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「ドライヴ・マイ・カー」の版間の差分

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「'''ドライヴ・マイ・カー''' 」 ("Drive My Car")は[[イギリス]]の[[ロック (音楽)|ロック]]・[[バンド (音楽)|バンド]]、[[ビートルズ]]の楽曲である。
「'''ドライヴ・マイ・カー''' 」 ("Drive My Car")は、[[ビートルズ]]の楽曲である。


== 解説 ==
== 解説 ==
本作は[[1965年]][[12月3日]]に発売された6作目の[[ビートルズの作品#英国盤公式オリジナル・アルバム|イギリス盤公式オリジナル・アルバム]]『[[ラバー・ソウル]]』のA面1曲目に収録された。[[レノン=マッカートニー]]の作実質的には[[ポール・マッカートニー]]の作品だが、[[ジョン・レノン]]も歌詞の部分で手助けしている<ref name> Barry Miles著 Many Years From Now P361</ref>。[[ボーカル|リード・ヴォーカル]]はポール。全編でジョンがハーモニーをつけ、一部ユニゾンである。[[自動車|車]]の[[警笛|クラクション]]を真似た"Beep beep'm beep beep yeah"という[[コーラス (ポピュラー音楽)|コーラス]]はポールのアイデア。[[弱起]]からはじまるイントロでも有名。1965年当時、アメリカで唯一ビートルズ人気に対抗できたと言われる[[モータウン]]・サウンドの影響を色濃く反映した曲で、特に[[ベース (弦楽器)|ベース]]と[[パーカッション]]は、あからさまにモータウンのリズム・セクションを再現している。
本作は[[1965年]][[12月3日]]に発売された6作目の[[ビートルズの作品#英国盤公式オリジナル・アルバム|イギリス盤公式オリジナル・アルバム]]『[[ラバー・ソウル]]』のA面1曲目に収録された<ref group="注釈">アメリカでは独自の編集盤『[[イエスタデイ・アンド・トゥデイ]]』に収録された。</ref>。[[レノンマッカートニー]]の作だが、実質的には[[ポール・マッカートニー]]の作品、[[ジョン・レノン]]も歌詞の部分で手助けしている<ref>{{cite book |last=Miles |first=Barry |year=1997 |authorlink=Barry Miles |title=Paul McCartney: Many Years From Now |publisher=Henry Holt & Company |location=New York |isbn=0-8050-5249-6 |ref=harv|page=361}}</ref>。[[ボーカル|リード・ヴォーカル]]はポール。全編でジョンがハーモニーをつけ、一部ユニゾンである。[[自動車|車]]の[[警笛|クラクション]]を真似た"Beep beep'm beep beep yeah"という[[コーラス (ポピュラー音楽)|コーラス]]はポールのアイデア。[[弱起]]からはじまるイントロでも有名。1965年当時、アメリカで唯一ビートルズ人気に対抗できたと言われる[[モータウン]]・サウンドの影響を色濃く反映した曲で、特に[[ベース (弦楽器)|ベース]]と[[パーカッション]]は、あからさまにモータウンのリズム・セクションを再現している。


=== 歌詞 ===
=== 歌詞 ===
曲中の男性は、女性に自分は有名なムービー・スターになるはずで、男性を自身の運転手にしてもいいと伝えられる。そこで彼が断ると、彼女はがんばって働くよりももっと素晴らしい時間にしてみせると言ってきた。彼が申し出を受け入れると、実は彼女は車を持っておらず、運転手が見つかったしこれからがスタートと言うのであった<ref name="aldridge">{{cite book |author=Alan Aldridge, Ed. |title=The Beatles Illustrated Lyrics |publisher=Houghton Mifflin / Seymour Lawrence |location=Boston |year=1990 |pages=24 |isbn=0-395-59426-X}}</ref>
曲中の男性は、女性に自分は有名なムービー・スターになるはずで、男性を自身の運転手にしてもいいと伝えられる。そこで彼が断ると、彼女はがんばって働くよりももっと素晴らしい時間にしてみせると言ってきた。彼が申し出を受け入れると、実は彼女は車を持っておらず、運転手が見つかったしこれからがスタートと言うのであった<ref name="aldridge">{{cite book |author=Alan Aldridge, Ed. |title=The Beatles Illustrated Lyrics |publisher=Houghton Mifflin / Seymour Lawrence |location=Boston |year=1990 |pages=24 |isbn=0-395-59426-X}}</ref>


=== 制作 ===
=== 制作 ===
ポールがジョンのウェイブリッジにある家に曲制作のために滞在していたとき、彼はこの曲が思い浮かんだが、「歌詞は悲惨だというのは僕には分かっていた。」<ref name="miles269">{{cite book |last=Miles |first=Barry |title=Paul McCartney: Many Years From Now |year=1997 |pages=269}}</ref>。コーラスは"You can buy me diamond rings"という使い古された言葉であり、"diamond rings"はこれまでに2回、「[[キャント・バイ・ミー・ラヴ]]」と「[[アイ・フィール・ファイン]]」<ref name="macdonald132-133">{{cite book |author=Ian MacDonald |title=Revolution in the Head: the Beatles' Records and the Sixties |publisher=Henry Holt and Company |location=New York |year=1994 |pages=132-133 |isbn=0-8050-2780-7}}</ref>で使われていた。ジョンは歌詞を「馬鹿馬鹿しく、甘すぎる」<ref name="spitz586">{{cite book |author=Bob Spitz |title=The Beatles: The Biography |publisher=Little, Brown |location=Boston |year=2005 |pages=586 |isbn=0-316-80352-9}}</ref>と否定した。2人は歌詞を書き直すことにし、困難の末<ref>ポールは「最もやっかいな」ライティング・セッションの1つだったと回想した。</ref><ref name="anthology">{{cite book |author=The Beatles |title=The Beatles Anthology |publisher=Chronicle Books |location=San Francisco |year=2000 |pages=194 |isbn=0-8118-2684-8}}</ref>、「ドライヴ・マイ・カー」という題が決まり、その題から全体の歌詞が簡単に湧き上がった<ref name="spitz586"/> 。
ポールがジョンのウェイブリッジにある家に曲制作のために滞在していたとき、彼はこの曲が思い浮かんだが、「歌詞は悲惨だというのは僕には分かっていた。」<ref name="miles269">{{cite book |last=Miles |first=Barry |title=Paul McCartney: Many Years From Now |year=1997 |pages=269}}</ref>。コーラスは"You can buy me diamond rings"という使い古された言葉であり、"diamond rings"はこれまでに2回、「[[キャント・バイ・ミー・ラヴ]]」と「[[アイ・フィール・ファイン]]」<ref name="macdonald132-133">{{cite book |author=Ian MacDonald |title=Revolution in the Head: the Beatles' Records and the Sixties |publisher=Henry Holt and Company |location=New York |year=1994 |pages=132-133 |isbn=0-8050-2780-7}}</ref>で使われていた。ジョンは歌詞を「馬鹿馬鹿しく、甘すぎる」<ref name="spitz586">{{cite book |author=Bob Spitz |title=The Beatles: The Biography |publisher=Little, Brown |location=Boston |year=2005 |pages=586 |isbn=0-316-80352-9}}</ref>と否定した。2人は歌詞を書き直すことにし、困難の末<ref group="注釈">ポールは「最もやっかいな」ライティング・セッションの1つだったと回想した。</ref><ref name="anthology">{{cite book |author=The Beatles |title=The Beatles Anthology |publisher=Chronicle Books |location=San Francisco |year=2000 |pages=194 |isbn=0-8118-2684-8}}</ref>、「ドライヴ・マイ・カー」という題が決まり、その題から全体の歌詞が簡単に湧き上がった<ref name="spitz586"/> 。


この曲はアルバム中2番目に書かれた「コメディ・ナンバー」<ref>1つめは[[ノルウェーの森]]</ref>であるとポールは録音した2日後にメロディー・メーカーで発言している。
この曲はアルバム中2番目に書かれた「コメディ・ナンバー」<ref group="注釈">1つめは[[ノルウェーの森]]</ref>であるとポールは録音した2日後にメロディー・メーカーで発言している。


=== 録音 ===
=== 録音 ===
「ドライヴ・マイ・カー」は[[アビー・ロード・スタジオ]]において[[1965年]][[10月13日]]に録音された。ポールは[[ジョージ・ハリスン]]と一緒になって基本のリズムトラックを録り、ベースと低音のギターで似たリフを重ねた。それはジョージの提案に従って行った<ref name="crawdaddy">"Crawdaddy" 1977.2</ref>。彼はそのころ[[オーティス・レディング]]の"'''[[リスペクト (オーティス・レディングの曲)|Respect]]'''"を聴いており、その影響で「ドライヴ・マイ・カー」は今までのビートルズの曲よりリズム・トラックが強力で、レディングが[[メンフィス (テネシー州)|メンフィス]]のスタジオで生み出したベースのヘビーな音を真似ている<ref name="macdonald132-133"/><ref>姉妹曲だと見なされている「[[デイ・トリッパー]]」は、1967年にレディング自身がテンポを上げて録音し、[[スタックス・レコード]]からシングル・カットされている。</ref>。
「ドライヴ・マイ・カー」は[[アビー・ロード・スタジオ]]において[[1965年]][[10月13日]]の深夜行われた最初のレコーディング・セッションで録音された<ref name="Lewisohn">{{cite book |last=Lewisohn |first=Mark |authorlink=Mark Lewisohn |title=The Beatles Recording Sessions |publisher=Harmony Books |location=New York |year=1988 |isbn=0-517-57066-1 |ref=harv |page=63}}</ref>。ポールは[[ジョージ・ハリスン]]と一緒になって基本のリズムトラックを録り、ベースと低音のギターで似たリフを重ねた。それはジョージの提案に従って行った<ref name="crawdaddy">"Crawdaddy" 1977.2</ref>。彼はそのころ[[オーティス・レディング]]の"'''[[リスペクト (オーティス・レディングの曲)|Respect]]'''"を聴いており、その影響で「ドライヴ・マイ・カー」は今までのビートルズの曲よりリズム・トラックが強力で、レディングが[[メンフィス (テネシー州)|メンフィス]]のスタジオで生み出したベースのヘビーな音を真似ている<ref name="macdonald132-133"/><ref group="注釈">姉妹曲だと見なされている「[[デイ・トリッパー]]」は、1967年にレディング自身がテンポを上げて録音し、[[スタックス・レコード]]からシングル・カットされている。</ref>。


ジョージがヴァースの土台となるギター・リフを作り出したのにもかかわらず、ポールがギター・ソロを弾いている<ref>MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 166. ISBN 1-84413-828-3.</ref>。ジョージはリードギターをジョージとポールの2人で一緒に弾いたと語っている<ref name="crawdaddy"/>。
ジョージがヴァースの土台となるギター・リフを作り出したのにもかかわらず、ポールがギター・ソロを弾いている<ref>{{cite book |last=MacDonald |first=Ian |year=2005 |authorlink=Ian MacDonald |title=Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties |edition=Second Revised |publisher=Pimlico (Rand) |location=London |isbn=1-84413-828-3 |ref=harv|page=166}}</ref>。ジョージはリードギターをジョージとポールの2人で一緒に弾いたと語っている<ref name="crawdaddy"/>。

ポールのメイン・ボーカルのパートについて、ジャーナリストの{{仮リンク|リッチー・アンターバーガー|label=リッチー・アンターバーガー|en|Richie Unterberger}}は、「ハードロックのボーカル」と評している<ref>{{cite web |last=Unterberger |first=Richie|year=2009 |title=Drive My Car |publisher=[[オールミュージック|AllMusic]] |url={{Allmusic|class=song|id=t819430|pure_url=yes}} |accessdate=2019-02-24}}</ref>。


=== 演奏 ===
=== 演奏 ===
*[[ポール・マッカートニー]] - [[ボーカル|リード・ヴォーカル]]、[[ピアノ]]、[[エレクトリックベース]]、[[スライドギター]]
*[[ポール・マッカートニー]] - [[ボーカル|リード・ーカル]]、[[ピアノ]]、[[エレクトリックベース]]、[[スライドギター]]<ref name="Everett">{{cite book |last=Everett |first=Walter |year=2001 |title=The Beatles as Musicians: The Quarry Men through Rubber Soul |publisher=Oxford University Press |location=New York, NY |isbn=0-19-514105-9 |ref=harv|page=315}}</ref>
*[[ジョン・レノン]] - [[ボーカル|ヴォーカル]]
*[[ジョン・レノン]] - リード・ボーカル
*[[ジョージ・ハリスン]] - [[コーラス (ポピュラー音楽)|ラス]]、[[リードギター]]
*[[ジョージ・ハリスン]] - [[コーラス (ポピュラー音楽)|バッキング・ボカル]]、[[リードギター]]
*[[リンゴ・スター]] - [[ドラムセット|ドラムス]]、[[カウベル]]、[[タンリン]]
*[[リンゴ・スター]] - [[ドラムセット|ドラムス]]、[[カウベル]]、[[タンリン]]
:クレジットは[[:en:Ian MacDonald|イアン・マクドナルド]]による。<ref name="macdonald2p166">{{cite book |first=Ian |last=MacDonald |title=Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties |year=2005 |pages=166 |edition=Second Revised Edition |publisher=Pimlico (Rand) |location=London |isbn=1-844-13828-3}}</ref>
:クレジットは[[:en:Ian MacDonald|イアン・マクドナルド]]による。<ref name="macdonald2p166">{{cite book |first=Ian |last=MacDonald |title=Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties |year=2005 |pages=166 |edition=Second Revised Edition |publisher=Pimlico (Rand) |location=London |isbn=1-844-13828-3}}</ref>


==カヴァーなど==
==カヴァーなど==
この曲は '''Cape Cod Covers, Vol. 2 "The Beatles"'''でケイト・テイラーが歌っている。このアルバムはAngel Flight, NE(ボランティア団体)への利益のために作られた。
この曲は、『Cape Cod Covers, Vol. 2 "The Beatles"でケイト・テイラーが歌っている。このアルバムはAngel Flight, NE(ボランティア団体)への利益のために作られた。


この曲は[[第39回スーパーボウル]]で[[ハーフタイムショー]]中にマッカートニーがライヴ演奏した4曲中の1曲であり、ロンドンで行われた[[LIVE 8]]で演奏された5曲中の1曲である。[[ジョージ・マイケル]]がバック・ヴォーカルを務めた。マッカートニーの1993-1994年のワールドツアーでは、オープニング・ナンバーとして演奏されている。
この曲は[[第39回スーパーボウル]]で[[ハーフタイムショー]]中にマッカートニーがライヴ演奏した4曲中の1曲であり、ロンドンで行われた[[LIVE 8]]で演奏された5曲中の1曲である。[[ジョージ・マイケル]]がバック・ヴォーカルを務めた。マッカートニーの1993-1994年のワールドツアーでは、オープニング・ナンバーとして演奏されている。


[[2006年]]12月に発表されたアルバム『[[ラヴ (ビートルズのアルバム)|ラヴ]]』の中で、この曲のサンプリングがドライヴ・マイ・カー / [[愛のことば (ビートルズの曲)|愛のことば]] / [[ホワット・ユー・アー・ドゥーイング]]の大々的に使われている。
[[2006年]]12月に発表されたアルバム『[[ラヴ (ビートルズのアルバム)|ラヴ]]』の中で、[[愛のことば (ビートルズの曲)|愛のことば]]」「[[ホワット・ユー・アー・ドゥーイング]]」とメドレー形式収録されている。


バンド[[:en:Breakfast Club (band)|Breakfast Club]]がこの曲をカヴァー、映画『{{仮リンク|運転免許証 (映画)|label=運転免許証|en|License to Drive}}』に使わている
バンド[[:en:Breakfast Club (band)|Breakfast Club]]によるカヴァー音源が[[1988年]]に公開された映画『{{仮リンク|運転免許証 (映画)|label=運転免許証|en|License to Drive}}』のオープニングテーマ起用さた<ref>{{Cite web|url=https://www.discogs.com/Breakfast-Club-Drive-My-Car/master/428970|title=Breakfast Club - Drive My Car|Releases|website=[[Discogs]]|publisher=Zink Media, Inc.|accessdate=2019-02-24}}</ref>


[[ボビー・マクファーリン]]がアルバム'''Simple Pleasures'''」でこの曲をカヴァーしている。
[[ボビー・マクファーリン]]のカヴァーアルバム'''Simple Pleasures'''』に収録されている。


[[ザ・ホットラッツ]]のカーが、イギリスで[[ヒューゴ・ボス]]のCM曲に起用されている。
[[ザ・ホットラッツ]]のカヴァーが、イギリスで[[ヒューゴ・ボス]]のCM曲に起用されている。


[[ソウライヴ]]のアルバムRubber Souliveに収録されたカバーが[[TBSラジオ&コミュニケーションズ|TBSラジオ]][[たまむすび]]の交通情報コーナーのBGMとして[[2017年]]3月まで使用された。
[[ソウライヴ]]のアルバムRubber Souliveに収録されたカバーが[[TBSラジオ&コミュニケーションズ|TBSラジオ]][[たまむすび]]の交通情報コーナーのBGMとして[[2017年]]3月まで使用された。


== 収録盤 ==
== 収録盤 ==
* 『[[ラバー・ソウル]]』
* 『[[ラバー・ソウル]]』
* 『[[イエスタディ・アンド・トゥディ|イエスタディ・アンド・トゥデイ]]』
* 『[[イエスタディ・アンド・トゥディ]]』
* 『[[ザ・ビートルズ1962年〜1966年]]』
* 『[[ザ・ビートルズ1962年〜1966年]]』
* 『[[リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス]]』
* 『[[リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス]]』
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==脚注==
==脚注==
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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[[Category:1965年の楽曲]]
[[Category:1965年の楽曲]]
[[Category:自動車を題材とした楽曲]]
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[[Category:楽曲 と|らいうまいか]]
[[Category:楽曲 と|らいうまいか]]

2019年2月23日 (土) 16:47時点における版

ドライヴ・マイ・カー
ビートルズ楽曲
収録アルバムラバー・ソウル
リリースイギリスの旗 イギリス1965年12月3日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国1966年6月20日
日本の旗 日本1966年3月15日
録音アビー・ロード・スタジオ
1965年10月13日
ジャンルロック[1]
R&B
時間2分28秒 (stereo version)
2分33秒 (monaural version)
レーベルパーロフォンイギリス
キャピトル・レコードアメリカ
オデオン・レコード日本
作詞者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ラバー・ソウル 収録曲
A面
  1. ドライヴ・マイ・カー
  2. ノルウェーの森
  3. ユー・ウォント・シー・ミー
  4. ひとりぼっちのあいつ
  5. 嘘つき女
  6. 愛のことば
  7. ミッシェル
B面
  1. 消えた恋
  2. ガール
  3. 君はいずこへ
  4. イン・マイ・ライフ
  5. ウェイト
  6. 恋をするなら
  7. 浮気娘

ドライヴ・マイ・カー 」 ("Drive My Car")は、ビートルズの楽曲である。

解説

本作は1965年12月3日に発売された6作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバムラバー・ソウル』のA面1曲目に収録された[注釈 1]レノン=マッカートニーの作だが、実質的にはポール・マッカートニーの作品で、ジョン・レノンも歌詞の部分で手助けしている[2]リード・ヴォーカルはポール。全編でジョンがハーモニーをつけ、一部ユニゾンである。クラクションを真似た"Beep beep'm beep beep yeah"というコーラスはポールのアイデア。弱起からはじまるイントロでも有名。1965年当時、アメリカで唯一ビートルズ人気に対抗できたと言われるモータウン・サウンドの影響を色濃く反映した曲で、特にベースパーカッションは、あからさまにモータウンのリズム・セクションを再現している。

歌詞

曲中の男性は、女性に自分は有名なムービー・スターになるはずで、男性を自身の運転手にしてもいいと伝えられる。そこで彼が断ると、彼女はがんばって働くよりももっと素晴らしい時間にしてみせると言ってきた。彼が申し出を受け入れると、実は彼女は車を持っておらず、運転手が見つかったしこれからがスタートと言うのであった[3]

制作

ポールがジョンのウェイブリッジにある家に曲制作のために滞在していたとき、彼はこの曲が思い浮かんだが、「歌詞は悲惨だというのは僕には分かっていた。」[4]。コーラスは"You can buy me diamond rings"という使い古された言葉であり、"diamond rings"はこれまでに2回、「キャント・バイ・ミー・ラヴ」と「アイ・フィール・ファイン[5]で使われていた。ジョンは歌詞を「馬鹿馬鹿しく、甘すぎる」[6]と否定した。2人は歌詞を書き直すことにし、困難の末[注釈 2][7]、「ドライヴ・マイ・カー」という題が決まり、その題から全体の歌詞が簡単に湧き上がった[6]

この曲はアルバム中2番目に書かれた「コメディ・ナンバー」[注釈 3]であると、ポールは録音した2日後にメロディー・メーカーで発言している。

録音

「ドライヴ・マイ・カー」はアビー・ロード・スタジオにおいて1965年10月13日の深夜に行われた最初のレコーディング・セッションで録音された[8]。ポールはジョージ・ハリスンと一緒になって基本のリズムトラックを録り、ベースと低音のギターで似たリフを重ねた。それはジョージの提案に従って行った[9]。彼はそのころオーティス・レディングの"Respect"を聴いており、その影響で「ドライヴ・マイ・カー」は今までのビートルズの曲よりリズム・トラックが強力で、レディングがメンフィスのスタジオで生み出したベースのヘビーな音を真似ている[5][注釈 4]

ジョージがヴァースの土台となるギター・リフを作り出したのにもかかわらず、ポールがギター・ソロを弾いている[10]。ジョージはリードギターをジョージとポールの2人で一緒に弾いたと語っている[9]

ポールのメイン・ボーカルのパートについて、ジャーナリストのリッチー・アンターバーガー英語版は、「ハードロックのボーカル」と評している[11]

演奏

クレジットはイアン・マクドナルドによる。[13]

カヴァーなど

この曲は、『Cape Cod Covers, Vol. 2 "The Beatles"』でケイト・テイラーが歌っている。このアルバムはAngel Flight, NE(ボランティア団体)への利益のために作られた。

この曲は、第39回スーパーボウルハーフタイムショー中にマッカートニーがライヴ演奏した4曲中の1曲であり、ロンドンで行われたLIVE 8で演奏された5曲中の1曲である。ジョージ・マイケルがバック・ヴォーカルを務めた。マッカートニーの1993-1994年のワールドツアーでは、オープニング・ナンバーとして演奏されている。

2006年12月に発表されたアルバム『ラヴ』の中で、「愛のことば」「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」とのメドレー形式で収録されている。

バンドBreakfast Clubによるカヴァー音源が、1988年に公開された映画『運転免許証英語版』のオープニングテーマに起用された[14]

ボビー・マクファーリンのカヴァーが、アルバム『Simple Pleasures』に収録されている。

ザ・ホットラッツのカヴァーが、イギリスでヒューゴ・ボスのCM曲に起用されている。

ソウライヴのアルバム『Rubber Soulive』に収録されたカバーがTBSラジオたまむすび』の交通情報コーナーのBGMとして2017年3月まで使用された。

収録盤

脚注

注釈

  1. ^ アメリカでは独自の編集盤『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』に収録された。
  2. ^ ポールは「最もやっかいな」ライティング・セッションの1つだったと回想した。
  3. ^ 1つめは「ノルウェーの森
  4. ^ 姉妹曲だと見なされている「デイ・トリッパー」は、1967年にレディング自身がテンポを上げて録音し、スタックス・レコードからシングル・カットされている。

出典

  1. ^ Hamelman, Steven L. (2004). But is it Garbage?: On Rock and Trash. University of Georgia Press. p. 11. ISBN 9780820325873. https://books.google.com/books?id=9jkEJn45tCsC 
  2. ^ Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt & Company. p. 361. ISBN 0-8050-5249-6 
  3. ^ Alan Aldridge, Ed. (1990). The Beatles Illustrated Lyrics. Boston: Houghton Mifflin / Seymour Lawrence. pp. 24. ISBN 0-395-59426-X 
  4. ^ Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. pp. 269 
  5. ^ a b Ian MacDonald (1994). Revolution in the Head: the Beatles' Records and the Sixties. New York: Henry Holt and Company. pp. 132-133. ISBN 0-8050-2780-7 
  6. ^ a b Bob Spitz (2005). The Beatles: The Biography. Boston: Little, Brown. pp. 586. ISBN 0-316-80352-9 
  7. ^ The Beatles (2000). The Beatles Anthology. San Francisco: Chronicle Books. pp. 194. ISBN 0-8118-2684-8 
  8. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 63. ISBN 0-517-57066-1 
  9. ^ a b "Crawdaddy" 1977.2
  10. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 166. ISBN 1-84413-828-3 
  11. ^ Unterberger, Richie (2009年). “Drive My Car”. AllMusic. 2019年2月24日閲覧。
  12. ^ Everett, Walter (2001). The Beatles as Musicians: The Quarry Men through Rubber Soul. New York, NY: Oxford University Press. p. 315. ISBN 0-19-514105-9 
  13. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised Edition ed.). London: Pimlico (Rand). pp. 166. ISBN 1-844-13828-3 
  14. ^ Breakfast Club - Drive My Car|Releases”. Discogs. Zink Media, Inc.. 2019年2月24日閲覧。