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「序破急」の版間の差分

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{{otheruses||広島の映画興行会社|序破急 (企業)}}
'''序破急'''(じょはきゅう)とは、日本の[[雅楽]]の[[舞楽]]から出た概念であり、[[能楽]]、[[連歌]]、[[蹴鞠]]、[[香道]]、[[剣術]]、[[抜刀術]]、[[居合道]]、[[茶道]]<ref>[[千玄室]]『日本人の心、伝えます』2016年、幻冬舎、88ページ。</ref>など[[芸道論]]で使用される言葉である。[[脚本]]構成としては、[[能]]に限らず、[[浄瑠璃]]および[[歌舞伎]]等においては、 [[日本]]では中近世以降、伝統的に用いられてきた構成である<ref>『[[大辞林]]』 第三版 [[三省堂]] 「[http://kotobank.jp/word/序破急?dic=daijirin&oid=DJR_johakyuu_-010 じょはきゅう【序破急】]」の項 </ref><ref>『[[世界大百科事典]]』 第2版 [[平凡社]] 「[http://kotobank.jp/word/序破急?dic=sekaidaihyakka&oid=00202814 じょはきゅう【序破急】]」の項</ref><ref>[http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc11/sakuhin/kousei/ 「歌舞伎舞踊の作品と表現-五段構成と序破急」]、[http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/ 独立行政法人日本芸術文化振興会 文化デジタルライブラリー]、[[2014年]][[2月28日]]閲覧</ref>。[[映像|映像分野]]の[[脚本]]構成においても、序破急の[[類義語 |同義語]]である[[三幕構成]]が国際的に主流となっている<ref>{{Cite web |date=2012|url=http://www.unijapan.org/library/unijapantext/documentary_co-production.pdf|title=ドキュメンタリーの国際共同製作ガイダンス|format=PDF|publisher=公益財団法人ユニジャパン|accessdate=2014-3-2|author=浜野高宏|coauthors=今村研一、ハンス・ロバート・アイゼンハウアー|page=12||language=Japanese|archiveurl=https://web.archive.org/web/20140302131845/http://unijapan.org/library/unijapantext/documentary_co-production.pdf|archivedate=2014-3-2}}</ref>。また、文章構成などにおける三段構成([[パラグラフ・ライティング]]、[[三幕構成]]等)を指す概念としても用いられる。

== 原義 ==
== 原義 ==
本来は雅楽の演奏についての言葉である。雅楽の唐楽などで、曲を構成する三つの部分をいい、ほぼ西洋音楽の[[楽章]]に相当する。「序」が無拍子かつ低速度で展開され、太鼓の拍数のみを定めて自由に奏され、「破」から拍子が加わり、「急」で加速が入り一曲三部構成を成す。序破急一組で[[楽式]]とも考えることができる。ただし、現行曲で序破急を完備する楽曲は、[[五常楽]]・[[蘇合香 (雅楽) |蘇合香]]など極めて少なく、序破急すべてを備えていない(失われたか、始めから存在しない)曲の方が多い。序破急を通しで演奏することを「一具」と呼ぶ。昔の辞書に序破急新と書いてある
本来は雅楽の演奏についての言葉である。雅楽の唐楽などで、曲を構成する三つの部分をいい、ほぼ西洋音楽の[[楽章]]に相当する。「序」が無拍子かつ低速度で展開され、太鼓の拍数のみを定めて自由に奏され、「破」から拍子が加わり、「急」で加速が入り一曲三部構成を成す。序破急一組で[[楽式]]とも考えることができる。ただし、現行曲で序破急を完備する楽曲は、[[五常楽]]・[[蘇合香 (雅楽) |蘇合香]]など極めて少なく、序破急すべてを備えていない(失われたか、始めから存在しない)曲の方が多い。序破急を通しで演奏することを「一具」と呼ぶ。昔の辞書に序破急新と書いてある

2020年7月26日 (日) 02:05時点における版

原義

本来は雅楽の演奏についての言葉である。雅楽の唐楽などで、曲を構成する三つの部分をいい、ほぼ西洋音楽の楽章に相当する。「序」が無拍子かつ低速度で展開され、太鼓の拍数のみを定めて自由に奏され、「破」から拍子が加わり、「急」で加速が入り一曲三部構成を成す。序破急一組で楽式とも考えることができる。ただし、現行曲で序破急を完備する楽曲は、五常楽蘇合香など極めて少なく、序破急すべてを備えていない(失われたか、始めから存在しない)曲の方が多い。序破急を通しで演奏することを「一具」と呼ぶ。昔の辞書に序破急新と書いてある

「序破急」の語は、猿樂世阿彌の書『花鏡』、『三道』、『風姿花伝』で触れられているので、有名である。そのため、能楽からの言葉と誤解されることが多いが、元来は雅楽から発した語であった。しかし、世阿弥は、それを芸道一般に通じることと論じている。

現代日本では、物語などにおける四段構成(起承転結)に対する三段構成を指す概念として用いられ、演劇等の“三幕構成”の同義語として使われることがある。また、起承転結とともに小中学校の作文技法として使われる。

関連書籍

出典


関連項目