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⚫ | '''情報機関'''(じょうほうきかん、{{lang-en-short|intelligence services}}、{{lang-en-short|Espionage agencies}})とは、[[国家安全保障]] |
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情報機関は諜報・諜報活動により収集した情報を分析して、[[政府の長|政府首脳]]・[[外務省]]・[[国防省]]などに報告を上げる。さらに[[情報操作]]や[[秘密作戦]]などを行う場合もある。敵対国や[[国際テロ組織]]などによる諜報・諜報活動を阻止するため、情報収集活動を仕掛けてくる組織や要員に対し、[[警察]]による[[逮捕]]や[[退去強制|国外退去処分]]などで活動そのものを無力化する[[防諜]]も行う<ref>[https://kotobank.jp/word/%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9-458854 カウンターインテリジェンス かうんたーいんてりじぇんす counterintelligence]</ref>。 |
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情報機関を機能別に分類すれば、外国の[[政治]]・[[軍事]]・[[外交]]・[[経済]]などに関する情報を収集する対外情報機関と、敵の諜報活動の探知、自国内で起こる容疑事件の処理など、[[防諜|機密保護]]と[[国家体制]]に対する[[破壊活動|破壊工作]]の摘発などを担当する防諜機関に大別される<ref>藤谷昌敏 . “[http://www.jfss.gr.jp/article/1532 なぜ我が国に本格的な情報機関が生まれなかったのか]”. 日本戦略研究フォーラム(JFSS) . 2022年7月16日閲覧。</ref>。対外情報収集は、[[大統領]]もしくは[[首相]]直属の中央情報機関、国防省・軍・外務省などがおもに担当している。防諜は軍の防諜部隊のほか、多くの国が国内防諜の専門組織をもっている<ref>日本大百科全書(ニッポニカ)(小学館). “[https://kotobank.jp/word/%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%A9%9F%E9%96%A2-79831 情報機関]”. [[コトバンク]]. [[CARTA HOLDINGS|株式会社DIGITALIO]]. 2022年7月13日閲覧。</ref>。 |
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== 各国の主な情報機関 == |
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[[File:Aerial_of_GCHQ,_Cheltenham,_Gloucestershire,_England_24May2017_arp.jpg|thumb|250px|[[イギリス]]の[[政府通信本部]]]] |
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{{Main|情報機関の一覧|インテリジェンス・コミュニティー}} |
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=== 日本 === |
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* [[内閣官房]][[内閣情報調査室]] |
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* [[防衛省]][[情報本部]] |
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* [[外務省]][[国際情報統括官組織]] |
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== 概要 == |
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*[[韓国国家情報院]](NIS) |
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=== イスラエル === |
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*[[イスラエル諜報特務庁]](通称モサド、正式にはISIS) |
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=== イギリス === |
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*[[秘密情報部]](通称MI6、正式にはSIS) |
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=== フランス === |
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[[フランス対外治安総局]](DGSE) |
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=== ドイツ === |
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*[[連邦情報局]](BND) |
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情報機関は諜報・諜報活動により収集した情報を分析して、[[政府首脳]]・[[外務省]]・[[国防省]]などに報告を上げる。入手した情報を流出させないための[[防諜]]を行う。さらに[[情報操作]]や軍事支援などを行う場合もある。 |
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=== ロシア === |
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* [[ロシア対外情報庁]] (SVR) |
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* [[ロシア連邦軍参謀本部情報総局]] (GRU) |
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情報機関としては、[[ナチス・ドイツ]]の[[国家保安本部]]、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[中央情報局|CIA]]、同じく[[アメリカ国家安全保障局|NSA]]、[[イギリス]]の[[秘密情報部|SIS]]、同じく[[政府通信本部|GCHQ]]、[[ソビエト連邦]]の[[ソ連国家保安委員会|KGB]]、[[ドイツ民主共和国|東ドイツ]]の[[シュタージ]]、[[イスラエル]]の[[イスラエル諜報特務庁|モサド]]が有名である。[[日本]]の場合、[[内閣情報調査室]]が知られているが、自ら情報収集するというよりも情報の集約機関としての色彩が強い。実際に情報を収集する機関としては、[[破壊活動防止法|破防法]]に基づく調査権を有する[[公安調査官]]を擁する[[公安調査庁]]が知られている<ref>{{Cite web|title=公安調査庁とは {{!}} 公安調査庁|url=https://www.moj.go.jp/psia/20130806.shokai.html|website=www.moj.go.jp|accessdate=2021-09-17}}</ref>。 |
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=== アメリカ === |
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* [[中央情報局]](CIA) |
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* [[アメリカ国防情報局]](DIA) |
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* [[アメリカ海軍情報局]](ONI) |
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* [[アメリカ国家安全保障局]](NSA) |
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* [[アメリカ陸軍情報保全コマンド]](INSCOM) |
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== 情報収集の手段 == |
== 情報収集の手段 == |
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* [[ヒューミント]](HUMINT:Human―):人間による情報収集。 |
* [[ヒューミント]](HUMINT:Human―):人間による情報収集。“協力者”の獲得・運用を含む。一般に、“協力者”は、浸透される組織(国家)からは[[スパイ]]と呼ばれるが、浸透する側からはエージェントと呼ばれる。 |
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** [[ハニートラップ]]:異性の工作員を使用した特定人物の情報収集。 |
** [[ハニートラップ]]:異性の工作員を使用した特定人物の情報収集。 |
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* フォトミント:写真撮影による情報収集。 |
* フォトミント:写真撮影による情報収集。 |
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* イミント(IMINT:Imagery―):[[偵察衛星]]や[[偵察機]]による[[写真]]偵察。イマジント(IMAGINT)とも。 |
* イミント(IMINT:Imagery―):[[偵察衛星]]や[[偵察機]]による[[写真]]偵察。イマジント(IMAGINT)とも。 |
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* [[シギント]](SIGINT:Signals―):電波や電子信号を傍受する事による情報収集 |
* [[シギント]](SIGINT:Signals―):電波や電子信号を傍受する事による情報収集 |
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** コミント(COMINT:Communication―):[[通信傍受]]、[[暗号解読]]、交信(トラフィック)解析。 |
** コミント(COMINT:Communication―):[[盗聴|通信傍受]]、[[暗号解読]]、交信(トラフィック)解析。 |
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** エリント(ELINT:Electronic―):非通信用([[レーダー]]等)の電磁放射からの情報収集 |
** エリント(ELINT:Electronic―):非通信用([[レーダー]]等)の電磁放射からの情報収集 |
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** アシント(ACINT:Acoustic―):[[SOSUS]]などからの水中音響情報などによる[[潜水艦]]、[[軍艦|艦船]]および水中武器の音響情報収集 |
** アシント(ACINT:Acoustic―):[[SOSUS]]などからの水中音響情報などによる[[潜水艦]]、[[軍艦|艦船]]および水中武器の音響情報収集 |
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* テキント(TECHINT:Technical―):技術的な情報収集を総称してテキントという。テクニカル・インテリジェンスと略さない場合は、特に、外国軍の装備等を入手して調査することから得られる情報の収集のことを指す。 |
* テキント(TECHINT:Technical―):技術的な情報収集を総称してテキントという。テクニカル・インテリジェンスと略さない場合は、特に、外国軍の装備等を入手して調査することから得られる情報の収集のことを指す。 |
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* [[オープン・ソース・インテリジェンス]](オシント、OSINT:Open sourse-):一般的なメディアが公開している出版物や活字情報、放送内容の分析 |
* [[オープン・ソース・インテリジェンス]](オシント、OSINT:Open sourse-):一般的なメディアが公開している出版物や活字情報、放送内容の分析 |
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* コリント(COLLINT:Collective―):利害関係を同じくするインテリジェンス機関が相互に協力すること<ref>[[佐藤優 (外交官)|佐藤優]][http://news.livedoor.com/article/detail/5879195/ |
* コリント(COLLINT:Collective―):利害関係を同じくするインテリジェンス機関が相互に協力すること<ref>[[佐藤優 (外交官)|佐藤優]][http://news.livedoor.com/article/detail/5879195/ 【佐藤優の眼光紙背】サイバー攻撃に関するコリント[協力諜報]を強化せよ 2011年09月21日16時31分 / 提供:眼光紙背]</ref>。 |
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* [[防諜]](CI:Counterintelligence):外国の諜報活動への対抗策。外国の諜報機関 |
* [[防諜]](CI:Counterintelligence):外国の諜報活動への対抗策。外国の諜報機関の情報収集 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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* [[諜報活動]] |
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* [[秘密警察]] |
* [[秘密警察]] |
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* [[特務機関]] - 軍事組織に於ける諜報機関について解説している。 |
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* [[特務機関]] |
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* [[インテリジェンス・コミュニティー]] - その国に諜報機関が複数存在する場合にそれらの調整を行う場。アメリカ |
* [[インテリジェンス・コミュニティー]] - その国に諜報機関が複数存在する場合にそれらの調整を行う場。アメリカの物が有名だが日本にも存在する。 |
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* [[秘密基地]] |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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2023年3月21日 (火) 02:34時点における版
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情報機関(じょうほうきかん、英: intelligence services、英: Espionage agencies)とは、国家の安全保障の観点から情報(インテリジェンス)を収集・分析し、政府首脳に報告する政府機関である。諜報機関(ちょうほうきかん)と同義[1]。
概要
情報収集の一環として諜報活動を行うが、国によってその任務や組織はさまざまである。国家の安全保障において諜報・諜報活動の優劣は非常に重大な要素である。特に敵対国の情報収集・分析は極めて難しく、高度な諜報・諜報活動が必要となる。
情報機関は諜報・諜報活動により収集した情報を分析して、政府首脳・外務省・国防省などに報告を上げる。入手した情報を流出させないための防諜を行う。さらに情報操作や軍事支援などを行う場合もある。
情報機関としては、ナチス・ドイツの国家保安本部、アメリカのCIA、同じくNSA、イギリスのSIS、同じくGCHQ、ソビエト連邦のKGB、東ドイツのシュタージ、イスラエルのモサドが有名である。日本の場合、内閣情報調査室が知られているが、自ら情報収集するというよりも情報の集約機関としての色彩が強い。実際に情報を収集する機関としては、破防法に基づく調査権を有する公安調査官を擁する公安調査庁が知られている[2]。
情報収集の手段
- ヒューミント(HUMINT:Human―):人間による情報収集。“協力者”の獲得・運用を含む。一般に、“協力者”は、浸透される組織(国家)からはスパイと呼ばれるが、浸透する側からはエージェントと呼ばれる。
- ハニートラップ:異性の工作員を使用した特定人物の情報収集。
- フォトミント:写真撮影による情報収集。
- イミント(IMINT:Imagery―):偵察衛星や偵察機による写真偵察。イマジント(IMAGINT)とも。
- シギント(SIGINT:Signals―):電波や電子信号を傍受する事による情報収集
- マジント(MASINT:Measurement and Signatures―):対象の特徴を決定付ける情報。IMINTやSIGINTの処理を含む。
- テキント(TECHINT:Technical―):技術的な情報収集を総称してテキントという。テクニカル・インテリジェンスと略さない場合は、特に、外国軍の装備等を入手して調査することから得られる情報の収集のことを指す。
- オープン・ソース・インテリジェンス(オシント、OSINT:Open sourse-):一般的なメディアが公開している出版物や活字情報、放送内容の分析
- コリント(COLLINT:Collective―):利害関係を同じくするインテリジェンス機関が相互に協力すること[3]。
- 防諜(CI:Counterintelligence):外国の諜報活動への対抗策。外国の諜報機関の情報収集
脚注
出典
- ^ ちょうほうきかん〔テフホウキクワン〕【諜報機関】
- ^ “公安調査庁とは | 公安調査庁”. www.moj.go.jp. 2021年9月17日閲覧。
- ^ 佐藤優【佐藤優の眼光紙背】サイバー攻撃に関するコリント[協力諜報]を強化せよ 2011年09月21日16時31分 / 提供:眼光紙背
参考文献
- Brian Freemantle(著)、新庄哲夫(訳)、『KGB』、新潮社、1983年、ISBN 4106002469
- Dennis Eisenberg(著)、佐藤紀久夫(訳)、『ザ・モサド 世界最強の秘密情報機関』、時事通信社、1993年、ISBN 4788780208
- 落合浩太郎編著、『インテリジェンスなき国家は滅ぶ 世界の情報コミュニティ』、亜紀書房、2011年、ISBN 4750511269
関連項目
- 情報機関の一覧
- 諜報活動
- 秘密警察
- 特務機関 - 軍事組織に於ける諜報機関について解説している。
- インテリジェンス・コミュニティー - その国に諜報機関が複数存在する場合にそれらの調整を行う場。アメリカの物が有名だが日本にも存在する。
- 秘密基地
- UKUSA協定