コンテンツにスキップ

「月齢」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
24行目: 24行目:


{| class="wikitable" style="text-align:center"
{| class="wikitable" style="text-align:center"
!colspan="4" rowspan="2"|朔の瞬間の時刻t<br/>(旧暦1日)
!rowspan="2"|
!colspan="3" rowspan="2"|朔の時刻t<br/>(旧暦1日)
!colspan="3"|旧暦の日付ごとの月齢
!colspan="3"|旧暦の日付ごとの月齢
|-
|-

2020年11月3日 (火) 00:37時点における版

月齢(げつれい)には、次のような意味がある。

  • 暦法における月齢。本項で解説。
  • 年齢単位で表したもの。主に1歳未満の赤ちゃん家畜に対して使用される。

暦法における月齢(げつれい)とは、直前のの瞬間からの経過時間をを単位として表したものである[1]。通常「ある日の月齢」といえばその地域の標準時正午の月齢である[2]。 したがって、朔の瞬間の時刻によって月齢には後述するように小数で表される。

月齢と月相

月齢はおおむねの満ち欠け(月相)と連動するため、月相の目安として用いることができる[2]。 ちなみに通常、月相は太陽と月の黄経差を28分割した整数で表すのに対し、月齢は小数点以下第1位まで求める。

  • 朔(新月)、月齢 0
  • 三日月、月齢3[1]
  • 上弦、月齢6.6から8.2[3]
  • 望(満月)、月齢13.8から15.8[3]
  • 下弦、月齢21.4から22.8[3]

ただし、月齢と月相の対応は一定ではなく、例えば、望の瞬間の月齢は13.8から15.8の間で変動する。すなわち、月齢14の日が満月とは限らない。これは月の軌道楕円であるため、満ち欠けの速度が一定にはならないこと、さらに月の近地点が太陽の摂動により移動していることによる[3][4]

旧暦との関係

日本で用いられてきた旧暦(天保暦)では朔の瞬間を含む日が第一日(朔日)である[5]。したがって月齢の端数を四捨五入して1を足せば旧暦の日付とおおよそ一致する。ただし朔の瞬間が午後の場合、その旧暦月1日の月齢は前月の最終日の翌日として計算される。

具体的な月齢の計算結果は以下のようになる。

朔の瞬間の時刻t
(旧暦1日)
旧暦の日付ごとの月齢
1日 2日 n日

0:00 ≦ t ≦ 1:12 0.5 1.5 0.5+n-1=n-0.5
1:12 < t ≦ 3:36 0.4 1.4 0.4+n-1=n-0.6
3:36 < t ≦ 6:00 0.3 1.3 0.3+n-1=n-0.7
6:00 < t ≦ 8:24 0.2 1.2 0.2+n-1=n-0.8
8:24 < t ≦ 10:48 0.1 1.1 0.1+n-1=n-0.9
10:48 < t ≦ 12:00 0.0 1.0 0.0+n-1=n-1.0

12:00 < t ≦ 13:12 前月
末日の
月齢
+1
1.0+n-2=n-1.0
13:12 < t ≦ 15:36 0.9 0.9+n-2=n-1.1
15:36 < t ≦ 18:00 0.8 0.8+n-2=n-1.2
18:00 < t ≦ 20:24 0.7 0.7+n-2=n-1.3
20:24 < t ≦ 22:48 0.6 0.6+n-2=n-1.4
22:48 < t < 24:00 0.5 0.5+n-2=n-1.5

グレゴリオ暦からの月齢計算

グレゴリオ暦の日付から月齢を求める略算法として、堀源一郎氏が『天文月報』1968年7月号で発表した簡易月齢計算法がよく知られている[6]

  • 西暦年数から11を引き、その値を19で割った余りを求め、11を掛ける。この値をaとする。
  • 月数から、以下の表に従って値を求める。この値をbとする。
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
0 2 0 2 4 5 6 7 8 9 10
  • 覚え方は、6月までは「おにおににし」と語呂合わせで覚え、7月以降は(月数-2)で求める。a+bに日数を加える。求めた値を30で割った余りが、その日のおおよその月齢である。但し、最大2程度の誤差がある。

以下はこれを数式化したものである。y年m月d日の月齢age日を求める。但し、%は剰余演算子とし、c(m)は上の表に従った定数とする。例:62%30=2、c(5)=2。

また,次のような『満月方程式』という方法で満月の日を求めることができる。これは非常に簡単だが、やはり数日の誤差があることがある。

xが月(10月なら10)で、yが満月の日。pは、2009年は14、2010年は3、2011年は22、……と、1年で11ずつ引いていく。引けなくなったら30を足してから11を引く。

脚注

  1. ^ a b 『シリーズ現代の天文学第1巻 人類の住む宇宙』日本評論社, 2007, p.330.
  2. ^ a b 「月齢」ってなに?なぜ小数がつくの?”. 国立天文台. 2019年11月26日閲覧。
  3. ^ a b c d 暦Wiki/月の満ち欠け/月齢と満ち欠け - 国立天文台暦計算室”. 国立天文台. 2019年11月26日閲覧。
  4. ^ 暦Wiki/月の公転運動/近地点方向 - 国立天文台暦計算室”. 国立天文台. 2019年11月26日閲覧。
  5. ^ シリーズ現代の天文学第1巻 人類の住む宇宙』日本評論社, 2007, p.321.
  6. ^ 堀源一郎おに・おに・にし-簡易月齢計算法」『天文月報』1968年7月号、日本天文学会、1968年。

関連項目

外部リンク