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「グレンフィナン高架橋」の版間の差分

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[[アベリオ・スコットレール]]が運行する[[グラスゴー・クイーンストリート駅]]とマリグ間の列車(通常は[[気動車]])の乗客が、この路線を利用している。さらに、夏には、遺産[[:en:The Jacobite (steam train)|The Jacobite]]がこの路線で運行される。この地域で人気の観光行事であり、高架橋が路線の主要アトラクションの一つになっている。
[[アベリオ・スコットレール]]が運行する[[グラスゴー・クイーンストリート駅]]とマリグ間の列車(通常は[[気動車]])の乗客が、この路線を利用している。さらに、夏には、遺産[[:en:The Jacobite (steam train)|The Jacobite]]がこの路線で運行される。この地域で人気の観光行事であり、高架橋が路線の主要アトラクションの一つになっている。
==描写==
==描写==
[[File:BOS-Polymer-£10-Back.png|thumb|270px|グレンフィナン高架橋を記念して発行されたスコットランド銀行£10紙幣]]
グレンフィナン高架橋は、[[:en:Ring of Bright Water (film)|Ring of Bright Water]]、[[シャーロット・グレイ (映画)|シャーロット・グレイ]]、{{仮リンク|グレンの君主 (テレビ番組)|en|Monarch of the Glen (TV series)|label=グレンの君主}}、[[:en:Stone of Destiny (film)|Stone of Destiny]]、[[ザ・クラウン (ネットフリックス)|ザ・クラウン]]といった映画やテレビのドラマのロケに使われている。[[ハリー・ポッター (映画シリーズ)|ハリー・ポッター]]の4本の映画に登場した後に、[[イギリス鉄道警察]]がファンに対して「列車とのニアミスが数回ほど起こったので、高架橋の上を歩かないように」と警告した<ref>{{cite news|url=https://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-highlands-islands-39976271|title=Harry Potter fans warned after near misses on Glenfinnan Viaduct|work=BBC NEWS|date=19 May 2017}}</ref>。また、2018年のテレビゲーム''[[Forza Horizon 4]]''にも登場した。
グレンフィナン高架橋は、[[:en:Ring of Bright Water (film)|Ring of Bright Water]]、[[シャーロット・グレイ (映画)|シャーロット・グレイ]]、{{仮リンク|グレンの君主 (テレビ番組)|en|Monarch of the Glen (TV series)|label=グレンの君主}}、[[:en:Stone of Destiny (film)|Stone of Destiny]]、[[ザ・クラウン (ネットフリックス)|ザ・クラウン]]といった映画やテレビのドラマのロケに使われている。[[ハリー・ポッター (映画シリーズ)|ハリー・ポッター]]の4本の映画に登場した後に、[[イギリス鉄道警察]]がファンに対して「列車とのニアミスが数回ほど起こったので、高架橋の上を歩かないように」と警告した<ref>{{cite news|url=https://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-highlands-islands-39976271|title=Harry Potter fans warned after near misses on Glenfinnan Viaduct|work=BBC NEWS|date=19 May 2017}}</ref>。また、2018年のテレビゲーム''[[Forza Horizon 4]]''にも登場した。


グレンフィナン高架橋は、いくつかのスコットランド紙幣にも登場している。[[スコットランド銀行]]発行の2007年の紙幣シリーズでは、スコットランドの工業の例としてスコットランドの様々な橋が描写されていて、[[:en:Bank of Scotland £10 note|£10紙幣]]にはグレンフィナン高架橋が登場した<ref name="scotbanks">{{cite web|url=http://www.scotbanks.org.uk/banknotes_current_bank_of_scotland.php|title=Current Banknotes : Bank of Scotland|publisher=The Committee of Scottish Clearing Bankers|access-date=29 October 2008}}</ref>。
グレンフィナン高架橋は、いくつかのスコットランド紙幣にも登場している。[[スコットランド銀行]]発行の2007年の紙幣シリーズでは、スコットランドの工業の例としてスコットランドの様々な橋が描写されていて、[[:en:Bank of Scotland £10 note|£10紙幣]]にはグレンフィナン高架橋が登場した<ref name="scotbanks">{{cite web|url=http://www.scotbanks.org.uk/banknotes_current_bank_of_scotland.php|title=Current Banknotes : Bank of Scotland|publisher=The Committee of Scottish Clearing Bankers|access-date=29 October 2008}}</ref>。

==脚注==
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2021年4月10日 (土) 17:08時点における版

グレンフィナン高架橋
グレンフィナン高架橋を通過する蒸気機関車「The Jacobite
座標 北緯56度52分35秒 西経5度25分55秒 / 北緯56.876285度 西経5.431914度 / 56.876285; -5.431914座標: 北緯56度52分35秒 西経5度25分55秒 / 北緯56.876285度 西経5.431914度 / 56.876285; -5.431914
通行対象 ウェスト・ハイランド線英語版
交差 フィナン川
特性
最大支間長 50フィート (15 m)
支間数 21
歴史
工学的設計者 Simpson & Wilson
施工者 Robert McAlpine & Sons
建設開始 1897年
開通 1901年
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グレンフィナン高架橋(グレンフィナンこうかきょう、The Glenfinnan Viaduct)は、ウェスト・ハイランド線英語版の鉄道高架橋で、スコットランド北西部のハイランドにある小さな村グレンフィナン英語版に立っている。

西ハイランド地方ロッホであるシール湖英語版を見下ろす位置にあり、橋を通過する時にはその湖面だけでなくグレンフィナンのモニュメント(『名もなきハイランダー』の像がおかれたタワー)まで眼下に眺めることができる。

建設

高架橋を走る列車からの眺め

ウェスト・ハイランド線の鉄道は、ルーカス・アンド・エアード社英語版によってクレイグエンドランからフォート・ウィリアムまでが建設されたが、当時トーリー党自由党が公共輸送への補助金問題で争っていた関係で、庶民院でのウェスト・ハイランド線をマリグ英語版まで延長する法案の審議は停滞していた。結局この法案は1896年に可決されたのが、その頃にはルーカス・アンド・エアードは従業員ごと別の地方に移転していた。そのため新たな工事業者が必要となり、サー・ロバート・マカルパイン社英語版がengineersであるシンプソン・アンド・ウィルソン社とともにその建設事業を受注することになった。サー・ロバート・マカルパイン社は、当時マスコンクリート英語版を使うという革新的な手法から「コンクリート・ボブ」の愛称さえついた、ロバート・マカルパイン英語版が率いる会社だった。この事業でもコンクリートが採用されたが、それはこの地域で採れる硬い結晶片岩では加工が困難だったためである。当時28歳の、マカルパインの息子ロバートが工事全体の責任者となり、下の息子のマルコムがその補佐役を務めた。

フォート・ウィリアムからマリグまでの延長工事は1897年1月に始まり、路線は1901年4月1日に開業した。しかし、グレンフィナン高架橋が渓谷を横断して物資を輸送できる段階になるまでは1898年10月を待たねばならなかった[1]。総建設費用は18,904ポンドであった[2]

グレンフィナン高架橋には伝説のように長年にわたって語られている逸話があった。まだ工事の途中であった1898年か1899年に、1頭の馬が橋脚に落下したことがあるという噂である[3][4]。馬が1頭はいるような大きさの掘削孔がある橋脚は2つしかなかったが、1987年に大学教授のローランド・パクストンが魚眼レンズをそれぞれの孔に押し込んで調査を行ったものの、結局工事中に馬が落下してそのまま工事が進んだという証拠を見つけることは出来なかった[4]

パクストンは地元での聞き取りをもとに1997年にも同じ手法でナンウアム湖高架橋英語版を調査したが、橋脚には工事用の石が密集していることが判明しただけだった。しかし2001年にスキャニング技術が用いられて同じナンウアム湖高架橋の再調査が行われた際には、橋の中央にある巨大な支柱の内部に、1頭の馬と荷車が埋め込まれていることが判明した[5]

設計

高架橋はマスコンクリートで建設され、50フィート(15メートル)の半円スパンが21ある[6]。長さは416ヤード(380メートル)で、スコットランド最長のコンクリート製の鉄道橋であり、100フィート(30メートル)の高さでフィナン川を横断する[6][7]。ウェスト・ハイランド線は単線であり、パラペット間の幅は18フィート(5.5メートル)である[6]。また、高架橋は、792フィート (241メートル)の曲線上に建設された[8]

高架橋にはマスコンクリートが使われ、鉄筋コンクリートとは違い、金属による強化は何もない[9]。通常、細かい骨材を使用しつつ、型枠にコンクリートを注入して作られ、結果として、圧縮には非常に強いが張力には弱い[9][10]

鉄道サービス

ウェスト・ハイランド線はフォート・ウィリアムとマリグを繋ぎ、一般に、1800年代のハイランド放逐英語版にとてつもなく苦しめられていた地元の漁業とハイランドの経済にとって重要な幹線だった。

アベリオ・スコットレールが運行するグラスゴー・クイーンストリート駅とマリグ間の列車(通常は気動車)の乗客が、この路線を利用している。さらに、夏には、遺産The Jacobiteがこの路線で運行される。この地域で人気の観光行事であり、高架橋が路線の主要アトラクションの一つになっている。

描写

グレンフィナン高架橋は、Ring of Bright Waterシャーロット・グレイグレンの君主英語版Stone of Destinyザ・クラウンといった映画やテレビのドラマのロケに使われている。ハリー・ポッターの4本の映画に登場した後に、イギリス鉄道警察がファンに対して「列車とのニアミスが数回ほど起こったので、高架橋の上を歩かないように」と警告した[11]。また、2018年のテレビゲームForza Horizon 4にも登場した。

グレンフィナン高架橋は、いくつかのスコットランド紙幣にも登場している。スコットランド銀行発行の2007年の紙幣シリーズでは、スコットランドの工業の例としてスコットランドの様々な橋が描写されていて、£10紙幣にはグレンフィナン高架橋が登場した[12]

脚注

  1. ^ Chartered Civil Engineer. Institution of Civil Engineers. (1956). p. 8. https://books.google.com/books?id=X_IRAQAAMAAJ 
  2. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「rp1867」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません
  3. ^ “Jim Shipway”. The Herald. (2013年8月23日). オリジナルの2015年9月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150924192908/http://www.highbeam.com/doc/1P2-35045158.html 2015年1月1日閲覧。 
  4. ^ a b The Horse in the Viaduct - a tale of Victorian engineering”. moidart.org.uk. 2015年1月1日閲覧。
  5. ^ Template:Canmore
  6. ^ a b c Template:Canmore
  7. ^ Historic Environment Scotland. "Glenfinnan Railway Viaduct over River Finnan  (Category A) (LB310)". 2019年3月26日閲覧
  8. ^ Thomas, John; Turnock, David (1993). The North of Scotland. A Regional History of the Railways of Great Britain Vol. 15 (2nd ed.). Pan Books. p. 278. ISBN 0-330-02479-5 
  9. ^ a b Historic Concrete in Scotland Part 1: History and Development. Historic Scotland. ISBN 978-1-84917-119-9. http://conservation.historic-scotland.gov.uk/historic-concrete-short-guide.pdf 
  10. ^ Practical Building Conservation: Concrete. Ashgate Publishing. (2012). p. 6. ISBN 978-0-7546-4565-8. https://books.google.com/books?id=cWBAR0rR_HoC&pg=PA6 
  11. ^ “Harry Potter fans warned after near misses on Glenfinnan Viaduct”. BBC NEWS. (2017年5月19日). https://www.bbc.co.uk/news/uk-scotland-highlands-islands-39976271 
  12. ^ Current Banknotes : Bank of Scotland”. The Committee of Scottish Clearing Bankers. 2008年10月29日閲覧。

出典

参考文献

  • Haigh, Phil (27 August – 9 September 1997). “'Concrete Bob's' Scottish masterpiece”. RAIL (EMAP Apex Publications) (312): 40–41. ISSN 0953-4563. OCLC 49953699.