「モンブラン (ケーキ)」の版間の差分
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典型的には、[[カップケーキ]]型の[[スポンジケーキ|スポンジ生地]]や[[メレンゲ]]、[[タルト (洋菓子)]]生地などで作った土台の上に[[ホイップクリーム]]を乗せ、それを螺旋状に包むように[[絞り袋]]や[[小田巻]]<ref name="NHK_tsubo"/>を使って絞り出した[[クリ]]の[[クリーム (食品)|クリーム]]をあしらう<ref name="NHK_Tsuji">{{Cite web |url=https://www.kyounoryouri.jp/recipe/601873_%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3.html |title=モンブラン (料理: 辻󠄀調理師専門学校) |access-date=2023-04-09 |publisher=[[NHKエデュケーショナル]] |work=みんなのきょうの料理 |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20230408163015/https://www.kyounoryouri.jp/recipe/601873_%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3.html |archive-date=2023-04-08 |url-status=live}}</ref>。その上に半分に切った[[マロングラッセ]]、あるいは[[甘露煮]]の栗が一片載せられることもある<ref name="NHK_tsubo"/>。形状や大きさ、土台となる生地部分には様々なバリエーションがある。上に降りかけられる白い粉砂糖は雪を表している<ref name="NHK_tsubo"/>。 |
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このケーキは[[フランス]]・[[サヴォワ県]]と隣接する[[イタリア]]・[[ピエモンテ州]]の家庭菓子が原型であり、当初は栗の[[ペースト]]に泡立てた生クリームを添えた[[デセール]](冷菓)であった。これをもとに、モンブランを看板メニューとする1907年創業の[[1区 (パリ)|パリ1区]][[リヴォリ通り]]の老舗カフェ「{{仮リンク|アンジェリーナ (喫茶店)|label=アンジェリーナ|fr|Angélina (salon de thé)}}」が、クリームを[[メレンゲ]]上に搾り出した形に発展させた。もっとも、この製品化の時期は詳らかではない。 |
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このケーキには、長時間[[シロップ]]に漬けられて形の崩れた[[マロングラッセ]]をつぶし、ペースト状にしたものがかけられる。その形は[[モンブラン山]]を真似たものであり、フランスでは山の丸みを帯びたドーム状の曲線が、イタリアでは[[氷河]]に削り取られた峻厳な岩肌がケーキに投影されることとなった<ref name="NHK_tsubo">{{cite web|url=https://www.nhk.or.jp/tsubo/program/file257.html|work=NHK鑑賞マニュアル・[[美の壷]] |title=file257 「モンブラン」|access-date=2023-04-09|website=[[NHK]]}} |
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日本では東京・[[自由が丘]]の「[[モンブラン (洋菓子店)|モンブラン]]」初代店主[[迫田千万億]]が、1933年にフランス・[[シャモニー]]地方を旅した際にこれを知り、つくる許可{{誰2|date=2023年2月}}を取った。土台をメレンゲから[[カステラ]]にし、クリのクリームもヨーロッパの茶色のものではなく、日本人になじみ深い黄色の[[甘露煮]]を用いるアレンジを加え、持ち帰りのできる[[ガトー]](焼き菓子)として完成させた<ref name="yurai27">{{Cite book|和書 |
2023年4月9日 (日) 15:56時点における版
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/14/Mont-Blanc-cake.jpg/300px-Mont-Blanc-cake.jpg)
モンブラン(Mont Blanc aux marrons)は、クリなどを原料とするクリームを生地の上面に絞りかけたケーキ。モンブラン山の形に似せて作ったことからこう呼ばれる。
概要
典型的には、カップケーキ型のスポンジ生地やメレンゲ、タルト (洋菓子)生地などで作った土台の上にホイップクリームを乗せ、それを螺旋状に包むように絞り袋や小田巻[1]を使って絞り出したクリのクリームをあしらう[2]。その上に半分に切ったマロングラッセ、あるいは甘露煮の栗が一片載せられることもある[1]。形状や大きさ、土台となる生地部分には様々なバリエーションがある。上に降りかけられる白い粉砂糖は雪を表している[1]。
由来
このケーキはフランス・サヴォワ県と隣接するイタリア・ピエモンテ州の家庭菓子が原型であり、当初は栗のペーストに泡立てた生クリームを添えたデセール(冷菓)であった。これをもとに、モンブランを看板メニューとする1907年創業のパリ1区リヴォリ通りの老舗カフェ「アンジェリーナ」が、クリームをメレンゲ上に搾り出した形に発展させた。もっとも、この製品化の時期は詳らかではない。
このケーキには、長時間シロップに漬けられて形の崩れたマロングラッセをつぶし、ペースト状にしたものがかけられる。その形はモンブラン山を真似たものであり、フランスでは山の丸みを帯びたドーム状の曲線が、イタリアでは氷河に削り取られた峻厳な岩肌がケーキに投影されることとなった[1]。
日本では東京・自由が丘の「モンブラン」初代店主迫田千万億が、1933年にフランス・シャモニー地方を旅した際にこれを知り、つくる許可[誰によって?]を取った。土台をメレンゲからカステラにし、クリのクリームもヨーロッパの茶色のものではなく、日本人になじみ深い黄色の甘露煮を用いるアレンジを加え、持ち帰りのできるガトー(焼き菓子)として完成させた[3][4]。これは日本で初めてのことであったが、名が広がることを望んだ迫田が「モンブラン」を商標登録しなかったため、黄色いモンブランは日本全国に普及する。そして上述フランスの「アンジェリーナ」が1984年に日本進出を契機に茶色いモンブランを日本で発売、同様に支持されるに至っている[5]。
名称
名前の由来は、アルプス山脈のモンブラン(フランスとイタリアの最高峰)。
- フランス語では、モン・ブラン・オ・マロン(Mont Blanc aux marrons。またはMont Blanc)。
- または、トルシュ・オー・マロン(Torche aux marrons トルシュ(松明たいまつ))。
- フランス東北部アルザス地方では、オー・ニ・デ・シゴーニュ(ou nid de cigogne(コウノトリの巣))。
- イタリアでは、モンテ・ビアンコ(Monte Bianco(山名と同様))。
バリエーション
- 日本ではクリ以外にも、サツマイモやカボチャなどで代用したり、色付けし砂糖と香料を加えた白餡を乗せたケーキにも、同じ名称が冠されている[6]。また、栗のクリームに抹茶を混ぜ込んだ抹茶のモンブランや、ココアを混ぜ込んだチョコレートモンブランなどもある。更には栗を使用せず、生クリームにいちごやマンゴー等の果汁を混ぜ込こんで風味付けをしたモンブランもある。
- 北海道小樽市の一部では、ココアスポンジに生クリームを挟んだショートケーキが「モンブラン」と呼ばれている[7]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d “file257 「モンブラン」”. NHK. NHK鑑賞マニュアル・美の壷. 2023年4月9日閲覧。
- ^ “モンブラン (料理: 辻󠄀調理師専門学校)”. みんなのきょうの料理. NHKエデュケーショナル. 2023年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月9日閲覧。
- ^ 猫井登『お菓子の由来物語』幻冬舎、2008年9月、17頁。ISBN 978-4779003165。
- ^ “モンブランの歴史!?”. 自由が丘モンブラン (2011年11月14日). 2013年11月27日閲覧。
- ^ 澁川祐子『ニッポン定番メニュー事始め』彩流社、2013年9月、74頁。ISBN 978-4779119347。
- ^ 料理サプリニュース昭和のモンブランが「黄色」だった理由
- ^ “時間が止まった老舗喫茶店でスイーツを! 小樽市民に愛され続けている3店 (2) その復活に小樽市民も涙! 老舗喫茶店の「館モンブラン」は一味違う”. マイナビニュース. マイナビ (2015年5月19日). 2018年12月8日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 鑑賞マニュアル 美の壷 「モンブラン」 - NHK