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「シャンメリー」の版間の差分

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== 容器 ==
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[[Image:White Chanmery.jpg|thumb|right|シャンメリー(ホワイトタイプ)|200px]]
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容器として、[[ワイン]]ボトルに似た形の[[ガラス瓶]]が使われている。容量は360mlだが、[[2007年]]([[平成]]19年)より各社が投入した「シャンセーヌ」では600mlの大型ボトルが使用されている。栓には真上に押し上げて開けるタイプのものと、スクリューキャップ式のものがあるが、いずれも開栓時に「ポン」という音が出るようになっている。
容器として、[[ワイン]]ボトルに似た形のガラス[[瓶]]が使われている。容量は360mlだが、[[2007年]]([[平成]]19年)より各社が投入した「シャンセーヌ」では600mlの大型ボトルが使用されている。栓には真上に押し上げて開けるタイプのものと、スクリューキャップ式のものがあるが、いずれも開栓時に「ポン」という音が出るようになっている。


== 原料 ==
== 原料 ==
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* 巨峰(ぶどう)
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* [[モモ|ピーチ]]
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* [[イチゴ|]]ミルク
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* [[カレー]]風味
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* [[ドリアン (果実)|ドリアン]]
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== 歴史 ==
== 歴史 ==
[[1947年]]([[昭和]]22年)、[[東京都|東京]]の飲料業者が、[[進駐軍]]で飲まれていたシャンパンをヒントにシャンメリーを開発した。当初は「'''ソフトシャンパン'''」と呼ばれ、[[キャバレー (接待飲食店)|キャバレー]]などの料飲店を中心に出荷されていた高級品であった。後に多くの中小飲料メーカーがソフトシャンパンの製造に参入し、昭和30年代には乱売合戦が起きるまでになった。粗悪品も横行したことから、市場の適正化などを目指して全国ソフトシャンパン協会(後の全国シャンメリー協同組合)が結成された<ref>{{Cite web|url=https://www.tombow-b.jp/products/chanmery/|title=誕生は戦後、あのお酒をヒントに…|publisher=トンボ飲料|accessdate=2022-12-28}}</ref>。
[[1947年]]([[昭和]]22年)、[[東京都|東京]]の飲料業者が、[[連合国軍最高司令官総司令部|進駐軍]]で飲まれていたシャンパンをヒントにシャンメリーを開発した。当初は「'''ソフトシャンパン'''」と呼ばれ、[[キャバレー (接待飲食店)|キャバレー]]などの料飲店を中心に出荷されていた高級品であった。後に多くの中小飲料メーカーがソフトシャンパンの製造に参入し、昭和30年代には乱売合戦が起きるまでになった。粗悪品も横行したことから、市場の適正化などを目指して全国ソフトシャンパン協会(後の全国シャンメリー協同組合)が結成された<ref>{{Cite web|url=https://www.tombow-b.jp/products/chanmery/|title=誕生は戦後、あのお酒をヒントに…|publisher=トンボ飲料|accessdate=2022-12-28}}</ref>。


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[[1966年]](昭和41年)、[[駐日フランス大使館|フランス大使館]]が日本[[外務省]]に対し、[[シャンパーニュ]]産[[スパークリングワイン|発泡ワイン]]以外の商品に「シャンパン」の表示をさせないよう申し入れた([[虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示の防止に関するマドリッド協定]]に基づくもの)。[[1972年]](昭和47年)、全国ソフトシャンパン協同組合が「シャンメリー」の商標登録を出願し、翌[[1973年]](昭和48年)からソフトシャンパンはシャンメリーに改称された<ref>{{Cite web2|url=https://maidonanews.jp/article/14802356|title=「シャンメリー」ってそういう意味だったの!? 年末年始の顔に意外な「過去」、大企業は作れないってホント?|website=まいどなニュース|publisher=まいどなニュース|date=2022-12-28|accessdate=2022-12-28}}</ref>。


[[1977年]](昭和52年)、[[中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律]]に基づき、[[ラムネ (清涼飲料)|ラムネ]]等とともにシャンメリーが中小企業の生産分野品種となった。これにより大企業はシャンメリー製造に参入しにくくなった。
[[1977年]](昭和52年)、[[中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律]]に基づき、[[ラムネ (清涼飲料)|ラムネ]]等とともにシャンメリーが中小企業の生産分野品種となった。これにより大企業はシャンメリー製造に参入しにくくなった。

2022年12月28日 (水) 13:33時点における版

シャンメリーchammerry)は『全国シャンメリー協同組合』傘下の企業が製造販売する「シャンパン風密栓炭酸飲料」飲料の名称である。開栓時に音が出るよう作られた、ノンアルコール(アルコール分1%未満)の炭酸飲料である。日本独特の飲料であり、日本に於けるクリスマスパーティーの定番となっている。年間の生産量はおよそ1,500万本(2000年)。法律により大手飲料メーカーは生産しておらず、中小のメーカーが製造を手掛けている。

綴りは「chanmery」とする場合がある。

名称

「シャンメリー」は全国シャンメリー協同組合の登録商標(日本第1208094号)である。シャンパンの「シャン」とメリークリスマスの「メリー」を語源としている[1]

容器

シャンメリー(ホワイトタイプ)

容器として、ワインボトルに似た形のガラスが使われている。容量は360mlだが、2007年平成19年)より各社が投入した「シャンセーヌ」では600mlの大型ボトルが使用されている。栓には真上に押し上げて開けるタイプのものと、スクリューキャップ式のものがあるが、いずれも開栓時に「ポン」という音が出るようになっている。

原料

糖類、酸味料などを混ぜて作られる。メーカーや銘柄によって

といった原料の使用、不使用が異なっており、

など様々な味のシャンメリーが存在する(2009年2月時点)。

歴史

1947年昭和22年)、東京の飲料業者が、進駐軍で飲まれていたシャンパンをヒントにシャンメリーを開発した。当初は「ソフトシャンパン」と呼ばれ、キャバレーなどの料飲店を中心に出荷されていた高級品であった。後に多くの中小飲料メーカーがソフトシャンパンの製造に参入し、昭和30年代には乱売合戦が起きるまでになった。粗悪品も横行したことから、市場の適正化などを目指して全国ソフトシャンパン協会(後の全国シャンメリー協同組合)が結成された[2]

1966年(昭和41年)、フランス大使館が日本外務省に対し、シャンパーニュ発泡ワイン以外の商品に「シャンパン」の表示をさせないよう申し入れた(虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示の防止に関するマドリッド協定に基づくもの)。1972年(昭和47年)、全国ソフトシャンパン協同組合が「シャンメリー」の商標登録を出願し、翌1973年(昭和48年)からソフトシャンパンはシャンメリーに改称された[3]

1977年(昭和52年)、中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律に基づき、ラムネ等とともにシャンメリーが中小企業の生産分野品種となった。これにより大企業はシャンメリー製造に参入しにくくなった。

例年のクリスマスシーズンにはスーパーマーケットコンビニエンスストアなどで、テレビアニメのキャラクターをパッケージに採用したシャンメリーが販売されている。

主な製造メーカー(全国シャンメリー協同組合)

脚注

  1. ^ シャンメリーってなんですか。アルコールが入っているのですか?”. 農林水産省. 2022年1月1日閲覧。
  2. ^ 誕生は戦後、あのお酒をヒントに…”. トンボ飲料. 2022年12月28日閲覧。
  3. ^ "「シャンメリー」ってそういう意味だったの!? 年末年始の顔に意外な「過去」、大企業は作れないってホント?". まいどなニュース. まいどなニュース. 28 December 2022. 2022年12月28日閲覧
  4. ^ Products シャンメリー”. 斎藤飲料工業. 2017年12月24日閲覧。

参考資料

  • 『日本食糧新聞』2000年10月20日
  • 清涼飲料の50年」社団法人全国清涼飲料工業会、2005年

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、シャンメリーに関するカテゴリがあります。