不動禅少林寺流拳法
不動禅少林寺流拳法(ふどうぜんしょうりんじりゅうけんぽう)は、日本の武道、武術の一つ。正式には日本古伝正法不動禅少林寺流拳法と言う。
嵩山少林寺より達磨伝少林拳の流れを汲むといわれる。ただし現在の中国少林拳の動きとは大きくかけ離れており、技法的にはほとんど空手ではないかとの指摘も多い。また、宗道臣が創始した金剛禅少林寺拳法とは名称こそ似ているが、まったく別系統の武術である。
同流派の技法が沿革にあるような700年前の中国少林拳の技法を正確に継承しているのであれば歴史的にも極めて重要な意味を持つ(日本最古の歴史を持つという竹内流柔術でさえ500年前の歴史しか確認できていない)ため、正確な歴史的考証、中国少林拳との比較した技術的な考証が待たれる。
沿革
始祖は福井県の曹洞宗総本山永平寺の禅僧大智禅師。彼は1312年中国へと渡り嵩山少林寺にて十数年修行を積んだ後帰国、九州の肥後国(現在の熊本県)において菊池氏の庇護の下、禅とともに少林武術を広めた。以降は達磨伝少林寺拳法として伝承された。ただし演武会等においては、拳法不動流とか称した時期もあり、名称は一定ではなかった。その後1941年に、第31代西雲天光より第32代霊雲臥龍(種川臥龍)に引き継がれる際に名称を不動禅少林寺拳法と変更する。
この名称について、金剛禅少林寺拳法側から不正競争防止法に基づいた訴えを起こされ、1985年最高裁で金剛禅側の請求が棄却されるが、双方和解のうえ名称に流を挟むようになった。
霊雲臥龍の死後、33代目は堀後康龍が継承したがなぜか弟子は離散し、それぞれ複数の流派が乱立する様相を呈している。この流派から別派した著名なものとしては、奥旨塾-太道(おうしじゅく-たいどう)などがある。
特徴
紋章は「卍に丸、四剣八辯」である。その意味は、
- 卍:父母より授かりし智慧を磨き、慈悲の心を知りて、徳生(道徳心)を育て、円満の心を養う。
- 剣:降魔利剣。人を切るに非ず、自を害し他を害し自他を害なう思いになり、苦しみ悩み味わなければならね元となる三毒即ち、貪欲、瞋恚、愚痴を切り棄てよとの教えを表す。
- 丸:丸は円満を表し、そのためには八正道を踏まなければならない。
- 八辯:三毒より生じた身、口、意の諸々の苦しみに永遠に果てることのない悩み、煩悩から抜け出す八正道を示すもの。
不動禅少林寺流拳法の33代目は、34回・35回全国大会にてテレビでも公開されたように堀後康龍会長が33代を継承している。
流れを汲む流派
不動禅少林寺流拳法から派生した流派としては次のものがある。
不動禅少林寺流拳法(高槻市 格闘技)== くのいちTOOL ==
「少林寺の秘話」全日本少林寺気功協会 大智禅師について