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== 棋歴 ==
== 棋歴 ==
[[2003年]]、御津町立御津小学校5年の時に第28回[[小学生将棋名人戦]]に出場(地方大会出場時は4年)。西の代表2人のうちの1人となり、[[NHK教育テレビジョン|NHK教育テレビ]]で放映される準決勝に進んだ。結果は敗れて3位。同年、地元岡山で開催された第2回全国小学生倉敷王将戦では高学年の部で優勝<ref name="post253">[http://www.shogi.or.jp/topics/2010/02/post-253.html 菅井竜也・牧野光則新四段誕生のお知らせ日本将棋連盟]</ref>。
[[2003年]]、御津町立御津小学校5年の時に第28回[[小学生将棋名人戦]]に出場(地方大会出場時は4年)。西の代表2人のうちの1人となり、[[NHK教育テレビジョン|NHK教育テレビ]]で放映される準決勝に進んだ。結果は敗れて3位。同年、地元岡山で開催された第2回全国小学生倉敷王将戦では高学年の部で優勝<ref name="post253">{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2010/02/post_253.html|title=菅井竜也・牧野光則 新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2010-02-23|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>。


[[2004年]]、小学6年(地方大会出場時は5年)で出場した第29回[[小学生将棋名人戦]]では、[[佐々木勇気]]に決勝で敗れ準優勝。第58回[[将棋のアマチュア棋戦#|アマチュア名人戦]]では大人達に混じって戦い、岡山県代表となる<ref name="post253"/>。同年、[[新進棋士奨励会|奨励会]]入会。
[[2004年]]、小学6年(地方大会出場時は5年)で出場した第29回[[小学生将棋名人戦]]では、[[佐々木勇気]]に決勝で敗れ準優勝。第58回[[将棋のアマチュア棋戦#|アマチュア名人戦]]では大人達に混じって戦い、岡山県代表となる<ref name="post253"/>。同年、[[新進棋士奨励会|奨励会]]入会。
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奨励会三段リーグには第43回([[2008年]]度前期)から参加。常に昇段争いに加わり、4期目では序盤の1勝2敗からの13連勝という爆発力を見せ、最終日の2局を残してプロ入りを決める(最終成績は15勝3敗)。また、消化試合となった最終日には、当時中学3年の佐々木勇気に勝ち、中学生棋士誕生の記録を阻んだ。
奨励会三段リーグには第43回([[2008年]]度前期)から参加。常に昇段争いに加わり、4期目では序盤の1勝2敗からの13連勝という爆発力を見せ、最終日の2局を残してプロ入りを決める(最終成績は15勝3敗)。また、消化試合となった最終日には、当時中学3年の佐々木勇気に勝ち、中学生棋士誕生の記録を阻んだ。


プロ1年目の[[2010年]]度に、早くも32勝10敗・勝率.762の好成績を挙げ、第5回([[2011年]]度)[[大和証券杯ネット将棋・最強戦]]に四・五段の4人枠中4位で出場。1回戦で[[羽生善治]][[名人戦 (将棋)|名人]]を破ったのを皮切りに、[[豊島将之]]六段、[[屋敷伸之]]九段を下して決勝に進出。決勝では同じく四・五段枠から出場した[[村山慈明]]五段を下して、棋戦初優勝を果たした。またこの結果を受けて[[日本将棋連盟]]役員会で審議が行われ、「類まれなる成績」により五段に昇段することが決定。決勝と同日の2011年8月21日付で昇段した。2011年度は他にも、本戦初出場の第61回[[NHK杯テレビ将棋トーナメント]]でベスト8(2回戦で師匠の井上慶太との「師弟対決」に勝利)、第5回[[朝日杯将棋オープン戦]]でもベスト4と活躍した。また、第70期[[順位戦]]C級2組でも9勝1敗の好成績だったが、[[阿部健治郎]]、[[中村太地]]、[[船江恒平]]の3人が10戦全勝を記録<ref>順位戦のB級2組以下が1期あたり10局が定着した第27期以降、同一階級で3人が全勝となったのは史上初であった。</ref>した為、不運にもC級1組への昇級はならなかった。なお、菅井の1敗は、兄弟子の船江との「同門対決」で喫したものである。2011年度はこれらの活躍により、第49回[[将棋大賞]]新人賞を受賞した。
プロ1年目の[[2010年]]度に、早くも32勝10敗・勝率.762の好成績を挙げ、第5回([[2011年]]度)[[大和証券杯ネット将棋・最強戦]]に四・五段の4人枠中4位で出場。1回戦で[[羽生善治]][[名人戦 (将棋)|名人]]を破ったのを皮切りに、[[豊島将之]]六段、[[屋敷伸之]]九段を下して決勝に進出。決勝では同じく四・五段枠から出場した[[村山慈明]]五段を下して、棋戦初優勝を果たした。またこの結果を受けて[[日本将棋連盟]]役員会で審議が行われ、「類まれなる成績」により五段に昇段することが決定。決勝と同日の2011年8月21日付で昇段した<ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2011/08/post_459.html|title=菅井竜也四段が五段へ昇段!|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2011-08-24|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>。2011年度は他にも、本戦初出場の第61回[[NHK杯テレビ将棋トーナメント]]でベスト8(2回戦で師匠の井上慶太との「師弟対決」に勝利)、第5回[[朝日杯将棋オープン戦]]でもベスト4と活躍した。また、第70期[[順位戦]]C級2組でも9勝1敗の好成績だったが、[[阿部健治郎]]、[[中村太地]]、[[船江恒平]]の3人が10戦全勝を記録<ref>順位戦のB級2組以下が1期あたり10局が定着した第27期以降、同一階級で3人が全勝となったのは史上初であった。</ref>した為、不運にもC級1組への昇級はならなかった。なお、菅井の1敗は、兄弟子の船江との「同門対決」で喫したものである。2011年度はこれらの活躍により、第39回[[将棋大賞]]新人賞を受賞した<ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2012/04/_2442.html|title=第39回将棋大賞が決まる!|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2012-04-03|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>


[[2012年]]度の第6回[[朝日杯将棋オープン戦]]で、[[丸山忠久]]、[[森内俊之]]、[[谷川浩司]]を破り、準優勝を果たした。
[[2012年]]度の第6回[[朝日杯将棋オープン戦]]で、[[丸山忠久]]、[[森内俊之]]、[[谷川浩司]]を破り、準優勝を果たした。
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[[2013年]]の第71期順位戦では、8勝2敗を上げるも順位差で同星の最上位佐々木慎が昇級し、同じく同星の中村太地と共に昇級を逃す。
[[2013年]]の第71期順位戦では、8勝2敗を上げるも順位差で同星の最上位佐々木慎が昇級し、同じく同星の中村太地と共に昇級を逃す。


[[2014年]]3月15日、第3回将棋電王戦において、プロ棋士側の先鋒として[[世界コンピュータ将棋選手権|第23回世界コンピュータ将棋選手権]]7位の[[習甦]]と対戦。コンピューター側の着手を「電王手くん」というロボットが担当したが、トラブルがあって夕食休憩入り直後にコンピューター側が着手をしてしまい、30分の考慮時間を菅井が得る形となった。対局は98手までで習甦に敗退した。
[[2014年]]3月15日、第3回将棋電王戦において、プロ棋士側の先鋒として[[世界コンピュータ将棋選手権|第23回世界コンピュータ将棋選手権]]7位の[[習甦]]と対戦<ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2013/12/vs_2014315412.html|title=人間vsコンピュータ「第3回将棋電王戦」の詳細決定 2014年3月15日~4月12日に開催 安倍首相による振り駒で、先手番は人間側に決定 ~ ソニー・コンピュータエンタテインメント、日産自動車、ローソンが協賛 ~|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2013-12-10|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>。コンピューター側の着手を「電王手くん」というロボットが担当したが、トラブルがあって夕食休憩入り直後にコンピューター側が着手をしてしまい、30分の考慮時間を菅井が得る形となった。対局は98手までで習甦に敗退した。


2014年7月19日、電王戦リベンジマッチにおいて第3回将棋電王戦で敗れた習甦と再度対戦。持ち時間が8時間ずつで、深夜をまたぐ対局となった。振り飛車ではなく居飛車を採用したが、中盤の長考がたたって持ち時間を失い、144手で習甦に再度敗れた。
2014年7月19日、電王戦リベンジマッチにおいて第3回将棋電王戦で敗れた習甦と再度対戦。持ち時間が8時間ずつで、深夜をまたぐ対局となった。振り飛車ではなく居飛車を採用したが、中盤の長考がたたって持ち時間を失い、144手で習甦に再度敗れた。


[[2015年]]3月9日、第73期順位戦C級1組で[[高野秀行 (棋士)|高野秀行]]に勝利し、9勝1敗の同星に澤田真吾がいたが、順位差で1位でB級2組に昇級を果たす。これにより、翌日六段昇段となる。同年[[11月5日]]、竜王戦2期連続昇級により 七段昇段。
[[2015年]]3月9日、第73期順位戦C級1組で[[高野秀行 (棋士)|高野秀行]]に勝利し、9勝1敗の同星に澤田真吾がいたが、順位差で1位でB級2組に昇級を果たす。これにより、翌日六段昇段となる<ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2015/03/post_1173.html|title=菅井竜也五段が六段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2015-03-12|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>。同年[[11月5日]]、竜王戦2期連続昇級により七段昇段<ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2015/11/post_1305.html|title=菅井竜也六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2015-11-06|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>


第75期([[2016年]]度)B級2組順位戦では、8勝2敗・2位の成績をあげ、B級1組への昇級を決めた。
第75期([[2016年]]度)B級2組順位戦では、8勝2敗・2位の成績をあげ、B級1組への昇級を決めた。


第58期(2016年度)[[王位戦 (将棋)|王位戦]]は挑戦者決定リーグ白組にて優勝を飾ると、[[2017年]]6月9日、紅組優勝の[[澤田真吾]]との挑戦者決定戦に勝ち、羽生善治王位への挑戦権を獲得した。2017年8月30日、3勝1敗で迎えた第5戦を108手で勝利し、6連覇中の羽生を下して自身初のタイトルを手にした。同時に、'''平成生まれの棋士として初めてのタイトルホルダー'''となった。
第58期(2016年度)[[王位戦 (将棋)|王位戦]]は挑戦者決定リーグ白組にて優勝を飾ると、[[2017年]]6月9日、紅組優勝の[[澤田真吾]]との挑戦者決定戦に勝ち、羽生善治王位への挑戦権を獲得した<ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2017/06/58_11.html|title=第58期王位戦、挑戦者は菅井竜也七段|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2017-06-10|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>。2017年8月30日、3勝1敗で迎えた第5戦を108手で勝利し、6連覇中の羽生を下して自身初のタイトルを手にした。同時に、'''平成生まれの棋士として初めてのタイトルホルダー'''となった<ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2017/08/58_12.html|title=第58期王位戦、菅井竜也七段が奪取|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2017-08-30|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>


== 棋風 ==
== 棋風 ==
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=== 将棋大賞 ===
=== 将棋大賞 ===
*第39回(2011年度) 新人賞
*第39回(2011年度) 新人賞
*第42回(2014年度) 勝率一位賞、最多勝利賞、升田幸三賞
*第42回(2014年度) 勝率一位賞、最多勝利賞、升田幸三賞<ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2015/04/42_4.html|title=第42回将棋大賞が決まる!|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2015-04-02|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>
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*第45回(2017年度) 優秀棋士賞


=== その他表彰 ===
=== その他表彰 ===
* 第26回関西囲碁将棋記者クラブ賞(2018年)<ref>{{Cite web|url=https://mainichi.jp/articles/20180526/k00/00m/040/020000c|title=関西囲碁将棋記者クラブ賞 本因坊文裕、菅井竜也王位に|date=2018-5-25|accessdate=2018-6-1|publisher=[[毎日新聞]]}}</ref>
* 第26回関西囲碁将棋記者クラブ賞(2018年)<ref>{{Cite web|url=https://mainichi.jp/articles/20180526/k00/00m/040/020000c|title=関西囲碁将棋記者クラブ賞 本因坊文裕、菅井竜也王位に|date=2018-5-25|accessdate=2018-6-1|publisher=[[毎日新聞]]}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.shogi.or.jp/news/2018/05/26.html|title=菅井竜也王位が「第26回関西囲碁将棋記者 クラブ賞」を受賞・特別賞に藤井聡太七段|将棋ニュース|日本将棋連盟|date=2018-05-25|accessdate=2018-06-12|publisher=[[日本将棋連盟]]}}</ref>


== 著書 ==
== 著書 ==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*[http://www.shogi.or.jp/player/kishi/sugai.html プロフィル(日本将棋連盟]
*[https://www.shogi.or.jp/player/pro/278.html 菅井竜也|棋士データベス|日本将棋連盟]
*[http://www.ryukikai.net/ 後援会(竜棋会)]
*[http://www.ryukikai.net/ 後援会(竜棋会)]


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[[Category:将棋棋士]]
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2018年6月12日 (火) 02:18時点における版

 菅井竜也 王位
名前 菅井竜也
生年月日 (1992-04-17) 1992年4月17日(32歳)
プロ入り年月日 2010年4月1日(17歳)
棋士番号 278
出身地 岡山県岡山市北区(旧御津郡御津町
師匠 井上慶太
保持タイトル 王位
段位 七段
棋士DB 菅井竜也
戦績
タイトル獲得合計 1期
一般棋戦優勝回数 2回
2017年8月30日現在
テンプレートを表示

菅井 竜也(すがい たつや、1992年4月17日 - )は、将棋棋士井上慶太門下。棋士番号は278。岡山県岡山市北区(旧御津郡御津町)出身。

棋歴

2003年、御津町立御津小学校5年の時に第28回小学生将棋名人戦に出場(地方大会出場時は4年)。西の代表2人のうちの1人となり、NHK教育テレビで放映される準決勝に進んだ。結果は敗れて3位。同年、地元岡山で開催された第2回全国小学生倉敷王将戦では高学年の部で優勝[1]

2004年、小学6年(地方大会出場時は5年)で出場した第29回小学生将棋名人戦では、佐々木勇気に決勝で敗れ準優勝。第58回アマチュア名人戦では大人達に混じって戦い、岡山県代表となる[1]。同年、奨励会入会。

奨励会三段リーグには第43回(2008年度前期)から参加。常に昇段争いに加わり、4期目では序盤の1勝2敗からの13連勝という爆発力を見せ、最終日の2局を残してプロ入りを決める(最終成績は15勝3敗)。また、消化試合となった最終日には、当時中学3年の佐々木勇気に勝ち、中学生棋士誕生の記録を阻んだ。

プロ1年目の2010年度に、早くも32勝10敗・勝率.762の好成績を挙げ、第5回(2011年度)大和証券杯ネット将棋・最強戦に四・五段の4人枠中4位で出場。1回戦で羽生善治名人を破ったのを皮切りに、豊島将之六段、屋敷伸之九段を下して決勝に進出。決勝では同じく四・五段枠から出場した村山慈明五段を下して、棋戦初優勝を果たした。またこの結果を受けて日本将棋連盟役員会で審議が行われ、「類まれなる成績」により五段に昇段することが決定。決勝と同日の2011年8月21日付で昇段した[2]。2011年度は他にも、本戦初出場の第61回NHK杯テレビ将棋トーナメントでベスト8(2回戦で師匠の井上慶太との「師弟対決」に勝利)、第5回朝日杯将棋オープン戦でもベスト4と活躍した。また、第70期順位戦C級2組でも9勝1敗の好成績だったが、阿部健治郎中村太地船江恒平の3人が10戦全勝を記録[3]した為、不運にもC級1組への昇級はならなかった。なお、菅井の1敗は、兄弟子の船江との「同門対決」で喫したものである。2011年度はこれらの活躍により、第39回将棋大賞新人賞を受賞した[4]

2012年度の第6回朝日杯将棋オープン戦で、丸山忠久森内俊之谷川浩司を破り、準優勝を果たした。 同年度は順位戦も前年度に続き好調を維持し9勝1敗。同星に阪口悟斎藤慎太郎がいたが順位最上位のため1位の成績でC級1組への昇級を遂げた。

2013年の第71期順位戦では、8勝2敗を上げるも順位差で同星の最上位佐々木慎が昇級し、同じく同星の中村太地と共に昇級を逃す。

2014年3月15日、第3回将棋電王戦において、プロ棋士側の先鋒として第23回世界コンピュータ将棋選手権7位の習甦と対戦[5]。コンピューター側の着手を「電王手くん」というロボットが担当したが、トラブルがあって夕食休憩入り直後にコンピューター側が着手をしてしまい、30分の考慮時間を菅井が得る形となった。対局は98手までで習甦に敗退した。

2014年7月19日、電王戦リベンジマッチにおいて第3回将棋電王戦で敗れた習甦と再度対戦。持ち時間が8時間ずつで、深夜をまたぐ対局となった。振り飛車ではなく居飛車を採用したが、中盤の長考がたたって持ち時間を失い、144手で習甦に再度敗れた。

2015年3月9日、第73期順位戦C級1組で高野秀行に勝利し、9勝1敗の同星に澤田真吾がいたが、順位差で1位でB級2組に昇級を果たす。これにより、翌日六段昇段となる[6]。同年11月5日、竜王戦2期連続昇級により、七段昇段[7]

第75期(2016年度)B級2組順位戦では、8勝2敗・2位の成績をあげ、B級1組への昇級を決めた。

第58期(2016年度)王位戦は挑戦者決定リーグ白組にて優勝を飾ると、2017年6月9日、紅組優勝の澤田真吾との挑戦者決定戦に勝ち、羽生善治王位への挑戦権を獲得した[8]。2017年8月30日、3勝1敗で迎えた第5戦を108手で勝利し、6連覇中の羽生を下して自身初のタイトルを手にした。同時に、平成生まれの棋士として初めてのタイトルホルダーとなった[9]

棋風

元来振り飛車党で、目標にしている久保利明を彷彿とさせる、捌きを重視する棋風であった。 2013年あたりから相矢倉を中心として居飛車も指すようになり、2014年頃は、序盤で趣向を凝らした相矢倉を好んで指していた。 2015年に入るとノーマル四間飛車も多用している。

序盤研究に定評があり、「菅井流」「菅井新手」と呼ばれる数々の戦法や新手を編み出していることでも有名で、対局相手にとっては的が絞りづらい棋風である。

人物

電王戦での二つ名は「振飛車電脳棋士」。ネットでは「勝率くん」と呼ばれることもある[10]

昇段履歴

昇段規定は、将棋の段級 を参照。

2008年4月から三段リーグ)

  • 2010年4月1日 四段(三段リーグ1位) = プロ入り
  • 2011年8月21日 五段(第5回大和証券杯ネット将棋・最強戦優勝をうけた「類い稀なる成績」による特別昇段)
  • 2015年3月10日 六段(順位戦B級2組昇級)
  • 2015年11月5日 七段(竜王戦2期連続昇級)

主な成績

獲得タイトル

  登場回数1回 獲得合計1期

棋戦優勝

優勝合計2回

在籍クラス

竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラス を参照。

将棋大賞

  • 第39回(2011年度) 新人賞
  • 第42回(2014年度) 勝率一位賞、最多勝利賞、升田幸三賞[11]
  • 第45回(2017年度) 優秀棋士賞[12]

その他表彰

  • 第26回関西囲碁将棋記者クラブ賞(2018年)[13][14]

著書

脚注

  1. ^ a b 菅井竜也・牧野光則 新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2010年2月23日). 2018年6月12日閲覧。
  2. ^ 菅井竜也四段が五段へ昇段!|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2011年8月24日). 2018年6月12日閲覧。
  3. ^ 順位戦のB級2組以下が1期あたり10局が定着した第27期以降、同一階級で3人が全勝となったのは史上初であった。
  4. ^ 第39回将棋大賞が決まる!|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2012年4月3日). 2018年6月12日閲覧。
  5. ^ 人間vsコンピュータ「第3回将棋電王戦」の詳細決定 2014年3月15日~4月12日に開催 安倍首相による振り駒で、先手番は人間側に決定 ~ ソニー・コンピュータエンタテインメント、日産自動車、ローソンが協賛 ~|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2013年12月10日). 2018年6月12日閲覧。
  6. ^ 菅井竜也五段が六段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2015年3月12日). 2018年6月12日閲覧。
  7. ^ 菅井竜也六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2015年11月6日). 2018年6月12日閲覧。
  8. ^ 第58期王位戦、挑戦者は菅井竜也七段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年6月10日). 2018年6月12日閲覧。
  9. ^ 第58期王位戦、菅井竜也七段が奪取|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年8月30日). 2018年6月12日閲覧。
  10. ^ 「将棋観戦が身近になる プロ棋士名鑑 2015」(宝島社)など
  11. ^ 第42回将棋大賞が決まる!|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2015年4月2日). 2018年6月12日閲覧。
  12. ^ 最優秀棋士賞に羽生善治竜王、特別賞に藤井聡太六段。第45回将棋大賞決まる|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2018年4月2日). 2018年6月12日閲覧。
  13. ^ 関西囲碁将棋記者クラブ賞 本因坊文裕、菅井竜也王位に”. 毎日新聞 (2018年5月25日). 2018年6月1日閲覧。
  14. ^ 菅井竜也王位が「第26回関西囲碁将棋記者 クラブ賞」を受賞・特別賞に藤井聡太七段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2018年5月25日). 2018年6月12日閲覧。

関連項目

外部リンク