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「コロニー落とし」の版間の差分

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参謀中佐 (会話 | 投稿記録)
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* 第七次宇宙戦争末期、[[宇宙革命軍]]はコロニー落としを強行。'''40基近くのコロニーが南米大陸を中心に地上各地へ落着し、地球圏の総人口が開戦前の百億から一億程度にまで激減'''。ガロードがパーラに「3年間核の冬だった」と話すほどの惨劇をもたらした。[[新連邦 (機動新世紀ガンダムX)|地球連邦]]と革命軍はともに継戦能力を失って事実上の停戦に追い込まれ、この年はアフター・ウォー元年と呼ばれる事になる(『[[機動新世紀ガンダムX]]』)。
* 第七次宇宙戦争末期、[[宇宙革命軍]]はコロニー落としを強行。'''40基近くのコロニーが南米大陸を中心に地上各地へ落着し、地球圏の総人口が開戦前の百億から一億程度にまで激減'''。ガロードがパーラに「3年間核の冬だった」と話すほどの惨劇をもたらした。[[新連邦 (機動新世紀ガンダムX)|地球連邦]]と革命軍はともに継戦能力を失って事実上の停戦に追い込まれ、この年はアフター・ウォー元年と呼ばれる事になる(『[[機動新世紀ガンダムX]]』)。


* [[コズミック・イラ]]73年、[[コズミック・イラ#血のバレンタイン|血のバレンタイン]]の復讐を誓う[[パトリック・ザラ]]派の残党が、同事件により破壊された[[ユニウスセブン]]の残骸を地球へ落下させた。[[ザフト]]軍はぎりぎりまで破砕作業を続けたが、多数の破片が燃え尽きる事なく地上へ落着、[[ローマ]](正確には[[バチカン]])、[[アテネ]]、ラサ、[[万里の長城]](八達嶺付近?)、[[上海]]、[[北京]]、[[グランドキャニオン]]、[[ケベック]]などに直撃した。また、一部が[[太平洋]]に落ち津波を引き起こした事で、太平洋に面する都市が巻き込まれるなど、世界各地に大きな被害を与えた(「[[ブレイク・ザ・ワールド]]事件」)(『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』)。
* [[コズミック・イラ]]73年、[[コズミック・イラ#血のバレンタイン|血のバレンタイン]]の復讐を誓う[[機動戦士ガンダムSEED DESTINYの登場人物#サトー|サトー]]ら[[パトリック・ザラ]]派の[[コズミック・イラの勢力#ザフト軍脱走兵|ザフト軍脱走兵]]が、同事件により破壊された[[ユニウスセブン]]の残骸を地球へ落下させた。[[ザフト]]軍はぎりぎりまで破砕作業を続けたが、多数の破片が燃え尽きる事なく地上へ落着、[[ローマ]](正確には[[バチカン]])、[[アテネ]]、ラサ、[[万里の長城]](八達嶺付近?)、[[上海]]、[[北京]]、[[グランドキャニオン]]、[[ケベック]]などに直撃した。また、一部が[[太平洋]]に落ち津波を引き起こした事で、太平洋に面する都市が巻き込まれるなど、世界各地に大きな被害を与えた(「[[ブレイク・ザ・ワールド]]事件」)(『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』)。


== 現実的な影響 ==
== 現実的な影響 ==

2006年11月30日 (木) 13:20時点における版

コロニー落としは、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する戦術のひとつ。スペースコロニーラグランジュポイントより離脱させ、コロニーそのものを大質量兵器として地球や月の目標地点に落下させ、破壊する戦法。その瞬間を地上から見上げた者は「空が落ちてくる」と表現し、後々まで恐怖や強迫観念に駆られる。後代には地上の住人にとって共通の畏怖対象となる。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ブリティッシュ作戦

宇宙世紀最初のコロニー落としは、『機動戦士ガンダム』で描かれた、一年戦争冒頭の宇宙世紀0079年1月4日、ジオン公国軍により発動されたブリティッシュ作戦として行われた。目的は地球連邦軍総司令部ジャブローの破壊である。発案者は、ギレン派で知られるエギーユ・デラーズ大佐(当時)であったと言われている。ジオン公国に敵対し連邦側に立ったサイド2の8バンチコロニー「アイランド・イフィッシュ」の住民を毒ガスで虐殺した上で核パルスエンジンを装着し、ジャブローに落下させる軌道に乗せたが、連邦軍艦隊の必死の抵抗により損傷していたこともあり大気圏突入の約40分後に崩壊した。

崩壊したアイランド・イフィッシュの前端部分はオーストラリアシドニーを直撃し、厚さ10kmの地殻を貫通し造山運動を促してマグニチュード9.5の大地震を発生させ、後にシドニー湾とも呼ばれる巨大なクレーターを作った。機動戦士ガンダムのアニメの冒頭やゲーム『0079カードビルダー』のムービーで描かれているシーンはこの落着の瞬間である。また、『機動戦士ガンダム0083』の中でアルビオンが上空を飛行してその威容を目の当たりにしている。残りの部分の3分の1は太平洋上、3分の2は北米大陸に(後の漫画『THE ORIGIN』ではシベリアと北米に)それぞれ落着。これによってオーストラリア大陸の16%は消滅し、崩壊の際に発生した無数の破片は地球全土に降り注いだ。そして2次被害として衝撃波津波、気象変動などが発生し、地球に対して長年にわたって多大な悪影響を及ぼし続けた。また、地球の自転速度が一時間当たり1.2秒速められたという。

以上のように、ブリティッシュ作戦自体は当初の目的を達成できずに失敗となったが、地球上に多大な被害を及ぼした結果、後に結ばれる南極条約では「大質量兵器の使用禁止」という条項が盛り込まれている。

「ブリティッシュ作戦」という作戦名と上記の詳細な設定は1981年のムック『ガンダムセンチュリー』に初出の非公式設定であった。この資料によると、作戦名は第二次大戦後に多くの植民地を失い衰退していったイギリス連邦に準えたものとされる。また、作戦に供するコロニーの改造と護衛のため、長時間行動用の推進剤と冷却タンクを背負ったザクが機動性を損ない大きな損害を出したとする記述もある。後に『機動戦士ガンダム0083』の劇中で語られたことで公式の設定となった。また本作戦における毒ガスの使用についても本編放映当時には設定が無く、小説版におけるGG(ダブルジー)ガス使用の記述や、同様に『機動戦士ガンダム0083』の小説版等で描写され、さらに後年『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』で映像化され公式の設定となった。

その他のコロニー落とし

宇宙世紀0083年、コロニー再建計画で移動中のコロニー「アイランド・イーズ」が北米大陸穀倉地帯に落下した。ジオン残党軍デラーズ・フリートによる攻撃であったが、後に「コロニー移送中の事故」と発表され、ジャミトフ・ハイマンら連邦軍内部のタカ派がティターンズを結成させるために利用された(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』)。

宇宙世紀0087年にはティターンズがサイド4の27バンチコロニーを月のグラナダへ落下させるが、直撃は回避させられた(『機動戦士Ζガンダム』)。

宇宙世紀0088年にはネオ・ジオン軍のマシュマー・セロ率いる部隊により、アイルランドダブリンにコロニーが落とされた。この時は落下速度が低かったのか、コロニーが落着後もしばらく原形をとどめたまま直立していた。対岸のイギリス本土でも、ブリティッシュ作戦時のオーストラリアに比べて被害は少なかったようである(『機動戦士ガンダムΖΖ』)。

また類似の「隕石落とし」として宇宙世紀0093年、シャア・アズナブル率いるネオ・ジオン軍により当時地球連邦軍本部のあったチベットのラサ小惑星5thルナを落下させている。更に小惑星アクシズを地球に落下させようとするが、ロンド・ベル隊の必死の攻撃により阻止された(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)。

なお、宇宙世紀0203年を描いた作品『ガイア・ギア』では一年戦争時のコロニー落としによりパリが壊滅しており、パリ湖という湖が形成されている。

また、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』ではジオン側でプレイした場合、ルナツー攻略後にサイド7のコロニーを用いた「第二次ブリティッシュ作戦」を実行できる(この作戦を実行した場合、ジャブロー内の敵部隊の数が減少し、ジャブロー攻略も可能となる。但し、中立勢力の友好度が下がる)。なお、同シリーズの『ジオン独立戦争記』ではコロニー落としの代わりにルナツーからマスドライバーによってジャブローを攻撃することができる(実行した場合の効果は上記と同じ)。

宇宙世紀シリーズ以外の作品

  • 第七次宇宙戦争末期、宇宙革命軍はコロニー落としを強行。40基近くのコロニーが南米大陸を中心に地上各地へ落着し、地球圏の総人口が開戦前の百億から一億程度にまで激減。ガロードがパーラに「3年間核の冬だった」と話すほどの惨劇をもたらした。地球連邦と革命軍はともに継戦能力を失って事実上の停戦に追い込まれ、この年はアフター・ウォー元年と呼ばれる事になる(『機動新世紀ガンダムX』)。

現実的な影響

コロニー内部は実際には空洞になっており、仮に大型コロニーが建造され地球に落とされたとしても、大気圏内で飛散し完全に燃え尽きるのではないかという説がある。しかし、想定されるコロニーの外壁はスペースデブリが衝突しても耐えられるほどの強度は当然備えているであろうし、推定50億t近くになるとされるコロニーが、たとえ分散したとしても全く被害がでないというほど消失するとは考えがたい。 実際に、1979年に大気圏に突入したスカイラブの破片の一部が地上に(奇しくもオーストラリアに)落下している事から、全く被害が出ない可能性は低いと思われる。 しかし地球規模の壊滅的な影響が出る事は限りなく低いとされている。

関連項目

作中、この作戦によって発生する二次災害として、1980年代に発表されたTTAPS研究の引用で、核の冬と同様の現象が起こるとされている(逆襲のシャア、ガンダムX、Wシリーズなど)。
ロバート・A・ハインラインの小説。地球に物体を落として、その質量自体で攻撃する行為が初めて描かれた作品だと思われる。
ガンダムファンのプロレスラー。得意技の一つである雪崩式裏(リバース)フランケンシュタイナーを「コロニー落とし」と称する。
自書にて非現実性をとく。