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日野・リエッセ

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日野・リエッセ


PB-RX6JFAA 東急バス
(路線仕様・前中扉 車椅子リフト付)

リエッセ (Liesse) とは、ジェイ・バスが製造し、日野自動車へ供給されているマイクロバス。リエッセとは、英語のリムジン (LIMOUSINE) とフランス語のコンテッセ(COMTESSE=伯爵夫人)を合わせた造語。
また、いすゞ自動車にジャーニーJ (Journey J) としてOEM供給されていたが、2004年8月のモデルチェンジ以降は日野・いすゞの統合モデルとなり、ジェイ・バスから両社へ供給される形に変更された。
尚、本稿では、OEM車のいすゞ・ジャーニーJ及びトヨタ・コースターRについて述べる。

シリーズの概要

1995年8月デビュー。マイクロバスでは唯一のRR方式車で、定員確保やワンマン機器取り付けなどで有利なため、コミュニティバスによく使われるようになった。

なお、かつてはトヨタ自動車コースターR (Coaster R) としてOEM供給されていたが、2004年8月に中止された。

この、リエッセ、いすゞ向けの統合車種であるジャーニーJ、トヨタ向けのOEM車種であるコースターR(現在は発売中止)は、マイクロバスには珍しく空気油圧複合式ブレーキ(いわゆるA.O.Hブレーキ)を採用している(その他のマイクロバスは油圧ブレーキ)。

また、ライバル車種同様、AT仕様もラインナップされているが、3速ATしかない為、5速MTを選ぶ場合もある(また同様の理由で他車種を選ぶ場合もある)。ストップ&ゴーの多い一般道ではさほど問題にならない(変速ショックは大きい)が、高速道路を走行する場合ギア比の問題で騒音が気になる(3速が直結ギア)。

2006年にリエッセをベースに路線バス向けの2代目ポンチョが登場したが、ステップリフト付きのリエッセは車両本体価格が500万円も安い(ポンチョ:1,541万円、リエッセ:1,047万円)ため、ポンチョと並行してラインアップされている。

なおコミュニティバスで見られるCNG車はメーカー純正およびオプションではなく、フラットフィールドおよび協同が改造を担当している。

また、高速バスでも採用例がある(中国バスフライングフィッシュ号オーシャンライナー等)。

レインボーRB・AB系

レインボーRB


U-RB1WEAA 南部バス

1985年に登場した2m幅の小型車で、上記AC系よりも小さいモデルである。RB系はシリーズ名からもわかる通り、クラス初のリヤエンジン車である。AB系は他社のマイクロバス同様のフロントエンジン車である。外観はどちらもハイルーフ・ロングボディ仕様に相当するもので、共通のものとなっていた。RBはリヤエンジンであることが買われ、のちに中扉専用から前扉化された。自家用やレンタカー用が多いが、RB系は路線用としても多くが販売された。3速オートマチックや速度感応式パワーステアリングの装備が追加されたのも特徴的であった。AB系はリフト付きや幼児仕様なども製造された。1995年のモデルチェンジまで製造された。

  • 1985年に登場したRB系は、リヤエンジンを採用したのが特徴である。エンジンはP-RB115AA型がW04D型(直4無過給、115ps)、P-RB145AA型がW04CT型(直4ターボ付、145ps)となった。クラス唯一のリヤエンジンという独特のジャンルを確立した。
  • 同時に発売された、AB系はエンジンがフロントにあるほかは、RBと変わらないデザインである。P-AB115AA型の1機種で、エンジンはW04D型が搭載される。
  • 1990年2月に平成元年排出ガス規制適合。RB系はU-RB1WGAA型のエンジンをW04C-T型(直4ターボ付き、140ps)、U-RB2WGAAのエンジンはW04D型(直4無過給、120ps)とした。AB系はエンジンはW04D型(直4無過給、120ps)として、U-AB2WGAAとした。フロント・リヤデザインをマイナーチェンジしたほか細部が改良されている。
  • 1992年にRB系はホイールベースを変更して、前扉仕様を追加した。前扉仕様は路線バス用としてもふさわしく、前後2ドア仕様も登場し、コミュニティバスやローカル路線などの小規模需要にも応えることとなった。特装用胴殻車も設定される。エンジンは前扉仕様(型式U-RB1WEAA)が、W04C-TI型(直4ターボインタークーラー付き、165ps)もしくはW04C-T型(直4ターボ付き、140ps)でグレードによって搭載される。また、中扉仕様も継続され、エンジンはW04D型(直4無過給、120ps)が搭載される。
    • トルクコンバーター式3速オートマチック車(トランスミッションはエクセディ製PATM)が1993年に追加された。ターボインタークーラー付きの機種に設定される。また、前扉仕様は車速感応式パワーステアリングも標準装備となった。
    • AB系はフロントエンジンを生かして、後部にリフトを装備できた。宮園自動車向けなどには、後部オーバーハングを延長して収容力を向上させたタイプも販売されている。
  • 1995年の平成6年排出ガス規制に伴うフルモデルチェンジにより、RB系はRX系とシリーズ名を改め、名称もリエッセに改められた。また、AB系は製造中止となりラインナップから消えるが、1996年にトヨタ自動車からのOEM供給によるリエッセIIを発売し、このクラスをカバーするようになった。

リエッセRX

KC-RX4JFAA

KK-RX4JFEA

PB-RX6JFAA

BDG-RX6JFBA

2007年6月5日、マイナーチェンジを行い平成17年排出ガス規制に適合、国土交通省「低排出ガス重量車」(平成17年基準NOx/PM10%低減)に認定された。形式はBDG-RX6JFBAとなった。J05D型エンジン(132kW<180PS>)を搭載する。

リエッセII

リエッセを日野の親会社であるトヨタへコースターRとしてOEM供給しているのに対し、その見返り的にトヨタからコースターをOEM供給して日野ブランドで販売している小型バス。レインボーAB系の後継車で、基本的にはコースターと同じである。

  • 観光用
  • 自家用

トヨタ・コースターR

コースターをリエッセIIとして日野にOEM供給したのと引き換えに、リエッセをトヨタに「コースターR」という名前でOEM供給。1996年6月発売開始。形式はKC-RX4JFAT。ラインナップは路線仕様がない以外、リエッセと同一。1999年に平成10年排出ガス規制をクリア、形式はKK-RX4JFETとなる。なお、リエッセはいすゞへ「ジャーニーJ」の名前で供給するためか、平成15年排出ガス規制をクリアすることなく、2004年8月に販売を中止した。

いすゞ・ジャーニーJ

関連商品

関連項目

外部リンク