アンセスター
アンセスターとはスーパーロボット大戦α外伝に登場する架空の組織である。
概要
自らを「地球の後継者」と名乗る組織。当初はイノセントのひとつと考えられていた。地球環境の管理のため、過度の干渉を控える立場を取っていたが、戦いを止めない人類を駆除すべきという結論に到達し、自らが正当な地球の支配者を主張してプリベンターに牙を剥く。
その大元は新西暦時代にアースクレイドルで人工冬眠していた人間達だが、既にアースクレイドル内乱時に、ゼンガーを除いて全滅し、ソフィアはメイガスの制御人格と化している。ゼンガーも精神制御を受けて手駒と化し、配備されていた機動兵器はマシンセルの暴走で変形・変質した結果異形の兵器となった。
アンセスターとは「先住民」の意味を持つ。
幹部クラスの戦闘BGMは『THE GATE OF MAGUS』。
人物
メイガス
(声優:土井美加)
アンセスターのリーダー。その正体はイーグレット・フェフによってマシンセルを注入されたソフィア・ネートの人格を取り込んだコンピュータである。容姿はソフィア博士そのものであるが、性格は冷徹。マシンナリー・チルドレンの3人や精神操作で支配下に置いたゼンガーを手駒に、人類の抹殺を企てた。乗機はアウルゲルミル。
専用BGMは『眠れ、地の底に』。
OGシリーズにおけるソフィア=メイガスについてはアースクレイドルを参照。
ゼンガー・ゾンボルト
(声優:小野健一)
初登場は『スーパーロボット大戦α外伝』。元DCのテストパイロット。「メイガスの剣」と名乗りその言葉に相応しい実力を持っている。『α外伝』では、マシンナリー・チルドレンにより精神制御を受け、メイガスの手駒となるが、プリベンターとの戦いでどんな形であれ自分を取り戻す。愛機はグルンガスト参式がマシンセルで変化したスレードゲルミル。
ハードルートのエピローグではアースクレイドルの墓守としてソフィアを見守ると誓いを立て、涙を流す。
なお、『α外伝』のゼンガーは髪の色が紫になっている(他作品のゼンガーの髪の色は灰色)。
OGシリーズや『第2次α』及び『第3次α』におけるゼンガーについては旧・特殊戦技教導隊を参照。
イーグレット・フェフ
元DCの科学者。シリーズ初登場は『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION』。ただし、名前だけなら『α外伝』が初。アースクレイドルの建設に関与した技術者でアースクレイドルを自らの意のままにしようと目論み、ソフィアも自分の駒として利用しようとしてソフィアにメイガスを組み込んだが、その矢先にゼンガーに殺される。
OGシリーズにおけるイーグレットについてはアースクレイドルを参照。
以下のイーグレットは、フェフによって生み出された「マシンナリー・チルドレン」で、全員同じ容姿をしており、搭乗機も同じベルゲルミル。髪の色と性格、搭乗機のカラーリングが違う。
イーグレット・ウルズ
(声優:石田彰)
初登場は『スーパーロボット大戦α外伝』。冷静な性格。銀色のベルゲルミルに搭乗する。ウルズのベルゲルミルのみ、スペシャルカスタムなのか、ウルズの腕前の良さなのか、分身が使える。
OGシリーズにおけるウルズについてはアースクレイドルを参照。
イーグレット・アンサズ
(声優:石田彰)
初登場は『スーパーロボット大戦α外伝』。残虐な性格。青いベルゲルミルに搭乗する。
OGシリーズにおけるアンサズについてはアースクレイドルを参照。
イーグレット・スリサズ
(声優:石田彰)
初登場は『スーパーロボット大戦α外伝』。狡猾な性格で情緒不安定。3人の中では一番、マシンナリー・チルドレンであることに高いプライドを持ち、目的のためには手段を選ばず行動する。赤いベルゲルミルに搭乗する。
OGシリーズにおけるスリサズについてはアースクレイドルを参照。
イーグレット・イング
記憶喪失のはぐれマシンナリー・チルドレン。外見上はさほどの差異は無いが、ウルズ達とは別のシリーズであるようだ。彼のほかに女性型マシンナリー・チルドレンがいるらしい。
機動兵器
アウルゲルミル
アウルゲルミル AURGELMIR | |
---|---|
分類 | 人型 |
所属 | アンセスター |
製造 | アースクレイドル |
生産形態 | ワンオフモデル |
全高 | 60.3m |
重量 | 730.9t |
装甲材質 | マシンセル |
武装 | イズンアイ イミルアーム ドグマブラスター |
乗員人数 | 1人 |
搭乗者 | メイガス |
機体概要
アースクレイドルのコアにアストラナガンがブラックボックスとして組み込まれ、進化した形態。時間跳躍機能も備える。
名前の由来は、北欧神話に登場する「土の叫びの巨人」、「アウルゲルミル」から。
武装
- イズンアイ
- 目から光線を発射する。
- イミルアーム
- 下半身の茨状の触手を伸ばし、相手に絡み付いて攻撃する。
- ドグマブラスター
- 腹部からブラックボックス(アストラナガン)を召喚し、アウルゲルミル本体と共に巨大な球状のエネルギー砲を発射する。
デザイン
スパロボシリーズのアンソロジー作家環望によるデザイン。
巨大な女性の姿をしており、頭部はバラの花、下半身はとぐろを巻いた茨状の触手になっている。
劇中での活躍
- α外伝
- マイクロウェーブ送信施設破壊のため、イージス計画実施前の世界へ跳んだが、撃破される。その後施設を襲撃したネオ・グランゾンとの戦闘後にソフィアの人格が回復した際、未来の仲間を元の世界へ送り届け、エネルギーを使い果たしメイガス共々役目を終えた。
スレードゲルミル
スレードゲルミル THRUDGELMIR | |
---|---|
分類 | 人型 |
所属 | アンセスター |
製造 | アースクレイドル |
生産形態 | 改良機 |
全高 | 53.7m |
重量 | 403.2t |
装甲材質 | マシンセル |
武装 | ドリルブーストナックル 斬艦刀 |
必殺技 | ドリル・インフェルノ 斬艦刀・電光石火 斬艦刀・一文字斬り 斬艦刀・稲妻重力落し 斬艦刀・星薙の太刀 |
乗員人数 | 1人 |
搭乗者 | ゼンガー・ゾンボルト ウォーダン・ユミル |
機体概要
グルンガスト参式をマシンセルで変異させた機体。
マシンセルによる自己修復機能により多少のダメージは瞬時に修復することが可能。さらに単独飛行も実現されている。ただし、マシンセルと深く結びついているゆえに、その制御機構であるメイガスやアウルゲルミルが消滅すると、機能不全に陥ってしまう。
名前の由来は、北欧神話に登場する「力の叫びの巨人」 アウルゲルミルの子「スルードゲルミル」から。
武装
α外伝開発時、一番最後に戦闘アニメーションが作成されたため時間が足りず、二つしか武器がない(そのため、参式に搭載されているアイソリッドレーザーとオメガブラスターは未搭載となっている)。しかし、斬艦刀の迫力あるカットインは今でも人気が高い。
- ドリルブーストナックル
- グルンガスト参式同様、ドリル状のスラスターを腕に装着して放つブーストナックル。グルンガスト参式よりも動きが激しい。
- 斬艦刀
- 参式斬艦刀がマシンセルによって変化されたものと思われる。未使用時は日本刀状である参式斬艦刀とは大きく異なり、肩部装甲の一部が剥離して柄の部分になり、さらにマシンセルの刃が伸びることで完成する。刃の形状そのものは参式斬艦刀と同じ(参式斬艦刀同様、日本刀状や曲刀状に出来るかはゲーム中では明らかになっていない)。刀身部分がマシンセルで構成されているため、刀身をエネルギー化することもできる。
- 斬馬刀がモチーフであるがその形状は現実の斬馬刀とは大きく異なり、るろうに剣心に登場した同名の武器が直接のモチーフであると思われる。斬艦は戦艦をも断つという意味であるが斬奸ともかけられ、ゼンガーが「悪を断つ剣」を自称するのはこれに由来するものと考えられる。「艦しか斬れないのか」というツッコミに備えて、「斬機人刀」という名称も考えられていたが、語呂のよさで斬艦刀に落ち着いた。
- なお、この斬艦刀のデザインに衝撃を受けた寺田Pが「こんな刀を振り回す奴なら」ということでゼンガーの口上を考えたらしいので、その意味ではゼンガーのキャラクターを決定づけた武器であると言える。
必殺技
- ドリル・インフェルノ
初出は単行本『鋼の救世主』で、OGsで正式に武装として追加された。
- 斬艦刀・電光石火
OG2のイベントで使用した。(武器としては使用されないが、ダイゼンガーが使う同名の技と同等の技と考えられる)
- 斬艦刀・一文字斬り
α外伝で使用時に「斬艦刀・一文字斬り」(OG2でも使用)や「斬艦刀・稲妻重力落とし(余談だがこの技の元ネタは往年の特撮科学戦隊ダイナマンのダイナロボの必殺技と思われる)」とゼンガーが叫ぶ。攻撃時には咆哮するスレードゲルミルのカットインが入る。
- 斬艦刀・星薙の太刀
ドリル・インフェルノ同様、初出は単行本『鋼の救世主』で、OGsで正式に武装として追加された。刀身をエネルギー化し、さらに巨大な斬艦刀とし、地表もろとも標的を薙ぎ払う。一文字斬り同様咆哮するスレードゲルミルのカットインが入る。
デザイン
スパロボシリーズのアンソロジー作家富士原昌幸によるデザイン。当初から「グルンガスト参式が変貌したもの」という設定があったため、「一見してグルンガストとわからないように、よく見ればグルンガストとわかるように」という注文がつけられた。
デザインの途中で富士原がイナズマの如き天啓を受け、頭部に巨大ドリルを装備するという案が出された。このドリルを使った「ドリル・インフェルノ」という頭突き攻撃も考案され、戦闘アニメまで考えられていたが、没を喰らい、ドリルは外されてしまった。しかし、シルエットはそのままで、ドリルは巨大な角という形に置き換えられた。このドリルの頭突き攻撃は富士原もかなりお気に入りだったようで、単行本『鋼の救世主』では、マジンカイザー相手にスレードゲルミルが頭突き攻撃を行っている。 股間のフロントアーマーにはDCのマークが入っている。
KO世紀ビースト三獣士に登場する神霊王に酷似しているが、繋がりは明らかでは無い。
劇中での活躍
- α外伝
- アースクレイドルに配備されていたグルンガスト参式がアンセスター内乱時に暴走したマシンセルで変化したもの。ルートによっては入手でき、正気に戻ったゼンガーは外見が全然違うにも関わらずこの機体を参式と呼ぶ。
- OG2
- 「向こう側の世界」でシャドウミラーが入手したグルンガスト参式をこちら側の世界でマシンセルを利用して変異させたもの。一人乗りだが、もともと二人乗りだったせいか制御装置が2カ所に付いている。この制御装置を破壊されると、マシンセルによる修復機能が停止する。アースクレイドルでダイゼンガーと死闘を繰り広げる。
ベルゲルミル
ベルゲルミル BERGELMIR | |
---|---|
形式番号 | 不明 |
分類 | 人型 |
所属 | アンセスター |
開発 | アンセスター |
製造 | アンセスター |
生産形態 | マシンナリーチルドレン専用機 |
全高 | 21.3m |
重量 | 50.6t |
装甲材質 | マシンセル |
動力源 | 核融合エンジン |
HMI | ゲイム・システム |
武装 | マシンナリー・ライフル シックス・スレイブ |
乗員人数 | 1人 |
搭乗者 | イーグレット・ウルズ イーグレット・アンサズ イーグレット・スリサズ |
機体概要
マシンセルにより、アースクレイドルに配備されていた量産型ヒュッケバインMk-IIが変化を遂げたもの。
何機か登場するが全てマシンナリーチルドレン専用機で、パイロット毎に色と性能が異なる。ゲイム・システムの搭載機でもあり、身体能力が通常の人間よりも高いマシンナリーチルドレンは、システムの悪影響を受ける事なく、その機能をフル活用している。
名前の由来は、北欧神話に登場する巨人、スレードゲルミルの子「ベルゲルミル」から。
武装
- マシンナリー・ライフル
- 短銃身タイプのライフルで、各部を折り畳んで収納する事が出来る。形状も大きさも異なるが、量産型ヒュッケバインMk-Ⅱの「フォトンライフル」がマシンセルで変化したものと思われる。
- シックス・スレイブ
- 背中に明王の光背を連想させる円環を装備しているのが特徴。この円環に付いた六つの勾玉型のオブジェは「シックス・スレイブ」と呼ばれる遠隔操作型兵器で、恐らくは量産型ヒュッケバインMk-IIの遠隔操作型兵器「チャクラム・シューター」が変化したものと思われる。OGsでは飛ばすときに印を結ぶ。
デザイン
デザインはスパロボシリーズのアンソロジー作家津島直人によるもの。
劇中での活躍
- α外伝
- アンセスター内乱時に暴走したマシンセルにより、アースクレイドルに配備されていた量産型ヒュッケバインMk-IIが変化を遂げたもの。
- OG2
- 連邦から奪取した量産型ヒュッケバインMk-IIをマシンセルで変化させた機体。アースクレイドル戦では、撃墜した敵機がこの機体のなり損ないに変貌していた。
量産型ベルゲルミル
- α外伝……ベルゲルミルの量産型。アースクレイドルに多数配備されているが、すべて自動操縦の無人機。また、公式な機体ではないかも知れないが、漫画「ロストチルドレン」にてシックス・スレイブを装備していない量産型ベルゲルミルが確認されており、イーグレット・イング が奪取して使用している。
- OG2……基本的に外見は変わらない、ベルゲルミル量産タイプ。イーグレット・フェフによって生み出された量産型のマシンナリー・チルドレンが搭乗する。が、作中では活躍する事もなくメイガスと共に機能を停止する。また、アギラがこれに乗り込んで脱出を図るもオウカに阻止され、ラピエサージュの自爆に巻き込まれて破壊された。