村上龍
村上 龍 | |
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![]() 村上龍、2005年6月3日 | |
生誕 |
1952年2月19日(72歳)![]() |
職業 | 小説家、映画監督 |
文学 |
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ポータル |
各国の文学 記事総覧 出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
村上 龍(むらかみ りゅう、1952年2月19日 - )は、日本の小説家、映画監督。長崎県佐世保市出身。武蔵野美術大学在学中の1976年、麻薬とセックスに溺れる若者たちを描いた『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞。アメリカ文化の影響を強く受けた作家として村上春樹とともに時代を代表する作家と目される。主要作品に『コインロッカー・ベイビーズ』『愛と幻想のファシズム』『五分後の世界』『希望の国のエクソダス』『半島を出よ』など。また自身の小説を元に映画製作も行なう。1999年より日本の経済問題を考えるメールマガジン『JMM』を主宰、以後社会問題に対し積極的に関わっている。
本名は「龍之介」だが、芥川龍之介と同じ名前では恐れ多いという理由から筆名を用いた。
来歴
1952年2月19日、長崎県佐世保市に生まれる。父は美術教師、母は数学教師であった。佐世保市立御船小学校、佐世保市立光海中学校を経て、1967年長崎県立佐世保北高等学校に入学。翌年、佐世保港にアメリカの原子力空母エンタープライズが入港、この際の反代々木系全学連の入港阻止運動に感動する。高校在学中はロックバンドを結成しドラムを担当、その後解散し新聞部へ移る。3年生の夏、高校の屋上を仲間とともにバリケード封鎖し無期謹慎処分となる。3ヶ月に及ぶ謹慎期間中、ヒッピー文化に出会い大きな影響を受けた。1970年佐世保北高を卒業、前後して再びロックバンドを結成し、文化会館を借りてロック・フェスティバルを行なった他、8ミリ映画の制作や劇団を作って活動するなどした。この年の春に上京し、現代思潮社の主宰する美学校のシルクスクリーン科に入学するも、半年で退学、同年10月から1972年2月まで、米軍横田基地に近い福生市に住んだ。1972年、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン科入学。このころより福生での体験をもとに小説を書き始める。
1976年、基地の町で麻薬と乱交に明け暮れる若者の姿を描いた『限りなく透明に近いブルー』で第19回群像新人文学賞を受賞、同年第75回芥川賞を受賞し衝撃的なデビューを飾る。芥川賞選考会では評価が真っ二つに分かれ、文壇でも奥野健男が評価する一方江藤淳が批判するなど議論を呼んだ。同年、エレクトーン奏者の女性と結婚。翌年大学を中退し本格的な作家活動に入る。1980年、コインロッカーに遺棄された孤児の破壊衝動を描いた『コインロッカー・ベイビーズ』で第3回野間文芸新人賞受賞。以降、自伝的作品である『69 sixty nine』、日本を弱肉強食型の社会に変革しようともくろむ秘密結社「狩猟社」の闘いを描いた『愛と幻想のファシズム』(ともに1987年)、SM嬢を過激な性表現で描いて話題となった連作『トパーズ』(1988年)などを次々に発表、小説執筆の傍ら自作の映画化に取り組むなど精力的な活動を行なう。パラレル・ワールドの日本を描いた『五分後の世界』(1994年)などを経て、1996年、『69』の続編である『村上龍映画小説集』で平林たい子文学賞受賞。同年、女子高生の援助交際を描いた『ラブ&ポップ』を発表、アニメーション監督の庵野秀明が実写映画化したことで話題となる。1998年、サイコホラー風の作品『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞受賞。
1999年より、金融・経済を中心に論議する場としてメールマガジン『JMM』を主宰し編集長を務める。同年、バブル景気の対応を批判した絵本『あの金で何が買えたか』を発表。以降、経済、社会問題に対する議論に積極的に関わるようになる。2000年、引きこもりの青年が戦争に魅了されていく様を描いた『共生虫』を発表、第31回谷崎潤一郎賞受賞。同年発表した『希望の国のエクソダス』では、日本社会に希望を失った中学生たちがインターネットを通じて新たな社会システムを作り挙げていく様を描き、大きな話題となった。2004年、中学生へ向けて働くことへの興味を促す目的で『13歳のハローワーク』を発表。2005年には綿密な取材を元に日本と朝鮮との関係を描いた『半島を出よ』を発表、第58回野間文芸賞、第59回毎日出版文化賞を受賞した。
著作
長編小説
- 限りなく透明に近いブルー(1976年、講談社)
- 海の向こうで戦争が始まる(1977年、講談社)
- コインロッカー・ベイビーズ(1980年、講談社)
- だいじょうぶマイ・フレンド(1983年、集英社)
- 悲しき熱帯(1984年、角川書店。1988年に『Summer in the city』に改題)
- テニスボーイの憂鬱(1985年、集英社)
- 69 sixty nine(1987年、集英社)
- 愛と幻想のファシズム(1987年、講談社)
- ラッフルズホテル(1989年、集英社)
- コックサッカーブルース(1991年、小学館)
- 超伝導ナイトクラブ(1991年、講談社)
- イビサ(1992年、角川書店)
- 長崎オランダ村(1992年、講談社)
- エクスタシー(1993年、集英社)
- フィジーの小人(1993年、角川書店)
- 368Y Par4 第2打(1993年、講談社)
- 音楽の海岸(1993年、角川書店)
- 昭和歌謡大全集(1994年、集英社)
- 五分後の世界(1994年、幻冬舎)
- ピアッシング(1994年、幻冬舎)
- KYOKO(1995年、集英社)
- ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界Ⅱ(1996年、幻冬舎)
- メランコリア(1996年、集英社)
- ラブ&ポップ トパーズⅡ(1996年、幻冬舎)
- はじめての夜 二度目の夜 最後の夜(1996年、集英社)
- オーディション(1997年、ぶんか社)
- ストレンジ・デイズ(1997年、講談社)
- イン ザ・ミソスープ(1997年、読売新聞社)
- ライン(1998年、幻冬舎)
- 共生虫(2000年、講談社)
- 希望の国のエクソダス(2000年、文芸春秋)
- タナトス(2001年、集英社)
- THE MASK CLUB(2001年、メディアファクトリー)
- 最後の家族(2001年、幻冬舎)
- 悪魔のパス天使のゴール(2001年、幻冬舎)
- 2days 4girls 2日間で4人の女とセックスする方法(2002年、幻冬舎)
- 半島を出よ(2005年、幻冬舎)
短編集・連作集
- POST ポップアートのある部屋(1986年、講談社)
- 走れ!タカハシ(1986年、講談社)
- ニューヨーク・シティ・マラソン(1986年、講談社)
- トパーズ(1988年、角川書店)
- 村上龍料理小説集(1988年、集英社)
- 恋はいつも未知なもの(1991年、朝日新聞社)
- 村上龍映画小説集(1995年、講談社)
- モニカ-音楽家の夢・小説家の物語(1996年、新潮社)坂本龍一との共著
- 白鳥(1997年、幻冬舎)
- ワイン一杯だけの真実(1998年、幻冬舎)
- とおくはなれてそばにいて(2003年、KKベストセラーズ)短篇選集
- どこにでもある場所どこにもいないわたし(2003年、文芸春秋)
エッセイ・評論集
- アメリカン★ドリーム(1985年、講談社)
- すべての男は消耗品である。Vol.1-Vol.8(1987年-2005年、KKベストセラーズ)
- テニスボーイ・アラウンド・ザ・ワールド(1987年、講談社)
- ビッグ・イベント(1989年、講談社)
- 龍言飛語(1992年、集英社)
- 「普通の女の子」として存在したくないあなたへ。(1993年、マガジンハウス)
- あなたがいなくなった後の東京物語(1996年、角川書店)
- 寂しい国の殺人(1998年、シングルカット社)
- フィジカル・インテンシティ 1-5(1998年-2002年、光文社)
- 寂しい国から遥かなるワールドサッカーへ(1999年、ビクターエンターテインメント・ビクターブックス)
- 誰にでもできる恋愛(2000年、青春出版)
- ダメな女(2001年、光文社)
- だまされないために、わたしは経済を学んだ 村上龍weekly report(2002年、日本放送出版協会)
- 恋愛の格差(2002年、青春出版社)
- マクロ・日本経済からミクロ・あなた自身へ 村上龍weekly report』2002年、日本放送出版協会)
- 自殺よりはSEX 村上龍の恋愛・女性論(2003年、KKベストセラーズ)エッセイ選
- わたしは甘えているのでしょうか?27歳・OL(2006年、青春出版社)
- 村上龍文学的エッセイ集(2006年、シングルカット社)
対談・インタビュー・書簡集
- 中上健次vs村上龍 俺たちの船は、動かぬ霧の中を、纜を解いて(1977年、角川書店)中上健次との共著
- ウォーク・ドント・ラン(1981年、講談社)村上春樹との共著
- EV.Cafe 超進化論(1985年、講談社)坂本龍一との共著
- Ryu's Bar 気ままにいい夜(1988年、講談社)同名TV番組での対談集、著:村上龍&Ryu's Barスタッフ
- 世界をボクらの遊び場(1991年)講談社
- 友よ、また逢おう(1992年、角川書店)往復書簡、坂本龍一との共著
- 村上龍+椹木野衣 最新対論 神は細部に宿る(1994年、新浪漫社)椹木野衣との共著
- 「超能力」から「能力」へ 宇宙的な未知の力を、身近なソフトウェアに,(1995年、講談社)山岸隆との共著
- RYU'S倶楽部-「仲間」ではなく友人として(1997年、毎日新聞社)
- 『夢見るころを過ぎれば 村上龍vs.女子高生51人』(インタビュー集), メディアファクトリー, 1998年6月.
- 憂鬱な希望としてのインターネット(1998年、メディアファクトリー)インタビュー)
- 村上龍対談集 存在の耐えがたきサルサ(1999年、文芸春秋)
- 最前線 THE FRONT LINE(1999年、ラインブックス)
- 世のため、人のため、そしてもちろん自分のため Rie & Ryu,e‐mails(2000年、日本放送協会)電子メールによる往復書簡、[藤木りえ]]との共著
- 「教育の崩壊」という嘘(2001年、日本放送出版協会)
- 対立と自立 構造改革が生み出すもの(2001年、日本放送出版協会)
- 収縮する世界、閉塞する日本 Post September eleventh(2001年、日本放送出版協会)
- 円安+インフレ=夜明けor悪夢?(2002年、日本放送出版協会)
- 文体とパスの精度(2002年、集英社)電子メールによる往復書簡、中田英寿との共著
- 会社人間の死と再生 ダメな会社と心中しないための戦略とは?(2003年、扶桑社)
- 啓蒙的なアナウンスメント(2巻)(2003年、日本放送出版協会)文庫版刊行時に『空港にて』に改題
- 人生における成功者の定義と条件(2004年、NHK出版)
- 「個」を見つめるダイアローグ(2006年、ダイヤモンド社)
絵本
- 絵本 だいじょうぶマイ・フレンド(1983年、集英社)絵:吉田カツ
- 友達のラ リ ル レ ロ(1989年、角川書店)絵:安井須磨子
- すてきなジェニファー(1996年、新書館)絵:山本容子
- あの金で何が買えたか バブル・ファンタジー(1999年、小学館)絵:はまのゆか
- ストレイト・ストーリー(2000年、集英社)絵:はまのゆか
- 同名映画(監督:デイヴィッド・リンチ)の絵本化
- おじいさんは山へ金儲けに 時として、投資は希望を生む(2001年、日本放送出版協会)絵:はまのゆか
- 13歳のハローワーク(2003年、幻冬舎)絵:はまのゆか
- ポストマン(2003年、NHK出版)絵:はまのゆか
- シールド(盾)(2006年、幻冬舎)絵:はまのゆか
CDブック
- シボネイ-遥かなるキューバ(1991年、主婦の友社)
- 或る恋の物語 エキゾチズム120%(1996年、ソニー・ミュージックエンタテインメント)
- Se fue彼女は行ってしまった ロマンチシズム120%(1996年、ソニー・ミュージックエンタテインメント)
- わたしのすべてを エロチシズム120%(1996年、ソニー・ミュージックエンタテインメント)
映画シナリオ
- 真昼の映像・真夜中の言葉(1979年、講談社)
- メイキング オブ だいじょうぶマイ・フレンド,(1983年、CBSソニー出版)
- シナリオ ラッフルズホテル(1989年、集英社)野沢尚との共著
- トパーズの誘惑(1992年、角川書店)
- KYOKOの軌跡 神が試した映画(1996年、幻冬舎)
JMM関連
- JMM Vol.1 - Vol.13(1999年 - 2001年、NHK出版)メールマガジン集
- 村上龍 失われた10年を問う(JMM extra issue)(2000年、NHK出版)
著作集
- 村上龍全エッセイ(全3巻)(1991年、講談社)
- 村上龍自選小説集(全8巻)(1998年-2000年、集英社)
アンソロジーなど
- ビートルズってなんだ?―53人の"マイ・ビートルズ"(1984年、講談社)エッセイ・アンソロジー
- 十七粒の媚薬(1989年、マガジンハウス)「クリーム色」収録
- 贅沢な恋愛(1990年、角川書店)「ムーン・リバー」収録
- 贅沢な失恋(1993年、角川書店)「マナハウス」収録
- 贅沢な恋人たち(1994年、幻冬舎)「白鳥」収録
その他
- American road show(1986年、東宝出版事業室)
- 快楽のテニス講座(テニス解説書)(1988年、講談社)
- セビロとルージュと秘密の手紙(1992年、角川書店)短篇+ポストカード
- 新世界のビート 快楽のキューバ音楽ガイド(1993年、新潮社)キューバ音楽ガイド
- 世紀末を一人歩きするために(1995年、講談社)自作小説・エッセイからの引用集
- バイオテック・レイヤード(1998年、ピー・エヌ・エヌ)CG画集
- 共生虫ドットコム(2000年、講談社)Webサイトの活動記録など、著:村上龍、Kyoseichu.com制作班
- 「希望の国のエクソダス」取材ノート(2000年、文芸春秋)
- eメールの達人になる(2001年、集英社)新書
- 日本経済に関する7年間の疑問(2006年、日本放送出版協会)新書、JMMのリポートを再編集
- 美しい時間(2006年、KKベストセラーズ)小説。村上龍『冬の花火』と小池真理子『時の銀河』の2冊から成る。
作品の映像化、舞台化など
映画
- 限りなく透明に近いブルー(1979年、監督・脚本:村上龍)
- だいじょうぶマイ・フレンド(1983年、監督・脚本:村上龍)
- ラッフルズホテル(1989年、監督:村上龍、原案:奥山和由、脚本:野沢尚)
- トパーズ(1992年、監督・脚本:村上龍)
- KYOKO(1996年、監督・脚本:村上龍)
- ラブ&ポップ(1998年、監督:庵野秀明、脚本:薩川昭夫)
- オーディション(2000年、監督:三池崇史、脚本:天願大介)
- 走れ!イチロー(2001年、原作『走れ! タカハシ』、監督:大森一樹、脚本:丸山昇一・大森一樹)
- 昭和歌謡大全集(2002年、監督:篠原哲雄、脚本:大森寿美男)
- [2004年]] - 69 sixty nine(2004年、監督:李相日、脚本:宮藤官九郎)
※『半島を出よ』が韓国で、『コインロッカー・ベイビーズ』がアメリカにおいて映画化の予定
テレビドラマ
- 最後の家族(2001年、脚本:村上龍)
ラジオドラマ
- コインロッカー・ベイビーズ(1981年、演出:村上龍)
- ハワイアン・ラプソディ(1984年)
舞台
ゲーム
- PS2「五分後の世界」(2001年、原作:村上龍 株式会社メディアファクトリー)
出演番組
- 1978年4月 - ルポルタージュにっぽん「ボブ・ディランがやって来た」 NHK
- 1987年10月~1991年3月 - Ryu's Bar 気ままにいい夜 TBS/毎日放送
- 2000年5月 - NHKスペシャル インターネット・エッセイ 村上龍 '失われた10年'を問う NHK
- 2001年1月 - Ryu's Barスペシャル21 TBS/毎日放送
- 2004年1月 - NHKスペシャル 日本再生 ひとりからの出発 ?村上龍とリーダーたちの対話? NHK
- 2006年4月 - 日経スペシャル カンブリア宮殿~村上龍の経済トークライブ~ テレビ東京
インターネットでの活動
JMM (ジャパン・メール・メディア)
1999年から始まった村上龍が編集長を務めるメールマガジン。2005年10月31日現在、発行部数約13万部。特に経済分野に関して比重が大きい。執筆者は、冷泉彰彦、春具、アン・ヨンヒなど。書籍化もされている。 月曜日の配信は、『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』と題して、一週間前に出された村上からの質問に対する専門家の回答と、村上からの新たな質問が提示される構成となっている。これがJMMにおいて編集長である村上からのコメントが定期的に掲載される唯一の配信である。
RVR (Ryu's Video Report)
2006年から始まったスポーツ、韓国映画、時事問題をテーマにしたインターネットによる映像配信。
キューバ音楽との関わり
- キューバのミュージシャンの日本公演をプロデュースしている。(バンボレオ、NG・ラ・バンダ、ロス・ヴァン・ヴァンなど)また、自己レーベル MURAKAMI's を作ってNG・ラ・バンダなどのCDを発売した。
- キューバのミュージシャン「チャランガ・アバネーラ」を追った映画『ポプラル!』 (2005) でエクゼクティブ・プロデューサーを務める。作家 村上 龍に聞く(前編) - L-Cruise - 日経トレンディネット
参考文献
- 群像日本の作家29 村上龍(1998年、小学館)
- 龍が昇るとき(村上新一郎著、1977年、講談社)
- 実父の村上新一郎が息子について書いたもの。