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「トライアスロン」の版間の差分

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競技距離は、'''スタンダードディスタンス'''(またはオリンピックディスタンス<ref group="注" name="olympic">2000年9月、シドニーオリンピックでトライアスロンが正式種目となり、スタンダード・ディスタンス形式が採用され、これ以降、国際的にスタンダードディスタンスとオリンピックディスタンスは同義となったが、現状は「スタンダード・ディスタンス」と呼ぶのが正式である。</ref> )のレースは合計'''51.5km'''(スイム1.5km・バイク40km・ラン10km)で行われる。'''スプリントディスタンス'''はその半分の合計'''25.75km'''(スイム0.75km・バイク20km・ラン5km)で行われる<ref group="注">コース設定の関係で「スプリント」よりも短かかったり長かったりした場合、'''ショート・ディスタンス'''と呼ぶ主催者もいるが、これは正式名称ではない</ref>。'''ロングディスタンス'''(長距離)では、例えば2018年[[世界ロングディスタンストライアスロン選手権|世界ロングディスタンス選手権]]は合計'''153km'''(スイム3.0km・バイク120km・ラン30km)、[[アイアンマンレース]]などは合計約'''226km'''(スイム3.8km・バイク180.2km・ラン42.2km)で行われる。その他にも、大会により様々な距離設定で行われている(''詳しくは「[[#種類|種類]]」の節を参照のこと'')。
競技距離は、'''スタンダードディスタンス'''(またはオリンピックディスタンス<ref group="注" name="olympic">2000年9月、シドニーオリンピックでトライアスロンが正式種目となり、スタンダード・ディスタンス形式が採用され、これ以降、国際的にスタンダードディスタンスとオリンピックディスタンスは同義となったが、現状は「スタンダード・ディスタンス」と呼ぶのが正式である。</ref> )のレースは合計'''51.5km'''(スイム1.5km・バイク40km・ラン10km)で行われる。'''スプリントディスタンス'''はその半分の合計'''25.75km'''(スイム0.75km・バイク20km・ラン5km)で行われる<ref group="注">コース設定の関係で「スプリント」よりも短かかったり長かったりした場合、'''ショート・ディスタンス'''と呼ぶ主催者もいるが、これは正式名称ではない</ref>。'''ロングディスタンス'''(長距離)では、例えば2018年[[世界ロングディスタンストライアスロン選手権|世界ロングディスタンス選手権]]は合計'''153km'''(スイム3.0km・バイク120km・ラン30km)、[[アイアンマンレース]]などは合計約'''226km'''(スイム3.8km・バイク180.2km・ラン42.2km)で行われる。その他にも、大会により様々な距離設定で行われている(''詳しくは「[[#種類|種類]]」の節を参照のこと'')。


2-3人で各種目を分担する[[リレー]]形式レースを同時開催する大会もある。
[[リレー]]形式レース2-3人で各種目を分担する[[リレー]]形式レースを同時開催する大会もある。


[[ファイル:Triathlon pictogram.svg|120px|upright|thumb|[[オリンピックトライアスロン競技|夏季オリンピック・トライアスロン競技]]のシンボルマーク]]
[[ファイル:Triathlon pictogram.svg|120px|upright|thumb|[[オリンピックトライアスロン競技|夏季オリンピック・トライアスロン競技]]のシンボルマーク]]
[[オリンピックトライアスロン競技|オリンピック]]では、トライアスロンは、競技時間・コース設定などの運営上、スタンダードディスタンスで行われる<ref group="注" name="olympic" />。よって日本代表選考会も同様である。
[[オリンピックトライアスロン競技|オリンピック]]では、競技時間・コース設定などの運営上、個人戦はスタンダードディスタンスで行われる<ref group="注" name="olympic" />。よって日本代表選考会も同様である。


「ロングディスタンス」の場合、競技時間が10時間を超える場合が少なくないため、「過酷なスポーツ」との認識が根強い。しかし、「スタンダードディスタンス」等のレースでは一般の市民アスリートの参加も多く、現在、このレース距離の大会が多くを占めている。
「ロングディスタンス」の場合、競技時間が10時間を超える場合が少なくないため、「過酷なスポーツ」との認識が根強い。しかし、「スタンダードディスタンス」等のレースでは一般の市民アスリートの参加も多く、現在、このレース距離の大会が多くを占めている。
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=== 国際的な経緯 ===
=== 国際的な経緯 ===
* [[1974年]][[9月25日]]、[[アメリカ合衆国]][[カリフォルニア州]][[サンディエゴ]]で、世界初のトライアスロン大会が実施された。46人の選手が出場した<ref>[[:en:Triathlon#Modern triathlon|英語版]]</ref><ref>[http://www.jtu.or.jp/jtu/gaiyou.html 公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)の概要・歴史]日本トライアスロン連合、2022年2月27日閲覧。</ref>。
* [[1974年]][[9月25日]]、[[アメリカ合衆国]][[カリフォルニア州]][[サンディエゴ]]で、世界初のトライアスロン大会が実施された。46人の選手が出場した<ref>[[:en:Triathlon#Modern triathlon|英語版]]</ref><ref>[http://www.jtu.or.jp/jtu/gaiyou.html 公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)の概要・歴史]日本トライアスロン連合、2022年2月27日閲覧。</ref>。
* [[1977年]]、[[ハワイ州|ハワイ]]で、[[アメリカ海軍]]の軍人達が[[宴会]]の席上、「[[マラソン]]・[[遠泳]]・サイクル[[ロードレース (自転車競技)|ロードレース]]のどれが最も過酷か」と議論、比較できず、「この際まとめてやってみよう」と、翌[[1978年]]、同地でアイアンマン・トライアスロンが行われた。これがきっかけとなり、この時のレース距離スイム 3.8km・バイク180km・ラン42.195kmと制限時間17時間でのレースが、[[アイアンマン世界選手権大会]]へと発展し、現在、世界各地でハワイ本戦出場をかけた[[アイアンマンレース|予選]]が開催されている。
* [[1977年]]、[[ハワイ州|ハワイ]]で、[[アメリカ海軍]]の軍人達が[[宴会]]の席上、「[[マラソン]]・[[遠泳]]・サイクル[[ロードレース (自転車競技)|ロードレース]]のどれが最も過酷か」と議論、比較できず、「この際まとめてやってみよう」と、翌[[1978年]]、同地でアイアンマン・トライアスロンが行われた。これがきっかけとなり、この時のレース距離スイム3.8km・バイク180km・ラン42.195kmと制限時間17時間でのレースが、[[アイアンマン世界選手権大会]]へと発展し、現在、世界各地でハワイ本戦出場をかけた[[アイアンマンレース]]が開催されている。
* [[1982年]]、3種目のレース距離を短縮し、スイム1.5km・バイク40km・ラン10km、合計51.5kmとした新たな国際基準が設定された。従来のレース距離に対し、1/4以下という短距離(ショート・ディスタンス)となった。現在では、このレース距離の大会が多くを占めている。
* [[1982年]]、3種目のレース距離を短縮し、スイム1.5km・バイク40km・ラン10km、合計51.5kmとした新たな国際基準が設定された。従来のレース距離に対し、1/4以下という短距離(ショート・ディスタンス)となった。現在では、このレース距離の大会が多くを占めている。
* [[1989年]]、[[ワールドトライアスロン|国際トライアスロン連合]]設立。本部、[[カナダ]]・[[バンクーバー (ブリティッシュコロンビア州)|バンクーバー]]。
* [[1989年]]、[[ワールドトライアスロン|国際トライアスロン連合]]設立。本部、[[カナダ]]・[[バンクーバー (ブリティッシュコロンビア州)|バンクーバー]]。
* [[2000年]]9月、[[シドニーオリンピック]]でトライアスロンが正式種目となり<ref>{{Cite web|url=https://spaia.jp/column/triathlon/1991|title=大会によって距離が異なる?耐久レースとしてのトライアスロン|publisher=【SPAIA】スパイア|date=2016-12-09|accessdate=2020-11-20}}</ref>、スタンダードディスタンスが採用された。これ以降、国際的にこの距離を「オリンピックディスタンス」とも呼ばれるようになった。
* [[2000年]]9月、[[2000年シドニーオリンピック|シドニーオリンピック]]でトライアスロンが正式種目となり<ref>{{Cite web|url=https://spaia.jp/column/triathlon/1991|title=大会によって距離が異なる?耐久レースとしてのトライアスロン|publisher=【SPAIA】スパイア|date=2016-12-09|accessdate=2020-11-20}}</ref>、スタンダードディスタンスが採用された。これ以降、国際的にこの距離を「オリンピックディスタンス」とも呼ばれるようになった。
* [[2021年]]7月、[[2020年東京オリンピック|東京オリンピック]]で、個人男女に加え新種目として混合リレーが開催された。1人がスイム0.3km・バイク6.8km・ラン2kmの合計9.1kmを走り、女・男・女・男の順でリレーした<ref name=tokyo2020>{{Cite news |title=オリンピック トライアスロン混合リレー 日本は13位 |newspaper= |publisher=日本放送協会 |date=2021-07-31 |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210731/k10013172031000.html |accessdate=2022-02-28}}</ref>。


=== 日本での経緯 ===
=== 日本での経緯 ===
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* [[2009年]](平成21年)9月27日、「[[第64回国民体育大会|トキめき新潟国体]]」で、公開競技としてトライアスロンがスタンダードディスタンスで行われた(国体の正式競技となるのは2016年「[[第71回国民体育大会|希望郷いわて国体]]」から)。
* [[2009年]](平成21年)9月27日、「[[第64回国民体育大会|トキめき新潟国体]]」で、公開競技としてトライアスロンがスタンダードディスタンスで行われた(国体の正式競技となるのは2016年「[[第71回国民体育大会|希望郷いわて国体]]」から)。
* [[2010年]](平成22年)、[[シンガポールユースオリンピック]]で女子の[[佐藤優香]]が金メダルを獲得。[[中華人民共和国|中国]]・[[広州市|広州]]での[[2010年アジア競技大会|アジア大会]]で、男子の[[細田雄一]]・[[山本良介]]、女子の[[足立真梨子]]・[[土橋茜子]]がそれぞれ金メダル・銀メダルを獲得した。
* [[2010年]](平成22年)、[[シンガポールユースオリンピック]]で女子の[[佐藤優香]]が金メダルを獲得。[[中華人民共和国|中国]]・[[広州市|広州]]での[[2010年アジア競技大会|アジア大会]]で、男子の[[細田雄一]]・[[山本良介]]、女子の[[足立真梨子]]・[[土橋茜子]]がそれぞれ金メダル・銀メダルを獲得した。
* [[2021年]]([[令和]]3年)7月、前述の通り[[2020年東京オリンピックのトライアスロン競技|東京オリンピックのトライアスロン種目]]が[[お台場海浜公園]]周辺周回コースで行われ、個人男女と新種目の混合リレーを加えた3種目が実施された<ref name=tokyo2020 />。

== 種類 ==
== 種類 ==
[[ワールドトライアスロン|ITU]]競技規則附則によるレース距離は以下の通り。大会によって距離は変更される。基準となる規格の背景は黄色。ディスタンスとは距離の意味。
[[ワールドトライアスロン|ITU]]競技規則附則によるレース距離は以下の通り。大会によって距離は変更される。基準となる規格の背景は黄色。ディスタンスとは距離の意味。
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== 世界の主な大会 ==
== 世界の主な大会 ==
=== スタンダードディスタンス ===
=== スタンダードディスタンス ===
* [[オリンピックトライアスロン競技]]
* [[オリンピックトライアスロン競技|オリンピック]]
*:個人男女と混合リレーの3種目が行われている。
* [[世界トライアスロンシリーズ]]
* [[世界トライアスロンシリーズ]]
* [[トライアスロンワールドカップ]]
* [[トライアスロンワールドカップ]]

2022年2月28日 (月) 13:09時点における版

水泳(スイム)、自転車ロードレース(バイク)、長距離走(ラン)を、この順番で連続して行う。

トライアスロン英語: triathlon)は、水泳自転車ロードレース長距離走の3種目を、この順番で連続して行う耐久競技であり、1974年アメリカで初開催された比較的新しいスポーツである。

概要

triathlonは、ギリシャ語数字の「3」を意味する接頭辞 tri- と、「競技」を意味する athlon の合成語で、英語発音にならって「トライアスロン」と呼ばれる。

この言葉自体は、具体的な種目名を示していないが、現在では、水泳自転車長距離走(スイム・バイク・ラン)の3種目を、この順番で、それぞれの距離・コースを設定し1人のアスリートが連続して行う耐久競技を指す。

競技距離は、スタンダードディスタンス(またはオリンピックディスタンス[注 1] )のレースは合計51.5km(スイム1.5km・バイク40km・ラン10km)で行われる。スプリントディスタンスはその半分の合計25.75km(スイム0.75km・バイク20km・ラン5km)で行われる[注 2]ロングディスタンス(長距離)では、例えば2018年世界ロングディスタンス選手権は合計153km(スイム3.0km・バイク120km・ラン30km)、アイアンマンレースなどは合計約226km(スイム3.8km・バイク180.2km・ラン42.2km)で行われる。その他にも、大会により様々な距離設定で行われている(詳しくは「種類」の節を参照のこと)。

リレー形式レース2-3人で各種目を分担するリレー形式レースを同時開催する大会もある。

夏季オリンピック・トライアスロン競技のシンボルマーク

オリンピックでは、競技時間・コース設定などの運営上、個人戦はスタンダードディスタンスで行われる[注 1]。よって日本代表選考会も同様である。

「ロングディスタンス」の場合、競技時間が10時間を超える場合が少なくないため、「過酷なスポーツ」との認識が根強い。しかし、「スタンダードディスタンス」等のレースでは一般の市民アスリートの参加も多く、現在、このレース距離の大会が多くを占めている。

2000年シドニーオリンピックより、トライアスロンはオリンピックの正式種目となった。パラリンピックの正式種目となるのは、2016年リオデジャネイロパラリンピックからである[1][2]

日本では、2009年トキめき新潟国体」より国体の公開競技となり、2016年希望郷いわて国体」より正式競技となった。国体ではスタンダードディスタンスで実施されている。

歴史

国際的な経緯

日本での経緯

種類

ITU競技規則附則によるレース距離は以下の通り。大会によって距離は変更される。基準となる規格の背景は黄色。ディスタンスとは距離の意味。

ITU競技規則附則による規格[13]
種類 スイム バイク ラン 備考
チームリレー 0.25-0.30km 5-8km 1.5-2km
スーパースプリント 0.25-0.50km 6.5-13km 1.7-3.5km
スプリント 0.75kmまで 20kmまで 5kmまで
スタンダード 1.5km 40km 10km オリンピックでも実施。
ミドル 1.9-3.0km 80-90km 20-21km
ロング 1.0-4.0km 100-200km 10-42.2km

以下はロングまたはミドル規格のうち、主要国際大会で実施される(または実施された)参考規格。

その他の参考規格
種類 スイム バイク ラン 備考
2018年世界ロング選手権 3.0km 120km 30km 年により距離は様々。
アイアンマン 3.8km 180.2km 42.2km 五島長崎国際(日本ウルトラロング選手権)など。
アイアンマン70.3 1.9km 90km 21.0975km アイアンマンの半分。
トライアスロン101 3.0km 130km 30km 合計約101マイル2007年から。

ルール

  • ドラフティング(スリップストリーム)の禁止
    • バイクパートでは、通常の自転車レースに見られる集団走行、他人を風よけに使っての走行は一般に禁止されている。
    • 違反した場合、審判からタイムペナルティ(一定時間[注 7]所定のペナルティボックスで待機)またはストップ・アンド・ゴー(一定時間左端または支障のない場所で待機)のどちらかを告げられる(競技規則108条、127-129条[14])。スタンダード以下の距離は2回目の違反で、ミドル以上の距離は3回目の違反で失格。また、ペナルティボックスでの停止を履行しなかった場合も失格(130条)。
    • トライアスロンでのトラブルの多くは、ドラフティングによる失格判定の問題である。ルールを明確化するためいっそのことドラフティングを認める方が良いという意見もある。しかし、ドラフティングを許してしまえば、スイム・バイクでは集団に着いていく力さえあればそれ以上の能力は不要。ランだけで勝負が決まることになるとの批判も多い。
    • ただし、エリートレースにおいては、ドラフティングが解禁されているものが多い。世界選手権やワールドカップ、オリンピックなどの国際競技でもドラフティングが可能である。もっとも、アイアンマン大会においては、自らの力で走りきることを主旨としており、認められていない(コンペティティブ・ペーシェンスとしての側面が強い)。
    • ドラフティング禁止というルール、そしてUCI管轄外ということでバイクに制限がない、という2点があるために、ロードレースでありながらタイムトライアルバイクに複数のボトルや補給食、スペアチューブや畳めるタイヤ、携帯工具など修理機材を積めるように小改修したバイクを使用する選手が多い。
  • 第三者の手を借りてはならない。
    • パンクやメカトラブルも自分で対応・処置しなければならない。
(※:パルクフェルメ#自転車競技におけるパルクフェルメも参照)

世界の主な大会

スタンダードディスタンス

ロングディスタンス

チャレンジ・ファミリー

すべての年代、あらゆる能力のアスリートにレースを提供し、観客に感動と興奮をもたらすイベントとして、世界各国でロングディスタンスレースを開催している。ドイツロート発祥。

日本の主な大会

スタンダードディスタンス

スタンダードディスタンス(オリンピックディスタンス)の大会は、全国各地で数多く行われており、多くの市民アスリートが出場している。

学生の最大規模の大会(通称インカレ)では日本学生トライアスロン選手権大会(個人戦・団体戦)が毎年行われている。団体戦はチーム上位3名の合計タイムを競う。2019年度の男子団体では、優勝日本体育大学準優勝早稲田大学3位東北大学、女子団体優勝日本体育大学(6連覇)準優勝日本大学3位東海大学で日体大がアベック優勝を成し遂げた。

エリート(プロ選手・実業団等に属す選手等)の出場レースは、ランキング対象イベントの「ジャパンランキング」(後述)と、ランキング対象外イベントに分けられる。両者の同時開催やランキング対象外イベント単独開催もある。ランキング対象外イベントでよく知られている大会は国民体育大会がある。

ジャパンランキング

節内の全座標を示した地図 - OSM
節内の全座標を出力 - KML

NTTトライアスロンジャパンカップは1996年(平成8年)から始まった[16]2011年(平成23年)は年間合計9大会が行われる。

選手たちは成績により、高い方から SS、S、A、B、C の5つのカテゴリーでポイントが付与される。SSカテゴリーは、ITUワールドチャンピオンシップシリーズ(世界トライアスロン選手権)の世界ランキングを点数化して付与するが、Sカテゴリー以下は各大会ごとの成績で付与される。Sカテゴリーは同シリーズの各大会にあたり、日本ではWCS横浜大会が同カテゴリーで開催される。Aカテゴリーは、日本において伝統的に国内最高峰大会に位置づけられてきた大会で、開幕戦(石垣島大会)と最終戦(東京港大会)にて行われる。石垣島大会は、ITUトライアスロンワールドカップの1つでもある。東京港大会は日本選手権にあたる。Bカテゴリーは、その他の日本国内における国際大会であり、アジアを転戦するITUアジアトライアスロン大会のシリーズ戦に含まれている(東京港大会以外のSおよびAカテゴリーもアジアのシリーズ戦に含まれる)。CカテゴリーはJTUによる国内大会である(大会名に「国際」が付いているが、ITU国際大会ではない)。

WCS横浜大会は、東北地方太平洋沖地震東日本大震災)の影響で当初予定の5月には開催せず、延期されることになった。

2015年からは「NTTトライアスロンジャパンランキング」に変更した。

2015年(平成27年)の予定
カテゴリ
開催日
大会略称 開催地 フィニッシュ
地点
A 10月11日 日本選手権 東京都港区江東区
臨海副都心
北緯35度37分45.06秒 東経139度46分28.25秒
S 05月16日17日 WCS横浜大会 神奈川県横浜市中区
山下公園横浜港周辺)
北緯35度26分48.2秒 東経139度38分54.7秒
C 09月20日 村上大会 新潟県村上市
(瀬波笹川流れ粟島県立自然公園)
北緯38度13分23.09秒 東経139度28分46.79秒
B 06月21日 蒲郡大会 愛知県蒲郡市
蒲郡港周辺)
北緯34度49分14.22秒 東経137度13分19.84秒
C 07月12日 大阪大会 大阪府大阪市此花区
舞洲スポーツアイランド夢洲特設コース)
北緯34度39分43.31秒 東経135度23分33.31秒
参加資格
  • 日本トライアスロン連合強化指定選手(S、A、B、C)
  • 認定記録会7級以上
  • 加盟団体推薦選手(都道府県連合、学生連合)

ミドルディスタンス

アイアンマン70.3セントレア知多・常滑ジャパンを2010年より愛知県常滑市中部国際空港周辺(知多半島)にて開催。アイアンマン70.3世界選手権(9月開催:ラスベガス)の参加資格を得られる。

ロングディスタンス

ロングディスタンスの大会は、2020年現在、日本国内では5つある。

現時点で日本最長距離の大会は佐渡国際トライアスロン大会Aタイプである(水泳3.8km・自転車190km・マラソン42.2km、合計236km、制限時間15時間30分)。

日本の大会と「アイアンマン」

アイアンマン・ジャパンは2013年から北海道洞爺湖周辺で開催されていた。それ以前は、アイアンマン・ジャパントライアスロン五島長崎が、2009年(平成21年)まで行われていたが、2010年(平成22年)は口蹄疫の発生等が原因で中止になった。体制の見直しを理由に2015年(平成27年)大会を最後に一時休止中[17]

五島長崎国際トライアスロン大会については、2011年(平成23年)以降について「アイアンマン」の商標権所有会社と五島市の間で「アイアンマン」の商標使用に関する契約締結はなく、独自ブランド「五島長崎国際トライアスロン大会」(愛称:バラモンキング)で、2011年(平成23年)以降もトライアスロン大会を継続することになった。

認定記録会

JTU主催の元、毎年、全国各地で認定記録会が行われている。20歳以上の場合、スイム400m、ラン5000mである。

20歳以上の場合、以下のタイムを超えると、級が与えられる。

女子スイム 男子スイム 女子ラン 男子ラン
1 4:22 4:00 16:00 13:55
2 4:30 4:07 16:29 14:20
3 4:38 4:14 16:58 14:45
4 4:46 4:22 17:26 15:10
5 4:53 4:29 17:55 15:35
6 5:01 4:36 18:24 16:00
7 5:09 4:43 18:53 16:25
8 5:22 4:55 19:41 17:07
9 5:41 5:12 20:48 18:05
10 5:59 5:29 21:55 19:04

強化指定

スイム、ラン両方が7級を超えるとトップ・オブ・トップス大会以外のジャパンカップに出場できる。 (スイム×2+ラン)の合計タイムが(スイム5級×2+ラン5級)を超えると強化指定選手となり、ワールドカップに出場できる。

有名人の参加

トライアスロン大会に参加・完走した経験がある有名人

トライアスロン出身の主な自転車競技選手

トライアスロンが登場する作品

小説
漫画
  • 『10月の満月に一番近い土曜日』石渡治
映画
  • 『太陽(てぃだ)』(小田大河監督・脚本)
  • 『宮古島トライアスロン』
  • 『グレート デイズ! ―夢に挑んだ父と子―』

脚注

注釈

  1. ^ a b 2000年9月、シドニーオリンピックでトライアスロンが正式種目となり、スタンダード・ディスタンス形式が採用され、これ以降、国際的にスタンダードディスタンスとオリンピックディスタンスは同義となったが、現状は「スタンダード・ディスタンス」と呼ぶのが正式である。
  2. ^ コース設定の関係で「スプリント」よりも短かかったり長かったりした場合、ショート・ディスタンスと呼ぶ主催者もいるが、これは正式名称ではない
  3. ^ 「日本トライアスロン発祥記念碑」が同温泉に隣接する海水浴場に設置してある[7]
  4. ^ NHK総合テレビで、1985年(昭和60年)4月28日大会当日、合計2時間30分(7:30〜8:00・10:00〜10:45・13:00〜13:30・18:00〜18:45)、「挑戦することは素晴らしい、中継・南の島のトライアスロン大会」として全国中継された。
    なお、地理的条件から、通常の全国中継と異なり、実現には衛星使用が不可欠だったが、当時まだ、専用の放送衛星はなく(衛星放送開始1989年6月以前だったため)、NHKは、東京放送センターと沖縄放送局間を、借り受けた通信衛星さくら2号(多目的衛星)で結ぶことで、総合テレビによるこの大会の全国中継を実現させた。[9]
  5. ^ NHK衛星第1テレビジョン(放送開始1989年(平成元年)6月1日)にて、同年9月17日大会当日、合計6時間(6〜8時・11〜12時・15〜18時)、“日本列島古里発スペシャル「トライアスロン・イン・佐渡」(中継・向後雅博、金剛英華)”で、早朝スイムスタート、日中バイクコース、夕方ゴールシーンなど、全国中継され、長距離に渡るバイクコースは、ヘリコプターで中継された[11]なお、現在の大会名「佐渡国際トライアスロン大会」となったのは1996年大会(平成8年9月1日)から、また、開催日が毎年9月第1日曜日となったのは1990年大会(平成2年9月2日)からである。佐渡国際トライアスロン大会#歴史
  6. ^ 以前は諸般の事情から、アイアンマン・ジャパンの制限時間は15時間であったが(長崎県五島市で開催されていた時代)、北海道洞爺湖畔にて開催されるようになってからは17時間に延長されている。
  7. ^ ロング、ミドルは5分、スタンダードは2分、それ以外の距離は1分。

出典

  1. ^ “Canoeing and triathlon added to 2016 Paralympic Games”. BBC News (bbc.co.uk). (2010年12月11日). http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/other_sports/disability_sport/9269632.stm 2011年9月5日閲覧。 
  2. ^ Paratriathlon added to the Rio 2016 Paralympic Games | Triathlon.org - International Triathlon Union
  3. ^ 英語版
  4. ^ 公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)の概要・歴史日本トライアスロン連合、2022年2月27日閲覧。
  5. ^ 大会によって距離が異なる?耐久レースとしてのトライアスロン”. 【SPAIA】スパイア (2016年12月9日). 2020年11月20日閲覧。
  6. ^ a b “オリンピック トライアスロン混合リレー 日本は13位”. 日本放送協会. (2021年7月31日). https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210731/k10013172031000.html 2022年2月28日閲覧。 
  7. ^ 「皆生大会の始まり」皆生トライアスロン協会編。
  8. ^ 参加者数は同大会公式ホームページによる。
  9. ^ [1]
  10. ^ 参加者数は同大会公式ホームページによる。
  11. ^ [2]
  12. ^ 参加者数は1999年大会公式パンフレット P33 「これまでの大会記録 WINNERS」一覧表による。
  13. ^ 競技規則日本トライアスロン連合、2019年1月改定、p.58。
  14. ^ 競技規則日本トライアスロン連合、2019年1月改定。
  15. ^ 2022 ワールドトライアスロン ロングディスタンストライアスロン選手権 エリート日本代表選考基準日本トライアスロン連合、2022年2月27日閲覧。
  16. ^ NTTトライアスロンジャパンカップランキング日本トライアスロン連合
  17. ^ “アイアンマン・ジャパン北海道、一時休止を決定”. CYCLE. (2016年1月22日). http://cyclestyle.net/article/2016/01/22/31888.html 
  18. ^ 日本テレビ. “猫ひろし、国際トライアスロンで6位「あと10キロ長かったら…」|日テレNEWS24”. 日テレNEWS24. 2019年11月3日閲覧。
  19. ^ いざ、アンコールワット国際トライアスロン大会へ”. 猫ひろしドットコム. 2019年11月3日閲覧。
  20. ^ Tri to catch me! Action couple Jenson Button and Jessica Michibata compete for charity in Perth triathlon”. Mail Online (2010年12月19日). 2019年11月3日閲覧。

関連項目

1人の競技者が複数種目を行う競技

外部リンク