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2005-2006シーズンのNBA

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2005-2006シーズンのNBAは、アメリカ男子プロバスケットボールリーグNBAの60回目のシーズンである。2005年11月1日から始まり、2006年6月20日には全日程が終了した。

シーズン前

ドラフト

ミルウォーキー・バックスから全体1位指名を受けたのは、オーストラリア人アンドリュー・ボーガット。またこの年のNCAAトーナメントを制覇したノースカロライナ大学の主力メンバー4人が1巡目指名を受けた。またデロン・ウィリアムスクリス・ポールなど、有能なポイントガードが多かったことも特徴。

 詳細は2005年のNBAドラフトを参照

主な移籍

その他

レギュラーシーズン

オールスター

2006年のNBAオールスターゲームラスベガスで開催され、122-120でイーストチームが勝利した。MVPには歴代最年少でレブロン・ジェームズが選ばれた。

シーズン中の主な移籍

イースタン・カンファレンス

# アトランティック・デビジョン セントラル・デビジョン サウスイースト・デビジョン
チーム 勝敗 チーム 勝敗 チーム 勝敗
1 ニュージャージー・ネッツ 49-33 デトロイト・ピストンズ 64-18 マイアミ・ヒート 52-30
2 フィラデルフィア・76ers 38-44 クリーブランド・キャバリアーズ 50-32 ワシントン・ウィザーズ 42-40
3 ボストン・セルティックス 33-49 インディアナ・ペイサーズ 41-41 オーランド・マジック 36-46
4 トロント・ラプターズ 33-49 シカゴ・ブルズ 41-41 シャーロット・ボブキャッツ 26-56
5 ニューヨーク・ニックス 23-59 ミルウォーキー・バックス 40-42 アトランタ・ホークス 26-56
  • ピストンズは一時は70勝ペースで勝ち続け、リーグ1位の勝率を収めた。プロ入り3年目のレブロン・ジェームスが率いるキャバリアーズも大きく勝率を伸ばし、7シーズンぶりのプレーオフ進出を果たした。セントラル・デビジョンからは5チーム全てがプレーオフ進出を果たしている。
  • 一方アトランティック・デビジョンは地区優勝のネッツ以外の全4チームは全て勝率5割以下でプレーオフ進出を逃しており、リーグ最弱デビジョンのレッテルを貼られるようになる。前シーズン地区優勝のセルティックスは、オフに流出したアントワン・ウォーカーらベテラン勢の穴を埋めることができず、76ersもアレン・アイバーソンクリス・ウェバーのワンツーパンチは不発に終わった。シーズン中に大胆な補強を行ったニックスも、その甲斐なくカンファレス最下位に沈んだ。
  • オフに多数のベテランを獲得したヒートは、前半シャキール・オニールの故障などによる苦戦を強いられたが、後半になると追い上げを見せ、2シーズン連続で地区優勝を果たした。

ウェスタン・カンファレンス

# ノースウェスト・デビジョン パシフィック・でビジョン サウスウェスト・デビジョン
チーム 勝敗 チーム 勝敗 チーム 勝敗
1 デンバー・ナゲッツ 44-38 フェニックス・サンズ 54-28 サンアントニオ・スパーズ 63-19
2 ユタ・ジャズ 41-41 ロサンゼルス・クリッパーズ 47-35 ダラス・マーベリックス 60-22
3 シアトル・スーパーソニックス 35-47 ロサンゼルス・レイカーズ 45-37 メンフィス・グリズリーズ 49-33
4 ミネソタ・ティンバーウルブズ 33-59 サクラメント・キングス 44-38 ニューオリンズ・ホーネッツ 38-44
5 ポートランド・トレイルブレイザーズ 21-61 ゴールデンステート・ウォリアーズ 38-44 ヒューストン・ロケッツ 34-48
  • 前シーズンチャンピオンのスパーズは、大黒柱のティム・ダンカンが故障に苦しみながらも、トニー・パーカーエマニュエル・ジノビリらガードコンビの活躍で、チーム記録となる63勝を記録。前評判は決して高くなかったマーベリックスも前シーズンからHCを務めるエイブリー・ジョンソンのもとディフェンスを強化し、カンファレンス2位の成績を収めた。ロケッツはトレーシー・マグレディ姚明が相次いで故障に見舞われ、地区最下位に沈んだ。
  • オフの戦力流出で苦戦が予想されたサンズは、さらにエースセンターのアマレ・スタウダマイアーがシーズンをほぼ全休するという非常事態に追い込まれたが、前シーズンMVPのスティーブ・ナッシュショーン・マリオンを中心に奮闘し、2シーズン連続で地区優勝を果たした。
  • クリッパーズは8シーズンぶりのプレーオフ進出。47勝35敗は1970年代以来の高勝率だった。前シーズンにシャキール・オニールの放出で11シーズンぶりにプレーオフ進出を逃したレイカーズもプレーオフに復帰。

その他

個人スタッツリーダー

# 得点 リバウンド アシスト スティール
選手名 avg 選手名 avg 選手名 avg 選手名 avg
1 コービー・ブライアント LAL 35.4 ケビン・ガーネット MIL 12.7 スティーブ・ナッシュ PHO 10.5 ジェラルド・ウォーレス CHA 2.51
2 アレン・アイバーソン PHI 33.0 ドワイト・ハワード ORL 12.5 バロン・デイビス GSW 8.9 ブレビン・ナイト CHA 2.28
3 レブロン・ジェームズ CLE 31.4 ショーン・マリオン PHO 11.8 ブレビン・ナイト CHA 8.8 クリス・ポール NOH 2.24
  • コービー・ブライアントは初の得点王を獲得。平均35得点オーバーは1987-1988シーズンのマイケル・ジョーダン以来となる高水準だった。アレン・アイバーソン、レブロン・ジェームズも共にキャリアハイとなる高得点を記録し、レベルの高い得点王レースとなった。
  • ケビン・ガーネットは3年連続、スティーブ・ナッシュは2年連続の栄冠。
  • ジェラルド・ウォーレスのスティール王獲得は、シャーロット・ボブキャッツのチーム史上初のスタッツリーダー。


# ブロックショット FG成功率 3P成功率 FT成功率
選手名 avg 選手名 % 選手名 % 選手名 %
1 マーカス・キャンビー DEN 3.29 シャキール・オニール MIA 60.0 リチャード・ハミルトン DET 45.8 スティーブ・ナッシュ PHX 92.1
2 アンドレイ・キリレンコ UTA 3.19 エディ・カリー NYN 56.3 ティロン・ルー ATL 45.7 ペジャ・ストヤコヴィッチ IND 91.5
3 アロンゾ・モーニング MIA 2.66 トニー・パーカー SAS 54.8 リアンドロ・バルボサ PHO 44.4 レイ・アレン SEA 90.3

個人タイトル

  • オールNBAチーム
ファーストチーム セカンドチーム サードチーム
F レブロン・ジェームズ CLE エルトン・ブランド LAC カーメロ・アンソニー DEN
F ダーク・ノビツキー DAL ティム・ダンカン SAS ショーン・マリオン PHO
C シャキール・オニール LAL ベン・ウォレス DET 姚明 HOU
G スティーブ・ナッシュ PHO チャンシー・ビラップス DET アレン・アイバーソン PHI
G コービー・ブライアント LAL ドウェイン・ウェイド MIA ギルバート・アリナス WAS

※ティム・ダンカンがNBA入り以来8シーズン連続で続けてきたファーストチーム入りを初めて逃す。レブロン・ジェームズは初のファーストチーム入り。エルトン・ブランド、カーメロ・アンソニーは初のオールNBAチーム入り。

  • オールディフェンシブチーム
ファーストチーム セカンドチーム
ブルース・ボウエン SAS ティム・ダンカン SAS
ベン・ウォレス DET チャンシー・ビラップス DET
アンドレイ・キリレンコ UTA ケビン・ガーネット MIN
ロン・アーテスト SAC マーカス・キャンビー DEB
コービー・ブライアント LAL テイショーン・プリンス DET
ジェイソン・キッド NJN


イースタン・カンファレンス

ファーストラウンド カンファレンスセミファイナル カンファレンスファイナル
         
1 デトロイト・ピストンズ 4
8 ミルウォーキー・バックス 1
1 ピストンズ 4
4 キャバリアーズ 3
5 ワシントン・ウィザーズ 2
4 クリーブランド・キャバリアーズ 4
1 ピストンズ 2
2 ヒート 4
3 ニュージャージー・ネッツ 4
6 インディアナ・ペイサーズ 2
3 ネッツ 2
2 ヒート 4
7 シカゴ・ブルズ 2
2 マイアミ・ヒート 4
  • キャバリアーズのレブロン・ジェームズは初のプレーオフ初戦でいきなりトリプルダブルを達成。カンファレンス準決勝では上位シードのピストンズ相手に先にシリーズ王手を掛けるなど活躍した。
  • レギュラーシーズン1位の勝率を収めたピストンズは、カンファレンス準決勝でまさかの苦戦を強いられながらもカンファレンス決勝に進出。しかしここでも苦戦は続き、ついにはヒートの軍門に降ってしまう。ヒートはチーム史上初となるファイナル進出となった。エースガードのドウェイン・ウェイドはシリーズ後半には風邪による体調不良に悩まされ、試合の合間に点滴を受けながらのプレイだったが、シリーズ平均26.7得点の大活躍だった。

ウェスタン・カンファレンス

ファーストラウンド カンファレンスセミファイナル カンファレンスファイナル
         
1 サンアントニオ・スパーズ 4
8 サクラメント・キングス 2
1 スパーズ 3
4 マーベリックス 4
5 メンフィス・グリズリーズ 0
4 ダラス・マーベリックス 4
4 マーベリックス 4
2 サンズ 2
3 デンバー・ナゲッツ 1
6 ロサンゼルス・クリッパーズ 4
6 クリッパーズ 3
2 サンズ 4
7 ロサンゼルス・レイカーズ 3
2 フェニックス・サンズ 4
  • グリズリーズはプレーオフ初勝利を飾れず3シーズン連続でスイープによる初戦敗退。
  • 第3シードのナゲッツはカーメロ・アンソニーがシリーズを通して抑えられ、クリッパーズにアップセットを喫した。クリッパーズはバッファローから移転して以来初めてプレイオフ1回戦を突破した。
  • サンズ対レイカーズのシリーズ第4戦では、コービー・ブライアントが第4クォーター終了間際に同点ブザービーターを決めると、今度はオーバータイムで逆転ブザービーターを沈め、劇的な勝利を収めた。苦しみながらもレイカーズを退けたサンズは、カンファレンス準決勝でも同じロサンゼルスに本拠地を置くクリッパーズにも4勝3敗と僅差で勝利し、2シーズン連続でカンファレンス決勝に駒を進めた。
  • カンファレンス準決勝でスパーズとマーベリックスが早々に対戦。カンファレンス勝率1位2位のチームが準決勝で当たるという不公平が生じ、翌シーズンよりプレーオフシード権のシステムが修正された。 詳細はNBAプレイオフを参照。
  • ライバルチーム同士であるスパーズ対マーベリックスのシリーズは、今プレーオフの中で最も激しい戦いとなった。第7戦までもつれた末、マーベリックスのダーク・ノビツキーが第4クォーター残り23秒に執念の3点プレイを決めて同点。オーバータイムを制したマーベリックスが、カンファレンス決勝に進出。サンズにも勝利し、ついにチーム史上初となるファイナル進出を果たした。


第1戦 第2戦 第3戦 第4戦 第5戦 第6戦 勝敗
マイアミ・ヒート 80 85 98 98 101 95 4-2
ダラス・マーベリックス 90 90 96 74 100 92 2-4
  • 互いに初優勝を賭けたファイナルは、レギュラーシーズンの勝率で上回るマーベリックスが有利と予想された。その予想通りマーベリックスのホームコートで行われた第1戦、第2戦はマーベリックスが制した。
  • しかしヒートのホームコートに移った第3戦ではウェイドが42得点の活躍。試合終了間際にダーク・ノビツキーが同点に繋がるフリースロー2本を得てたが、内1本を外してしまい、ヒートが逃げ切った。続く第4戦もウェイドは36得点。一方のマーベリックスは第4クォーターに大ブレーキが掛かり、僅か7得点しかあげられず、マーべリックスはファイナル史上クォーター最低得点という不名誉な記録を作るとともに、シリーズを2勝2敗のタイに戻された。
  • マーベリックスのホームに戻った第5戦でもウェイドは爆発。46得点をあげるとともに、フリースロー成功数21本というファイナル記録を作った。試合時間残り1.9秒で100-99でマーベリックスがリード。フリースローを得たウェイドは1本目を難なく沈めて土壇場で同点とするが、ここでマーベリックスのジョシュ・ハワードがチームに残った最後のタイムアウトを請求してしまうという痛恨のミスを犯してしまう。これでマーベリックスはミッドコートからスローインする権利を自ら放棄してしまった。騒然とするアリーナの中で、ウェイドは冷静に2本目のフリースローを沈めて101-100とついに逆転。自チームのゴール下からのスローインを余儀なくされたマーベリックスに、1.9秒はあっという間に過ぎ、2連敗から3連勝したヒートがシリーズに王手を掛けた。
  • もはやマーベリックスにヒートのエースを止める術は無く、第6戦でもウェイドは36得点。95-92でヒートが勝利し、ついにファイナル制覇を決めた。
  • ファイナルMVPはファイナル中平均34.7得点をあげたウェイドが文句なしの受賞。シャキール・オニールは自身4つ目のチャンピオンリングを獲得した。ヒートの優勝はアロンゾ・モーニングゲイリー・ペイトンら多くのベテランに、初めての優勝をもたらした。

引退した主な選手

2005-2006シーズンが事実上のラストシーズンとなっている選手。

外部リンク