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ジンクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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ジンクス英語:jinx)とは、縁起の悪い言い伝え。様々な物があり、生活に密着した教訓習慣法則の一つ。科学的根拠や因果関係がはっきりしていない事象を指すことが多いが、近世になってから裏付けがとれたものもあり、全てが迷信とは言いきれるわけではない。

語源は不鮮明だが、ギリシア語のjynx(アリスイキツツキの一種)に起因するという説がある。アリスイは、自らの首を180度回転させ真後ろを向けられるため、不吉とされてきた背景があり、しばしば魔法占いに用いられた。

なお、本来の語義は「縁起が悪い」、「運が悪い」などネガティブなものであるが、近年では和製英語として使用されていくうちにポジティブな内容に使われる例(いわゆるジンクス。縁起担ぎなど)も生まれている。

日本のジンクス

  • 災難
    • 二度有ることは三度ある。
  • 方違え
    • 外出先の方角が悪い時は一旦吉の方向にでかけて、目的先の方角の吉凶が変わるのを待つという習慣。
  • 忌み番
    • 4は「」、9は「」に通じることから、縁起が悪いとしてホテルや病院の部屋番号や階層、鉄道車両の番号等で使用を避けることがある(「3」も「惨」に通じることから、使用を控えた会社があった)。自動車のナンバープレートでは、末尾「42」と「49」を飛ばして付番されている。日本プロ野球でもこれらの番号はよく思われないことが多かったため、助っ人外国人選手(42が顕著)に当てられることが多い。ただ42はメジャー史上最初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンの背番号と同じ番号のため、黒人選手にはむしろ好まれる番号でもある。キリスト教圏では、イエス・キリスト最後の晩餐に出席した人数が13人であったことから「13」を不吉な番号として、また「666」を悪魔の番号であるとして使用を控えることがある(アメリカでは、13はむしろ縁起の良い数字として捉えられている)。

生活

  • 霊柩車を見るとギャンブルに勝てる。
  • 富士なすび初夢の縁起担ぎ)
  • 虫の知らせ - 下駄の鼻緒が切れる、湯呑みや飯椀が自然に割れる・写真立てが自然に倒れるなどの事態が起こると不幸が訪れる。
  • 料理店のサイン色紙や佐川急便の飛脚マーク(現在は変更されている)に触ると、良い事が起こる。
  • じゃんけんをするとき、「じゃんけんぽん」などと自分が音頭を取ると勝つ(漫画『あたしンち』より引用)。
  • 黄色いサイコロや蛇の抜け殻を財布の中に入れる、また黄色い財布にするとお金が貯まりやすくなる。
  • 黒猫が前を横切ると不幸な事が起こる。
  • 軒の下にスズメバチの巣がある家は金持ちになる。また、大きな巣を玄関に飾ると金持ちになる。
  • 三代目が家を潰す。特に商家や一族経営の会社に対して。

天候

(農民、漁民などから生まれたジンクス。観天望気に基づく確率の高いものもある)

  • 七夕は曇り。
  • 体育の日文化の日は晴れ(晴天の特異日の一つだが、体育の日のジンクスはハッピーマンデー法の登場とともに破れた)
  • 干潮から満潮に向かう時間帯はが降りやすい。
  • が顔を洗うと雨が降る(顔程度では降らないが、耳まで洗うと降るという人もいる)
  • 朝焼けは雨の予兆。夕焼けは晴れの予兆(ただし西の晴天は東へ移るという根拠がある)。
  • ツバメが低く飛ぶと、雨が降る(これも曇天の時は上昇気流が起こらないので、餌になる虫が低空を飛ぶという裏付けがある)
  • カラスが高い木のてっぺん付近に巣を作るとその年洪水が起きる。
  • 西暦で1の位が3の年は冷夏になることが多い(1783年天明の大飢饉1993年米騒動等)。
  • 石原裕次郎の命日である7月17日は雨となることが多い(通称「裕次郎雨」)。

スポーツ

  • スポーツ全般で、「明日も勝つ」や「優勝」など勝利を匂わせる発言をすると実現しないことが多い。また、逆に連敗を重ねてしまうこともしばしばある。
    • 新庄剛志(当時阪神)の「明日も勝つ!」→3回すべて次試合敗北、このうち1回は12連敗。ただし、日本ハム移籍後に破っている。
    • 福田正博浦和)の「負けないよ!」→公式戦12連敗、13戦勝ちなし。ナビスコ杯も決勝で敗れ、13試合でたったの3ゴール)。
  • 大相撲で、弓取りを務める力士は出世しない。初切(しょっきり)を務める力士は大成できない。土俵入りで不知火型を選んだ横綱は短命に終わる。
  • 2年目のジンクス(1年目に活躍した選手は2年目に活躍できないというもの。ただし、当てはまらない例も多数存在し、言い伝えというよりは「2年目のジンクスを吹き飛ばせ」といった感じに2年目も活躍できるよう奮起を促す意味で使われることが多い。他のチームが対策を練ってくるからという説がある)
  • 弁当の呪い(各種スポーツ、特に野球やサッカーなどでチームや選手の応援・記念弁当を販売するとその後、故障や成績不振などよからぬ事態が発生する。千葉ロッテマリーンズの事例は特に有名)
  • スタジアムを移転した1年目は成績が悪くなる(急に不慣れな環境に移るので当たり前といえば当たり前)。
  • 女性社長のプロスポーツクラブは経営難に陥り、身売りまたは消滅となる(過去の例としてサガン鳥栖福岡レッドファルコンズがある)。
  • オリンピックでメダルなしに終わると日本経済が傾く(例: インスブルック五輪の3年後、第二次オイルショックに襲われた)。

野球

  • 交代した選手のところに球が飛ぶ。いわゆる「代わった所に打球が飛ぶ」。
  • ピンチの後にチャンスあり(チャンスを得点につなげられなかった相手チームの失意やプレッシャーが守備(自分たちの攻撃時)のミスを生むからとも)。似たようなものに、膠着状態にあった試合が、点が入った後動き出す。
  • 大量得点で勝った次の試合は大量失点で負ける。
  • 中日ドラゴンズの優勝した年、またはその翌年は重大事件や政変(首相交代)などがおこる。
  • 読売ジャイアンツが優勝した年、またはその翌年は景気が悪くなることが多い。
  • 西武ライオンズは"XXX9年"に優勝できない。
    • 読売ジャイアンツも1994年に優勝するまでは、「"XXX4年"に優勝できない」というジンクスがあった。
  • 広島東洋カープは鯉のぼりの季節である5月を過ぎると失速する。

サッカー

競馬

  • 中央競馬日本ダービーを勝った馬が京都新聞杯を勝つと菊花賞に勝てない。92年のミホノブルボン、93年のウイニングチケット、98年のスペシャルウィーク、99年のアドマイヤベガなどがあてはまる。
    • なお、日本ダービーで勝っていない馬が京都新聞杯を勝った場合及び日本ダービーで勝った馬が京都新聞杯で負けた場合はあてはまらない。
    • また、現在は京都新聞杯の日程が変更されたため、このジンクスは破られないままとなった。
  • このほか、フルゲートが28頭であった時代の日本ダービーでは、『8枠の馬は勝てない』というある意味で至極真っ当なジンクスが存在した。
  • 中央競馬で「メジロ」の馬は日本ダービーを勝てない(2着や3着はよくあるのだが、なぜか勝った馬は1頭もいない)。
  • 中央競馬で"XXX7年"のクラシック戦線の牡馬たちは不幸の世代になる(マルゼンスキーの存在の前に牡馬クラシック競走は存在そのものが霞んでしまった1977年、多くの馬が競馬場内外での事故により若くしてこの世を去ってしまった1987年、骨折と屈腱炎に見舞われた二冠馬、菊花賞を最後にその後一度も勝てなかった菊花賞馬のいる1997年、牝馬に日本ダービー制覇を許した2007年など)。
  • 南関東公営競馬的場文男騎手が3歳クラシック戦線の為に選んだ馬、東京ダービーで騎乗した馬は、前評判がどんなに高くても東京ダービーに勝てない。
    • 的場の側から見た場合、既に大井の七不思議の一つに数えられている。的場は東京ダービーは過去に17回挑戦し、2着が8回あるものの未勝利。その他、羽田盃を圧勝したお手馬が骨折などで出走すらできなかったケースもある。
  • デビュー戦を小倉競馬場で迎えた馬は日本ダービーを勝てない。

芸能

乗り物

  • 特定の名を持った船は不運を背負う。日露戦争第一次世界大戦おいて初代と二代目が撃沈された常陸丸駆逐艦では「蕨」の字(「蕨」と「早蕨」の2隻とも事故沈没)、潜水艦では三およびその倍数(第六潜水艇から伊号第三三潜水艦まで大事故・沈没事例多数)、「紫雲丸」(紫雲丸事故以下5度の大事故を起こしている、改名後は無事故)など。
  • 同型の三姉妹船の二番目は不運を背負う。タイタニックが典型例だが、日本でも初の本格的純日本製客船である天洋丸形の二番船地洋丸が座礁で夭折している。
  • ブランド魔法騎士レイアースのキャラクター名として使われた乗用車のほとんどは、ここ10年以内でカタログ落ちしている。
  • 形式・番号の1の位が4の鉄道車両は不運を背負うことが多い。たとえば形式名が54の国鉄の機関車、(例:C54形DD54形など)は使い勝手に問題が生じ短命に終わったり、車番1の位が4の車両が事故廃車となるケースが多い(例:富士急行モハ3104国鉄201系電車クハ・モハ201, 200の各4信楽高原鐵道204など)このため、特に地方の鉄道事業者では4を忌み番として欠番とすることも多い。
  • 関西地区と日豊本線沿線を結ぶ夜行高速バスは短期間で廃止となる(かつては大阪~大分間(エメラルド号・ゆのくに号)、大阪~延岡間(ひえつき号)、大阪~宮崎間(あおしま号)がそれぞれ運行されていたが現在はすべて廃止されている)。
    • そもそも日豊本線沿いには高速道路が走っていないので大分や宮崎に行くためにはわざわざ九州横断をしなくてはいけないことや、利便性やサービスの良さでフェリーが優位に立っているという事情がある。
  • 交通関連で「アルカディア」という愛称はアクシデントに遭遇する。
    • 東急田園都市線で1982年に運行された臨時列車「アルカディア1号」は当初8月3日運行予定であったが諸事情で翌日に運転日が順延された。
    • ジョイフルトレイン「サロンエクスプレス アルカディア」は火災事故を起こした。
    • 大阪~山形間の夜行高速バス「アルカディア号」は運行開始間もない頃に追突事故に遭遇した。
  • トヨタ自動車逆輸入車はヒットしない。(例 キャバリエヴォルツプロナードなど)
  • 本田技研工業の販売する自動車で二代目オデッセイステップワゴン等初代が大ヒットした自動車の二代目モデルは売れない(初代のヒットさ故に次期モデルで設計やデザインが保守的になってしまうのが原因と考えられる)。しかし2007年に発売された2代目フィットの売れ行きは好調であり、事実上このジンクスを打ち破っている。
  • 三菱自動車が販売するスポーツセダンランサーエボリューションシリーズの偶数代目モデルは構造上問題を抱えることが多い。
    • 具体的に挙げるとエボⅡはブレーキ性能の低さとタイヤの容量不足、エボⅣはアクティブ・ヨー・コントロールの異音トラブル、エボⅥは足回りの問題、エボⅧは前面デザインの通称「ブーレイ顔」に起因するエンジン冷却性の低さと何かと問題が多い。
  • 日本ではミドルクラスのハッチバック型乗用車(いわゆる「5ドアセダン」)は売れない。(3代目三菱・ランサー、4代目三菱・エテルナなど)

その他


外国のジンクス

芸能

スポーツ

関連項目