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弾き語り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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弾き語り(ひきがたり)とは、主に一人でを歌う際に、歌う本人が自らそのバックを担う楽器演奏をも、同時に行うこと。
一緒に弾く楽器は、主にアコースティックギターピアノなどのアンプラグド(アコースティック楽器)のうちのメロディー楽器に限られるが、最近は、エレキギターエレクトーンシンセサイザーなどの電気増幅楽器や電子振動楽器などでもそう呼ばれることがある。
基本的に歌が主体の行為であるが、楽器演奏については、歌に簡単なコードを添える程度のものから、凝ったアレンジや奏法で、演奏としても魅了されるようなものまで様々である。また、作詞・作曲と歌唱をも自ら行うミュージシャンを、シンガー・ソング・ライターというが、そういった形態にかかわらず、同時に一人で演奏し歌う場合には、「弾き語り」が当てはまる。

広い意味では、長唄などを三味線を弾きながら歌っても、「弾き語る」という意味では当てはまるが、これは、ポピュラー音楽の範囲で使われる言葉である。よって、その起源を、吟遊詩人琵琶法師などにまで遡る説もあるが、現在の「弾き語り」と直接的な繋がりがあるかどうかまでは明確になっていない。
日本での、現在につながる大衆音楽の範囲での「弾き語り」の起源、及び、普及は、昭和40年代初頭(1965年)から徐々にフォークソングブームといわれ、1970年代初頭には、井上陽水吉田拓郎などのシンガーソングライターが、さらに若者にアピールする形で普及させたといってよい。その後、1980年代後半から1990年代前半までにピークだった、アンプラグドブームをきっかけとしたものなど、小さな波が、何度か訪れた。
(注;但し、「アンプラグド」の本来のコンセプトは、「エレクトリックサウンドの演奏を、アコースティック楽器の演奏中心にアレンジし直す」といったことが主体であり、必ずしも、「アコースティック楽器による『弾き語り』」である必要はなく、「ブーム復活のきっかけの一つ」という意味にすぎない。)
日本では、ライブハウス中心に一人で活動しているアーティストに「弾き語り」の形態をメインとしている人が多い。また、邦洋楽において、ロックポップス等問わず、「バンド」形態のミュージシャンであっても、その構成メンバーの一人を押し出す目的などで、スタジオ録音作品の中や、ライヴパフォーマンスの一環として弾き語りのコーナーを設ける例もあり、その行為自体も、「弾き語り」と呼ぶ。(例;ビートルズのアルバムザ・ビートルズ(俗称:ホワイトアルバム)に収録の「ブラックバード」など。)
近年広範囲でブームとなった、ストリートミュージシャンの中にも、特に一人でプレイする場合は、この、「弾き語り」の形態をとるものが多い。

現在日本ではゆずのブレイクをきっかけに再びブームが訪れ、以前までの主体であった一人でのギター弾き語りや二人でのデュオ形式、路上にキーボード機材を持ち込んだスタイルなどが主体になってきている。また、以前はギターに比べ軽視されていたピアノでの弾き語りスタイルがアンジェラ・アキのブレイクによって大幅に評価が改められつつある。 なお、ゆずは2001年6月29日東京ドームにおいて、アンジェラ・アキは2006年12月26日日本武道館において弾き語り形式でのワンマンライブを成功させており、近年では「一切バックバンドを置かない形式」という大型会場のライブも増えつつある。

 関連項目