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「ファルクビア・カウンター・ギャンビット」の版間の差分

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== 主な変化 ==
== 主な変化 ==
3.ed e4 4.Nc3 Nf6 5.Bc4 Bc5 6.Nge2 0-0 7.d3 ed 8.Qxd3 c6<ref name="定跡と戦い方 11-12頁"/>。
3.ed e4 4.Nc3 Nf6 5.Bc4 Bc5 6.Nge2 0-0 7.d3 ed 8.Qxd3 c6<ref name="定跡と戦い方 11-12頁"/>。


白の3手目で3.fe??と指すと黒に3.… Qh4+と指された後4.g3 Qxe4+ 5.Qe2 Qxh1と進行し[[ルーク]]をタダ取りされる<ref name="やさしい実戦集 11頁">『やさしい実戦集』、11頁。</ref>。この手順中白の4手目で4.Ke2と[[キング (チェス)|キング]]が逃げると黒に4.… Qxe4+と指された後5.Kf2 Bc5+ 6.Kg3 Qxe5+ 7.Kh4 Be7#と進行し[[詰み|チェックメイト]]になる<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>。なお4.… Qxe4+のところ4.… Bg4+と[[王手|チェック]]をかける手は白に5.Nf3と守られてしまう<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>。
白の3手目で3.fe??と指すと黒に3.… Qh4+と指された後、4.g3 Qxe4+ 5.Qe2 Qxh1と進行し[[ルーク]]をタダ取りされる<ref name="やさしい実戦集 11頁">『やさしい実戦集』、11頁。</ref>。この手順中白の4手目で4.Ke2と[[キング (チェス)|キング]]が逃げると黒に4.… Qxe4+と指された後5.Kf2 Bc5+ 6.Kg3 Qxe5+ 7.Kh4 Be7#と進行し[[詰み|チェックメイト]]になる<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>。なお、4.… Qxe4+のところ4.… Bg4+と[[王手|チェック]]をかける手は白に5.Nf3と守られてしまう<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>。


3.fe?? Qh4+ 4.g3に対して黒が4.… Qg4と指すと白は5.Qxg4と喜んで[[クイーン (チェス)|クイーン]]の交換に応じてくる<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>。クイーンが無くなると[[引き分け|ドロー]]になり易いため<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>、強い[[チェスプレーヤーの一覧|プレーヤー]]は序盤にはクイーンを交換しない<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>。
3.fe?? Qh4+ 4.g3に対して黒が4.… Qg4と指すと白は5.Qxg4と喜んで[[クイーン (チェス)|クイーン]]の交換に応じてくる<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>。クイーンが無くなると[[引き分け|ドロー]]になり易いため<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>、強い[[チェスプレーヤーの一覧|プレーヤー]]は序盤にはクイーンを交換しない<ref name="やさしい実戦集 11頁"/>。


3.fe?? Qh4+ 4.g3 Qxe4+に対し5.Kf2とキングが逃げても5.… Qxh1とルークをタダで取られてしまう<ref name="定跡と戦い方 12頁">『定跡と戦い方』、12頁。</ref>。[[1974年]]に[[ニース]]で開催された第21回[[チェス・オリンピアード]]でのリボ対クーパー戦では1.e4 e5 2.f4 d5 3.fe?? Qh4+ 4.g3 Qxe4+ 5.Kf2と進行した後5.… Bc5+と黒のクーパーが指したが<ref>『やさしい実戦集』、9-12頁。</ref>、この手でも黒の勝ちである<ref name="やさしい実戦集 12頁">『やさしい実戦集』、12頁。</ref>。白はキングの逃げる所がないため6手目では6.d4と受ける一手だが<ref name="やさしい実戦集 12頁"/>、黒に6.… Bxd4+と指された後7.Qxd4 Qxd4+と進行しクイーンを取られてしまうため勝負にならない<ref name="やさしい実戦集 12頁"/>。この手順中7.Qxd4のところ7.Be3と指すと7.… Qxe3+ 8.Kg2 Qf2#とメイトにされてしまう<ref name="やさしい実戦集 12頁"/>。
3.fe?? Qh4+ 4.g3 Qxe4+に対し5.Kf2とキングが逃げても、5.… Qxh1とルークをタダで取られてしまう<ref name="定跡と戦い方 12頁">『定跡と戦い方』、12頁。</ref>。[[1974年]]に[[ニース]]で開催された第21回[[チェス・オリンピアード]]でのリボ対クーパー戦では、1.e4 e5 2.f4 d5 3.fe?? Qh4+ 4.g3 Qxe4+ 5.Kf2と進行した後、5.… Bc5+と黒のクーパーが指したが<ref>『やさしい実戦集』、9-12頁。</ref>、この手でも黒の勝ちである<ref name="やさしい実戦集 12頁">『やさしい実戦集』、12頁。</ref>。白はキングの逃げる所がないため6手目では6.d4と受ける一手だが<ref name="やさしい実戦集 12頁"/>、黒に6.… Bxd4+と指された後、7.Qxd4 Qxd4+と進行しクイーンを取られてしまうため勝負にならない<ref name="やさしい実戦集 12頁"/>。この手順中7.Qxd4のところ7.Be3と指すと7.… Qxe3+ 8.Kg2 Qf2#とメイトにされてしまう<ref name="やさしい実戦集 12頁"/>。


戻って3.edに対する黒の3手目の3.… e4は白に4.Nf3と展開させないための手<ref name="やさしい実戦集 10頁"/><ref name="定跡と戦い方 12頁"/>。3.edに対して黒が3.… Qh4+?とチェックをかけるのは白に4.g3と指されてクイーンをまた動かさなくてはならないため黒の手損になる<ref name="やさしい実戦集 10頁"/>。
戻って3.edに対する黒の3手目の3.… e4は白に4.Nf3と展開させないための手<ref name="やさしい実戦集 10頁"/><ref name="定跡と戦い方 12頁"/>。3.edに対して黒が3.… Qh4+?とチェックをかけるのは白に4.g3と指されてクイーンをまた動かさなくてはならないため黒の手損になる<ref name="やさしい実戦集 10頁"/>。


白の4手目では他に4.d3<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>、4.Bb5+<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>と指す手もある。4.d3と指すと4.… Nf6 5.Nd2 ed 6.Bxd3 Qxd5 7.Ngf3 Bg4と進行し<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>、4.Bb5+と指すと4.… c6 5.dc Nxc6 6.Nc3 Nf6 7.Nge2 Qb6と進行する<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>。
白の4手目では他に4.d3<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>、4.Bb5+<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>と指す手もある。4.d3と指すと、4.… Nf6 5.Nd2 ed 6.Bxd3 Qxd5 7.Ngf3 Bg4と進行し<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>、4.Bb5+と指すと、4.… c6 5.dc Nxc6 6.Nc3 Nf6 7.Nge2 Qb6と進行する<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>。


白の5手目で5.Qe2と指すのはf1の[[ビショップ]]が動けなくなるので白が損する<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>。
白の5手目で5.Qe2と指すのはf1の[[ビショップ]]が動けなくなるので白が損する<ref name="定跡と戦い方 12頁"/>。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==

2024年1月29日 (月) 06:43時点における最新版

ファルクビア・カウンター・ギャンビット
abcdefgh
8
a8 black rook
b8 black knight
c8 black bishop
d8 black queen
e8 black king
f8 black bishop
g8 black knight
h8 black rook
a7 black pawn
b7 black pawn
c7 black pawn
f7 black pawn
g7 black pawn
h7 black pawn
d5 black pawn
e5 black pawn
e4 white pawn
f4 white pawn
a2 white pawn
b2 white pawn
c2 white pawn
d2 white pawn
g2 white pawn
h2 white pawn
a1 white rook
b1 white knight
c1 white bishop
d1 white queen
e1 white king
f1 white bishop
g1 white knight
h1 white rook
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh

ファルクビア・カウンター・ギャンビット (Falkbeer Counter Gambit) は、チェスオープニングの1つ。キングズ・ギャンビットに対し黒がカウンター・ギャンビットする変化。基本形は右図[1][2]。手順は1.e4 e5 2.f4 d5[3][4]

主な変化

[編集]

3.ed e4 4.Nc3 Nf6 5.Bc4 Bc5 6.Nge2 0-0 7.d3 ed 8.Qxd3 c6[1]

白の3手目で3.fe??と指すと、黒に3.… Qh4+と指された後、4.g3 Qxe4+ 5.Qe2 Qxh1と進行しルークをタダ取りされる[5]。この手順中白の4手目で4.Ke2とキングが逃げると、黒に4.… Qxe4+と指された後5.Kf2 Bc5+ 6.Kg3 Qxe5+ 7.Kh4 Be7#と進行しチェックメイトになる[5]。なお、4.… Qxe4+のところ4.… Bg4+とチェックをかける手は、白に5.Nf3と守られてしまう[5]

3.fe?? Qh4+ 4.g3に対して黒が4.… Qg4と指すと、白は5.Qxg4と喜んでクイーンの交換に応じてくる[5]。クイーンが無くなるとドローになり易いため[5]、強いプレーヤーは序盤にはクイーンを交換しない[5]

3.fe?? Qh4+ 4.g3 Qxe4+に対し5.Kf2とキングが逃げても、5.… Qxh1とルークをタダで取られてしまう[6]1974年ニースで開催された第21回チェス・オリンピアードでのリボ対クーパー戦では、1.e4 e5 2.f4 d5 3.fe?? Qh4+ 4.g3 Qxe4+ 5.Kf2と進行した後、5.… Bc5+と黒のクーパーが指したが[7]、この手でも黒の勝ちである[8]。白はキングの逃げる所がないため6手目では6.d4と受ける一手だが[8]、黒に6.… Bxd4+と指された後、7.Qxd4 Qxd4+と進行しクイーンを取られてしまうため勝負にならない[8]。この手順中7.Qxd4のところ7.Be3と指すと7.… Qxe3+ 8.Kg2 Qf2#とメイトにされてしまう[8]

戻って3.edに対する黒の3手目の3.… e4は、白に4.Nf3と展開させないための手[2][6]。3.edに対して黒が3.… Qh4+?とチェックをかけるのは、白に4.g3と指されてクイーンをまた動かさなくてはならないため黒の手損になる[2]

白の4手目では他に4.d3[6]、4.Bb5+[6]と指す手もある。4.d3と指すと、4.… Nf6 5.Nd2 ed 6.Bxd3 Qxd5 7.Ngf3 Bg4と進行し[6]、4.Bb5+と指すと、4.… c6 5.dc Nxc6 6.Nc3 Nf6 7.Nge2 Qb6と進行する[6]

白の5手目で5.Qe2と指すのは、f1のビショップが動けなくなるので白が損する[6]

参考文献

[編集]

脚注・出典

[編集]
  1. ^ a b 『定跡と戦い方』、11-12頁。
  2. ^ a b c 『やさしい実戦集』、10頁。
  3. ^ 『定跡と戦い方』、9、11-12頁。
  4. ^ 『やさしい実戦集』、9-10頁。
  5. ^ a b c d e f 『やさしい実戦集』、11頁。
  6. ^ a b c d e f g 『定跡と戦い方』、12頁。
  7. ^ 『やさしい実戦集』、9-12頁。
  8. ^ a b c d 『やさしい実戦集』、12頁。
  9. ^ ISBNコードは新装版のもの。