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張衡（ちょうこう、? - 熹平7年1月7日（177年 2月27日）^[1]）は、後漢末期の人物。字は霊真。

道教の一派五斗米道の創始者・張陵の子。母は雍氏（または孫氏）。妻は盧氏。姉は張文姫（字は文姫、名は不詳）。妹は張文光（字は文光、名は不詳）、張賢（字は賢姫）、張芝（字は芳芝）。弟は張権（または張機、張機仲景とは別人、妻は王氏）。子は張魯、張衛、張愧（字は公仁）、張徴。娘は張玉蘭（中国語版）。孫は張富（名は張滋とも、字は元微）、張広（字は嗣宗）、張永（字は齢宗）、張盛（字は元宗）、張溢（字は立宗）、張巨（字は儒宗）、張夢得（字は文宗）と他の3人（張魯の10子）。孫娘は張琪瑛（曹宇妻）と他の9人。

概要

沛国豊県（現在の江蘇省徐州市豊県）の人。父の張陵が亡くなると、その後を継ぎ五斗米道の2代目教主となった^[2]。

177年に死去し、子の張魯が3代目教主として後を継ぐと、亡父の張衡は「嗣師」と尊称されたという。

脚注

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^ 陶弘景の『真誥』第四巻による。
^ 裴松之は「『典略』では張魯の父は張衡としているが、巴郡巫県の人である巫者・五斗米道の教祖とされる張脩（中国語版）（張修）こそ張魯の父であろう。これは伝写の誤りか間違いだ」と述べ、張陵および張衡父子の存在を疑問視し、張脩を実質上の創設者とする説を唱えている。しかし、『後漢書』「霊帝紀」では「秋7月、巴郡の妖巫張脩が反し、郡県を寇した」とあり、さらに唐の章懐太子李賢註の「劉艾（中国語版）紀」（後漢末期の宗正）には「時に巴郡の巫人張脩は病を療し、快癒した者から治療代として五斗の米を受け取ったため、五斗米師と呼ばれた」とある。また、『元和郡県図志』によると、張魯ともに益州牧劉焉の命を受けて、漢中太守の蘇固（中国語版）を討ち滅ぼした蜀の鬼道教団の教祖・張脩は、後に勢力をめぐって張魯と対立した。先手を打った張魯が張脩を討ち取り、その根拠地を奪い取って漢中郡を漢寧郡に改名したと記されている。そのため、裴松之の指摘は誤りとされている（『張魯伝集解』）。

参考文献

『後漢書』「霊帝紀」
『後漢書』章懐太子註「劉艾紀」
『真誥』第四巻
『資治通鑑』
『歴世真仙体道通鑑』
『天師世家』
『張氏全譜』

[1] 陶弘景の『真誥』第四巻による。

[2] 裴松之は「『典略』では張魯の父は張衡としているが、巴郡巫県の人である巫者・五斗米道の教祖とされる張脩（中国語版）（張修）こそ張魯の父であろう。これは伝写の誤りか間違いだ」と述べ、張陵および張衡父子の存在を疑問視し、張脩を実質上の創設者とする説を唱えている。しかし、『後漢書』「霊帝紀」では「秋7月、巴郡の妖巫張脩が反し、郡県を寇した」とあり、さらに唐の章懐太子李賢註の「劉艾（中国語版）紀」（後漢末期の宗正）には「時に巴郡の巫人張脩は病を療し、快癒した者から治療代として五斗の米を受け取ったため、五斗米師と呼ばれた」とある。また、『元和郡県図志』によると、張魯ともに益州牧劉焉の命を受けて、漢中太守の蘇固（中国語版）を討ち滅ぼした蜀の鬼道教団の教祖・張脩は、後に勢力をめぐって張魯と対立した。先手を打った張魯が張脩を討ち取り、その根拠地を奪い取って漢中郡を漢寧郡に改名したと記されている。そのため、裴松之の指摘は誤りとされている（『張魯伝集解』）。

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 '''張 衡'''（ちょう こう、? - [[熹平]]7年[[1月7日 (旧暦)|1月7日]]（[[177年]][[2月27日]]）<ref>[[陶弘景]]の『[[真誥]]』第四巻による。</ref>）は、[[後漢]]末期の人物。[[字]]は'''霊真'''。
-[[道教]]の一派[[五斗米道]]の創始者・[[張陵]]の子。母は'''雍氏'''（または'''孫氏'''）。妻は'''盧氏'''。姉は'''張文姫'''（字は文姫、名は不詳）。妹は'''張文光'''（字は文光、名は不詳）、'''張賢'''（字は'''賢姫'''）、'''張芝'''（字は'''芳芝'''）。弟は'''[[張権]]'''（または'''張機'''、'''[[張機]]仲景'''とは別人、妻は'''王氏'''）。子は[[張魯]]、[[張衛]]、[[張愧]]（字は'''公仁'''）、[[張徴]]。娘は'''張玉蘭'''。孫は'''[[張富]]'''（名は'''張滋'''とも、字は元微）、'''[[張広]]'''（字は嗣宗）、'''[[張永]]'''（字は齢宗）、'''[[張盛]]'''（字は元宗）、'''[[張溢]]'''（字は立宗）、'''[[張巨]]'''（字は儒宗）、'''[[張夢得]]'''（字は文宗）と他の3人（張魯の10子）。孫娘は[[曹宇]]の妻と他の9人。
+[[道教]]の一派[[五斗米道]]の創始者・[[張陵]]の子。母は'''雍氏'''（または'''孫氏'''）。妻は'''盧氏'''。姉は'''張文姫'''（字は文姫、名は不詳）。妹は'''張文光'''（字は文光、名は不詳）、'''張賢'''（字は'''賢姫'''）、'''張芝'''（字は'''芳芝'''）。弟は'''[[張権]]'''（または'''張機'''、'''[[張機]]仲景'''とは別人、妻は'''王氏'''）。子は[[張魯]]、[[張衛]]、[[張愧]]（字は'''公仁'''）、[[張徴 (後漢)|張徴]]。娘は'''{{仮リンク|張玉蘭 (後漢)|label=張玉蘭|zh|張玉蘭}}'''。孫は'''[[張富]]'''（名は'''張滋'''とも、字は元微）、'''[[張広 (後漢)|張広]]'''（字は嗣宗）、'''[[張永 (後漢)|張永]]'''（字は齢宗）、'''[[張盛 (後漢)|張盛]]'''（字は元宗）、'''[[張溢]]'''（字は立宗）、'''[[張巨]]'''（字は儒宗）、'''[[張夢得]]'''（字は文宗）と他の3人（張魯の10子）。孫娘は張琪瑛（[[曹宇]]妻）と他の9人。
 ==概要==
-[[沛国]][[豊県]]（現在の[[江蘇省]][[徐州市]]豊県）の人。父の張陵が亡くなると、その後を継ぎ五斗米道の2代目教主となった<ref>[[裴松之]]は「『[[典略]]』では張魯の父は張衡としているが、[[巴郡]]巫県の人である巫者・五斗米道の教祖とされる[[張脩]]（張修）こそ張魯の父であろう。これは伝写の誤りか間違いだ」と述べ、張陵および張衡父子の存在を疑問視し、張脩を実質上の創設者とする説を唱えている。しかし、『[[後漢書]]』「[[霊帝 (漢)|霊帝]]紀」では「秋7月、巴郡の妖巫張脩が反し、郡県を寇した」とあり、さらに[[唐]]の章懐太子[[李賢 (唐)|李賢]]註の「[[劉艾]]紀」（[[後漢]]末期の[[宗正]]）には「時に巴郡の巫人張脩は病を療し、快癒した者から治療代として五斗の[[米]]を受け取ったため、五斗米師と呼ばれた」とある。また、『[[元和郡県図志]]』によると、張魯ともに益州牧[[劉焉]]の命を受けて、漢中太守の[[蘇固]]を討ち滅ぼした[[蜀]]の[[シャーマニズム|鬼道教団]]の教祖・張脩は、後に勢力をめぐって張魯と対立した。先手を打った張魯が張脩を討ち取り、その根拠地を奪い取って[[漢中郡]]を漢寧郡に改名したと記されている。そのため、裴松之の指摘は誤りとされている（『張魯伝集解』）。</ref>。
+[[沛国]][[豊県]]（現在の[[江蘇省]][[徐州市]]豊県）の人。父の張陵が亡くなると、その後を継ぎ五斗米道の2代目教主となった<ref>[[裴松之]]は「『[[典略]]』では張魯の父は張衡としているが、[[巴郡]]巫県の人である巫者・五斗米道の教祖とされる{{仮リンク|張脩 (後漢)|label=張脩|zh|張脩 (東漢)}}（張修）こそ張魯の父であろう。これは伝写の誤りか間違いだ」と述べ、張陵および張衡父子の存在を疑問視し、張脩を実質上の創設者とする説を唱えている。しかし、『[[後漢書]]』「[[霊帝 (漢)|霊帝]]紀」では「秋7月、巴郡の妖巫張脩が反し、郡県を寇した」とあり、さらに[[唐]]の章懐太子[[李賢 (唐)|李賢]]註の「{{仮リンク|劉艾|zh|劉艾}}紀」（[[後漢]]末期の[[宗正]]）には「時に巴郡の巫人張脩は病を療し、快癒した者から治療代として五斗の[[米]]を受け取ったため、五斗米師と呼ばれた」とある。また、『[[元和郡県図志]]』によると、張魯ともに益州牧[[劉焉]]の命を受けて、漢中太守の{{仮リンク|蘇固|zh|蘇固}}を討ち滅ぼした[[蜀]]の[[シャーマニズム|鬼道教団]]の教祖・張脩は、後に勢力をめぐって張魯と対立した。先手を打った張魯が張脩を討ち取り、その根拠地を奪い取って[[漢中郡]]を漢寧郡に改名したと記されている。そのため、裴松之の指摘は誤りとされている（『張魯伝集解』）。</ref>。
 年に死去し、子の張魯が3代目[[教祖|教主]]として後を継ぐと、亡父の張衡は「嗣師」と尊称されたという。