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2021年10月25日 (月) 23:45時点における版

長春包囲戦

人民解放軍による攻囲により陥落した長春
戦争国共内戦
年月日1948年5月23日 - 10月19日
場所中国吉林省長春市
結果中国共産党の勝利
交戦勢力
中華民国の旗 中華民国 中国共産党
指導者・指揮官
鄭洞国 蕭勁光
戦力
~100,000人 100,000人
損害
95,855人
120,000~650,000人(民間人
6,508人

長春包囲戦(ちょうしゅんほういせん 中国語: 長春圍困戰)とは、中国国民党軍によって守られた長春市(旧満州国首都新京)に対して中国人民解放軍によって行われた包囲作戦(兵糧攻め)のことである。1948年5月23日から10月19日までの150日間続いた。長春包囲戦は遼瀋戦役の一部であり、長春の陥落につき遼瀋戦役の第一段階が終了した。中国共産党の作戦で長春に長期食糧封鎖したため、中国国民党軍以外の約30万人の一般民衆も餓死に追い込まれた[1][2]

概要

1948年5月23日、人民解放軍は中国国民党軍に守られた長春に対して包囲を敷き始め、空輸を停止した。包囲の間、人民解放軍は林彪によって指揮されていた。林ははじめ、4月に長春を攻撃するつもりであったが包囲が完成した後は彼の注意は他の都市へと移った。林は最終的に10月には長春を陥落させるつもりだった。毛沢東は林に先の都市では5カ月もかからなかったと林を嘲笑する電報を送り、林に錦州を攻めるよう命令した[3]

その後錦州陥落の情報が長春に届き、国民党軍の指揮官の鄭洞国将軍は大部分の幹部と共に中国人民解放軍に投降した。この中国国民党軍第60軍および新第7軍の投降によって1948年10月19日に中国人民解放軍が長春に入り、150日に及ぶ包囲戦は終了した。鄭洞国らは毛個人の命令で人民解放軍のポストが与えられた[4]

包囲のした5ヶ月にも渡る間、人民解放軍が役に立つと判断した人以外は一切外に出さず、人道のために内部に食料を持ち込もうとした人々を即座に銃殺するほど徹底的に人民解放軍は兵糧攻め作戦を行った(空中投下された食料物資を国民党軍が独占し、一般市民には配給しなかったのも影響したともいわれている[5])。その結果市内では餓死者が続出した。最終的な餓死者は33万人(37万から46万人とする説もある[5])に達し、国民党軍が降伏する間の5ヵ月間に約50万人だった市内の人口は17万人ほどまで減少した。人民解放軍が市内に初めて入って見た光景は餓死者の死体の山だった[6]

中国人民解放軍による一般民衆大量餓死

  • 1989年8月、張正隆(zh:張正隆)中佐が執筆した雪白血紅(zh:雪白血紅)という本が中国人民解放軍出版社によって出版された。この本によると、長春包囲戦の間に150,000人の一般市民が餓死し、市から脱出しようとした一般人は国民党軍への食糧供給に圧力をかけるために追い返されたと記している。張中佐は中国革命(en:Chinese Revolution)が「コストに見合う価値がない」と考え、林彪軍の技術を毛沢東よりも優れていると称賛した。彼はまた、中国共産党幹部は国共内戦の間にアヘン取引で私腹を肥やしたと主張した[7]。当時の国家主席楊尚昆は雪白血紅が「共産党を侮辱している」と述べ、1990年の春に「雪白血紅」を発禁とした[8]
  • 長春包囲網時に長春で7歳だった遠藤誉は中国共産党の人民解放軍が国民党軍統治下の長春を食糧封鎖したことで約30万人の民衆が餓死に追い込まれた際の周囲の飢餓極限状態の実録として『チャーズ 中国建国の残火』を出版している。

関連項目

参考資料

  • 張正隆『雪白血紅 中国革命闘争報告文学叢書遼瀋戦役卷』(解放軍出版社)1989年(中国語) ISBN 9787506510486
  • 遠藤誉『チャーズ 中国建国の残火』(朝日新聞出版)2012年12月 ISBN 978-4023311503

出典

  1. ^ チャーズ 中国建国の残火、 2012年12月、遠藤 誉
  2. ^ a b c 福島香織. “教科書改訂で毛沢東の文革再評価、習政権の狙い(日経ビジネスオンライン)” (日本語). https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/218009/092500176/ 2021年7月5日閲覧。 
  3. ^ Westad, Odd Arne. Decisive encounters: the Chinese Civil War, 1946-1950. Stanford University Press, 2003. p. 194.
  4. ^ Westad, p. 197.
  5. ^ a b 中国共産党による「長春包囲戦」70年目の真実 『長春飢餓戦争』が上梓”. 大紀元時報. 2020年7月17日閲覧。
  6. ^ 「チャーズ 中国建国の残火」p153、 2012年12月、遠藤 誉
  7. ^ Pomfret, John. Red Army Starved 150,000 Chinese Civilians, Books Says. Associated Press; The Seattle Times. 2009-10-02. URL:http://community.seattletimes.nwsource.com/archive/?date=19901122&slug=1105487. 2010/11/13閲覧(Archived by WebCite at http://www.webcitation.org/5kEN5bTlE)
  8. ^ 遠藤「チャーズ 中国建国の残火」p181、 2012年12月