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'''ロード・レージ''' (Road Rage) は、運転手が[[自動車]]の運転中に割り込みや追い越しなどに腹を立てて、過激な報復行動を取ることである。ロードレイジとも、車同士の喧嘩ともいう
'''ロード・レージ''' (Road Rage) は、運転手が[[自動車]]の運転中に割り込みや追い越しなどに腹を立てて、過激な報復行動を取ることである。


== 概要 ==
== 概要 ==
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|時間帯=UTC+9
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|概要= 高速道路の追越し車線で容疑者の車が被害者の車を止め、暴行を加え、後ろから来たトラックに被害者の車両が追突され2人死亡。
|概要= 高速道路の追越し車線で容疑者の車が被害者の車を止め、暴行を加え、後ろから来たトラックに被害者の車両が追突され2人死亡。
|攻撃側人数=1人(助手席にっていた女性1人を除く)
|攻撃側人数=1人(女性1人を除く)
|死亡=2人
|死亡=2人
|犯人=男(逮捕当時25歳、無職)
|犯人=男(逮捕当時25歳、無職)

2018年12月14日 (金) 09:28時点における版

ロード・レージ (Road Rage) は、運転手が自動車の運転中に割り込みや追い越しなどに腹を立てて、過激な報復行動を取ることである。

概要

大ヒットしたスティーヴン・スピルバーグ監督の映画激突!』において、巧みに主題に取り込まれている。ニュースなどで「怒れる運転者」としてアメリカで流行となった問題でもある。日常において些細な事で最悪のトラブル(殺人)に発展するという状況を指し、倫理問題とも絡めて語られる事が多い。被害に比べて情報の量や質が悪いケースの典型例としても取り上げられる。

性質

渋滞は人をイライラさせやすく、怒りが爆発してロードレージを引き起こしやすい。

人は車を運転している時は、気が大きくなる心理傾向がある。車は自分の思い通りに動く鎧のようなもので、自分が守られている空間であるからこそ気が大きくなる。したがって自分の思い通りにならない時は、些細な事でも怒りの感情が現れやすいとされている。また車のナンバーでは個人特定できない匿名性の高さから、本性が現れやすい事もある[1]。研究によると、大きくて目線の高い車、もしくは高級車に乗ると、自分が高級になったと錯覚しやすく、一部には気が大きくなって攻撃的になるドライバーもいる。また多数のステッカーや装飾品でカスタムを施している車両は、特にロード・レージを引き起こしやすい傾向がある[2][3]

怒りを感じた時に起こす行動の大半は、クラクションを鳴らす、車間を詰めて煽るなどである。しかし中には一線を超えて犯罪を侵す者もいる。その行動は、相手の車を停車させ、脅迫したり車から引きずり出して暴行を加えるなどがある。

ロード・レージの主な発生要因[4]
  • 煽り
  • 割り込み
  • クラクション
  • 急ブレーキ
  • 自分より小さな車に抜かれる
  • 追い越し車線での低速走行
対策

ロード・レージの対策としては、ドライブレコーダーを設置して、証拠の映像を収めるのが有効である。法的に争われた時に映像や音声があれば、自分はやっていない、相手にやられたという主張が可能である。また被害に遭いそうになった時は、車間距離を置いて、進路を塞がれた時は、脇道に入ってやり過ごすのが得策である。車から引きずり出されそうな時は、ドアや窓を開けられないようドアロックして、その場で110番通報して警察を呼ぶこと。

主な事件

東名高速夫婦死亡事故
場所 日本の旗 日本神奈川県足柄上郡中井町鴨沢
座標
北緯35度20分26秒 東経139度11分24.2秒 / 北緯35.34056度 東経139.190056度 / 35.34056; 139.190056座標: 北緯35度20分26秒 東経139度11分24.2秒 / 北緯35.34056度 東経139.190056度 / 35.34056; 139.190056
標的 一般乗用車の運転手
日付 2017年平成29年)6月5日 (UTC+9)
概要 高速道路の追越し車線で容疑者の車が被害者の車を止め、暴行を加え、後ろから来たトラックに被害者の車両が追突され2人死亡。
攻撃側人数 1人(同乗の女性1人を除く)
死亡者 2人
犯人 男(逮捕当時25歳、無職)
動機 カチンときたけん
対処 逮捕起訴
謝罪 なし(無罪を主張)
賠償 なし
刑事訴訟 危険運転致死傷監禁致死
判決:懲役18年(横浜地裁)
求刑:懲役23年
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2017年6月5日「東名高速夫婦死亡事故」 - 神奈川県大井町東名高速道路下り線で、追い越し車線に乗用車が2台並んで停車し、後ろからトラックが追突して、男女2人が死亡する事故が起きた。この事故の前には、直前の中井パーキングエリアで容疑者の車がPA出口を塞ぐように停車していた。それを邪魔に思っていた被害者の自動車が容疑者に対して口頭で注意した。それから高速道路へ出たところ、停車していた容疑車両が後ろから追いかけてきて、被害車両の前にでて、進路を塞ぐように蛇行運転を行った。その後、中央分離帯側の追い越し車線でブレーキをかけて、無理やり被害車両を停車させ、後ろから来たトラックに追突させて死亡事故を引き起こした。この事故によって、停車させた容疑者と、追突したトラック運転手が、自動車運転過失致死容疑で逮捕された[5]。なお、容疑者は日ごろからロード・レージを繰り返しており、事件から2ヶ月後にもロード・レージを起こしていることが明らかとなっている[6]

容疑者はその後、横浜拘置支所へ勾留されている。2018年10月には、勾留中の容疑者からメディア宛に、以下のような金銭を要求する内容の文書が送付されている[7]

俺と面会したいなら30万からやないと受つけとらんけん
それが無理なら諦めたがいいよ
人の事ネタにするのにタダで面会してもらうとか考え甘いばい
(原文ママ)

この事件をきっかけに、運転手の交通トラブルの意識が高まり、一部の店舗ではドライブレコーダーの売上が3倍に伸びた。一般乗用車におけるドライブレコーダーの普及率は、2017年時点で僅か10パーセントしかないが、報道を受けて急速な普及を促した事件である[8][9]

裁判

  • 2018年12月3日- 冒頭手続
  • 12月4日 - 被害夫婦の長女(17歳)への証人尋問
  • 12月5日 - 被告人(26歳)への質問
  • 12月6日 - 山口県内で起きたあおり運転絡みで起訴された3件を審理「2017年5月8日 強要未遂罪(下関市)」、「2017年5月9日 - 器物損壊罪(下関市)」、「2017年8月21日 - 強要未遂罪(山口市)」
  • 12月7日 - 被告の同乗女性への証人尋問、被告の父への質問、被告への質問
  • 12月10日 - 被害者の母の意見陳述、論告・求刑、最終弁論
  • 12月14日 - 判決日 - 横浜地裁で懲役18年の実刑判決が下された。

脚注

関連項目