リムペットマイン
リムペットマイン (limpet mine) は軍事的目的で艦船などに対する破壊工作に用いられる水中爆破物のうち、船底に磁力で吸着させ､時限及びコマンド信号により爆発させるタイプのものをいう。いわゆる「くっつき爆弾」のことであり、工作員を港湾に潜入させて、艦艇に破壊工作をかけるときに用いられる。使用目的は機雷に類似するが、機雷のカテゴリーには含めない。
英語で limpet はカサガイ類を意味し、mine は元来は鉱山の採掘坑を、転じて要塞への爆破工作のために掘られた地下坑道を経て、機雷や水雷、地雷など軍事上の爆破工作に用いられる装置をも指すようになった語である。カサガイ類と同様に対象物にぴったりと吸着して仕掛けられる爆破装置であることからこの名がついた。
一般に人員で運搬できる程度のサイズで、爆発の威力もそれほど大きくはない。実際の運用では目標艦艇の重要部分であるソナー及び推進装置、舵、スラスター、注排水口付近に仕掛けられる事が多い。
リムペットマインの多くは船底から引き剥がそうとすると自爆する機構を備える。そのため工作員に仕掛けられたものを発見した後、無効化するには、内部構造を精査したうえで高爆速の爆薬を使用して信管もしくは電池を破壊する必要がある。