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ハンス・ロスリング

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TEDでプレゼンテーションをするハンス・ロスリング

ハンス・ロスリング(Hans Rosling, 1948年 -)は、スウェーデンウプサラ市出身の医師、公衆衛生学者。カロリンスカ研究所の国際保健学の教授および、スウェーデンストックホルムに拠点を置くギャップマインダー財団のディレクターを務める。

詳細

経歴

1967年から1974年ウプサラ大学で統計学と医学を学び、1972年インドバンガロールセント・ジョン医科大学で公衆衛生学を学んだ。医師免許を取得後、1976年から1979年の間、モザンビーク北部のナカラで医師として働いた。

1981年8月21日、これまで知られていなかった麻痺を来たす疾患のアウトブレイクを発見し、その後行った調査によって、1986年、ウプサラ大学から博士号を授与された。その後、20年間をアフリカの僻地におけるこの疾患のアウトブレイクの研究に費やし、10名の博士課程の学生を指導した。ロスリングの研究グループは、この新しい疾患を最初に感染集団が発生した地名にちなんでコンゾ(英:Konzo)と名づけられた。彼は、アウトブレイクは飢餓にさらされている充分に処理されていないキャッサバを主食としているアフリカの地方の人口集団で起こっており、栄養不良とシアン化物の高濃度摂取がその原因であると結論付けている[1]

ロスリングは、その他、アフリカ、アジア、ラテンアメリカ地域における経済開発、農業、貧困、健康の間にみられる関係性に焦点をあてた研究も行っている。WHOユニセフ、その他の援助機関で保健アドバイザーを務めたこともある。1993年、スウェーデンにおける国境なき医師団を共同で設立し、2005年からスウェーデン王立科学アカデミーの国際グループのメンバーの一人として活躍している。また2001年から2007年までは、カロリンスカ研究所の国際保健部門(IHCAR)[2]部長を務め、カロリンスカ国際研究・トレーニング委員会の委員長(1998年-2004年)として、アジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカの大学との共同研究をスタートさせた。グローバル・ヘルスに関する新たなコースを開始するとともに、グローバル・ヘルスの教科書を共同執筆し、「事実に基づいた世界観(fact-based world view)」の考え方を促進している。

ギャップマインダー財団

彼は、息子であるオーラ・ロスリング、その妻のアンナ・ロスリングとともにギャップマインダー財団(英:Gapminder Foundation)を設立した。ギャップマインダー財団は、自由にアクセスできる公共統計の利用と理解を高めることにより”事実に基づいた世界観”を促進することを目的として、国際統計を動的でインタラクティブで楽しめるグラフィックに変換するソフトウェア”Trendalyzer”を開発した。彼は、2006年2007年と、カリフォルニア州モンテレーで開催されたTEDカンファレンスにおいて、Trendelyzerのグラフィックを用いて世界の開発視覚化するトークを行い[3]、ユーモラスだが極めて真剣であるとして賞を受賞している。この際使用されたインタラクティブアニメーションは、財団のウェブサイト[4]から自由に利用できる。

2007年3月、米グーグルは、ソフトウェア”Trendalyzer”をスケールアップし、一般の統計においても自由に利用できるようにするという目的で買収を行った。Trendelyzerは、現在Googleドキュメントスプレッドシートで「モーショングラフ」ガジェットとして利用可能である[5]

ロスリングは、また剣飲み達人(英:sword swallower)でもある。(TED2007のロスリングのトークの最後の数分を参照)。

業績

  • Lindstrand A, Bergtröm S, Rosling H, Rubensson B, Stenson B, Tylleskär T (2006). GLOBAL HEALTH an introductory textbook Lund: Studentlitteratur ISBN 978-91-44-02198-0
  • Onabolu AO, Oluwole OS, Bokanga M, Rosling H (2001). Ecological variation of intake of cassava food and dietary cyanide load in Nigerian communities. Public Health Nutrition. 4(4): 871-6

受賞歴

外部リンク