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京福電気鉄道デオ600形電車

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山中を行くデオ603-デオ604

デオ600形電車(でお600がたでんしゃ)は、叡山電鉄鉄道車両1979年1980年にかけて、デナ500形の下回りを流用して製造(名目上は代替新製)された。集電装置は当初よりパンタグラフである。

概要

メーカーは武庫川車両電気ブレーキの取付も行われ、二軒茶屋駅より先の急勾配路線に入線できるようになった。デオ300形の経験から車体長は15.0mに抑えられ、以後の叡電車両の標準となった。車体はデオ300形類似であるがより角ばったものとなり、正面貫通扉上に2つ並んだ小型のヘッドライトと、屋根上に並んだグローブ型ベンチレーターが特徴である。

連結器はそれまでの車両の(並形)自動連結器から密着自動連結器(従来車ともそのまま連結可)に変更され、その後の全営業車に普及している。台車は抱き合わせ型ブレーキ(505~510)のものが選ばれており(一時期残ったデナ500形には振り替えて使用)その関係から601~604は元阪神881形のU形イコライザーの台車、605・606は元阪神831形の弓形イコライザーの台車を履いている(台車形式は同じ)。

大型化されたこともあり当初は主に単行で使用されたが、デオ700系登場以降は2連で使用されるようになった。なお、その後も単行での使用も考慮されており、1989年(平成元年)のATS取付は全車に実施されている。今でも603・604各々の単独営業運転が可能である。

改造により冷房装置を搭載する事が難しかった為、比較的若い車齢にも関わらず「きらら号」に置き換えられる形で廃車が進み、603・604の2両のみが残存している。しかし上記の理由で定期運用に就く機会も減っていた事から2004年(平成16年)1月13日の原則全列車ワンマン運行化に際してもワンマン機器は搭載されず、イベント列車などで使われる以外は予備車の中の予備車的存在となっており、一年のうちほとんどの期間は修学院車庫に留置されたままとなっている。2008年現在、営業用車両の中では唯一、京福電鉄時代の標準色であるクリームと緑のツートンカラーに塗装された車両である。

関連項目