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プライマリ・ケア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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プライマリ・ケアはすべての患者が最初にかかる門戸として働く保健医療従事者による保健医療活動のことを指す。プライマリ・ケアはすべての医師に必要な能力とされるが、なかでもこれを専門に担う医師は、一般に循環器内科医、脳神経外科医などの臓器別専門医(スペシャリスト)と区別して、総合医(ジェネラリスト)と呼ばれる。家庭医総合診療医総合内科医General Practitioner(GP)などがこの範疇に入る。

また総合医は役割として、外来診療や在宅医療を中心とする家庭医と病院内での総合的な診療を行う病院総合診療医(ホスピタリスト;総合内科医)に分けられる。(役割としての区別であり、専門性の区別ではない。)

海外

英国におけるGPは、医学部を卒業後、4~5年のGP専門研修を受けた医師のことを指す。GPの専門研修は、3~4年間を病院で、残り1年間をコミュニティで行われる。

米国における家庭医療は、最低3年間のレジデンシー・トレーニングによって専門医認定される内科スペシャリティである。このスペシャリティは米国において伝統的な一般内科のスペシャリティと考えられる。

日本

日本では欧米とは異なり長年プライマリ・ケア医としてのスペシャリティは存在せず、開業医や一般病院の外来などで、一般の内科医、小児科医などによって提供されてきた。 近年、日本プライマリ・ケア学会が認定するプライマリ・ケア専門医、日本家庭医療学会が認定する家庭医療専門医などの資格が発足したが、ジェネラリストとしての専門性が統一されておらず、現在プライマリ・ケア関連の3学会(総合診療医学会、日本プライマリケア学会、日本家庭医療学会)が合同でジェネラリストの専門資格について検討中である。[1]

医師臨床研修制度における位置づけ

現在、医学部を卒業し、新たに医師免許を取得したほぼすべての医師が医師臨床研修制度のもとで2年間の初期臨床研修を行っている。 医師臨床研修制度では、プライマリ・ケアの基本的診療能力(態度・技能・知識)の獲得をその目標に据えている。

医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令第2条より

臨床研修は、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療にお いて頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身に付けることのできるものでなければ ならない。[2]

プライマリ・ケア領域で対応される疾患、症候には例えば、次のようなものがある:

関連事項

外部リンク

  1. ^ 総合診療関連専門医制度について(佐賀医大総合診療部)
  2. ^ 厚生労働省:医師臨床研修のページ