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「ライ麦パン」の版間の差分

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!ライ麦の割合!!名前
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|10%以下||ヴァイツェンブロート
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|50%以上90%未満||ロッゲンミッシュブロート
|50%以上90%未満||ロッゲンミッシュブロート

2019年7月5日 (金) 03:33時点における版

オーストリアで焼かれたライ麦パン(ロッゲンミッシュブロート)

ライ麦パン(ライむぎパン、: rye bread)は、ライムギから作ったパンである。「ライ」(rye)から作った「パン」なので「ライパン」とも呼ばれ、また、通常作られるパン(小麦から作ったパン)より黒いので黒パンともいう。ライ麦パン(黒パン)は、ドイツオーストリアロシア東欧北欧などで、多く食べられている。

ライ麦パンと黒パン

しかしライ麦パンと黒パンは同義ではない。黒くなる理由は全粒粉や、皮や胚芽を含む精製度の低い粉を使用するためである。そのため精製度の高い粉を使うあまり黒くないライ麦パンもある。しかし全粒粉や精製度の低い粉を使用すると、栄養価が高く、麦の旨みを味わえるパンができる。また、全てライ麦ではなく、小麦や燕麦を混ぜたライ麦パンもある。小麦を混ぜたライ麦パン(ライ麦を混ぜた小麦パンともいえる)は色が薄く柔らかくなる。この混ぜる割合により様々なライ麦パンの種類がある。

ドイツパンの場合、ライ麦の配合率で呼び方が決まっている。小麦はヴァイツェン(: Weizen)、ライ麦はロッゲン(Roggen)、混ぜるはミッシュ(misch)、パンはブロート(Brot)なので、「小麦/ライ麦(Weizen/Roggen)」+(「混ぜる」(misch)+)「パン(Brot)」という表記方法になる。ドイツで定められている名称は、以下の通りとなる[1]

ライ麦の割合 名前
10%未満 ヴァイツェンブロート
10%以上50%未満 ヴァイツェンミッシュブロート
50%以上90%未満 ロッゲンミッシュブロート
90%以上 ロッゲンブロート

長らくヨーロッパでは、柔らかい白パンは上等で、ライ麦パン・黒パンは下等という価値観が存在したが、近年では健康志向から栄養価の高いライ麦パン・黒パンが見直されている[2]

作り方

小麦から作るパンでは発酵イースト菌がよく使われるが、ライ麦パンでは主にイースト菌ではなくサワードウが使われる。そのため生地に酸味がある。小麦のパンより膨らみが悪いので、硬くて密度が高く、麦の濃厚な旨みを味わえ、噛みごたえや食べごたえがあり腹持ちがいい。小麦のパンよりビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれている。

食べ方

硬いので薄切りにしてバターラードシュマルツサワークリームなどを塗って食べる。また、塩気のある食材と相性が良く、薄切りパンにイクラキャビアオイルサーディンなどをのせたり、薄切りパンでハムチーズスモークサーモンなどを挟んでサンドイッチにもする。薄切りにしてトーストしたライ麦パンにパストラミコンビーフザワークラウトスイスチーズなどを挟んだルーベンサンドが知られている。

昔のヨーロッパでは、パンを1週間から数ヶ月おきにまとめて焼いて貯蔵しておく習慣があったので、古くなったライ麦パンはナイフも通らないほど硬くなった。そのため予め適当な大きさに切って保存した。ライ麦パンはその酸味のため日持ちがする。

硬くなったパンは水や酒やスープに浸して柔らかくして食べる他、粥やスープにして食べる。また(硬くなった)ライ麦パン(黒パン)をお湯に溶かして麦芽や酵母によって発酵させ、1〜3%のアルコールを含むビールのような清涼飲料水を作る。ロシアのクワスが有名である。

脚注

関連項目