コンテンツにスキップ

佐伯一麦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。頭痛 (会話 | 投稿記録) による 2008年4月10日 (木) 04:51個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎小説)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

佐伯 一麦(さえき かずみ、1959年7月21日 - )は宮城県仙台市生まれの小説家。本名は佐伯 亨。宮城県仙台第一高等学校卒業後、東京へ出る。電気工など様々な職業を経て、作家活動に専念。私小説の書き手として知られる。現在は郷里の仙台市に在住。

筆名の「一麦」は、敬愛する画家ゴッホが麦畑を好んで描いたことにちなむ。

来歴・人物

1959年宮城県仙台市に生まれる。宮城県仙台第一高等学校卒業後に上京、週刊誌記者、電気工などを経験したのち、1984年『木を接ぐ』で第3回海燕新人文学賞を受賞し作家デビュー。1990年、電気工時代の経験をもとに書いた作品集『ショート・サーキット』で第12回野間文芸新人賞受賞。若くして父親になってしまった青年を描く『ア・ルース・ボーイ』で翌年第4回三島由紀夫賞受賞。その後草木染め作家の女性と結婚し、10数年の都会生活を終え東北に移り住む。以降東北の町での妻との生活を描いた『遠き山に日は落ちて』で1996年、第1回木山捷平文学賞受賞、『鉄塔家族』で2004年、第31回大佛次郎賞受賞。1997年より、妻の留学に付き添いノルウェーに1年間滞在。この経験を元に書いた『ノルゲ Norge』で2007年、第6回野間文芸賞受賞。

電気工をしていた20代にアスベストの被害で肋膜炎にかかり、以後喘息の持病を抱えながら執筆を行なっている。2007年にはアスベストの被害を追ったルポルタージュ『石の肺』を刊行した[1]

作品リスト

小説

エッセイ・その他

  • 読むクラシック――音楽と私の風景(2001年)
  • 散歩歳時記(2005年)
  • 石の肺―アスベスト過を追う(2007年)
  • F.ヘルス嬢日記(1996年公開、東映ビデオ)映画原作

脚注

  1. ^ 『東京新聞』2007年4月7日 Webバックナンバー
  2. ^ 『ア・ルース・ボーイ』は奥山和由製作、小嶺麗奈主演で映画化が企画され、作品も完成していたが、奥山と製作会社の松竹との関係悪化により、公開が頓挫。1999年、仙台市の太白図書館開館記念行事の中でのみ公開。 のちに、別監督でNHKテレビドラマ版が制作、放送された(主演は前田亜季

関連項目

外部リンク