014. 2014年7月18日閲覧。
- ^ “SLやまぐち号、機関車に不具合 当面ディーゼル運転に”. 山口新聞. (2014年7月16日) 2014年7月18日閲覧。
- ^ "山陰線(須佐〜奈古駅間)、山口線(地福〜津和野駅間)の運転再開見込みなどについて" (Press release). 西日本旅客鉄道. 16 July 2014. 2014年7月18日閲覧。
- ^ ““SLクリスマス号”,DD51けん引で運転”. 鉄道ファン鉄道ニュース (2014年12月21日). 2015年4月3日閲覧。
- ^ “http://railf.jp/news/2015/01/04/161000.html”. 鉄道ファン鉄道ニュース (2015年1月4日). 2015年4月3日閲覧。
外部リンク
- SLやまぐち 12系(C57):JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道