「始平郡」の版間の差分
表示
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし |
|||
2行目: | 2行目: | ||
== 概要 == |
== 概要 == |
||
[[266年]]([[西晋]]の[[泰始 (晋)|泰始]]2年)、[[京兆郡]]と[[扶風郡]]を分割して、始平郡が立てられた。始平郡は[[雍州]]に属し、郡治は[[槐里県]]に置かれた。西晋の始平郡は槐里・[[ |
[[266年]]([[西晋]]の[[泰始 (晋)|泰始]]2年)、[[京兆郡]]と[[扶風郡]]を分割して、始平郡が立てられた。始平郡は[[雍州]]に属し、郡治は[[槐里県]]に置かれた。西晋の始平郡は槐里・[[興平市|始平]]・[[武功県|武功]]・[[鄠県|鄠]]・[[金台区|蒯城]]の5県を管轄した<ref>『[[晋書]]』地理志上</ref>。[[永嘉の乱]]以後、始平郡の本土は[[華北]]の[[五胡十六国|五胡]]の諸国の統治を受けた。 |
||
[[北魏]]の[[太平真君]]年間、始平郡は扶風郡に併合された<ref name="gisho106ge">『[[魏書]]』地形志二下</ref>。 |
[[北魏]]の[[太平真君]]年間、始平郡は扶風郡に併合された<ref name="gisho106ge">『[[魏書]]』地形志二下</ref>。 |
||
8行目: | 8行目: | ||
== 僑置始平郡 == |
== 僑置始平郡 == |
||
=== 武当の始平郡 === |
=== 武当の始平郡 === |
||
本節では、現在の[[湖北省]][[丹江口市]]に設置された始平郡について述べる。雍州が襄陽に僑置されると、始平郡が襄陽に置かれた。後に郡治は武当に移された。[[宋 (南朝)|南朝宋]]の始平郡は武当・始平・武功・[[ |
本節では、現在の[[湖北省]][[丹江口市]]に設置された始平郡について述べる。雍州が襄陽に僑置されると、始平郡が襄陽に置かれた。後に郡治は武当に移された。[[宋 (南朝)|南朝宋]]の始平郡は武当・始平・武功・[[丹江口市|平陽]]の4県を管轄した<ref name="soujo37">『[[宋書]]』州郡志三</ref>。[[斉 (南朝)|南朝斉]]のとき、始平郡は武当・武陽・始平・平陽の4県を管轄した<ref name="nanseisho15">『[[南斉書]]』州郡志下</ref>。後に斉興郡と改められた<ref>『[[隋書]]』地理志中</ref>。 |
||
=== 秦州の始平郡 === |
=== 秦州の始平郡 === |
||
南朝宋のとき、始平郡は[[秦州]]に属し、始平・槐里・[[宋熙県|宋熙]]の3県を管轄した<ref name="soujo37"/>。南朝斉のとき、始平郡は始平・槐里・宋熙の3県を管轄した<ref name="nanseisho15"/>。 |
南朝宋のとき、始平郡は[[秦州]]に属し、始平・槐里・[[宋熙県|宋熙]]の3県を管轄した<ref name="soujo37"/>。南朝斉のとき、始平郡は始平・槐里・宋熙の3県を管轄した<ref name="nanseisho15"/>。 |
||
14行目: | 14行目: | ||
本節では、現在の[[四川省]][[綿陽市]]に設置された始平郡について述べる。[[東晋]]のとき、涪城に始平郡が置かれた<ref>『[[旧唐書]]』地理志四</ref>。[[西魏]]のとき、涪城郡と改められた<ref>『[[隋書]]』地理志上</ref>。 |
本節では、現在の[[四川省]][[綿陽市]]に設置された始平郡について述べる。[[東晋]]のとき、涪城に始平郡が置かれた<ref>『[[旧唐書]]』地理志四</ref>。[[西魏]]のとき、涪城郡と改められた<ref>『[[隋書]]』地理志上</ref>。 |
||
=== 上洛の始平郡 === |
=== 上洛の始平郡 === |
||
本節では、現在の陝西省[[商洛市]]に設置された始平郡について述べる。[[500年]](北魏の[[景明]]元年)、始平郡が立てられた。始平郡は[[洛州]]に属し、[[上洛県]]1県を管轄した<ref name="gisho106ge"/>。 |
本節では、現在の陝西省[[商洛市]]に設置された始平郡について述べる。[[500年]](北魏の[[景明]]元年)、始平郡が立てられた。始平郡は[[洛州]]に属し、[[商州区|上洛県]]1県を管轄した<ref name="gisho106ge"/>。 |
||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
2017年12月5日 (火) 07:27時点における最新版
始平郡(しへい-ぐん)は、中国にかつて存在した郡。晋代から南北朝時代にかけて設置された。現在の陝西省中西部に設置されたものを本土とするが、南北朝の分裂のために各地に僑置された。
概要[編集]
266年(西晋の泰始2年)、京兆郡と扶風郡を分割して、始平郡が立てられた。始平郡は雍州に属し、郡治は槐里県に置かれた。西晋の始平郡は槐里・始平・武功・鄠・蒯城の5県を管轄した[1]。永嘉の乱以後、始平郡の本土は華北の五胡の諸国の統治を受けた。
僑置始平郡[編集]
武当の始平郡[編集]
本節では、現在の湖北省丹江口市に設置された始平郡について述べる。雍州が襄陽に僑置されると、始平郡が襄陽に置かれた。後に郡治は武当に移された。南朝宋の始平郡は武当・始平・武功・平陽の4県を管轄した[3]。南朝斉のとき、始平郡は武当・武陽・始平・平陽の4県を管轄した[4]。後に斉興郡と改められた[5]。
秦州の始平郡[編集]
南朝宋のとき、始平郡は秦州に属し、始平・槐里・宋熙の3県を管轄した[3]。南朝斉のとき、始平郡は始平・槐里・宋熙の3県を管轄した[4]。
涪城の始平郡[編集]
本節では、現在の四川省綿陽市に設置された始平郡について述べる。東晋のとき、涪城に始平郡が置かれた[6]。西魏のとき、涪城郡と改められた[7]。
上洛の始平郡[編集]
本節では、現在の陝西省商洛市に設置された始平郡について述べる。500年(北魏の景明元年)、始平郡が立てられた。始平郡は洛州に属し、上洛県1県を管轄した[2]。