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3月18日に始まったことから、当初、台湾メディアでは'''318学運'''・'''占領国会事件'''と呼ばれていた。他に'''318青年占領立法院'''・'''太陽花学運'''・'''ヒマワリ学運'''・'''318公民運動'''などという呼び方がある。現在最も一般的な呼び方は'''太陽花学生運動''' |
3月18日に始まったことから、当初、台湾メディアでは'''318学運'''・'''占領国会事件'''と呼ばれていた。他に'''318青年占領立法院'''・'''太陽花学運'''・'''ヒマワリ学運'''・'''318公民運動'''などという呼び方がある。現在最も一般的な呼び方は'''太陽花学生運動'''になっている。 |
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院内の状況は、随時メディアや[[ニコニコ生放送]]経由で放送され、その[[ヒマワリ]]が掲げられている様子を見て、他の支持者たちも次々とひまわりを贈った。そのような中、[[台湾]][[新北市]][[永和区]]の花屋が、1300本のひまわりを院内に送り込んだことにより、ひまわりがこの社会活動の象徴となった。 |
院内の状況は、随時メディアや[[ニコニコ生放送]]経由で放送され、その[[ヒマワリ]]が掲げられている様子を見て、他の支持者たちも次々とひまわりを贈った。そのような中、[[台湾]][[新北市]][[永和区]]の花屋が、1300本のひまわりを院内に送り込んだことにより、ひまわりがこの社会活動の象徴となった。 |
2019年7月24日 (水) 07:51時点における版
ひまわり学生運動 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 318青年佔領立法院、太陽花學運 |
簡体字: | 318青年占领立法院、太阳花学运 |
ひまわり学生運動 | |
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場所 | 中華民国(台湾)台北市 |
日付 | 2014年 |
ひまわり学生運動(ひまわりがくせいうんどう、中国語: 太陽花學運、318學運)は、2014年3月18日に、中華民国(台湾)の学生と市民らが、立法院(日本の国会議事堂にあたる)を占拠した学生運動から始まった社会運動。
名称
3月18日に始まったことから、当初、台湾メディアでは318学運・占領国会事件と呼ばれていた。他に318青年占領立法院・太陽花学運・ヒマワリ学運・318公民運動などという呼び方がある。現在最も一般的な呼び方は太陽花学生運動になっている。
院内の状況は、随時メディアやニコニコ生放送経由で放送され、そのヒマワリが掲げられている様子を見て、他の支持者たちも次々とひまわりを贈った。そのような中、台湾新北市永和区の花屋が、1300本のひまわりを院内に送り込んだことにより、ひまわりがこの社会活動の象徴となった。
日本の報道では、単に「台湾立法院の占拠」と報じられることが多く、太陽花学運という呼び名は一般的ではないが、一部メディアでは、この名称を紹介することもある[1][2]。
概要
2014年3月17日に立法院で、台中間のサービス分野の市場開放を目指す「サービス貿易協定」の批准に向けた審議を委員会で行っていたが、与野党が携帯式スピーカーを持ち込んで、100デシベル程の「騒がしい言い合い」になっており[3]、議事の進行を担当する与党・中国国民党の立法委員(議員)、野党・民主進歩党に占拠された講壇に上がることさえできなかったため、時間切れを理由に一方的に審議を打ち切った[4]。そのため、反発が広がった[5]。
2014年3月18日午後6時(台湾現地時間)ごろ、サービス貿易協定を反対するデモ活動が行われ、同日午後9時過ぎになって、300名を超える学生のデモ参加者が立法院議場内に進入した。
なお、台湾の歴史上、民衆によって議場が占拠されたのは憲政史上初めてである[6]。
立法院の外でも、学生たちを支持する市民が数千から数万人ほど集まり、デモを開いている[7][8]。抗議活動には、学生や市民のほか、台湾最大野党の民主進歩党なども、学生と歩調を合わせ、抗議活動を拡大させている[9]。
過程
9時54分、議場内の学生たちは警察に議場を去るよう求め、「議場を国民に返せ」と大声で叫んだ。9時56分に、青島東路にいた警察を議場から追い出そうとした学生たちと警察との間で衝突が起こり、そして学生たちは議場2階の記者席及び傍聴席にも押し寄せた。議場を占領した学生たちはさらに《318青年、立法院を占領、ブラックボックスによるサービス業貿易協定反対宣言》を発表し、その中で主に、無理矢理可決させた後の経済発展の行く末を憂慮し、それに実質的にサービス業貿易協定の審査を改めてすることを求めると示した。
また、10時20分、学生代表として林飛帆が「我々は人民を代表して立法院を奪回する」、「私たちは野党が人民の行動に加わるのを歓迎する」、「我々は馬政府及び馬総統に、直ちに自ら国会へ出向き、人民の訴えに応えることを要求する」という三つの条件を提出し、それに加えて、今回のイベントに参加した人々が3月21日まで主席の席を占領することを表示した。
立法院の長である王金平は、サービス貿易協定への進め方で馬英九と反目しており、学生の排除にも否定的である[10]。24日、台湾のテレビ局TVBSの世論調査では、学生たちの行動に市民の51%が賛成し、サービス貿易協定に対しては68%が反対を表明している[11]。
3月25日、馬英九総統は、学生の代表との会談を提案、学生側も受け入れた[12]。ただし、会談の方法について、学生側は公開討論とするように要求するなどしている[13]。条件は折り合わず、学生側は態度を硬化させ、提案を一旦白紙に戻した[14]。3月27日、学生側は記者会見で、無期限の立法院占拠を宣言した[15]。
中華人民共和国国務院は、この状況に「両岸の経済協力の進展が妨害されることを誰も望まない」と不快感を示し、陳水扁政権下の冷え込んだ中台関係に戻ると牽制した[16]。
3月29日、馬英九は記者会見で、中台間で結ぶ協定に対し、立法院などによる監督権限を定めた法令を制定する考えを表明した。しかし、協定そのものの撤回は否定している[17]。学生の指導者林飛帆は、毎日新聞とのインタビューで、一連の抗議活動を「台湾の民主主義を救うためだ」と説明している[18]。
3月30日、学生側は総統府周辺で抗議集会を開いた。規模は主催者発表で50万人、警察発表では11万6000人である[19]。また、香港でもこのデモに呼応して、学生を支持する市民800人が市街地でデモ行進を行った[20]。一方、4月1日には、中台統一を主張する団体[21][22][23][24]など約1500人が立法院前に集まり、サービス貿易協定の賛成を訴えるとともに、立法院に侵入しようとした。こちらは警官隊に阻止され、学生たちと睨み合いとなった[25]。
4月4日、馬英九は、学生らが制定を求めていた立法院などの監視機能を定めた法令案(両岸協議監督条例)を行政院で決定した。学生らの要求に対して、一定の譲歩を示したが、学生側はより透明性の高い制度を要求しており、さらにサービス貿易協定そのものを見直すよう求めている[26][27]。馬英九が一定の譲歩を示したことで、4月2日から3日にかけてのTVBSの世論調査では、立法院からの退去を主張する意見が33%となり、占拠継続への支持26%を逆転し、上回った[28]。
4月6日、立法院の王金平院長は学生側の要求に応じ、「両岸協議監督条例」が法制化されるまで、サービス貿易協定の審議を行わないと表明すると共に、学生側に議場から撤退するよう呼びかけた[29]。この提案を受けて学生側は、「この段階での任務を達成した」として4月10日に立法院から退去することを発表した[30]。
4月10日、学生たちは立法院の議場から退去した。しかし、退去に反対する一部の学生は、立法院の敷地内に留まっていたものの、突入を許可された警察によって排除された[31][32]。
この一連の事態の中で、台湾の民放の世論調査では、馬英九総統の支持率は10%前後にまで低下した[33]。
4月16日、中華人民共和国国務院は学生の動きについて、両岸関係の平和的発展のプロセスを破壊、妨害するものと批判した[34]。この事件により、中華人民共和国の中台統一に向けた動きは、仕切り直しを迫られる事となった[35]。
サービス貿易協定
台中間のサービス分野の市場開放を目指す「海峡両岸サービス貿易協定」は、中国側が金融や医療など80分野を、台湾側が運輸や美容など64分野を開放する協定で、2013年6月に中台間で調印されたものの、台湾の中小企業へのダメージ、且つ台中間の政治問題で懸念が根強くあり[36]、デモ及び占拠の原因となった。また、サービス貿易協定とは別の台中経済協定の協議も2014年中に締結を目指しており、中華人民共和国側はサービス貿易協定の早期発効を求めている[6]。
写真
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周囲を警戒する警察官
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立法院の二階上から見た図
その後
2014年11月29日の統一地方選挙で、国民党が大敗し、馬英九が国民党主席を辞任するなど、政権は大きなダメージを受けた。この選挙結果には、立法院占拠の影響が強いとの見方がある。選挙運動のリーダー林飛帆は、学生たちはこの結果に肯定的に見ているとしている。また「自分の役割から、選挙を分析するのは適当ではない」と前置きした上で、この学生運動が国民党の敗北に影響したという見解を示した[37]。
2015年2月に行われる立法委員(日本の国会議員に相当)補選で、「ひまわり学生運動」の指導者の一人、陳為廷は2014年12月25日、出馬を取りやめると発表した。台湾メディアが報じた。陳は痴漢で起訴猶予処分になった過去を告白、批判が高まっていた[38][39]。
この運動を起こした若者らが中心となり、時代力量という政党が設立された。時代力量は、2016年1月の立法院選挙において、民主進歩党と協力した[40]。時代力量は泛緑連盟に参加しながら、蔡英文政権に対して野党として是々非々で臨んでいる。
脚注
- ^ 福島香織 (2014年3月26日). “中台統一に抗する「台湾ひまわり学運」のゆくえ”. 日経ビジネス (日経BP) 2016年4月4日閲覧。
- ^ “野ユリ、野イチゴ…今回は「ヒマワリ」台湾の学生運動”. 産経新聞 (産経新聞社). (2014年3月30日). オリジナルの2014年4月4日時点におけるアーカイブ。 2014年4月5日閲覧。
- ^ “飛行機の離陸に近い騒音における審議”. 中央社. (2014年3月17日) 2014-3-26]閲覧。
- ^ “学生が国会を占拠する”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2014年3月19日) 2014-03-23]閲覧。
- ^ “「中台協定」反対の学生らが議場占拠 台湾 「産業切り捨てにつながる」”. 産経新聞. (2014年3月19日). オリジナルの2014年3月19日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b “台湾立法院、学生が占拠…中台貿易協定に反対”. 読売新聞. (2014年3月19日)[リンク切れ]
- ^ “台湾学生ら、立法院占拠 中国との協定めぐり与党に抗議”. 朝日新聞. (2014年3月19日). オリジナルの2014年3月23日時点におけるアーカイブ。 2014-03-23]閲覧。
- ^ “台湾の学生側集会に首相、対話は決裂 立法院占拠”. 朝日新聞. (2014年3月22日). オリジナルの2014年3月23日時点におけるアーカイブ。 2014-03-23]閲覧。
- ^ “台湾議会占拠、長期化も 馬総統と議長 足並みに乱れ”. 産経新聞. (2014年3月21日). オリジナルの2014年3月27日時点におけるアーカイブ。 2014年3月28日閲覧。
- ^ 吉村剛史 (2014年3月24日). “台湾、行政院占拠の学生ら放水で強制排除 130人超負傷 続く議場占拠”. 産経新聞. オリジナルの2014年3月27日時点におけるアーカイブ。 2014年3月28日閲覧。
- ^ “台湾総統府で対話を 馬氏、学生に呼び掛け 占拠支持は51%に”. 読売新聞. (2014年3月26日) 2014年3月29日閲覧。
- ^ “台湾の立法院占拠、馬総統と学生代表が会談へ”. Reuters. (2014年3月25日) 2014年3月25日閲覧。
- ^ 吉村剛史 (2014年3月26日). “【台湾・立法院占拠】与野党協議も物別れ 馬総統は学生と対話望む”. 産経新聞. オリジナルの2014年3月27日時点におけるアーカイブ。 2014年3月28日閲覧。
- ^ 吉村剛史 (2014年3月27日). “学生側「総統府に誠意なし」と態度硬化 台湾・立法院占拠で”. 産経新聞. オリジナルの2014年3月27日時点におけるアーカイブ。 2014年3月28日閲覧。
- ^ “無期限の国会占拠を宣言 台湾の学生ら、総統批判”. 産経新聞. (2014年3月27日). オリジナルの2014年3月28日時点におけるアーカイブ。 2014年3月28日閲覧。
- ^ “中国、台湾の抗議行動に不快感 学生への支援表明の野党をけん制”. 産経新聞. (2014年3月26日). オリジナルの2014年3月27日時点におけるアーカイブ。 2014年3月28日閲覧。
- ^ “台湾総統、立法院占拠の学生らに歩み寄り示す”. 読売新聞. (2014年3月29日) 2014年3月29日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “台湾:「民主主義救う行動だ」立法院占拠の学生指導者”. 毎日新聞. (2014年3月29日). オリジナルの2014年4月12日時点におけるアーカイブ。 2014年3月29日閲覧。
- ^ “中国にのみ込まれる…台湾学生、対中協定に抗議”. 読売新聞. (2014年3月30日) 2014年3月31日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “台湾の学生支持…香港で800人デモ”. 産経新聞. (2014年3月30日). オリジナルの2014年3月30日時点におけるアーカイブ。 2014年3月31日閲覧。
- ^ 中華統一促進党総裁「白狼」張安楽が予告の上立法院に乗込んだ件の一連の記事より(「同学們回家ロ巴」のプラカードが同日付時事通信記事と同一) 蘋果日報 2014年4月1日
- ^ wikipedia(中文) 中華統一促進党
- ^ wikipedia(中文) 張安楽 (中華統一促進党首)
- ^ wikipedia(中文) 竹聯幇 台湾黒社会竹聯幇構成員「白狼」張安樂在籍 1972-1975
- ^ “占拠の立法院前に1500人=協定賛成の統一派ら-台湾”. 時事通信. (2014年4月1日) 2014年4月1日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 比嘉清太 (2014年4月4日). “中台協定監視案、学生拒否…立法院占拠継続へ”. 読売新聞 2014年4月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 鵜飼啓 (2014年4月4日). “台湾、政権も学生も「宣伝戦」 長期化する立法院占拠”. 朝日新聞. オリジナルの2014年4月4日時点におけるアーカイブ。 2014年4月4日閲覧。
- ^ 比嘉清太 (2014年4月7日). “台湾学生代表「成果あった」…立法院から退去へ”. 読売新聞 2014年4月8日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 鵜飼啓 (2014年4月6日). “占拠学生の要求、応じる姿勢 台湾立法院長が表明”. 朝日新聞. オリジナルの2014年4月6日時点におけるアーカイブ。 2014年4月7日閲覧。
- ^ “学生側「10日に退去」と発表 台湾の議場占拠、収束の見通し”. 産経新聞. (2014年4月7日). オリジナルの2014年4月8日時点におけるアーカイブ。 2014年4月8日閲覧。
- ^ 鈴木玲子 (2014年4月10日). “台湾:議場占拠から24日目 学生らが退去”. 毎日新聞. オリジナルの2014年4月12日時点におけるアーカイブ。 2014年4月10日閲覧。
- ^ 比嘉清太 (2014年4月10日). “中台協定、審議先送りへ…占拠学生ら議場退去”. 読売新聞 2014年4月10日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 吉村剛史 (2014年4月15日). “民進党主席に蔡氏有力 台湾 現職不出馬で一本化”. 産経新聞. オリジナルの2014年4月15日時点におけるアーカイブ。 2014年4月17日閲覧。
- ^ 林望 (2014年4月16日). “中国政府、台湾立法院占拠の学生ら批判”. 朝日新聞. オリジナルの2014年4月17日時点におけるアーカイブ。 2014年4月17日閲覧。
- ^ “台湾戦略、仕切り直し=立法院占拠受け-中国”. 時事通信. (2014年4月16日) 2014年4月17日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Taiwan's services agreement with China triggers concerns” (英語). BBC. (2013年10月28日) 2014年4月2日閲覧。
- ^ 楊虔豪 (2014年12月4日). “中国への嫌悪感」が台湾民進党圧勝の背景”. 東洋経済オンライン 2014年12月6日閲覧。
- ^ “補選出馬表明の学生運動指導者に痴漢の過去 台湾で波紋広がる”. 産経ニュース. (2014年12月24日)
- ^ “「痴漢」告白の台湾学生指導者、出馬取りやめ”. 産経新聞. (2014年12月25日)
- ^ “「時代力量」に勢い…与党地盤で善戦”. 毎日新聞. (2016年1月6日) 2016年1月17日閲覧。
関連項目
- 四月革命 (韓国)
- 三月学運 - 1990年の学生事件
- 色の革命
- 2014年香港反政府デモ - 香港で起きた学生デモ
- 2013年タイ反政府デモ
- ユーロマイダン
- 経済ナショナリズム
- 時代力量