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|2021年2月
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|ISBN 978-4022649812
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|D-鬼哭旅
|2021年11月
|ISBN 978-4022650153
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2021年11月11日 (木) 05:38時点における版

吸血鬼ハンターD
ジャンル ファンタジーSF吸血鬼
小説
著者 菊地秀行
イラスト 天野喜孝
出版社 朝日新聞出版
その他の出版社
朝日ソノラマ
刊行期間 1983年 - 2007年(朝日ソノラマ)
2007年(朝日新聞出版) -
巻数 40巻
OVA:吸血鬼ハンターD
原作 菊地秀行
監督 芦田豊雄
脚本 平野靖士
製作 葦プロダクション
発売日 1985年12月21日
話数 全1話
その他 劇場公開(配給・封切日)
日本の旗 東宝[1]
1985年12月21日[2]
アメリカ合衆国の旗 ストリームライン[1]
1993年3月26日[2]
ポーランドの旗 2009年5月4日[2]
オーディオドラマ
原作 菊地秀行
脚本 渡辺麻実会川昇
発売元 朝日ソノラマ
枚数 全5枚
テンプレート - ノート
ポータル 文学アニメ
挿絵を手がけた天野喜孝

吸血鬼ハンター"D"』(バンパイアハンター・ディー、英語: Vampire Hunter D)は、菊地秀行小説朝日新聞出版刊。かつては朝日ソノラマ刊)。OVA化、アニメ映画化、テレビゲーム化、漫画化もされた。また2000年公開のアニメ映画『バンパイアハンターD』(原題:Vampire Hunter D: Bloodlust)が契機となり、現在は海外で翻訳出版もされている。

あらすじ

遥か未来、人類は「貴族」と称する吸血鬼達により支配され、彼らの「食料源=家畜」として隷属させられていた。

その不死性と超能力、強大な科学力ゆえ永遠に続くかに思えた「貴族」の繁栄だったが、いつしか種族的衰退と精神的退廃に陥った彼らは、絶対的な支配者の座から降りようとしていた。しかし、反旗を翻した人類から都を追われ、狩られる立場になってなお、「貴族」が持つ数々の超絶的な力は健在であり、人々を脅かす。さらに、「貴族」達が生み出した、大蜘蛛、大巨獣、狼男など伝説を模した超常の生物により、地球の環境は人類の生きる上で過酷なものとなっていた。

その怪物どもを「狩る」技術の発達と、「狩り」の技の専門家である「ハンター」の出現は必然であった。だが怪物どもを超える力と技を持ち、気分次第でその力を人々にも向ける「ハンター」は、人々にとっては怪物以上の脅威でもあり、心から受け入れられるとは限らなかった。そしてその人々もまた純真無垢ではなく、互いにいがみ合い、争った。そして悲惨なことに、常に人々の猜疑心と敵対心を向けられて排斥されるのは、「貴族」に直接傷つけられた被害者たちだった。

「ハンター」の中でも、ずば抜けた力と技を用いて「貴族」を狩る者たちは、「吸血鬼ハンター」と呼ばれ、種々の「ハンター」の頂点に立ち、法外な報酬を受けていた。

旅人帽(トラベラーズハット)を被り、背中には長い刀を背負い、胸元に青いペンダントをさげた黒衣の美青年"D"。彼は、左手に妖力を持つ人面疽を宿した凄腕の吸血鬼ハンターであり、「貴族」の大王「神祖」と人間との間に生まれた混血児「ダンピール」でもあり、そして「貴族」と人間の融合を企てた「神祖」が、幾多の失敗と悲劇を生み出しながらもいまなお行い続けている「実験」の唯一の成功例でもあった。「貴族」と人間双方の業を負った"D"の、孤独な激闘の旅は続く。

ゴシックホラーウェスタンとホラーアクションとSFファンタジーを結合した独自の世界観、そして「滅びつつもなお強大で、時に偉大でもある『闇の貴族』としての吸血鬼」、「『貴族』より強く、怪物より異形のハンターたち」、「決して純真無垢ではなく、時に『貴族』以上に残虐非道になる一般大衆」などのモチーフは、多くの後発作品に影響を与えた。

シリーズ一覧

  • 2021年2月現在、本編38作、別巻1作(通51巻)。尚、27と28はタイトルが異なるが同一題材の連続作品である
  • 挿絵イラストは全て天野喜孝
  • 1〜18作まではソノラマ文庫より発刊。
  • 19作以降は出版元変更により朝日文庫ソノラマセレクションより発刊(1〜18作も同時期にソノラマセレクション化)
  • ISBNは朝日文庫版。
  • また2011年1月には、本シリーズの外伝となる「貴族」と人間の反「貴族」テロ組織と両者共通の敵であるエイリアンとの三つ巴の戦いを描いた『吸血鬼ハンター/アナザー 貴族グレイランサー』(ISBN 978-4022739605、文庫版 ISBN 978-4022649980)が刊行されている。同年11月には、続編である『吸血鬼ハンター/アナザー 貴族グレイランサー 英傑の血』(ISBN 978-4022739797、文庫版 ISBN 978-4022649928)が刊行された(両刊とも朝日新聞出版、挿絵・小島文美、文庫挿絵・天野義孝)。
  • その他同一の世界観の作品に『貴族泥棒スティール』(ISBN 978-4620210032)がある。(毎日新聞出版、挿絵・末弥純)。
  • 菊地以外の著者の作品として『ダンピール狩り 吸血鬼ハンター外伝』(ISBN 978-4022683090)(著・朝川ユウキ,監修・菊地秀行)がある。
巻数 作数 タイトル 初版発行年・月 ISBN
1 1 吸血鬼ハンター"D" 1983年1月 ISBN 978-4022655004
2 2 風立ちて"D" 1984年1月 ISBN 978-4022655011
3 3 D-妖殺行 1985年7月 ISBN 978-4022655028
4 4 D-死街譚 1986年1月 ISBN 978-4022655035
5 5 夢なりし"D" 1986年12月 ISBN 978-4022655042
6 6 D-聖魔遍歴 1988年2月 ISBN 978-4022655059
7 7 D-北海魔行〔上〕 1988年10月 ISBN 978-4022655066
8 D-北海魔行〔下〕 1988年12月 ISBN 978-4022655073
9 別巻 D-昏い夜想曲ノクターン 1992年1月 ISBN 978-4022655080
10 8 D-薔薇姫 1994年1月 ISBN 978-4022655097
11 9 D-蒼白き堕天使 1 1994年7月 ISBN 978-4022655103
12 D-蒼白き堕天使 2 1995年4月 ISBN 978-4022655110
13 D-蒼白き堕天使 3 1995年11月 ISBN 978-4022655127
14 D-蒼白き堕天使 4 1996年3月 ISBN 978-4022655134
15 10 D-双影の騎士 1 1996年11月 ISBN 978-4022655141
16 D-双影の騎士 2 1997年10月 ISBN 978-4022655158
17 11 D-ダークロード 1 1999年3月 ISBN 978-4022655165
18 D-ダークロード 2 1999年6月 ISBN 978-4022655172
19 D-ダークロード 3 1999年9月 ISBN 978-4022655189
20 12 D-邪王星団 1 2000年7月 ISBN 978-4022655196
21 D-邪王星団 2 2000年11月 ISBN 978-4022655202
22 D-邪王星団 3 2001年2月 ISBN 978-4022655219
23 D-邪王星団 4 2001年4月 ISBN 978-4022655226
24 13 D-邪神砦 2001年12月 ISBN 978-4022655233
25 14 D-妖兵街道 2003年2月 ISBN 978-4022655240
26 15 D-魔戦抄 2003年7月 ISBN 978-4022655257
27 16 D-血闘譜 2004年5月 ISBN 978-4022655264
28 17 D-白魔山(上) 2005年2月 ISBN 978-4022655271
29 D-白魔山(下) 2005年7月 ISBN 978-4022655288
30 18 D-狂戦士イリヤ 2007年1月 ISBN 978-4022655295
31 19 D-魔道衆 2007年10月(※) ISBN 978-4022655301
32 20 D-不死者島 2008年8月 ISBN 978-4022655318
33 21 D-魔性馬車 2009年9月 ISBN 978-4022655325
34 22 D-悪夢村 2010年9月 ISBN 978-4022655332
35 23 D-冬の虎王 2011年8月 ISBN 978-4022646194
36 24 D-貴族戦線 2012年3月 ISBN 978-4022646576
37 25 D-黄金魔(上) 2012年8月 ISBN 978-4022646729
38 D-黄金魔(下) 2012年12月 ISBN 978-4022646927
39 26 D-シルビアの還る道 2013年8月 ISBN 978-4022647122
40 27 D-貴族祭 2014年4月 ISBN 978-4022647368
41 28 D-夜会煉獄 2014年11月 ISBN 978-4022647535
42 29 D-ひねくれた貴公子 2015年5月 ISBN 978-4022647801
43 30 D-美兇人 2016年2月 ISBN 978-4022648075
44 31 D-消えた貴族軍団 2016年11月 ISBN 978-4022648310
45 32 D-五人の刺客 2017年9月 ISBN 978-4022648433
46 33 D-呪羅鬼飛行 2018年4月 ISBN 978-4022648846
47 34 D-死情都市 2018年9月 ISBN 978-4022649003
48 35 D-黒い来訪者 2019年6月 ISBN 978-4022649249
49 36 D-山嶽鬼 2019年10月 ISBN 978-4022649294
50 37 D-闇の魔女歌 2020年7月 ISBN 978-4022649553
51 38 D-暗殺者の要塞 2021年2月 ISBN 978-4022649812
52 39 D-鬼哭旅 2021年11月 ISBN 978-4022650153

(※)『D-魔道衆』は docomoauSoftBankの携帯サイト「MysteryWorld」(ミステリーワールド)にて先行連載配信後、2007年10月5日に朝日文庫より19作目として刊行された。

OVA

『吸血鬼ハンター"D"』は、吸血鬼ハンターDシリーズの第1作をベースとした作品。1985年エピック・ソニーよりビデオが発売。同時に劇場公開もされている。アメリカではヒットした。当時26歳の小室哲哉が初めて映画音楽を担当した作品でもあり、エピック・ソニーよりサウンドトラックがリリースされ、主題歌をブレイク前であったTM NETWORKが歌っている。

ストーリー

西暦12090年、辺境の町の一帯を支配する「貴族」リィ伯爵に血を吸われた少女ドリスは、吸血鬼ハンターの"D"を雇い入れた。リィ伯爵はドリスを己の妻に迎え入れようとするが、彼の娘ラミーカからは反対されていた。

異形の強盗団の頭目であり不死を目論む麗銀星は、リィ伯爵に雇われる。彼は吸血鬼にとっては危険な「時だましの香」をDに使うも、偽物だったため、返り討ちに遭う。 そして、麗銀星は本物の「時だましの香」をDに使って死に至らせ、ドリスをさらう。 ところが、麗銀星の仕事はリィ伯爵にとって納得のいかないところがあったことから、報酬である「永遠の命」を受け取れず、契約を反故にされてしまう。 怒った麗銀星は、リィ伯爵とドリスの結婚式を襲ったところで、返り討ちに遭って死亡する。

キャスト

スタッフ

映画

『バンパイアハンターD』は、 1999年末以降に「Vampire Hunter D: Bloodlust」の題でアメリカにて先行公開され、日本では2001年4月に、音声は英語のまま日本語字幕をつけて劇場公開された。DVDソフト化の際は、英語版の他に日本語吹き替え版も発売されている。 本作はシリーズ第3作「D-妖殺行」を原作としているが、一部キャラクターの造形や終盤の展開など[4]に差異がある。

オーディオドラマ

原作シリーズからオリジナルドラマを収録。ソノラマカセット文庫より発売されたカセットブックは絶版となったが、2005年7月19日にCD-BOXとして復刻された。

  • 吸血鬼ハンター 風立ちてD(1987年12月17日)
  • 吸血鬼ハンター D-妖殺行(1988年6月24日)
  • 吸血鬼ハンター D-北海魔行1 北の海へ(1990年3月30日)
  • 吸血鬼ハンター D-北海魔行2 やがて、夏(1990年5月30日)
  • 吸血鬼ハンター D-北海魔行3 冬来たりなば(1990年6月30日)
  • オーディオドラマCD BOX 吸血鬼ハンターD オーディオドラマコレクション 朝日ソノラマ ISBN 4257037148

キャスト(オーディオドラマ)

  • D - 塩沢兼人
  • 左手 - 永井一郎
吸血鬼ハンター 風立ちて”D”
吸血鬼ハンター D-妖殺行
吸血鬼ハンター D-北海魔行

スタッフ(オーディオドラマ)

  • 原作 - 菊地秀行
  • 脚本 - 渡辺麻実(吸血鬼ハンター 風立ちてD)、会川昇
  • 音楽 - 伊藤信雄

漫画

鷹木骰子の作画で漫画化されたものが発売されている。日本語版はメディアファクトリーから、英語版はデジタル・マンガ・パブリッシングから発売。1巻は日本語版、英語版のほかドイツ、イタリア、フィンランド、スペイン、ハンガリー、リトアニアで同時発売された。

関連書籍

  • 『吸血鬼ハンター"D"読本』:朝日ソノラマ編集部によるデータベース・考察など交えた読本。(2001年6月、朝日ソノラマ、ISBN 978-4-2570-3546-6
    • 『吸血鬼ハンター"D"読本』新版:上記の新装版。(2008年1月、朝日新聞社出版局、ISBN 978-4-0221-3818-7
  • 『かんおけ―吸血鬼ハンターD』:天野喜孝による挿絵イメージ画などの画集(大型本)。菊地秀行による外伝「イゾベルの肖像」も収録。(1997年11月、朝日ソノラマ、ISBN 978-4-2570-3500-8
  • 『吸血鬼ハンター"D"―天野喜孝画集』:天野喜孝による挿絵イメージ画などの画集(ソフトカバー)。菊地秀行による外伝も収録。(2000年9月、朝日ソノラマ、ISBN 978-4-2570-3606-7
  • 他に、CD-ROM画集、ポストカードブック等もある。

脚注

  1. ^ a b Vampire Hunter D (1985)”. IMDb(Company Credits). Amazon.com. 2020年6月13日閲覧。
  2. ^ a b c Vampire Hunter D (1985)”. IMDb(Release Info). Amazon.com. 2020年6月13日閲覧。
  3. ^ 声優の木藤聡子さんが58歳で死去…「吸血鬼ハンターD」でラミーカ役”. スポーツ報知 (2020年5月1日). 2021年8月17日閲覧。
  4. ^ ロングインタビュー 川尻善昭 自作を語る 第2部『妖獣都市』から『バンパイアハンターD』へ 第4回 映画なら『D』をやります”. 川尻善昭公式サイト (2001年). 2019年9月25日閲覧。

参考文献

  • Patten, Fred (2004). Watching Anime, Reading Manga: 25 Years of Essays and Reviews. Stone Bridge Press. ISBN 1-880656-92-2 

外部リンク