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エンチクロペディー

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エンチクロペティー

  1.  百科事典のこと(独 Enzyklopädie)
  2.  エンチクロペティー(哲学の百科事典)はドイツの哲学者ヘーゲルの主著。以下、この意味で記述する。

エンチクロペティーは論理学(小論理学)、自然哲学、精神哲学の3部からなり、全世界を哲学的に体系化しようとする壮大な著書である(初版1817年)。逝去後の第3版は、ヘーゲルの講義筆記(弟子たちが記録したもの)をもとに大幅に増補されている。

論理学

先に刊行された『論理学』(大論理学、1812-1816年)に対して一般に『小論理学』という。ヘーゲルによれば存在-本質-概念というのは人間の認識が深まってゆく過程であるとともに、絶対者(神)の属性でもある。例えば「神は存在する」というのはごく当然の規定でそれだけで終わっていては浅い。本質-概念、と進んで「神は絶対的理念である」というのが最も深い考察である。

  • 存在(質-量-限度)
  • 本質(本質-現象-現実性)
  • 概念(主観的概念-客観-理念)

自然哲学

  • 数学
  • 物理学
  • 自然?

精神哲学

ヘーゲルによれば「精神」は単に人間の主観ではなく、世界史の過程を通して絶対的精神が自己展開してゆくことになる。

  • 主観的精神(精神の現象学-心理学)
  • 客観的精神(法-道徳-人倫)
人倫はさらに家族-市民社会-国家に展開する
  • 絶対的精神(芸術-宗教-哲学)

一見してわかるようにヘーゲルは3という数に非常にこだわって哲学体系を築き上げた。その意図は壮大であるが、それほど割り切って世界が説明できるのか、という素朴な疑問が浮かんでくる。