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交番

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交番の例(警視庁築地署数寄屋橋交番)

交番こうばんKOBAN、正確にはPolice box)は日本警察が設置している施設で、市街地の各所に設けられた警察官の詰め所のこと。警察署の下部機構である。人口が多いが予算上独立の所轄署を置く余裕のない市に設置され、各種申請・届出事務が可能なものを特に幹部交番と呼ぶ。(通常、交番長は巡査部長だが、幹部交番のそれは警部

かつては派出所が正式名称であったが、1994年から正式に交番と呼ばれるようになった。なお、現在も警備派出所として派出所という名称の施設は存在するが、通常の交番とは異なり、要警備諸所(各種公邸など)における警察官の詰め所的な存在である。

市街地の各所に警察官の詰め所を設けることで、周辺地域の治安の維持と住民の利便を図ろうというものである。交替で番をするところであるためこのように呼ばれる。日本の治安が良好な要因のひとつは全国の交番にあるのではないかと海外からの注目は高い。

原則として、担当警察官の交代勤務により、警察官が24時間常駐している。しかし、警察官が減少しているため、一定時間のみ警察官が滞在する交番や、警察官を配置せずにテレビ電話を置いただけの無人交番も運用されている。このことで、暴漢から交番に逃れたものの無人で、結局暴行を受けた、などの事件も発生しており、今後の課題となっている。

交番は、地域のパトロール担当の警察官が常駐するところであるだけでなく、緊急事態のときには警察官の出動依頼も可能である。110番電話よりも最寄の交番に電話をかける方が警察官の現場到着が早い場合もある。その他、管轄地域内で起こった事件、事故、盗難などの報告などが可能である。また、交番には付近の地図が掲示されており、日常的に付近のパトロールを行う警察官は近所の地理に詳しいため、交番で道を尋ねる風景はよく見られる。また、交通量の多い交差点に面して設置されている交番では、交通の監視の機能をもたせ、スピーカーを通して注意を促したりする場合もある。

総務省による警察に対するアンケート調査の結果、『交番にはいつも警察官が常駐していて欲しい、いつもパトロールして欲しい」との相反する要望がある。この国民の要望に応えるため平成15年8月から福岡県警察は全国に先駆けて交番、駐在所の再編を行い交番の大型化等を実施して治安の回復など一定の成果をあげている。