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備中手延べ麺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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備中うどんとは、鴨方うどん備中鴨方うどんかも川うどん等とも呼ばれ、岡山県浅口市鴨方町およびその周辺部で生産されるうどんで、手延べうどんである。

「備中うどん」は、うどんの食べ方・調理法の事を指しているのではなく、麺の事を指しており、食べ方や調理法は様々なものにできる。

歴史

古書に吉備国に「麦切」というものがあり、朝廷に特産品として献上したという記録があり、少なくとも9世紀頃には吉備地方でうどんやそうめんの原型のようなものが作られていた。

岡山・香川・兵庫(播磨)は古くから小麦の産地で、後に「三県物」とも呼ばれるようにまでなった。温暖・少雨という気候風土が良質な小麦栽培および製麺業に適していたといわれる。さらには良質な塩が瀬戸内地区で生産されていたのも製麺業が発達した要素であるといわれる。

江戸時代後期になると、浅口郡口林村(現里庄町)の原田敬助という人物が、播州よりそうめん職人を招聘し、小坂東村(現在の浅口市鴨方町小坂東)の杉谷川に水車を建設し製麺業を始めた。これが現在の備中手延麺の始まりであり、そうめん・ひやむぎ等とともにうどんも製造された。浅口市北部にそびえる遥照山などから流れる鴨川などの清流の水が製麺業に適していたとされる。

特徴

そうめん、ひやむぎとともに、全て手延べ方式で製造される。

讃岐うどんなどの手打ちうどんに比べると麺は細目である。

食感は軟質で弾力があり、適度なコシを保ちつつ喉越しの良さを持っている。

讃岐の男うどん、備中の女うどん

備中うどんは、前項の様な特徴があるのに対し、瀬戸内海対岸でうどんの名産地の代表格である讃岐うどんは、麺が太めで硬質な弾力を持つ力強いコシ画特徴である事から、両者を比較して讃岐の男うどん、備中の女うどんという言葉も生まれたという。

流通

乾麺が多いが半生麺も売られており、袋入りおよび、箱入りで販売されている。 スーパーやみやげもの店等の小売店で売られており、岡山県内の店ならば大体の店で扱っている。

また、インターネット等の通信販売や製麺所での直売を行っているところもある。

その他特筆すべき事項

  • 手延うどんの生産額は全国一位。
  • 岡山県内のうどん店では店内で製造不可能なため備中うどんが使用されておらず、讃岐風の手打ち麺が使用されている事が多い。しかし、一般家庭では今も備中手延うどんがよく食べられており、県内(特に中南部から西南部)のスーパーではどの店も必ずある程度の品数を揃えている。また、乾麺であるためストックを常備している家庭も多い。
  • 岡山県内(特に中南部から西南部)では御中元御歳暮などの贈答品の定番の一つとして定着している。そうめんやひやむぎなどの他の備中手延麺と組み合わせたりもする。

関連項目

出典