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マゼラアタック

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マゼラアタックMAGELLA-ATTACK, MAZELLA ATTACK)はアニメ機動戦士ガンダム」を始めとする「ガンダムシリーズ」のうち、宇宙世紀を舞台とする作品に登場する架空の兵器ジオン公国が開発した大型戦車である。近藤和久の漫画作品では「マゼランアタック」ともなっているが正式名称はこちらである。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


機体概要

マゼラアタックはジオン公国軍の地球降下作戦に先立ち、高価で量を揃えることが難しいモビルスーツを補う兵器として、他の陸上・航空兵器と共に開発された。地球連邦軍の61式戦車と比較して、新技術を組み込んでいる分安定性に欠けるが、戦術や環境によってはザクに匹敵する戦果を出しうる。

本車は公国軍M1戦車、M1E戦車をベースとして開発されたもので、エンジンはガスタービンである。元々は走行装置をホバークラフトとする予定であり、「HT-01」の名で計画されたが失敗に終わり、通常の装軌式戦車「HT-01B」として開発・製造が続けられた。型式番号の「HT」(ホバータンク)はその名残である。

武装は砲塔に装備された主砲(175mm無反動砲)と車体に装備された3連装35ミリ機関砲。マゼラアタックは車体部(マゼラベース)とVTOL機能を持つ砲塔部(マゼラトップ)からなり、砲塔部を一時的に飛行させることが可能である。空中に浮遊した状態での射撃も可能であるが、不安定で命中精度は低く、一度分離すると現地での再接続はできず、飛行時間も当然短いので、戦車としてはあまり価値のない機構である。が、その機構を駆使してガンダムを追い詰めたこともあった。

改造例として、分離機能の使用をやめ、マゼラトップのコックピット部にカメラセンサーを据え付けたものや、対空戦車に改装された「マゼラフラック」、自走迫撃砲「マゼラベルファー」、マゼラトップの砲塔部をザクの携行兵器としたマゼラトップ砲。マゼラベースにザクの上半身を乗せた作業用モビルスーツ(ザクタンク)も存在している。

諸元

  • 形式番号:HT-01B
  • 全長:12.5m
  • 全高:6.8m
  • 本体重量:95.0t
  • 主機関:ガスタービン
  • 装甲材質:ゾディアック合金及び強化カーボンファイバー複合装甲
  • 兵装
    • 175mm無反動砲1門
    • 33mm3連機関砲1基
  • 開発元:ダロテック・コマンド・システム社

劇中での活躍

機動戦士ガンダム』では主に物語序盤に登場。ガルマ・ザビ大佐率いるドップやザク等とともにガンダムやホワイトベースに攻撃を仕掛けた。しかし、結局はほぼ一方的に撃破されるだけのやられ役で、MSの通常兵器に対する優越性を攻守を入れ替えて再現しただけに終わった。また、マ・クベ軍でも多数使用され、オデッサ作戦では連邦軍の61式戦車隊と激戦を展開した。マゼラトップやマゼラトップ砲はランバ・ラル隊の貴重な戦力としても流用されている。特にタチ中尉がザクの携行兵器に改造したマゼラトップ砲は、後付け設定でザクの正式装備に「昇格」している。

OVA作品『機動戦士ガンダム第08MS小隊』では、第9話に登場。オデッサで敗退し、撤退するジオン軍部隊のための時間稼ぎとして、ボーン・アブスト大尉率いる3機のマゼラアタックが主人公らの第08小隊に対し待ち伏せ攻撃を行った。(この際、車体を塹壕に隠し砲塔だけを出し、周囲にスクラップを散らして金属反応をごまかしている。)結果、HEAT弾により陸戦型ガンダム一機の脚部を損傷させ、逆に一機を撃破されるも戦死者は無く、作戦の目的を見事に果たした。

設定の変遷

TV放映当時、マゼラアタックにはカタログデータなどの具体的な公式設定は存在せず、上記の詳細な設定のほとんどはムックや模型、漫画での(主に戦車マニアによる)非公式設定の寄せ集めである。このうち、火砲の口径や射程などは1981年のムック『ガンダムセンチュリー』、ザクタンクの設定は雑誌『コミックボンボン』が初出である(ザクタンク自体が、当時同誌で行われていたプラモ改造企画から生まれた)。ただし、『第08MS小隊』劇中の描写により、マゼラベース部が無人でトップの乗員一人で運用できること、使用する砲弾が成型炸薬弾(HEAT)と翼安定型装弾筒付徹甲弾(APFSDS弾)であることがわかっている。

関連項目