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[[ファイル:Kazukuri.JPG|thumb|right|250px|カズクリ]]
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== 概要 ==
== 概要 ==
本来、普通のクリは[[花序]](後注)の先の部分に多数の[[雄花]]があり、基部に[[雌花]]が1~2個であるが、カズグリにおいては、すべてが雌花であり、花序に多数の[[イガ]]をつける特徴がある<ref name="自然紀行・日本の天然記念物 P54"></ref>。これは、突然変異を起こし、雄花がすべて雌花に変異したものと考えられている<ref name="自然紀行・日本の天然記念物 P54"></ref>。一本の花序に多数のイガを付けるが、結実するのは基部の1~3花である<ref name="自然紀行・日本の天然記念物 P54"></ref>。[[1925年]]([[大正]]14年)には、すでに岩手県の調査が入ったように、存在が知られており<ref name="岩手県調査">岩手県教育委員会編集、『岩手県史蹟名勝天然記念物調査』、国書刊行会、1984年、P691</ref>、[[1927年]]([[昭和]]2年)に'''カズグリ自生地'''として、国の天然記念物に指定されている<ref name="文化庁・国指定文化財等データベース・カズグリ自生地">[http://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails.asp?register_id=401&item_id=122 文化庁・国指定文化財等データベース・カズグリ自生地]</ref>。
本来、普通のクリは[[花序]](単独ではなく、多数の花が枝状に連なってついた状態<ref name="植物形態の事典">ヴェルナー・ラウ著、『植物形態の事典 新装版』、朝倉書店、2009年、P117</ref>。)の先の部分に多数の[[雄花]]があり、基部に[[雌花]]が1~2個であるが、カズグリにおいては、すべてが雌花であり、花序に多数の[[イガ]]をつける特徴がある<ref name="自然紀行・日本の天然記念物 P54"></ref>。これは、突然変異を起こし、雄花がすべて雌花に変異したものと考えられている<ref name="自然紀行・日本の天然記念物 P54"></ref>。一本の花序に多数のイガを付けるが、結実するのは基部の1~3花である<ref name="自然紀行・日本の天然記念物 P54"></ref>。[[1925年]]([[大正]]14年)には、すでに岩手県の調査が入ったように、存在が知られており<ref name="岩手県調査">岩手県教育委員会編集、『岩手県史蹟名勝天然記念物調査』、国書刊行会、1984年、P691</ref>、[[1927年]]([[昭和]]2年)に'''カズグリ自生地'''として、国の天然記念物に指定されている<ref name="文化庁・国指定文化財等データベース・カズグリ自生地">[http://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails.asp?register_id=401&item_id=122 文化庁・国指定文化財等データベース・カズグリ自生地]</ref>。

注、花序…単独ではなく、多数の花が枝状に連なってついた状態<ref name="植物形態の事典">ヴェルナー・ラウ著、『植物形態の事典 新装版』、朝倉書店、2009年、P117</ref>。


== 自生地・現況 ==
== 自生地・現況 ==
[[2010年]]([[平成]]22年)現在、カズグリは、岩手県花巻市東和町石鳩岡の数栗稲荷神社境内にあるのみである<ref name="自然紀行・日本の天然記念物 P54"></ref>。原木は枯れ、現存するのは[[接木]]によって増殖した7本のみである<ref name="日本の天然記念物 P310"></ref>。
[[2010年]]([[平成]]22年)現在、カズグリは、岩手県花巻市東和町石鳩岡の数栗稲荷神社境内にあるのみである<ref name="自然紀行・日本の天然記念物 P54"></ref>。原木は枯れ、現存するのは[[接木]]によって増殖した7本のみである<ref name="日本の天然記念物 P310"></ref>。


== 出典・脚注==
== 脚注==
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2018年7月24日 (火) 20:14時点における版

カズグリカズクリとは、クリ(栗)の突然変異種で、岩手県花巻市の1か所にのみ生育する。日本国の天然記念物に指定されている[1][2]

カズクリ

概要

本来、普通のクリは花序(単独ではなく、多数の花が枝状に連なってついた状態[3]。)の先の部分に多数の雄花があり、基部に雌花が1~2個であるが、カズグリにおいては、すべてが雌花であり、花序に多数のイガをつける特徴がある[1]。これは、突然変異を起こし、雄花がすべて雌花に変異したものと考えられている[1]。一本の花序に多数のイガを付けるが、結実するのは基部の1~3花である[1]1925年大正14年)には、すでに岩手県の調査が入ったように、存在が知られており[4]1927年昭和2年)にカズグリ自生地として、国の天然記念物に指定されている[5]

自生地・現況

2010年平成22年)現在、カズグリは、岩手県花巻市東和町石鳩岡の数栗稲荷神社境内にあるのみである[1]。原木は枯れ、現存するのは接木によって増殖した7本のみである[2]

脚注

  1. ^ a b c d e 花井正光、桂雄三、本間暁:監修、『自然紀行・日本の天然記念物』、講談社、2003年、P54、ISBN 4-06-211899-8
  2. ^ a b 加藤陸奥雄沼田眞、渡部景隆、畑正憲:監修、『日本の天然記念物』、講談社、1995年、P310、ISBN 4-06-180589-4
  3. ^ ヴェルナー・ラウ著、『植物形態の事典 新装版』、朝倉書店、2009年、P117
  4. ^ 岩手県教育委員会編集、『岩手県史蹟名勝天然記念物調査』、国書刊行会、1984年、P691
  5. ^ 文化庁・国指定文化財等データベース・カズグリ自生地