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一方、月島付近では民間人の少女楓が、陸上の公園から突如現れた別の個体に襲撃され負傷する。付近に居合わせたこのえ、美沙、月島警部補らは楓を救助し、一旦タワーマンション「ジュピタータワー」の月島警部補の部屋に避難させる。しかしこの怪獣も負傷させた楓を執拗に追いかける。鳥嶋警部補は通行人らをタワーマンションに避難させるが怪獣が襲撃、そこに警視庁のERT([[警視庁警備部#特殊技能部隊と多角的運用部隊|緊急時初動対応部隊]])が駆けつけ応戦する。
一方、月島付近では民間人の少女楓が、陸上の公園から突如現れた別の個体に襲撃され負傷する。付近に居合わせたこのえ、美沙、鳥嶋警部補らは楓を救助し、一旦タワーマンション「ジュピタータワー」の鳥嶋警部補の部屋に避難させる。しかしこの怪獣も負傷させた楓を執拗に追いかける。鳥嶋警部補は通行人らをタワーマンションに避難させるが怪獣が襲撃、そこに警視庁のERT([[警視庁警備部#特殊技能部隊と多角的運用部隊|緊急時初動対応部隊]])が駆けつけ応戦する。


隅田川の個体を追っていた宮本1佐らは、負傷した向井1曹を囮に怪獣を[[小石川後楽園]]の池に誘導する。M2と[[06式小銃てき弾|06式小銃擲弾]]を連射し、ついに1体目の怪獣の頭部などを分断し駆逐する。しかし死んだと思われる怪獣の背中が怪しく光りガスが噴出、怪獣の体内に[[毒ガス]]が充填されている事が判明し、以後の対応に苦慮することになる。負傷した向井1曹は、小隊の面々と共にシャワーを浴びている最中に、急な[[眩暈]]に襲われそのまま殉職する。
隅田川の個体を追っていた宮本1佐らは、負傷した向井1曹を囮に怪獣を[[小石川後楽園]]の池に誘導する。M2と[[06式小銃てき弾|06式小銃擲弾]]を連射し、ついに1体目の怪獣の頭部などを分断し駆逐する。しかし死んだと思われる怪獣の背中が怪しく光りガスが噴出、怪獣の体内に[[毒ガス]]が充填されている事が判明し、以後の対応に苦慮することになる。負傷した向井1曹は、小隊の面々と共にシャワーを浴びている最中に、急な[[眩暈]]に襲われそのまま殉職する。


=== ジュピタータワー ===
=== ジュピタータワー ===
ジュピタータワーでは、30階の月島警部補の部屋に避難していた楓が、腕の治療で悲鳴を上げると、楓の声に反応した2体目の怪獣が壁をよじ登ってくる。部屋に駆け付けた月島警部補が応戦するも負傷。やむなくこのえ、美沙、楓らは月島を残し避難する。
ジュピタータワーでは、30階の鳥嶋警部補の部屋に避難していた楓が、腕の治療で悲鳴を上げると、楓の声に反応した2体目の怪獣が壁をよじ登ってくる。部屋に駆け付けた鳥嶋警部補が応戦するも負傷。やむなくこのえ、美沙、楓らは鳥嶋を残し避難する。


そのころ、星山総理らは弘原海海将補経由で入手した米軍の極秘映像を見る。南小島事件で幼体の死体を回収、研究していた米軍であったが、短銃で撃たれた個体は死んでおらず、逃走していたことが判明する。星山総理らは怪獣の逃走を極秘にしていたアメリカに業を煮やすが、東アジアの安全保障を人質に、米軍の投入と、逃走案件は極秘扱いにする要求を呑まざるを得なかった。さらに映像から3体目の個体の存在が判明、警戒を呼び掛ける。
そのころ、星山総理らは弘原海海将補経由で入手した米軍の極秘映像を見る。南小島事件で幼体の死体を回収、研究していた米軍であったが、短銃で撃たれた個体は死んでおらず、逃走していたことが判明する。星山総理らは怪獣の逃走を極秘にしていたアメリカに業を煮やすが、東アジアの安全保障を人質に、米軍の投入と、逃走案件は極秘扱いにする要求を呑まざるを得なかった。さらに映像から3体目の個体の存在が判明、警戒を呼び掛ける。

2022年4月17日 (日) 05:45時点における版

怪獣自衛隊
ジャンル 青年漫画
怪獣
漫画:怪獣自衛隊
作者 井上淳哉
白土晴一(企画協力)
出版社 新潮社
掲載誌 月刊コミックバンチ
レーベル BUNCH COMICS
発表号 2020年6月号 -
発表期間 2020年4月21日 -
巻数 既刊7巻(2022年3月9日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

怪獣自衛隊』(かいじゅうじえいたい)は、井上淳哉による日本漫画。未知の巨大生物と戦う自衛隊警察の活躍を描く。単に怪獣と戦うだけの物語ではなく、縦割り行政の弊害や、日本の国際関係外交問題などもシリアスに描かれている。『月刊コミックバンチ』(新潮社)にて、2020年6月号に『怪獣自衛隊 プロローグ』が掲載された後[1]、同年7月号から連載開始[2]

あらすじ

プロローグ

令和X年、北マリアナ海溝海底地すべりが原因で太平洋岸に大津波が発生。地震が原因ではなかったため、津波警報が間に合わず多くの犠牲者を出す。津波から1ヶ月後、日本最南端の沖ノ鳥島の港湾工事現場では「巨大なバケモノ」が現れたとの通報を残し、通信が途絶える。海上自衛隊あさひ型護衛艦「くれづき」[注 1]は、救援要請を受け現場に向かう。沖ノ鳥島まで約160kmの地点で、くれづきのソナーが不気味な不協和音を拾う。アクティブ捜索を行うと、ソナーに謎の移動体を探知。移動体はくれづきに突進してくる。モニターには"怪獣"のような背をもった移動体が映し出された。くれづき砲雷長の大和令和2等海佐短魚雷を発射しようとするが、得体の知れない相手に艦長らはためらい、怪獣はくれづきに衝突し艦を転覆させる。大和と親交のあった小池は、艦の誘爆により死亡、多くの犠牲者を出す。日本政府はこの事件を、原因不明の事故と報じた。

富岳事件

くれづき事件から4年後、怪獣は尖閣諸島南小島に現れる。海上保安庁巡視船「やえやま」[注 2]が姿を捉えるが、見守るしかない中、怪獣は南小島に上陸する。そこに中国海警船が数隻現れ、混乱に乗じて南小島へ接近する。怪獣の接近を受け海警船は30mm機関砲で応戦、火器が有効であることは分かるも怪獣の突進を受けて沈没する。別の海警船が救助に向かうも怪獣により沈没、やえやまは一旦退避する。怪獣は尖閣諸島から消えた後、やえやまが中国海警の船員を救助するが、船員は怪獣が人を喰っていた(捕食)と証言する。海警船を襲う怪獣の映像は中国のテレビ局が報じ、世界は怪獣の存在を知ることになる。

そのころ、豪華クルーズ船「富岳」は尖閣諸島の南方、西表島近海を航行していた。多くの乗客を乗せる富岳は怪獣のターゲットとなり、怪獣の襲撃を受ける。政府は内閣対策本部を組織し対応に当たっていたが、国際協調路線の神谷総理は、アメリカや中国との連絡を重視し、自衛隊の出動をためらう。その間にも怪獣は富岳を襲撃し、艦橋の船長らクルーズ船幹部は怪獣に喰われ指揮系統を失い、さらに怪獣は船底に張り付き、複数の触手を出して乗客を次々に捕食していく。

一方、海上自衛隊の弘原海海将補は、特殊回線にて富岳に乗船している防人このえに連絡を取る。このえは防衛大学を卒業したばかりで任官前の幹部候補生であり、すでに船内の乗客の救助に当たっていた。弘原海の依頼でこのえは富岳の情報収集・報告の任を受ける。このえは怪獣が"音"に反応していることを突き止め、乗客らを船内の映画館などに誘導する。それでも音に反応した怪獣の襲撃を受けるが、奮闘するこのえに触発された一部乗員・乗客らは一丸となって怪獣に立ち向かい、侵入した触手を撃退するなど勇戦する。船内の悲惨な状況報告を受けながらも、自衛隊出動をためらう神谷総理は、現場に海上保安庁の特殊部隊、SST(特殊警備隊)を出動させるも、音に反応する怪獣情報の連絡を受けておらず、SSTはヘリコプターごと怪獣に沈められる。

テレビ局の新人佐都美沙は、乗客男性の動画配信を見て、昔の同級生であるこのえが富岳で戦うシーンを目にする。政府の重い腰を上げさせるため、美沙は一計を案じる。自身がこのえの同級生であることを上司に明かし、このえに連絡し、その内容をテレビで中継する。世論が動くと判断した神谷総理は、ついに自衛隊に災害派遣として出動を要請、4年前に怪獣に沈没させられた「くれづき」の同型艦「あきづき」[注 1]が現場に急行する。あきづきには、元くれづき砲雷長の大和2佐も乗艦していた。あきづきは新型の18式魚雷を、富岳の船底に張り付く怪獣に発射し、怪獣を粉砕・駆逐する。小型の救助艇に避難していたこのえと祖母、乗客の少年らは魚雷のバブルパルスの衝撃で沈没しそうになるが、このえが救助する。しかし少年の救助を優先した結果、このえの祖母は溺死する。

南小島事件

富岳事件から4カ月後、政府は怪獣対策の特措法、通称「怪獣出動特措法」を立法、また自衛隊内に「特殊災害対策室」略称"TaPs"(タップス)を設置した。怪獣が一匹とは限らない可能性を考えてのことである。ネット上では富岳を襲った怪獣を"オロチ"、TaPsを"怪獣自衛隊"と呼ぶ流れが出来ていた。内閣府の特殊生物対策審議会は、南小島への上陸調査をTaPsに命じる。オロチはなぜ無人の南小島に上陸したのか?オロチの産卵の可能性を調査するためである。海保の巡視船やえやまに乗船した大和2佐らTaPsの小隊は、南小島に上陸しドローン等を用いて調査するが、産卵の形跡は見られるも卵が見つからない。しかし卵は大きな岩に擬態しており、小隊の接近と共に孵化し、オロチの幼体とみられる個体が複数飛び出し小隊を襲う。大和らは短銃で応戦し2体の個体を仕留めるも、残りの個体は海へ逃亡を図る。そこにやえやまと連携した中国海警船が現れ、30mm機関砲を連射、残りの個体を駆逐する。その後、回収した遺体はアメリカの研究機関に送られることになる。

防衛省ではTaPsの隊旗授与式が行われていた。弘原海海将補が指揮官として訓示、防人このえもTaPsに入隊を果たした。式典後、先の神谷内閣で防衛相を務め、現首相となった星山総理が挨拶に訪れる。星山の孫娘とこのえは同級生であり、総理とこのえは旧知の仲であった。その後、隅田川ホームレスらしき男性が、やや成長した個体の襲撃を受ける。

首都出現

アメリカのアラスカ州では、アメリカ陸軍の「特殊生物戦闘訓練センター」にて、TaPsの隊員が怪物の動きを想定した特殊車両"ジッゴーラ"相手に対怪獣戦闘の訓練を行っていた。訓練を通してこのえは「自衛隊にヒーローは必要ない」ことなどを学ぶ。

隅田川の河口、タワーマンションが並ぶ月島では、やや成長した個体"怪獣"が不倫中のカップルを襲撃、2人は惨殺される。月島警察署では事件の捜査が行われるが、殺人または傷害の線で捜査が進められる。しかし隅田川を遊泳する怪獣を目撃した鳥嶋警部補は、事件が怪獣の仕業であると主張するも相手にされなかった。

テレビ局の美沙は、このえ、合コンで知り合った鳥嶋らと相談し、テレビで「隅田川のネッシーを追え」と題する番組の企画を行う。美沙は撮影クルーと共にドローンで隅田川を撮影していると、遊泳する怪獣を発見。さらに民間の遊泳船が襲われ、船員が怪獣に喰われてしまう。美沙は警察に通報、警察には複数の目撃情報が寄せられた。警察はついに河川監視システムに映る怪獣の姿をモニター越しに視認。東京都はただちに「特殊生物災害対策本部」を立ち上げる。鳥嶋警部補の父である鳥嶋都知事を筆頭に、警視庁消防庁、そして自衛隊らが集合し、怪獣の追跡および住民の避難誘導を開始する。早くも縦割り行政の弊害が表面化する中、警視庁警備部警備1課長の小津が現場への指揮を統括することとなる。

緊急事態宣言が発令され2週間が経過しても怪獣は現れない。都民の気が緩むなか、このえ、美沙、鳥嶋警部補らは、過去1年で東京湾沿岸部のホームレスが47人行方不明になっていることから、怪獣が2週間おきに人間を一人喰うとするなら、計2体の個体が潜伏する可能性に至る。鳥嶋警部補は父鳥嶋知事に複数個体の可能性を携帯で伝えるも、上司に言えと相手にされない。都民もしびれを切らして来たことから、対策本部は怪獣の包囲網を狭め、あぶりだす作戦を実施する。

現場では陸上自衛隊の宮本1等陸佐指揮の元、自衛隊、警察が連携し徐々に包囲網を狭めていく。ついに神田川雨水分水路で壁に擬態していた怪獣が出現。水上警備艇「らいちょう」が襲われ、乗船している警察官らが追いつめられる。包囲していた陸自隊員らは89式小銃で一斉射撃をするも、89式の5.56mm弾では歯が立たない。宮本1佐はLAV(軽装甲機動車)の佐竹2等陸尉に、LAVに装備するM2(12.7mm重機関銃)の射線に怪獣が入り次第射撃するよう指示する。しかしM2の射撃で一旦怪獣を遠ざけ、その隙にらいちょうを救助するも怪獣の上陸を許してしまう。さらに上陸した怪獣に向井1等陸曹が腕を噛まれ負傷。以後怪獣は執拗に向井1曹を付け狙う。

一方、月島付近では民間人の少女楓が、陸上の公園から突如現れた別の個体に襲撃され負傷する。付近に居合わせたこのえ、美沙、鳥嶋警部補らは楓を救助し、一旦タワーマンション「ジュピタータワー」の鳥嶋警部補の部屋に避難させる。しかしこの怪獣も負傷させた楓を執拗に追いかける。鳥嶋警部補は通行人らをタワーマンションに避難させるが怪獣が襲撃、そこに警視庁のERT(緊急時初動対応部隊)が駆けつけ応戦する。

隅田川の個体を追っていた宮本1佐らは、負傷した向井1曹を囮に怪獣を小石川後楽園の池に誘導する。M2と06式小銃擲弾を連射し、ついに1体目の怪獣の頭部などを分断し駆逐する。しかし死んだと思われる怪獣の背中が怪しく光りガスが噴出、怪獣の体内に毒ガスが充填されている事が判明し、以後の対応に苦慮することになる。負傷した向井1曹は、小隊の面々と共にシャワーを浴びている最中に、急な眩暈に襲われそのまま殉職する。

ジュピタータワー

ジュピタータワーでは、30階の鳥嶋警部補の部屋に避難していた楓が、腕の治療で悲鳴を上げると、楓の声に反応した2体目の怪獣が壁をよじ登ってくる。部屋に駆け付けた鳥嶋警部補が応戦するも負傷。やむなくこのえ、美沙、楓らは鳥嶋を残し避難する。

そのころ、星山総理らは弘原海海将補経由で入手した米軍の極秘映像を見る。南小島事件で幼体の死体を回収、研究していた米軍であったが、短銃で撃たれた個体は死んでおらず、逃走していたことが判明する。星山総理らは怪獣の逃走を極秘にしていたアメリカに業を煮やすが、東アジアの安全保障を人質に、米軍の投入と、逃走案件は極秘扱いにする要求を呑まざるを得なかった。さらに映像から3体目の個体の存在が判明、警戒を呼び掛ける。

3体目の顔が崩れた個体が、ジュピタータワー周辺で突如姿を現す。水中に潜んでいたと思われる個体は、ジュピタータワーに避難する住民を追いかけ、同タワーには30階に2体目、1階に3体目と2体の怪獣に襲われる。タワー屋上のヘリポートに米軍の怪獣対策極秘部隊"ニムロド"と"TaPs"の隊員らがヘリで到着、怪獣との新たな戦いが始まる。

登場人物

主要人物

防人このえ(さきもりこのえ)
本作の主人公。"怪獣自衛隊"ことTaPsの隊員。防衛大学卒業後、自衛隊任官前に富岳事件に遭遇、富岳船内にて怪獣との戦闘、乗客らの避難誘導を行う。事件後、準陸尉に任官し、TaPsに入隊。自衛隊の志望動機はヒーローに憧れて。令和X年の大津波の際、災害派遣で救助してくれた自衛隊員がヒーローに映り、自分もヒーローになり人を助けたいと思ったため。しかし訓練でヒーローは必要ないと諭され、任務遂行と人命優先の狭間で悩みながら怪獣と戦う。
佐都美沙(さみやみさ)
テレビ局に入社した新人局員。このえとは幼馴染で同級生。富岳事件では新人ながら、このえと中継を繋ぎ、テレビを通し全国に惨状を伝え、政府の自衛隊派遣を決断させる。訓練で思いつめるこのえを気晴らしにと合コンに誘い、そこで月島署の鳥嶋警部補を知り合う。怪獣の首都上陸では、このえのように人を助けたいとの想いから、自ら囮となり怪獣を引き付け、死を覚悟の上で中継を続ける。

自衛隊

TaPs

弘原海海将補(わだつみかいしょうほ)[注 3]
TaPs指揮官。海上自衛隊海将補。防衛大学ではこのえらの教官を務めた。富岳事件で船内に教え子このえがいたため、このえに連絡し富岳船内の情報収集にあたる。事件後TaPsに配属、実質的な怪獣対策の責任者となる。
宮本武士(みやもとたけし)
TaPs指揮官。陸上自衛隊1等陸佐。怪獣の首都上陸ではTaPsの現場指揮官として現場の自衛隊、警察を指揮する。
大和令和(やまとよしかず)
TaPs指揮官。海上自衛隊の2等海佐。元、あさひ型護衛艦くれづき、あきづき[注 1]砲雷長。令和X年の大津波で父と弟を失う。またくれづき事件にて、同僚で親交の厚い小池を目の前で亡くす。富岳事件であきづき砲雷長として、魚雷で"オロチ"を駆逐し小池の仇をとる。事件後TaPsに配属、怪獣の首都上陸では東京都の対策本部にて警視庁の小津とともに現場との調整を行う。
忍足肇(おしたりはじめ)
TaPs隊員。陸上自衛隊の1等陸尉南小島上陸で、怪獣の幼体と戦った。
相模良子(さがみりょうこ)
TaPs隊員。航空自衛隊1等空尉
御影石明(みかげいしあきら)
TaPs隊員。航空自衛隊の2等空尉
水戸ひとみ(みとひとみ)
TaPs隊員。海上自衛隊の2等海尉。TaPsではこのえの姉貴分的な存在で、このえに色々と教えてくれる。
佐竹昭(さたけあきら)
TaPs隊員。陸上自衛隊の3等陸尉。怪獣の首都上陸では、宮本1佐指揮の元、M2重機関銃を指揮し怪獣を駆逐する。
向井和昭(むかいかずあき)
TaPs隊員。陸上自衛隊の1等陸曹。経験豊富な下士官。アメリカの特殊生物戦闘訓練センターにおける訓練では、新任の準陸尉であるこのえをフォローする。怪獣の首都上陸戦で噛まれて負傷。怪獣を駆逐するも、謎の眩暈を発症し殉職した。

警察

鳥嶋利範(とりしまとしのり)
警視庁月島警察署所属の警部補東大法学部卒のキャリア警察官。鳥嶋都知事の息子。隅田川で怪獣を目撃したことから、早くから怪獣の首都圏潜伏を疑う。怪獣が上陸してくると、月島のタワーマンションの防災センターから放送で注意を呼びかけ、周辺住民を避難させる。合コンで偶然にこのえ、美沙らと知り合い、初めは警察官である身分を隠すが、3人で怪獣潜伏を調査するにあたり身分を明かす。
小津警備課長(おづけいびかちょう)
警視庁警備部警備第1課の女性課長。警視庁の慣例をものともせず、上層部を話術で懐柔する手腕から「魔法使いの小津」の異名をとる。怪獣の首都上陸に際しては、東京都の対策本部にて、大和2佐ら自衛隊と警察の調整・指揮を執る。

日本政府

神谷真由美(かみやまゆみ)
富岳事件の際の、内閣総理大臣。国際協調路線を優先するあまり、自衛隊の出動を遅らせた。美沙がテレビ中継で富岳船内の凄惨な様子を放送すると、ようやく自衛隊に災害派遣を命じた。
星山銀河(ほしやまぎんが)
富岳事件時、防衛大臣。後、怪獣の首都上陸時の内閣総理大臣。孫娘の輝羅とこのえが幼馴染のため、このえとは幼少期からの付き合い。
星山輝羅(ほしやまきらら)
銀河の孫娘。銀河が総理に就くと、総理秘書官を務める。このえ、美沙とは元同級生。

アメリカ軍

ジョージ・サミュエル
アメリカ陸軍大佐アラスカ州「特殊生物戦闘訓練センター」の指揮官。
スレンダー
アメリカ海軍少将在日米軍司令官。弘原海海将補とは米海軍兵学校依頼の仲という。怪獣の首都上陸に際し弘原海と接触。上陸している個体が、南小島事件で殺したはずの幼体であることを明かし、さらに米軍が取り逃がしたことを極秘にし、米軍の怪獣対策部隊の投入を突き付ける。

ニムロド

サンダース
怪獣対策極秘部隊"ニムロド"指揮官。

書誌情報

  • 井上淳哉(著) / 白土晴一(企画協力) 『怪獣自衛隊』 新潮社〈BUNCH COMICS〉、既刊7巻(2022年3月9日現在)
    1. 2020年11月9日発売[3]ISBN 978-4-10-772331-4
    2. 2020年12月9日発売[4]ISBN 978-4-10-772344-4
    3. 2021年3月9日発売[5]ISBN 978-4-10-772367-3
    4. 2021年6月9日発売[6]ISBN 978-4-10-772394-9
    5. 2021年9月9日発売[7]ISBN 978-4-10-772427-4
    6. 2021年12月9日発売[8]ISBN 978-4-10-772454-0
    7. 2022年3月9日発売[9]ISBN 978-4-10-772481-6

脚注

注釈

  1. ^ a b c 作中に登場する架空の護衛艦。
  2. ^ 作中に登場する架空の巡視船。過去にくなしり型巡視船に「やえやま」が存在したが、2003年に退役している。
  3. ^ 第9話にて、ネームプレートに弘原海洋(わだつみ ひろし?)と記載があるが、洋の読み方が既刊7巻時点で不明。

出典

  1. ^ “糸井のぞ、自殺の名所に集った人々を描く新連載がバンチで始動”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年4月21日). https://natalie.mu/comic/news/376215 2022年4月7日閲覧。 
  2. ^ “「BTOOOM!」井上淳哉がバンチで新連載、怪獣VS自衛隊のサバイバルバトル”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年5月21日). https://natalie.mu/comic/news/379867 2022年4月6日閲覧。 
  3. ^ 怪獣自衛隊 1巻 - 新潮社(2022年4月6日閲覧)
  4. ^ 怪獣自衛隊 2巻 - 新潮社(2022年4月6日閲覧)
  5. ^ 怪獣自衛隊 3巻 - 新潮社(2022年4月6日閲覧)
  6. ^ 怪獣自衛隊 4巻 - 新潮社(2022年4月6日閲覧)
  7. ^ 怪獣自衛隊 5巻 - 新潮社(2022年4月6日閲覧)
  8. ^ 怪獣自衛隊 6巻 - 新潮社(2022年4月6日閲覧)
  9. ^ 怪獣自衛隊 7巻 - 新潮社(2022年4月6日閲覧)

関連項目

外部リンク