「民主社会主義」の版間の差分
民主社会主義はむしろ左翼〜極左。欧米では「社会民主主義の左派」として用いられる例あり。 |
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'''民主社会主義'''(みんしゅしゃかいしゅぎ、{{lang-en-short|democratic socialism}})とは、[[革命]]を否定し、[[民主主義|議会制民主主義]]の中で[[社会主義]]の理想を実現しようとする、社会主義[[思想]]であり、[[社会民主主義]]の捉え方の一つであり、社会民主主義よりも急進的とされる。[[資本主義]]社会の「[[社会改良主義|改良]]」を訴え、[[階級闘争]]を否定するのが特徴。 |
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様々な考え方のある社会民主主義から[[マルクス・レーニン主義]]<!--マルクス主義とマルクス・レーニン主義は異なる。現在の英労働党もマルクス主義の考えは完全には否定していない。よってマルクス・レーニン主義に改めました。-->の考え方を否定し、[[階級政党]]ではなく[[国民政党]]として[[議会政治]]をさらに尊重する立場をとる。[[19世紀]]末に[[ドイツ]]の[[エドゥアルト・ベルンシュタイン]]らが使用し始めた言葉で、[[イギリス]]の[[フェビアン協会]]なども含まれる。民主社会主義者としては[[ケア・ハーディ]]、[[ハロルド・ラスキ]]、[[エドゥアルト・ベルンシュタイン]]、[[クレメント・アトリー]]、[[サルバドール・アジェンデ]]、[[フランク・ザイドラー]]が知られている。 |
様々な考え方のある社会民主主義から[[マルクス・レーニン主義]]<!--マルクス主義とマルクス・レーニン主義は異なる。現在の英労働党もマルクス主義の考えは完全には否定していない。よってマルクス・レーニン主義に改めました。-->の考え方を否定し、[[階級政党]]ではなく[[国民政党]]として[[議会政治]]をさらに尊重する立場をとる。[[19世紀]]末に[[ドイツ]]の[[エドゥアルト・ベルンシュタイン]]らが使用し始めた言葉で、[[イギリス]]の[[フェビアン協会]]なども含まれる。民主社会主義者としては[[ケア・ハーディ]]、[[ハロルド・ラスキ]]、[[エドゥアルト・ベルンシュタイン]]、[[クレメント・アトリー]]、[[サルバドール・アジェンデ]]、[[フランク・ザイドラー]]が知られている。 |
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用語としては[[1951年]]6月に[[社会主義インターナショナル]]が、『[[フランクフルト宣言]]』(『民主的社会主義の目的と任務』)として採択した。[[日本]]では'''民主的社会主義'''(みんしゅてきしゃかいしゅぎ)とも呼ばれ、[[民社党]]が標榜したが、民社党は最終的に[[新自由主義]]を標榜する[[新進党]]に合流した |
用語としては[[1951年]]6月に[[社会主義インターナショナル]]が、『[[フランクフルト宣言]]』(『民主的社会主義の目的と任務』)として採択した。[[日本]]では'''民主的社会主義'''(みんしゅてきしゃかいしゅぎ)とも呼ばれ、[[民社党]]が標榜したが、民社党は最終的に[[新自由主義]]を標榜する[[新進党]]に合流した。 |
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2020年8月13日 (木) 08:19時点における版
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民主社会主義(みんしゅしゃかいしゅぎ、英: democratic socialism)とは、革命を否定し、議会制民主主義の中で社会主義の理想を実現しようとする、社会主義思想であり、社会民主主義の捉え方の一つであり、社会民主主義よりも急進的とされる。資本主義社会の「改良」を訴え、階級闘争を否定するのが特徴。
様々な考え方のある社会民主主義からマルクス・レーニン主義の考え方を否定し、階級政党ではなく国民政党として議会政治をさらに尊重する立場をとる。19世紀末にドイツのエドゥアルト・ベルンシュタインらが使用し始めた言葉で、イギリスのフェビアン協会なども含まれる。民主社会主義者としてはケア・ハーディ、ハロルド・ラスキ、エドゥアルト・ベルンシュタイン、クレメント・アトリー、サルバドール・アジェンデ、フランク・ザイドラーが知られている。
用語としては1951年6月に社会主義インターナショナルが、『フランクフルト宣言』(『民主的社会主義の目的と任務』)として採択した。日本では民主的社会主義(みんしゅてきしゃかいしゅぎ)とも呼ばれ、民社党が標榜したが、民社党は最終的に新自由主義を標榜する新進党に合流した。
特徴
- 民主社会主義は、個人の自由な人格の発展を保障する社会の創造を目的とする改革を行う。「『改革』が正しいものかどうかを判断する基準は、諸個人の自由な人格の発展に寄与しているかどうか」である[1]。
- 民主社会主義は、新自由主義に抵抗する。すなわち、市民社会の活力を生かすことが改革の目的であるとする民主社会主義は、ほとんどの行政府の権限を民営化する新自由主義に抵抗し、国家の中における民間の役割を重視する。ただし民間を国家機構の枠内で利用することではないのである[1]。国家が民間企業を用いて政策を実現するのではなく、国家は市民社会を支えるものだとする。
- 民主社会主義は、勤労者や社会的弱者への配慮を求め、他者の尊厳を守る。個人の自由な人格の発展を保障する秩序の創造のために政策実践をするのであり、個人の自由を制限するような政策は行わない。したがって、効率性や自己責任の追求に傾いたり、他者への尊厳を怠る、といったことはしない。そのような行為は共同体を崩壊させ、個人の尊厳を踏みにじるからである。
- 民主社会主義は、保守改革とは微妙に異なる。保守改革の場合には少数のエリートによる意思決定に合理性があることを重んじて民主主義的な手法を軽んじる傾向があると批判されてきたが[1]、民主社会主義では、より多くの当事者が参加し、判断の選択肢を幅広く取りそろえることに多くのリソースを注ぎ、議論のプロセスを重視する。つまり、時間はかかるけれども、政策形成が拙速にならないように配慮するのである。
社会民主主義との関わり
「社会民主主義」という言葉は20世紀初頭の第一次世界大戦勃発と「城内平和」による第二インターナショナル崩壊までは、もともと共産主義、マルクス主義の実践面を指す言葉として使われており、ウラジーミル・レーニンやヨシフ・スターリンらをはじめとするロシア社会民主労働党員も「社会民主主義者」(ソツィアル・デモクラート)を名乗っていた。ロシア社会民主労働党ボルシェビキが共産党に改称し、ソビエト連邦と第三インターナショナル(コミンテルン)が国際共産主義運動の中心となって以降、ドイツ社会民主党などを中心に、社会民主主義はマルクス・レーニン主義と距離を取り、修正主義を意味するようになっていった。ただし、修正主義路線に傾いた当初も社会民主主義勢力は理論的にマルクス・レーニン主義の影響が強く、それを正統な考え方とする者も多かった。
一方、フェビアン協会など社会改良主義を掲げていた潮流もイギリスや英連邦などその影響下にある諸国を中心に根強くあり、またフランスやイタリアでは労働組合を中心とするサンディカリスムの潮流が力を持ったなど、マルクス・レーニン主義と別路線の社会主義を追求する動きも無視できない大きさを持っていた。
第二次世界大戦後の1951年6月、社会主義インターナショナルが『フランクフルト宣言』で「共産主義はマルクス主義の批判的精神と相容れない偏狭な神学をつくりだした」と批判し、民主社会主義を正式に採択し、国際的には社会民主主義は民主社会主義と基本的に同義となった。日本社会党は社会主義インターナショナルに加盟していたものの、党内には社会主義協会ら戦前の労農派マルクス主義の流れを汲み、マルクス・レーニン主義を是とする社会党左派勢力も存在しており、それに反発する勢力の一部は社会党を離脱して、1960年1月に「民主社会主義」を掲げる民社党を結成した。民社党は「民主社会主義と社会民主主義は違う」と強調していた。その後も日本社会党からは1978年3月に社会民主連合が分離している。
なお、最も代表的な民主社会主義の例は、サルバドール・アジェンデ政権下(1970年 - 1973年)のチリが代表的である。アジェンデ政権は、政治的自由を保障しており、かつ国民による直接選挙によって成立した政権である。これらが、ソビエト連邦のような、政治的抑圧に熱中して、社会主義国家を称する独裁国家とは異なる点である。
旧東側諸国の民主社会主義
旧来の共産主義の流れを汲む共産党グループや新左翼諸党派が、東西冷戦の終結後、ソ連型社会主義やスターリン主義との決別を強調するため、民主主義に立脚した社会主義という意味で使う場合がある。
フランスの民主社会主義
フランスでは日本と同様に社会民主主義に修正主義のニュアンスがあったため、民主社会主義が比較的よく使われていた。
アメリカの民主社会主義
アメリカ上院の無所属議員であるバーニー・サンダースも左派として知られているが、民主社会主義者を自称している。このように場合によっては「民主社会主義」が「社会民主主義の左派」を指す。
大韓民国の民主社会主義政党
軍政下の大韓民国(韓国)では、社会民主主義政党ですら、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と同一視され、弾圧の対象にされた。
軍政下の韓国では、「民主社会主義」政党の存在しか許されず、朴正煕執政期(1961年 - 1979年)の時代には統一社会党、全斗煥政権期(1980年 - 1987年)の時代には、民主社会党・新政社会党のみが存在していた。これらの「民主社会主義」政党は、いずれも反共を標榜しており、必ずしも反共でない社会民主主義政党が結成されるには、1987年の民主化宣言を待たなければならなかった。
結局、民政下の国会で本格的に議席を得たのは2004年の第17代総選挙で、労組母体の民主労働党は第3党に進出した。また与党ウリ党内においても、この選挙で左派が多数当選した。
脚注
参考文献
- 『imidas 1989』(集英社、1989年)・・・民主社会主義と社会民主主義の違いについて記述
関連項目
- 民主社会党
- エドゥアルト・ベルンシュタイン
- フェビアン協会
- 修正主義
- フランクフルト宣言
- 社会改良主義
- 社会民主主義
- ユーロコミュニズム
- ゴーデスベルク綱領 - 1959年から1989年までのドイツ社会民主党の綱領。
- 日本における社会主義への道 - 1964年から1986年までの日本社会党の綱領的文書。
- 日本社会党の新宣言 - 1986年から1995年までの日本社会党の綱領。
- 自由と民主主義の宣言 - 1976年の第13回臨時大会で採択された日本共産党の準綱領的文書。
- サルバドール・アジェンデ
- 江田三郎#「江田ビジョン」と構造改革論
- 民主主義的社会主義運動(MDS) - この政治団体はdemocratic socialism(民主主義的社会主義)を掲げているが、構造改革派系の新左翼団体であり、本項目で説明した民主社会主義とは全く異なる。*
- リバタリアン社会主義