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ニミッツ級航空母艦

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ニミッツ級航空母艦
USS Nimitz CVN-68
艦級概観
艦種 航空母艦
艦名 海軍功労者。一番艦はチェスター・ニミッツ元帥に因む。
前級 エンタープライズ級航空母艦
次級 ジェラルド・R・フォード
建造所 ニューポート・ニューズ造船所バージニア州ニューポート・ニューズ
建造費 各45億ドル
性能諸元
排水量 基準 81,600 トン
満載 98,500トン~105,500トン以上
全長 333m (1,092 ft)
全幅 船体幅:41m(134 ft)
発着甲板幅:76.8m(252 ft)
吃水 11.3m~12.5m
機関 A4W原子炉2基、4軸
最大速力 速度:30+ノット(56+km/h)--1999年6月、米海軍は公にこれらの試験速力を公表した。
ニミッツ:31.5ノット(58.3km/h)
セオドア・ルーズベルト:31.3ノット(58.0km/h)
ハリー・S・トルーマン:30.9ノット(57.2km/h)
航続距離
乗員 3,200名 - 航空団:2,480名
兵装 シースパロー8連装発射筒:2あるいは3
・20mmファランクスCIWS:ニミッツとドワイト・D・アイゼンハワー3、ヴィンソン以降4
RIM-116 ローリング・エアフレーム・ミサイル:ニミッツとロナルド・レーガンが2
搭載機 F/A-18E/F 48機
F/A-18C/D 24機
E-2C 4~5機
EA-6B 4~5機
SH-60 6~12機
S-3 5機
総計85~90機

ニミッツ級航空母艦(ニミッツきゅうこうくうぼかん、Nimitz class aircraft carrier)は、アメリカ合衆国が開発した原子力空母。世界最初の量産原子力空母でもある。2007年現在、9隻が就役しており、5番艦以降は満載排水量が10万トンを超え、世界最大の軍艦となっている。艦名は歴代大統領並びにアメリカ海軍に対する功労者の名前から採られている。

概要

1番艦ニミッツは1975年に就役した。同級最後の10番艦、ジョージ・H・W・ブッシュはノースロップ・グラマン社のニューポート・ニューズ造船所で建造され2008年に就役予定で2007年現在艤装工事中。ジョージ・H・W・ブッシュは2007年に建造が開始される新型空母(CVN-21級)への移行艦となり、新型多機能レーダー・システム、ボリューム探索レーダーおよびオープン・アーキテクチャ情報ネットワークを含む新技術の実装および乗組員数の削減を具体化している。

ニミッツ級の形態は、それまでのアメリカ海軍空母の集大成となっており、エンクローズド・バウやアングルド・デッキ、舷側エレベーターが装備されている。原子力機関であるため、機関の排気口はない。また、原子炉が効率化されたため、搭載炉の数がエンタープライズの8基から2基に減らされている。

最初の三隻(ニミッツ、アイゼンハワーおよびヴィンソン)と後の七隻(セオドア・ルーズベルト以降)には一部構造に差異があり、アメリカ海軍は公式にはクラス分けしていないが、後の七隻は非公式にセオドア・ルーズベルト級航空母艦とも呼ばれる。

ニミッツは1998年、バージニア州ニューポート・ニューズ、ニューポート・ニューズ造船所で33か月燃料を補給する複雑なオーバーホールを最初に実施した。

日本では2005年末に、横須賀基地第7艦隊に6番艦のジョージ・ワシントン(USS George Washington, CVN-73)が配備されるとの報道があり議論を呼んだ。

ライフサイクル

米海軍では航空母艦の寿命を45年から50年程度を想定している(出典:アメリカ合衆国会計検査院1998年 通常動力と原子力の空母のコスト比較)[1] この間、艦載機は2回から3回世代交代すると考えられる。(出典:軍事研究2007年8月号別冊21世紀の原子力空母)

ニミッツ級原子力空母のライフサイクル
艦名 発注 起工 進水 就役 退役  建造期間(月、起工-就役)
ニミッツ (USS Nimitz, CVN-68) 1967年3月31日 1968年6月22日 1972年5月13日 1975年5月3日 2033年を想定 82ヶ月
ドワイト・D・アイゼンハワー (USS Dwight D. Eisenhower, CVN-69) (1970年5月25日命名) 1970年8月15日 1975年10月11日 1977年10月18日 不明 86ヶ月
カール・ヴィンソン (USS Carl Vinson, CVN-70) 1974年4月5日 1975年10月11日 1980年3月15日 1982年3月13日 未定 77ヶ月
セオドア・ルーズベルト (USS Theodore Roosevelt, CVN-71) 1980年9月30日 1981年10月31日 1984年10月27日 1986年10月25日 未定 60ヶ月
エイブラハム・リンカーン (USS Abraham Lincoln, CVN-72) 1982年12月27日 1984年11月3日 1988年2月13日 1989年11月11日 未定 60ヶ月
ジョージ・ワシントン (USS George Washington, CVN-73) 1982年12月27日 1986年8月25日 1990年7月21日 1992年7月4日 未定 70ヶ月
ジョン・C・ステニス (USS John C. Stennis, CVN-74) 不明 1991年3月13日 1993年11月11日 1995年12月9日 未定 57ヶ月
ハリー・S・トルーマン (USS Harry S. Truman, CVN-75) 1988年6月30日 1993年11月29日 1996年9月7日 1998年7月25日 未定 56ヶ月
ロナルド・レーガン (USS Ronald Reagan, CVN-76) 1994年12月8日 1998年2月12日 2001年3月4日 2003年7月12日 未定 65ヶ月
ジョージ・H・W・ブッシュ (USS George H. W. Bush, CVN-77) 2001年1月26日 2003年9月6日 2006年10月9日 2008年予定 未定 K.A.

同型艦

登場作品

  • ファイナル・カウントダウン - 1980年。米海軍の全面協力の下1979年当時のニミッツがCVW-8と共に出演。
  • 沈黙の艦隊
  • エネミー・ライン - 2002年。カール・ヴィンソンが登場。
  • トータル・フィアーズ - 2002年。ジョン・C・ステニスが米露の大戦勃発の引き金として、裏切り将校の命令を受けたロシア軍Tu-22Mから攻撃を受ける、沈没はまぬがれるが大破/甲板が使用不能となる。
  • ステルス - 2005年。エイブラハム・リンカーンがステルス機の母艦として登場。ストーリー上ではリンカーンだが、スケジュールの関係でカール・ヴィンソンやニミッツで撮影された。

関連項目

脚注

  1. ^ Cost-Effectiveness of Conventionally and Nuclear-Powered Aircraft Carriers, www.fas.org(英語)

外部リンク

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