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「川内新幹線車両センター」の版間の差分

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== 概要 ==
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[[九州新幹線]][[新八代駅|新八代]] - [[鹿児島中央駅|鹿児島中央]]間開業に伴い、同区間で運転される車両の車両基地として設置された。[[新幹線800系電車]]の川内港からの搬入・入線にも使用された。川内駅の鹿児島中央方面西側に引込み線・連絡線が存在する。敷地面積は約70,000m<sup>2</sup><ref name="Journal2004-4">鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2004年4月号「川内車両基地」pp.86 - 87。</ref>。
[[九州新幹線]][[新八代駅|新八代]] - [[鹿児島中央駅|鹿児島中央]]間開業(部分開業)に伴い、同区間で運転される車両の車両基地として設置された<ref name="Journal2004-4">鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2004年4月号「川内車両基地」pp.86 - 87。</ref>。ただし、九州新幹線全線開業までの一時的な車両基地であり、あくまで必要最小限の規模にとどめている<ref name="Journal2004-4"/>。部分開業時には車両数が少なく、毎日交番検査以上の検査を実施するわけでないため、大きな検査時には鹿児島総合車両所(現・[[鹿児島車両センター]])から検査員が出向して行われていた<ref name="Journal2004-4"/>。

また、施設の建設規模を抑えるため熊本総合車両所が開所する以前[[日本の鉄道車両検査|台車検査・全般検査]]時には機器と台車を取り外し、鹿児島総合車両所(現・[[鹿児島車両センター]])までトラックで陸送した上で行われた<ref name="Journal2004-4-2">鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2004年4月号「開業間近の九州新幹線新八代 - 鹿児島中央間の概要」pp.90 - 91。</ref><ref name="Journal2004-4"/>

地理的には川内駅から南に約1.6 kmの場所に位置し、敷地面積は約70,000m<sup>2</sup>である<ref name="Journal2004-4"/>。[[新幹線800系電車]]の川内港からの搬入・入線にも使用された。川内駅の鹿児島中央方面西側に引込み線・連絡線が存在する。


[[2003年]](平成15年)7月に設備が完成し、同年8月の800系車両の搬入に備えた<ref name="Journal2004-4"/>。同年12月1日に[[独立行政法人]][[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]]からJR九州に仮引継ぎが行われた<ref name="Journal2004-4"/>。
[[2003年]](平成15年)7月に設備が完成し、同年8月の800系車両の搬入に備えた<ref name="Journal2004-4"/>。同年12月1日に[[独立行政法人]][[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]]からJR九州に仮引継ぎが行われた<ref name="Journal2004-4"/>。


九州新幹線[[博多駅]] - 新八代駅間の全線開業を前にした[[2010年]]([[平成]]22年)[[11月22日]]に、全線開業後の新たな車両基地として[[熊本総合車両所]]が開所し、当センターの機能は熊本総合車両所へ移転した。全線開業の[[2011年]](平成23年)[[3月12日]]付で車両基地としては正式に廃止されて川内駅構内の留置線となり<ref name="kotsu_2019">『JR電車編成表 2019冬』p.209 交通新聞社 2019年</ref>、鹿児島中央駅ならびに川内駅発着列車の夜間車両留置、および[[日本の鉄道車両検査|仕業検査・交番検査]]などの簡易検査を行っている<ref name="373news">{{Cite news |title=九州新幹線 川内車両センターを縮小、熊本に機能移転|newspaper=[[南日本新聞]]|date=2010-11-18|url=http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=28105|archiveurl=https://web.archive.org/web/20101212183008/http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=28105|archivedate=2010-12-12}}</ref>。また対外的には「川内旧車両基地」と表記されることもある<ref>[https://www.tetsudo.com/event/10337/ 新幹線ミニフェスタ in 川内] - 鉄道コム、2014年5月15日</ref>。
九州新幹線[[博多駅]] - 新八代駅間の全線開業を前にした[[2010年]]([[平成]]22年)[[11月22日]]に、全線開業後の新たな車両基地として[[熊本総合車両所]]が開所し、当センターの機能は熊本総合車両所へ移転した。全線開業の[[2011年]](平成23年)[[3月12日]]付で車両基地としては正式に廃止されて川内駅構内の留置線となり<ref name="kotsu_2019">『JR電車編成表 2019冬』p.209 交通新聞社 2019年</ref>、鹿児島中央駅ならびに川内駅発着列車の夜間車両留置、および[[日本の鉄道車両検査|仕業検査・交番検査]]などの簡易検査を行っている<ref name="373news">{{Cite news |title=九州新幹線 川内車両センターを縮小、熊本に機能移転|newspaper=[[南日本新聞]]|date=2010-11-18|url=http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=28105|archiveurl=https://web.archive.org/web/20101212183008/http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=28105|archivedate=2010-12-12}}</ref>。また対外的には「川内旧車両基地」と表記されることもある<ref>[https://www.tetsudo.com/event/10337/ 新幹線ミニフェスタ in 川内] - 鉄道コム、2014年5月15日</ref>。

熊本総合車両所が開所する以前は、[[日本の鉄道車両検査|台車検査・全般検査]]の際は機器と台車を取り外し、鹿児島総合車両所(現・[[鹿児島車両センター]])までトラックで陸送した上で行われた。


== 設備 ==
== 設備 ==
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回送線(入出庫線)1線と引上線1線に加えて、着発線3線、試験車留置線1線(将来の[[ドクターイエロー]]の入線を想定したもの。部分開業時は着発線として使用)、車輪転削線1線、仕業検査線1線、交番検査線1線、全般検査線・台車検査線1線、臨時修繕線1線、事業用車庫線1線の11線が配置されていた<ref name="Journal2004-4"/>。このうち、各検査線は検修庫(建屋内)に車両が収容される<ref name="Journal2004-4"/>。事業用車庫線を除いた各線は、当時運用されていた6両編成の800系新幹線より2両長い8両編成の有効長が確保されている<ref name="Journal2004-4"/>。
回送線(入出庫線)1線と引上線1線に加えて、着発線3線、試験車留置線1線(将来の[[ドクターイエロー]]の入線を想定したもの。部分開業時は着発線として使用)、車輪転削線1線、仕業検査線1線、交番検査線1線、全般検査線・台車検査線1線、臨時修繕線1線、事業用車庫線1線の11線が配置されていた<ref name="Journal2004-4"/>。このうち、各検査線は検修庫(建屋内)に車両が収容される<ref name="Journal2004-4"/>。事業用車庫線を除いた各線は、当時運用されていた6両編成の800系新幹線より2両長い8両編成の有効長が確保されている<ref name="Journal2004-4"/>。


東側の本線寄りには保守基地([[保線]]車両用)があり、保守用車留置線2線、材料線1線、確認車留置線2線、保守用車検修線1線、引上線1線を備える<ref name="Journal2004-4"/>。
東側の本線寄りには保守基地([[保線]]車両用)があり、保守用車留置線2線、材料線1線、確認車留置線2線、保守用車検修線1線、引上線1線を備える<ref name="Journal2004-4"/>。なお、前述の着発収容線3線は本来、保守基地のロングレール運搬車留置線を、一時的に車両留置線として転用したものである<ref name="Journal2004-4-2"/>。


=== 全線開業後 ===
=== 全線開業後 ===

2022年5月15日 (日) 02:33時点における版

川内新幹線車両センター(せんだいしんかんせんしゃりょうセンター)は、鹿児島県薩摩川内市宮崎町にあった九州旅客鉄道(JR九州)の新幹線車両基地である。本社鉄道事業本部新幹線鉄道事業部の管轄であった。現在は車両基地としては廃止され、川内駅構内の留置線扱いとなっている[1]

概要

九州新幹線新八代 - 鹿児島中央間開業(部分開業)に伴い、同区間で運転される車両の車両基地として設置された[2]。ただし、九州新幹線全線開業までの一時的な車両基地であり、あくまで必要最小限の規模にとどめている[2]。部分開業時には車両数が少なく、毎日交番検査以上の検査を実施するわけでないため、大きな検査時には鹿児島総合車両所(現・鹿児島車両センター)から検査員が出向して行われていた[2]

また、施設の建設規模を抑えるため熊本総合車両所が開所する以前の台車検査・全般検査時には機器と台車を取り外し、鹿児島総合車両所(現・鹿児島車両センター)までトラックで陸送した上で行われた[3][2]

地理的には川内駅から南に約1.6 kmの場所に位置し、敷地面積は約70,000m2である[2]新幹線800系電車の川内港からの搬入・入線にも使用された。川内駅の鹿児島中央方面西側に引込み線・連絡線が存在する。

2003年(平成15年)7月に設備が完成し、同年8月の800系車両の搬入に備えた[2]。同年12月1日に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構からJR九州に仮引継ぎが行われた[2]

九州新幹線博多駅 - 新八代駅間の全線開業を前にした2010年平成22年)11月22日に、全線開業後の新たな車両基地として熊本総合車両所が開所し、当センターの機能は熊本総合車両所へ移転した。全線開業の2011年(平成23年)3月12日付で車両基地としては正式に廃止されて川内駅構内の留置線となり[1]、鹿児島中央駅ならびに川内駅発着列車の夜間車両留置、および仕業検査・交番検査などの簡易検査を行っている[4]。また対外的には「川内旧車両基地」と表記されることもある[5]

設備

部分開業時

回送線(入出庫線)1線と引上線1線に加えて、着発線3線、試験車留置線1線(将来のドクターイエローの入線を想定したもの。部分開業時は着発線として使用)、車輪転削線1線、仕業検査線1線、交番検査線1線、全般検査線・台車検査線1線、臨時修繕線1線、事業用車庫線1線の11線が配置されていた[2]。このうち、各検査線は検修庫(建屋内)に車両が収容される[2]。事業用車庫線を除いた各線は、当時運用されていた6両編成の800系新幹線より2両長い8両編成の有効長が確保されている[2]

東側の本線寄りには保守基地(保線車両用)があり、保守用車留置線2線、材料線1線、確認車留置線2線、保守用車検修線1線、引上線1線を備える[2]。なお、前述の着発収容線3線は本来、保守基地のロングレール運搬車留置線を、一時的に車両留置線として転用したものである[3]

全線開業後

  • 留置線:5本(熊本総合車両所開設前は11本、一部が保守用基地に転用)

主な業務

配置車両

熊本総合車両所の開所に伴い、当センターに配置されていた車両はすべて熊本総合車両所に転属したため、末期は車両配置なし。

過去の配置車両

  • 新幹線800系電車
    • 最大時には6両編成8本(U001 - U008編成)の48両が配属されていた。

配置車両の車体に記されていた略号

  • 新幹線を意味する「幹」と、川内の電報略号である「セイ」(んだ)から構成された「幹セイ」となっていた。

脚注

  1. ^ a b 『JR電車編成表 2019冬』p.209 交通新聞社 2019年
  2. ^ a b c d e f g h i j k 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2004年4月号「川内車両基地」pp.86 - 87。
  3. ^ a b 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』2004年4月号「開業間近の九州新幹線新八代 - 鹿児島中央間の概要」pp.90 - 91。
  4. ^ “九州新幹線 川内車両センターを縮小、熊本に機能移転”. 南日本新聞. (2010年11月18日). オリジナルの2010年12月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20101212183008/http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=28105 
  5. ^ 新幹線ミニフェスタ in 川内 - 鉄道コム、2014年5月15日

参考文献

関連項目