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1873年から1888年まで、東北地方にあった日本陸軍の部隊。人事節は鎮台 2018年10月22日 (月) 16:34(UTC)版より転記。転記箇所主要執筆者はKawai、代言人 タグ: リダイレクト解除 |
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'''仙台鎮台'''（せんだいちんだい）は、1873年から1888年まで、東北地方にあった[[大日本帝国陸軍|日本陸軍]]の部隊で、全国に6つ置かれた[[鎮台]]の一つである。[[宮城県]][[仙台区|仙台]]に本営を、[[青森県]][[弘前市|弘前]]に分営をおいた。[[東北鎮台]]の後身として設けられ、[[鎮台]]廃止により[[第2師団 (日本軍)|第2師団]]に引き継がれた。 |
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== 仙台鎮台の発足 == |
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明治初めの日本の軍隊は、諸藩兵を集めたもので、政府直属の軍隊はなかった。この状態を変えるため、1871年（明治4年）に、東京に[[御親兵]]、地方に[[鎮台]]を置いた。東北地方の鎮台は[[東山道鎮台]]の名で計画され、[[東北鎮台]]として設置された。東北鎮台の本営は[[石巻市|石巻]]を予定したが、[[仙台城]]を利用できる仙台を当面の本営とした。 |
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1873年（明治6年）、鎮台条例の改定により、全国4鎮台を6鎮台に増やしたとき、東北鎮台の名を仙台鎮台に改めた<ref>『太政類典』第2編第205巻（兵制4・武官職制4）「[https://www.digital.archives.go.jp/das/meta/M0000000000000851379 鎮台ヲ諸道ニ置キ管所ヲ定ム]」。</ref>。石巻への鎮台設置は実現しないまま、仙台が正式に鎮台本営の地となった。 |
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このとき、鎮台の管轄地を特に[[軍管]]と呼ぶことになった。仙台鎮台は[[第2軍管]]で東北地方である。軍管は2つの[[師管]]に分けられた。現在の[[岩手県]]・[[宮城県]]・[[福島県]]にあたる東半分が鎮台直轄の[[第4師管]]、[[青森県]]・[[秋田県]]・[[山形県]]にあたる西半分は[[青森市|青森]]にある分営が管轄する[[第5師管]]である。 |
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鎮台条例により、第4師管には[[歩兵第4連隊]]、第5師管には[[歩兵第5連隊]]が配置されることになった。ほかに第2騎兵大隊、第2砲兵大隊、第2工兵小隊、第2輜重兵小隊が仙台鎮台に属した。北海道は第2軍管の範囲外だが、南端にいる[[函館砲隊]]は仙台鎮台に属した。人員の総数は平時4340人、戦時6410人である<ref name=rokkan1873>『公文録』第41巻「[https://www.digital.archives.go.jp/das/image/M0000000000000100852 六管鎮台表国事兵額並配分表刻成届]」。</ref>。しかしこの数は計画上のもので、この時点で仙台鎮台に歩兵連隊はなく、第4連隊の編成は1875年、第5連隊は1878年に完成した<ref>遠藤芳信「[https://ci.nii.ac.jp/naid/110000080351 日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (1)]」、『北海道教育大学紀要』人文科学・社会科学編、第54巻2号、2004年2月、76 - 77頁。</ref>。 |
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== 1885年改正 == |
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1885年6月の鎮台条例改正で、6つの鎮台の兵力が均一にそろえられた<ref name=c1885>『公文類聚』第9編第6巻（兵制門・兵制総・陸海軍管制・庁衙及兵営城堡附・兵器馬匹及艦舩・徴兵）、「[http://www.digital.archives.go.jp/das/meta/M0000000000001712810 鎮台条例ヲ改正ス]」。</ref>。各鎮台の主力は[[歩兵]]2個[[旅団]]（4個[[連隊]]）で、これに[[騎兵]]と[[砲兵]]が各1個連隊、[[工兵]]と[[輜重兵]]が各1個[[大隊]]が加わる。仙台鎮台の第2軍管は、新潟県を加えて東北地方と新潟県を範囲とした。歩兵1個連隊を青森においたほか、兵力の大半は仙台に集中することとした。 |
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この計画にもとづいて、部隊の増強が続いた。主力となる歩兵連隊らおいて、1885年段階で編成が完了していたのは、[[歩兵第4連隊|第4]]、[[歩兵第5連隊|第5]]と[[歩兵第16連隊|第16]]の3個歩兵連隊である。[[歩兵第17連隊]]の編成はこの年にはじまり、1887年に完了した<ref name=e8-104>遠藤芳信「日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (8)」人文科学・社会科学編、第59巻1号、2008年8月、104頁。</ref>。 |
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== 鎮台の廃止と師団への移行 == |
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1888年、鎮台条例は廃止になり、かわって[[師団司令部条例]]などが一斉に施行された。1885年条例の戦力を完成した仙台鎮台は、そのまま[[第2師団 (日本軍)|第2師団]]に移行した。 |
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== 部隊の編制 == |
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=== 1873年 === |
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1873年（明治8年）4月7日改訂の「六管鎮台表」による<ref name=rokkan1873></ref>。 |
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*仙台鎮台（仙台） |
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**[[歩兵第4連隊]]（仙台） 1875年9月に編成<ref name=e1-77>遠藤芳信「[https://ci.nii.ac.jp/naid/110000080351 日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (1)]」、『北海道教育大学紀要』人文科学・社会科学編、第54巻2号、2004年2月、77頁。</ref> |
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**[[歩兵第5連隊]]（青森） 1878年12月に編成<ref name=e1-77></ref> |
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**騎兵第2大隊 |
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**砲兵第2大隊 |
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**工兵第2小隊 |
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**輜重兵第2小隊 |
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**函館砲隊 |
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=== 1885年 === |
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鎮台条例の付表である「七軍管兵備表」と「諸兵配備表」による<ref name=c1885></ref>。戦時には常備軍と同じ構成（補充隊は欠く）の後備軍が編成される予定であった。 |
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*仙台鎮台（仙台） |
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**[[歩兵第3旅団]]（仙台） |
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***[[歩兵第4連隊]]（仙台） |
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***[[歩兵第16連隊]]（新発田） 1884年に編成完了<ref name=e8-104></ref> |
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**[[歩兵第4旅団]]（青森） |
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***[[歩兵第5連隊]]（青森） |
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***[[歩兵第17連隊]]（仙台） 1887年に編成完了<ref name=e8-104></ref> |
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**[[騎兵第2連隊]]（仙台） |
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**[[砲兵第2連隊]]（仙台） |
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**工兵第2大隊（仙台） |
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**輜重兵第2大隊（仙台） |
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**歩兵補充隊4個大隊 |
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**騎兵補充隊1個中隊 |
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**砲兵補充隊1個中隊 |
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**輜重兵補充隊1個中隊 |
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== 人事 == |
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===司令長官=== |
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*[[三好重臣]] 大佐：1873年（明治6年）1月9日 - 1874年（明治7年）8月20日 |
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*（代理）[[堀尾晴義]] 中佐：1874年（明治7年）9月18日 - 1878年（明治11年）9月12日 |
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*（代理）[[福原実]] 大佐：1878年（明治11年）9月12日 - 1878年（明治11年）11月20日 |
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*福原実 少将：1878年（明治11年）11月20日 - 1879年（明治12年）10月8日 |
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*（欠員）：1879年（明治12年）10月8日 - 1880年（明治13年）4月29日 |
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===司令官=== |
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*[[四条隆謌]] 少将：1880年（明治13年）4月29日 - 1881年（明治14年）2月7日 |
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*[[佐久間左馬太]] 少将：1881年（明治14年）2月7日 - 1885年（明治18年）5月21日 |
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*[[曾我祐準]] 中将：1885年（明治18年）5月21日 - 1886年（明治19年）3月16日 |
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*佐久間左馬太 中将：1886年（明治19年）3月16日 - 1888年（明治21年）5月12日（同年5月14日[[第2師団 (日本軍)|第2師団]]長） |
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===参謀長=== |
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*堀尾晴義 中佐：1874年（明治7年）8月28日 - 1874年（明治7年）9月18日 |
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*福原実 大佐：1878年（明治11年）9月14日 - 1878年（明治11年）11月22日 |
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*[[長屋重名]] 中佐：1878年（明治11年）12月17日 - 1881年（明治14年）1月22日 |
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*[[川上操六]] 中佐：1881年（明治14年）1月22日 - 1882年（明治15年）2月 |
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*[[大沼渉]] 大佐：1882年（明治15年）3月9日 - 1885年（明治18年）5月21日 |
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*（心得）[[大島義昌]] 中佐：1885年（明治18年）5月26日 - 1886年（明治19年）3月 |
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*[[高島信茂]] 大佐：1886年（明治19年）3月19日 - 1888年（明治21年5月） |
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== 脚注 == |
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<references />日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (1) |
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== 参考文献 == |
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*『[[太政類典]]』。[http://www.digital.archives.go.jp/ 国立公文書館デジタルアーカイブ]にて、2019年2月閲覧。 |
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*『[[公文類聚]]』。国立公文書館デジタルアーカイブにて、2019年2月閲覧。 |
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*『[[公文録]]』。国立公文書館デジタルアーカイブにて、2019年2月閲覧。 |
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*遠藤芳信「[https://ci.nii.ac.jp/naid/110000080351 日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (1)]」、『北海道教育大学紀要』人文科学・社会科学編、第54巻2号、2004年2月。 |
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*遠藤芳信「[https://ci.nii.ac.jp/naid/110006825901 日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (8)]」、『北海道教育大学紀要』人文科学・社会科学編、第59巻1号、2008年8月。 |
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[[Category:仙台市の歴史]] |
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[[Category:東北地方の歴史]] |
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[[Category:大日本帝国陸軍の部隊]] |
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2019年2月14日 (木) 00:22時点における版
仙台鎮台（せんだいちんだい）は、1873年から1888年まで、東北地方にあった日本陸軍の部隊で、全国に6つ置かれた鎮台の一つである。宮城県仙台に本営を、青森県弘前に分営をおいた。東北鎮台の後身として設けられ、鎮台廃止により第2師団に引き継がれた。
仙台鎮台の発足
明治初めの日本の軍隊は、諸藩兵を集めたもので、政府直属の軍隊はなかった。この状態を変えるため、1871年（明治4年）に、東京に御親兵、地方に鎮台を置いた。東北地方の鎮台は東山道鎮台の名で計画され、東北鎮台として設置された。東北鎮台の本営は石巻を予定したが、仙台城を利用できる仙台を当面の本営とした。
1873年（明治6年）、鎮台条例の改定により、全国4鎮台を6鎮台に増やしたとき、東北鎮台の名を仙台鎮台に改めた[1]。石巻への鎮台設置は実現しないまま、仙台が正式に鎮台本営の地となった。
このとき、鎮台の管轄地を特に軍管と呼ぶことになった。仙台鎮台は第2軍管で東北地方である。軍管は2つの師管に分けられた。現在の岩手県・宮城県・福島県にあたる東半分が鎮台直轄の第4師管、青森県・秋田県・山形県にあたる西半分は青森にある分営が管轄する第5師管である。
鎮台条例により、第4師管には歩兵第4連隊、第5師管には歩兵第5連隊が配置されることになった。ほかに第2騎兵大隊、第2砲兵大隊、第2工兵小隊、第2輜重兵小隊が仙台鎮台に属した。北海道は第2軍管の範囲外だが、南端にいる函館砲隊は仙台鎮台に属した。人員の総数は平時4340人、戦時6410人である[2]。しかしこの数は計画上のもので、この時点で仙台鎮台に歩兵連隊はなく、第4連隊の編成は1875年、第5連隊は1878年に完成した[3]。
1885年改正
1885年6月の鎮台条例改正で、6つの鎮台の兵力が均一にそろえられた[4]。各鎮台の主力は歩兵2個旅団（4個連隊）で、これに騎兵と砲兵が各1個連隊、工兵と輜重兵が各1個大隊が加わる。仙台鎮台の第2軍管は、新潟県を加えて東北地方と新潟県を範囲とした。歩兵1個連隊を青森においたほか、兵力の大半は仙台に集中することとした。
この計画にもとづいて、部隊の増強が続いた。主力となる歩兵連隊らおいて、1885年段階で編成が完了していたのは、第4、第5と第16の3個歩兵連隊である。歩兵第17連隊の編成はこの年にはじまり、1887年に完了した[5]。
鎮台の廃止と師団への移行
1888年、鎮台条例は廃止になり、かわって師団司令部条例などが一斉に施行された。1885年条例の戦力を完成した仙台鎮台は、そのまま第2師団に移行した。
部隊の編制
1873年
1873年（明治8年）4月7日改訂の「六管鎮台表」による[2]。
1885年
鎮台条例の付表である「七軍管兵備表」と「諸兵配備表」による[4]。戦時には常備軍と同じ構成（補充隊は欠く）の後備軍が編成される予定であった。
- 仙台鎮台（仙台）
人事
司令長官
- 三好重臣 大佐：1873年（明治6年）1月9日 - 1874年（明治7年）8月20日
- （代理）堀尾晴義 中佐：1874年（明治7年）9月18日 - 1878年（明治11年）9月12日
- （代理）福原実 大佐：1878年（明治11年）9月12日 - 1878年（明治11年）11月20日
- 福原実 少将：1878年（明治11年）11月20日 - 1879年（明治12年）10月8日
- （欠員）：1879年（明治12年）10月8日 - 1880年（明治13年）4月29日
司令官
- 四条隆謌 少将：1880年（明治13年）4月29日 - 1881年（明治14年）2月7日
- 佐久間左馬太 少将：1881年（明治14年）2月7日 - 1885年（明治18年）5月21日
- 曾我祐準 中将：1885年（明治18年）5月21日 - 1886年（明治19年）3月16日
- 佐久間左馬太 中将：1886年（明治19年）3月16日 - 1888年（明治21年）5月12日（同年5月14日第2師団長）
参謀長
- 堀尾晴義 中佐：1874年（明治7年）8月28日 - 1874年（明治7年）9月18日
- 福原実 大佐：1878年（明治11年）9月14日 - 1878年（明治11年）11月22日
- 長屋重名 中佐：1878年（明治11年）12月17日 - 1881年（明治14年）1月22日
- 川上操六 中佐：1881年（明治14年）1月22日 - 1882年（明治15年）2月
- 大沼渉 大佐：1882年（明治15年）3月9日 - 1885年（明治18年）5月21日
- （心得）大島義昌 中佐：1885年（明治18年）5月26日 - 1886年（明治19年）3月
- 高島信茂 大佐：1886年（明治19年）3月19日 - 1888年（明治21年5月）
脚注
- ^ 『太政類典』第2編第205巻（兵制4・武官職制4）「鎮台ヲ諸道ニ置キ管所ヲ定ム」。
- ^ a b 『公文録』第41巻「六管鎮台表国事兵額並配分表刻成届」。
- ^ 遠藤芳信「日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (1)」、『北海道教育大学紀要』人文科学・社会科学編、第54巻2号、2004年2月、76 - 77頁。
- ^ a b 『公文類聚』第9編第6巻（兵制門・兵制総・陸海軍管制・庁衙及兵営城堡附・兵器馬匹及艦舩・徴兵）、「鎮台条例ヲ改正ス」。
- ^ a b c 遠藤芳信「日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (8)」人文科学・社会科学編、第59巻1号、2008年8月、104頁。
- ^ a b 遠藤芳信「日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (1)」、『北海道教育大学紀要』人文科学・社会科学編、第54巻2号、2004年2月、77頁。
日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (1)
参考文献
- 『太政類典』。国立公文書館デジタルアーカイブにて、2019年2月閲覧。
- 『公文類聚』。国立公文書館デジタルアーカイブにて、2019年2月閲覧。
- 『公文録』。国立公文書館デジタルアーカイブにて、2019年2月閲覧。
- 遠藤芳信「日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (1)」、『北海道教育大学紀要』人文科学・社会科学編、第54巻2号、2004年2月。
- 遠藤芳信「日露戦争前における戦時編制と陸軍動員計画思想 (8)」、『北海道教育大学紀要』人文科学・社会科学編、第59巻1号、2008年8月。