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「教育における差別を禁止する条約」の版間の差分

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m ボリビアの批准について
アンドラとパレスチナ国の批准について
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'''教育における差別を禁止する条約'''とは[[国際連合教育科学文化機関]]が、[[1960年]][[12月14日]]にパリでの第11回会期で採択した教育機関でのあらゆる差別の禁止と、[[世界人権宣言]]を踏まえた[[少数民族]]を含む全ての人の[[教育権]]について規定した条約である。201710月現在世界103カ国が[[批准]]しているが、日本は未批准である。<ref>{{Cite web |date= |url= http://www.unesco.org/eri/la/convention.asp?Ko=12949&language=E|title= 各国の教育における差別禁止条約批准状況|format= |doi= |work= |publisher= [[ユネスコ]]|page= |pages= |language= 英語|archiveurl= |archivedate= |accessdate=2013-11-28 |quote= |ref=}}</ref>
'''教育における差別を禁止する条約'''とは[[国際連合教育科学文化機関]]が、[[1960年]][[12月14日]]にパリでの第11回会期で採択した教育機関でのあらゆる差別の禁止と、[[世界人権宣言]]を踏まえた[[少数民族]]を含む全ての人の[[教育権]]について規定した条約である。20188月現在世界105カ国が[[批准]]しているが、日本は未批准である。<ref>{{Cite web |date= |url= http://www.unesco.org/eri/la/convention.asp?Ko=12949&language=E|title= 各国の教育における差別禁止条約批准状況|format= |doi= |work= |publisher= [[ユネスコ]]|page= |pages= |language= 英語|archiveurl= |archivedate= |accessdate=2013-11-28 |quote= |ref=}}</ref>
この条約は[[あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約]]と[[全ての移住労働者及びその家族の権利の保護に関する国際条約]]の前文にも引用されている。
この条約は[[あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約]]と[[全ての移住労働者及びその家族の権利の保護に関する国際条約]]の前文にも引用されている。


== 条約の概要 ==
== 条約の概要 ==
この条約は19条より成り、第1条で『[[差別]]』の定義として、「人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的もしくは社会的出身、経済的条件又は出生に基ついて、教育における待遇の平等を無効にし若しくは害する目的や効果を有する区別、排除、制限、又は特権」を明記し、(a)個人や集団から教育を受ける機会を奪うこと、(b)劣悪な教育上の基準にとどめておくこと、(c)第2条の条件を別として別々の教育制度や機関を設けること、(d)個人または集団に[[人間の尊厳]]と両立しない条件を科すことを禁止している。第2条では非差別となる例外事項として、同一の教育水準を前提とした男女別学、[[宗教教育]]や言語上の理由の為に保護者の希望に沿った教育制度や機関の設置、[[私立学校]]の設置を挙げている。第5条は、教育が[[人格]]の完全な発展及び[[人権]]と基本的自由の強化と、全ての国民、人種的集団又は宗教的集団の間の理解、[[寛容]]及び友好を促進し国際連合の活動を助長する義務を明示し、保護者の教育機関の選択権と、自己の信念による宗教教育と道徳教育の確保の自由と、[[少数民族]]の[[言語権|自らの言語を使用し教授すること]]、自己の信念と相いれない宗教教育を受けることを強制されない権利を明記している。第8条はこの条約に関する解釈に関する2以上の当事国間の紛争は、他に解決法がない場合には[[国際司法裁判所]]に付託されることを、第9条はこの条約に関する[[留保]]を禁止している。
この条約は19条より成り、第1条で『[[差別]]』の定義として、「人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的もしくは社会的出身、経済的条件又は出生に基ついて、教育における待遇の平等を無効にし若しくは害する目的や効果を有する区別、排除、制限、又は特権」を明記し、(a)個人や集団から教育を受ける機会を奪うこと、(b)劣悪な教育上の基準にとどめておくこと、(c)第2条の条件を別として別々の教育制度や機関を設けること、(d)個人または集団に[[人間の尊厳]]と両立しない条件を科すことを禁止している。第2条では非差別となる例外事項として、同一の教育水準を前提とした男女別学、[[宗教教育]]や言語上の理由の為に保護者の希望に沿った教育制度や機関の設置、[[私立学校]]の設置を挙げている。第5条は、教育が[[人格]]の完全な発展及び[[人権]]と基本的自由の強化と、全ての国民、人種的集団又は宗教的集団の間の理解、[[寛容]]及び友好を促進し国際連合の活動を助長する義務を明示し、保護者の教育機関の選択権と、自己の信念による宗教教育と[[道徳教育]]の確保の自由と、[[少数民族]]の[[言語権|自らの言語を使用し教授すること]]、自己の信念と相いれない宗教教育を受けることを強制されない権利を明記している。第8条はこの条約に関する解釈に関する2以上の当事国間の紛争は、他に解決法がない場合には[[国際司法裁判所]]に付託されることを、第9条はこの条約に関する[[留保]]を禁止している。


== 注釈 ==
== 注釈 ==

2018年8月16日 (木) 15:52時点における版

教育における差別を禁止する条約とは国際連合教育科学文化機関が、1960年12月14日にパリでの第11回会期で採択した教育機関でのあらゆる差別の禁止と、世界人権宣言を踏まえた少数民族を含む全ての人の教育権について規定した条約である。2018年8月現在世界105カ国が批准しているが、日本は未批准である。[1] この条約はあらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約全ての移住労働者及びその家族の権利の保護に関する国際条約の前文にも引用されている。

条約の概要

この条約は19条より成り、第1条で『差別』の定義として、「人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的もしくは社会的出身、経済的条件又は出生に基ついて、教育における待遇の平等を無効にし若しくは害する目的や効果を有する区別、排除、制限、又は特権」を明記し、(a)個人や集団から教育を受ける機会を奪うこと、(b)劣悪な教育上の基準にとどめておくこと、(c)第2条の条件を別として別々の教育制度や機関を設けること、(d)個人または集団に人間の尊厳と両立しない条件を科すことを禁止している。第2条では非差別となる例外事項として、同一の教育水準を前提とした男女別学、宗教教育や言語上の理由の為に保護者の希望に沿った教育制度や機関の設置、私立学校の設置を挙げている。第5条は、教育が人格の完全な発展及び人権と基本的自由の強化と、全ての国民、人種的集団又は宗教的集団の間の理解、寛容及び友好を促進し国際連合の活動を助長する義務を明示し、保護者の教育機関の選択権と、自己の信念による宗教教育と道徳教育の確保の自由と、少数民族自らの言語を使用し教授すること、自己の信念と相いれない宗教教育を受けることを強制されない権利を明記している。第8条はこの条約に関する解釈に関する2以上の当事国間の紛争は、他に解決法がない場合には国際司法裁判所に付託されることを、第9条はこの条約に関する留保を禁止している。

注釈

  1. ^ 各国の教育における差別禁止条約批准状況” (英語). ユネスコ. 2013年11月28日閲覧。

関連項目

外部リンク