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*2017年2月 - [[最高裁判所裁判官|最高裁判所判事]] |
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**山口は弁護士出身枠として最高裁判事となっているが、[[日本弁護士連合会]]が推薦した最高裁判事の候補者には含まれておらず、実際には弁護士登録からわずか1年未満であり、実質的には学者出身枠の最高裁判事と同様のキャリアである中で[[第3次安倍内閣]]の推薦によって最高裁判事に任命された<ref>[http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2017/02/27/%E3%80%8C%E6%85%A3%E8%A1%8C%E3%80%8D%E7%84%A1%E8%A6%96%E3%81%AE%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E4%BA%BA%E4%BA%8B%EF%BC%88%E8%A5%BF%E5%B7%9D%E4%BC%B8%E4%B8%80%EF%BC%89/ 「慣行」無視の最高裁人事(西川伸一) | 週刊金曜日ニュース]</ref>。そのため慣行破りとの批判や最高裁人事の多様性といった賛成など、就任には賛否両論があった。 |
**山口は弁護士出身枠として最高裁判事となっているが、[[日本弁護士連合会]]が推薦した最高裁判事の候補者には含まれておらず、実際には弁護士登録からわずか1年未満であり、実質的には法学者出身枠の最高裁判事と同様のキャリアである中で[[第3次安倍内閣]]の推薦によって最高裁判事に任命された<ref>[http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2017/02/27/%E3%80%8C%E6%85%A3%E8%A1%8C%E3%80%8D%E7%84%A1%E8%A6%96%E3%81%AE%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A3%81%E4%BA%BA%E4%BA%8B%EF%BC%88%E8%A5%BF%E5%B7%9D%E4%BC%B8%E4%B8%80%EF%BC%89/ 「慣行」無視の最高裁人事(西川伸一) | 週刊金曜日ニュース]</ref>。そのため慣行破りとの批判や最高裁人事の多様性といった賛成など、就任には賛否両論があった。 |
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== 学説 == |
== 学説 == |
2020年3月19日 (木) 12:24時点における版
山口 厚 やまぐち あつし | |
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生年月日 | 1953年11月6日(70歳) |
国籍 |
![]() |
出身校 | 東京大学法学部 |
最高裁判所第一小法廷判事 | |
任期 | 2017年2月6日 - 現職 |
任命者 | 明仁(第3次安倍第2次改造内閣) |
前任者 | 桜井龍子 |
山口 厚(やまぐち あつし、1953年11月6日 - )は、日本の法学者、最高裁判所判事。東京大学名誉教授、早稲田大学名誉教授。専門は刑法。
人物
司法試験委員会委員長や日本刑法学会理事長も務めた、刑法理論研究の第一人者である。
略歴
- 1972年 - 東京教育大学附属駒場高等学校(現・筑波大学附属駒場高等学校)卒業
- 1974年 - 司法試験合格
- 1976年 - 東京大学法学部卒業
- 1976年 - 東京大学法学部助手
- 1979年 - 東京大学法学部助教授
- 1982年8月 - ハーバード大学ロー・スクール客員研究員(至1983年6月)
- 1992年 - 東京大学大学院法学政治学研究科教授
- 2002年まで旧司法試験第二次試験考査委員(刑法)
- 2006年より新司法試験考査委員(刑法)
- 2009年 - 日本刑法学会理事長(2015年5月まで)
- 2012年 - 東京大学大学院法学政治学研究科長・法学部長、司法試験委員会委員長
- 2014年3月 - 東京大学退職
- 2014年4月 - 早稲田大学 大学院法務研究科教授
- 2014年6月 - 東京大学名誉教授[1]
- 2016年8月 - 弁護士登録(第一東京弁護士会)、桃尾・松尾・難波法律事務所
- 2017年1月 - 早稲田大学 大学院法務研究科退職
- 2017年2月 - 最高裁判所判事
学説
結果無価値論者。助教授時代の論文『「原因において自由な行為」について』で、当時通説的見解であった間接正犯類似説が原因行為を実行行為としていたことに対し、その必然性はないと批判した平野龍一の問題意識を発展させて精密化し、結果無価値論の立場から未遂犯の処罰根拠を結果の危険と解した上で、その処罰範囲を法益侵害の危険性の相当な原因となった行為に限定するとの理論を展開した[3]。
その後の『危険犯の研究』で、結果無価値論の立場から危険犯の処罰根拠を精密化し、抽象的危険犯においても結果の発生がない場合が想定できると準抽象的危険犯の概念を提唱した。小林憲太郎立教大学教授は、『問題探究刑法総論』は日本刑法学史において最も重要な業績と評価する[4]。
平成29年6月23日公布(7月13日施行)となった改正刑法においての性犯罪関係の検討を行った「性犯罪の罰則に関する検討会」では座長を務めた[5]。刑法は、この改正により、性犯罪について、これまでの強姦罪は内容が改められる(非親告罪化、男性による女性の姦淫以外も罰する対象となる)と共にその名称が消えて強制性交等罪となり、また性犯罪の凶悪化に対応するため平成16年の刑法改正で設けられた集団強姦罪は消滅する事となった。
- 構成要件論:実行行為概念の判断基準の明確化、因果関係の判断枠組み(判例)の支持と基準の明確化(従来の相当因果関係説の判断基底論の不採用)、正犯性論における結果原因支配(下位基準として遡及禁止論)の採用。
- 違法論:主観的違法要素の原則的否定(法益侵害の危険を基礎づける限りで承認)。
- 責任論:事実の錯誤論における具体的法定符合説、制限責任説、修正旧過失論の採用。
- 共犯論:因果共犯論および制限従属性説(混合惹起説)の採用。
- 未遂犯と不能犯の区別における修正された客観説、中止犯における新たな政策説(意識的危険消滅説)
著名な門下生
張明楷[6] ・ 髙山佳奈子 ・ 島田聡一郎 ・ 深町晋也 ・ 和田俊憲 ・ 古川伸彦 ・ 樋口亮介 ・ 嶋矢貴之
業績
著作
- 単著
- 『「原因において自由な行為」について』(団藤重光博士古希祝賀論文集2巻、1981年)
- 『危険犯の研究』(東京大学出版会、1982年)
- 『問題探究刑法総論』(有斐閣、1998年)
- 『問題探究刑法各論』(有斐閣、1999年)
- 『クローズアップ刑法総論』(成文堂、2004年)
- 『クローズアップ刑法各論』(成文堂、2008年)
- 『刑法〔第3版〕』(有斐閣、2015年・初版2005年)
- 『刑法総論〔第3版〕』(有斐閣、2016年・初版2001年)
- 『刑法各論〔第2版〕』(有斐閣、2010年・初版2005年)
- 『新判例から見た刑法〔第3版〕』(有斐閣、2015年・初版2006年)
- 『刑法入門』(岩波新書新赤版1136、2008年)
- 『基本判例に学ぶ刑法総論』(成文堂、2010年)
- 『基本判例に学ぶ刑法各論』(成文堂、2011年)
- 編著
- 『ケース&プロブレム刑法総論』(弘文堂、2004年)
- 『ケース&プロブレム刑法各論』(弘文堂、2006年)
- 共著
- (町野朔・堀内捷三・西田典之・前田雅英・林幹人・林美月子)『考える刑法』(弘文堂、1986年)
- (佐伯仁志・井田良)『理論刑法学の最前線』(岩波書店、2001年)
- (佐伯仁志・井田良)『理論刑法学の最前線Ⅱ』(岩波書店、2006年)
- 共編著
- (西原春夫・松宮孝明・新倉修・井田良)『刑法マテリアルズ』(柏書房、1995年)
- (西田典之・佐伯仁志)『判例刑法総論〔第5版〕』(有斐閣、2009年・初版1994年)
- (西田典之・佐伯仁志)『判例刑法各論〔第5版〕』(有斐閣、2009年・初版1992年)
- (西田典之・佐伯仁志)『注釈刑法 第1巻』(有斐閣、2010年)
- (川端博・井田良・浅田和茂)『理論刑法学の探究〈1〉』(成文堂、2008年)
- (川端博・井田良・浅田和茂)『理論刑法学の探究〈2〉』(成文堂、2009年)
- (川端博・井田良・浅田和茂)『理論刑法学の探究〈3〉』(成文堂、2010年)
- (川端博・井田良・浅田和茂)『理論刑法学の探究〈4〉』(成文堂、2011年)
- (川端博・井田良・浅田和茂)『理論刑法学の探究〈5〉』(成文堂、2012年)
- (川端博・井田良・浅田和茂)『理論刑法学の探究〈6〉』(成文堂、2013年)
- (川端博・井田良・浅田和茂)『理論刑法学の探究〈7〉』(成文堂、2014年)
- (川端博・井田良・浅田和茂)『理論刑法学の探究〈8〉』(成文堂、2015年)
- (中谷和弘)『安全保障と国際犯罪』(東京大学出版会、2005年)
- (芝原邦爾・西田典之)『刑法判例百選Ⅰ<総論>〔第5版〕』(有斐閣、2003年)
- (芝原邦爾・西田典之)『刑法判例百選Ⅱ<各論>〔第5版〕』(有斐閣、2003年)
- (西田典之・佐伯仁志)『刑法判例百選Ⅰ<総論>〔第6版〕』(有斐閣、2008年)
- (西田典之・佐伯仁志)『刑法判例百選Ⅱ<各論>〔第6版〕』(有斐閣、2008年)
- (佐伯仁志)『刑法判例百選Ⅰ<総論>〔第7版〕』(有斐閣、2014年)
- (佐伯仁志)『刑法判例百選Ⅱ<各論>〔第7版〕』(有斐閣、2014年)
学会活動等
脚注
外部リンク