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'''コネクシウィスパエラ・カリドゥス'''("''[[Candidatus]]'' Conexivisphaera calidus")は、2019年に報告された未記載の好熱性[[古細菌]]である。2019年7月時点では記載されていないが、16S rRNA配列より、[[タウム古細菌]]門に属すものの、綱レベルで既知の種とは異なるとされる<ref name="理研2019">{{Cite web |url= http://www.riken.jp/pr/press/2019/20190611_1/|publisher=[[理化学研究所]] |title= 難培養アーキア(古細菌)の分離培養に成功 -「微生物ダークマター」の一端を解明- | accessdate=2019-07-06}}</ref>。他の多くの[[タウム古細菌]]がアンモニア酸化を行うのに対し、本古細菌は嫌気性で、従属栄養的に増殖することが異なっている<ref name="理研2019"/>。 |
'''コネクシウィスパエラ・カリドゥス'''("''[[Candidatus]]'' Conexivisphaera calidus")は、[[2019年]]に報告された未記載の好熱性[[古細菌]]である。2019年7月時点では記載されていないが、[[16S rRNA系統解析|16S rRNA配列]]より、[[タウム古細菌]]門に属すものの、綱レベルで既知の種とは異なるとされる<ref name="理研2019">{{Cite web |url= http://www.riken.jp/pr/press/2019/20190611_1/|publisher=[[理化学研究所]] |title= 難培養アーキア(古細菌)の分離培養に成功 -「微生物ダークマター」の一端を解明- | accessdate=2019-07-06}}</ref>。他の多くの[[タウム古細菌]]がアンモニア酸化([[亜硝酸菌]])を行うのに対し、本古細菌は嫌気性で、[[従属栄養生物|従属栄養]]的に増殖することが異なっている<ref name="理研2019"/>。 |
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三価の鉄を加えた培地を用い、[[栃木県]]の[[塩原温泉]](57℃、pH2.2)より分離された<ref name = "ISMEJ2019">{{ cite journal | author = Shingo, Kato, ''et al.'' | title = Isolation and characterization of a thermophilic sulfur- and iron-reducing thaumarchaeote from a terrestrial acidic hot spring | journal = ISME J. | year = 2019 | volume = | doi = 10.1038/s41396-019-0447-3 }}</ref>。この古細菌は難培養微生物であり、その生育条件は60~70℃(最適 |
三価の[[鉄]]を加えた培地を用い、[[栃木県]]の[[塩原温泉]](57℃、pH2.2)より分離された<ref name = "ISMEJ2019">{{ cite journal | author = Shingo, Kato, ''et al.'' | title = Isolation and characterization of a thermophilic sulfur- and iron-reducing thaumarchaeote from a terrestrial acidic hot spring | journal = ISME J. | year = 2019 | volume = | doi = 10.1038/s41396-019-0447-3 }}</ref>。この古細菌は難培養微生物であり、その生育条件は60~70℃(最適65℃<ref>推定では66℃</ref>)、pH4.5~5.5(最適pH5.0)と狭い<ref name = "ISMEJ2019"/>。この研究グループは以前培地に鉄を加えることで、同じ温泉から[[テルモトガ門]]の難培養微生物を記載したことがあり、培地に鉄を加え、様々な温度・pH条件を試行することで培養を可能とした<ref name="理研2019"/>。その他の性質としては、0.5~0.8μmの不規則な形をした球菌で、運動性は無く、鞭毛や繊毛は観察されなかった<ref name = "ISMEJ2019"/>。偏性嫌気性で、炭素源及びエネルギー源として[[酵母エキス]]や[[ペプトン]]、最終電子受容体として三価の鉄のほか元素[[硫黄]]や[[チオ硫酸]]を利用する<ref name = "ISMEJ2019"/>。ゲノムサイズは1,593,902bpで、推定遺伝子領域は1608ヶ所<ref name = "ISMEJ2019"/>。本種の硫黄還元能力は、[[クレン古細菌]]から[[遺伝子の水平伝播]]により獲得した形跡があるという<ref name = "ISMEJ2019"/>。 |
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== 脚注 == |
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2019年7月5日 (金) 16:11時点における版
コネクシウィスパエラ・カリドゥス | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
"Candidatus Conexivisphaera calidus"(暫定名) |
コネクシウィスパエラ・カリドゥス("Candidatus Conexivisphaera calidus")は、2019年に報告された未記載の好熱性古細菌である。2019年7月時点では記載されていないが、16S rRNA配列より、タウム古細菌門に属すものの、綱レベルで既知の種とは異なるとされる[1]。他の多くのタウム古細菌がアンモニア酸化(亜硝酸菌)を行うのに対し、本古細菌は嫌気性で、従属栄養的に増殖することが異なっている[1]。
三価の鉄を加えた培地を用い、栃木県の塩原温泉(57℃、pH2.2)より分離された[2]。この古細菌は難培養微生物であり、その生育条件は60~70℃(最適65℃[3])、pH4.5~5.5(最適pH5.0)と狭い[2]。この研究グループは以前培地に鉄を加えることで、同じ温泉からテルモトガ門の難培養微生物を記載したことがあり、培地に鉄を加え、様々な温度・pH条件を試行することで培養を可能とした[1]。その他の性質としては、0.5~0.8μmの不規則な形をした球菌で、運動性は無く、鞭毛や繊毛は観察されなかった[2]。偏性嫌気性で、炭素源及びエネルギー源として酵母エキスやペプトン、最終電子受容体として三価の鉄のほか元素硫黄やチオ硫酸を利用する[2]。ゲノムサイズは1,593,902bpで、推定遺伝子領域は1608ヶ所[2]。本種の硫黄還元能力は、クレン古細菌から遺伝子の水平伝播により獲得した形跡があるという[2]。
脚注